令和5年度物納申請の減少について

2024年8月21日

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本日は、「令和5年度物納申請の減少について」取り上げます。

皆様、相続税の納税方法についてどのようにお考えでしょうか？相続税は原則として金銭で納付することが求められますが、財産課税という特性上、金銭納付が難しい場合には、一定の相続財産を物納することが認められています。しかし、令和5年度の物納申請件数が大幅に減少したことが国税庁の発表で明らかになりました。今回は、その背景や影響について詳しく見ていきたいと思います。

国税庁がまとめた令和5年度相続税の物納申請状況によると、今年3月までの1年間に行われた物納申請はわずか25件で、前年度から37件、約56％減少しました。金額においても、53億円で前年度から42％、38億円の減少となり、件数・金額ともに大幅な減少が見られました。

物納申請件数の変動には、過去の経済状況が大きく影響しています。バブル崩壊後の平成2年度以降、地価の下落や土地取引の停滞などの影響を受けて物納申請件数は急増しました。バブル期には地価が急騰し、その後の急落によって路線価が地価を上回る逆転現象が発生しました。これにより、土地を売却することが困難となり、物納申請が急増しました。平成2年度には1238件、3年度には3871件、そして4年度には1万2000件を超える申請が行われました。

しかし、その後の経済安定期に入り、相続税の納税対策が進むにつれて物納申請件数は減少傾向にあります。特に、平成11年度以降は事前に相続税額を試算し、納税準備を行う納税者が増加したことから、物納申請の必要性が減少しました。令和5年度の物納申請件数は、ここ7年間で百件を下回っており、令和29年度の68件を除けば、安定的に低い水準に留まっています。ピーク時である平成4年度の1万2778件と比べると、令和5年度の申請件数はわずか0.002％に過ぎず、金額においても同様に大幅な減少が見られます。

一方で、物納申請の処理状況も注目すべき点です。前年度からの処理未済を含め、令和5年度の処理件数は25件であり、前年度から37件減少しました。処理金額は54億円で、前年度から52億円減少しています。年度末での処理未済件数は15件で、前年度から2件減少、金額も7億円で前年度とほぼ横ばいでした。処理の内訳としては、全体の約64％である16件が許可され、財務局へ引き渡されました。一方で、物納財産として不適格とされた4件が却下され、残りの5件は納税者自身が物納申請を取り下げました。

物納申請の減少は、納税者が事前に相続税の納税対策を行い、適切な資金準備を行っていることを示しています。また、物納財産としての適格性が厳しく審査されていることから、不適格と判断されるケースも少なくありません。納税者が物納申請を取り下げるケースも多く、納税方法の選択に慎重さが求められています。

私たち最高のIT税理士法人では、相続税の納税対策についても専門的なアドバイスを提供しております。物納申請に関するご相談や相続税の納税方法についてお困りの方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。専門知識と豊富な経験を持つスタッフが、皆様の相続に関する課題解決を全力でサポートいたします。

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じた対応については、最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ！
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