青色申告書提出法人の欠損金の繰戻還付について

2024年8月27日

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本日は、「青色申告書提出法人の欠損金の繰戻還付について」について取り上げます。

青色申告書を提出されている法人様にとって、経営状況が厳しい年には特に注目していただきたい制度があります。それが「欠損金の繰戻しによる還付制度」です。この制度は、前年に黒字だった法人が、今年度に赤字に陥った場合、前年に納めた法人税の一部を還付してもらうことができるというものです。具体的には、青色申告書で確定申告を行った事業年度に欠損金額が生じた場合、その欠損金額を事業年度開始日前１年以内に開始したいずれかの事業年度に繰り戻すことができ、これにより法人税額の還付を請求することが可能となります。

この制度の適用対象は、中小企業者等以外の法人に対しても限定的に認められています。例えば、2022年4月1日から2026年3月31日までの間に終了する各事業年度において生じた欠損金額については原則として適用されませんが、いくつかの例外があります。具体的には、(1)清算中に終了する各事業年度の欠損金額、(2)解散等の事実が生じた場合の欠損金額、(3)災害損失欠損金額の欠損金額については、この制度を適用することができます。

では、中小企業者等とは具体的にどのような法人を指すのでしょうか。普通法人のうち、各事業年度終了の時において資本金の額もしくは出資金の額が1億円以下であるもの、または資本もしくは出資を有しないものが該当します。ただし、大法人（資本金の額または出資金の額が5億円以上の法人や相互会社および外国相互会社、受託法人）との間に完全支配関係がある普通法人は除かれます。さらに、普通法人との間に完全支配関係があるすべての大法人が有する株式および出資の全部をそのすべての大法人のうちいずれか一の法人が有する場合、その普通法人も中小企業者等の範囲からは除かれることとなります。

このように、欠損金の繰戻しによる還付制度は、特に経営環境が変動しやすい中小企業者等にとって非常に有用な制度です。経営が厳しい時期でも、過去の利益を活用して少しでも資金繰りを改善できる可能性があるため、ぜひ活用をご検討ください。

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