日本経済を支える新たな投資促進策

2024年3月29日

こんにちは！
静岡から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金＝経営革新」を発信する株式会社TOCオフィスコンサルティング／戸越裕介税理士事務所です！
本日は、「日本経済を支える新たな投資促進策」についてお話しします。

私たちの生活は、技術の進化によって大きく変わろうとしています。
その一例が、脱炭素社会への移行やデジタル技術の進化です。これらの変化を支えるには、企業による大規模な投資が必要不可欠です。
しかし、事業採算性が見込みにくい分野における投資は、民間企業にとっては大きなリスクを伴います。そこで、国は戦略的にこれらの分野における投資を促進しようとしています。

令和6年度の税制改正では、GX（グリーントランスフォーメーション）、DX（デジタルトランスフォーメーション）、経済安全保障といった戦略分野において、特に国として重要と見なされる長期投資を対象に、生産・販売量に比例して法人税額を控除する「戦略分野国内生産促進税制」が創設されました。
この新しい税制のもとでは、減税額の計算基準が従来の「投資」から「生産」へとシフトし、実際に国内で生産を行い、それが一定の成果を上げた場合に控除を受けられるようになります。

この制度の導入は、国内での生産活動を活性化させることを目的としています。例えば、電気自動車やグリーンスチール、持続可能な航空燃料（SAF）など、脱炭素社会の実現に不可欠な分野での生産が促進されれば、我が国の供給力強化につながり、中長期的な経済成長を支えることが期待されます。

また、この税制は企業にとっても大きなメリットがあります。
特に、投資後の生産活動が見込める企業にとっては、税額控除を受けることで、投資のリスクをある程度カバーすることが可能となります。さらに、措置期間を計画認定から10年間とすることで、中長期的な計画のもとで安心して投資を進めることができます。

しかし、この税制を最大限に活用するためには、一定の要件を満たす必要があります。
例えば、賃上げや設備投資の実施が要件となっており、これらは企業にとっても重要な経営の課題です。賃上げを行い、設備投資を進めることは、単に税額控除を受けるためだけではなく、企業の持続的な成長にもつながります。

このような新しい税制の導入は、企業だけでなく、日本経済全体にとっても重要な意味を持ちます。戦略分野の生産活動が促進されることで、国内経済の活性化はもちろん、国際競争力の強化にもつながるからです。特にグローバル化が進む現代においては、国内での強固な生産基盤の構築は、経済安全保障の観点からも極めて重要です。

また、この税制は、脱炭素社会やデジタル社会の実現に向けた日本の意欲を示すものとして、国際社会に対しても大きなメッセージを発信することになります。
これらの分野でのリーダーシップをとることは、日本が直面する多くの社会的、経済的課題の解決にも寄与するでしょう。

さらに、企業が賃上げや設備投資を行うことを要件としている点も注目に値します。
これにより、経済の好循環を生み出すことが期待されます。企業が投資を進め、生産を拡大することで雇用が創出され、賃金が上昇する。それが消費を促し、経済全体が活性化する。このように、単に税額控除を受けるだけでなく、経済全体にプラスの効果をもたらす仕組みが作られているのです。

しかし、この税制を活用するには、企業側がしっかりとした計画をもって投資を進める必要があります。長期的な視野に立って戦略的な投資を行うことが、税制のメリットを最大限に生かす鍵となるでしょう。また、持続可能な成長を目指すうえで、環境に配慮した投資の選択も重要です。

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じた対応については、株式会社TOCオフィスコンサルティング／戸越裕介税理士事務所にお気軽にご相談くださいませ！
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