賃上げを後押しする税制改正の光と影

2024年4月29日

こんにちは！
静岡から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金＝経営革新」を発信する株式会社TOCオフィスコンサルティング／戸越裕介税理士事務所です！
本日は、「賃上げを後押しする税制改正の光と影」について取り上げます。

皆さん、最近の物価高のニュースを見て、日々の生活に少なからず影響を感じていることでしょう。そんな中、政府は2024年度の税制改正を通じて、賃上げを促進し、国民一人ひとりの手取り額を増やすための新たな施策を打ち出しました。これは、物価高に立ち向かい、皆さんの暮らしを支えるための重要な一歩と言えるでしょう。

この改正は特に、賃上げの動きを促すために設計されており、その柱は賃上げ促進税制の強化にあります。大企業はもちろん、経済活動の大きな柱を担う中小企業に対しても、繰越控除制度の導入など、幅広い支援が用意されています。これにより、給与を増やすことへのハードルが低くなり、より多くの企業が賃上げに踏み切れる環境が整いつつあります。

改正の内容をみてみると、大企業向けには、賃上げの程度に応じて税額控除率が上乗せされるというものがあります。これは、賃上げを実施することで直接的な税金の軽減を受けられるため、大企業が賃上げのけん引役となることを期待しています。また、教育訓練費の増加や子育てサポート、女性活躍推進に向けた取り組みも、税額控除の対象として新たに加えられています。これは、単に給与を上げるだけでなく、働き方の質の向上にもつながる施策です。

中小企業に目を向けると、赤字の状況でも賃上げにチャレンジできるよう、繰越控除制度が新設されるなど、特に力を入れている点が伺えます。これまで賃上げが難しかった中小企業にとって、大きな支援となり得るでしょう。賃上げの実施による税額控除は、給与総額を増やす比率に応じて控除率が変わり、最大で45％までの控除が可能となります。

しかし、この改正がもたらす「光」の部分ばかりでなく、「影」の部分にも目を向ける必要があります。賃上げ促進税制の恩恵を受けるためには、企業側が一定の条件を満たす必要があり、これがすべての企業にとって容易ではないことも事実です。特に、小規模な事業者や、厳しい経営状況にある企業にとっては、賃上げそのものが難しい場合もあります。また、税制の恩恵を最大限に活用するためには、適切な申告や記録の管理が不可欠であり、これが追加の負担となる可能性も考えられます。

結論として、この税制改正は、多くの国民にとってポジティブな影響をもたらす可能性がありますが、その実現には企業側の積極的な取り組みと、適切な制度の理解が必要です。賃上げを通じて、より良い働き方と生活の質の向上を目指すことができるでしょう。

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じた対応については、株式会社TOCオフィスコンサルティング／戸越裕介税理士事務所にお気軽にご相談くださいませ！
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