税金滞納倒産の急増とその背景

2024年8月1日

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本日は、「税金滞納倒産の急増とその背景」について取り上げます。

皆様、経営を続ける中で税金や社会保険料の納付が大きな負担となることはありませんか？特に、最近では税金滞納が原因で倒産する企業が急増しています。今回は、その実態と背景について詳しくお話しいたします。

東京商工リサーチが発表した「税金滞納倒産調査」の結果によると、2024年1月から5月までの期間に「税金（社会保険料含む）滞納」を一因とする倒産が81件に達しました。これは前年同期比で189.2％増、つまり約2.8倍の増加です。この件数は、2015年以降で最も多かった2018年の43件の1.8倍にもなり、同期間の最多件数を更新しました。

コロナ禍の期間中、国税や地方税、社会保険料の納付猶予措置がありました。この措置は、業績が落ち込んだ企業の資金繰りを支援するものでしたが、コロナ禍が収束し従来の納付体制に戻ると、納税資金を確保できない企業が増えてきました。また、滞納した企業に対する納付催促が信用問題を引き起こし、大企業から中小・零細企業まで規模を問わず滞納が原因で倒産するケースが増加しています。

企業は法人税や消費税、事業税、社会保険料などの納付が義務付けられています。しかし、業績不振で資金繰りが厳しい企業では、これらの納付が滞ることがあります。その際、関係省庁は金融機関や取引先に取引照会通知を送付します。これにより、金融機関や取引先に税金滞納が知られることになり、取引縮小や停止、現金取引を求められるなどの風評リスクが生じます。

さらに、事業活動が制約されると、税金滞納の解消がますます困難になります。最終的には、資産が差し押さえられ、事業継続が困難になるケースもあります。税金滞納はもともと資金繰りが厳しい企業に多く見られ、コロナ禍や資材・物価高、人件費上昇などのコスト増が重なり、納税負担がさらに増しています。

産業別に見ると、建設業が最多で22件、前年同期比144.4％増です。これは資材価格の高騰や職人の人件費上昇、さらに社会保険の強制加入が影響したと考えられます。次いでサービス業他が19件、卸売業が12件と続きます。運輸業も9件で、前年同期比350.0％増と大幅に増加しています。これは、時間外労働の上限規制強化などの影響を受け、価格転嫁が難しい環境下で税金滞納が追い打ちをかけた形です。

資本金別では、1000万円以上5000万円未満の企業が最も多く43件、前年同期比207.1％増となっています。これは3年連続で前年同期を上回っており、税金滞納倒産の半数以上（53.0％）を占めています。以下、100万円以上500万円未満が18件、500万円以上1000万円未満が13件と続いています。一方、資本金1億円以上の企業では、2年ぶりに倒産が発生しませんでした。

このような状況を受け、企業経営者の皆様には、税金や社会保険料の滞納が事業に及ぼすリスクについて再認識していただくことが重要です。税金滞納は、信用問題や取引先との関係悪化、最終的には事業継続の困難につながる可能性があります。早期の対応が求められます。

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じた対応については、最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ！
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