令和7年度の財政黒字化とその意義

2024年9月29日

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本日は、「令和7年度の財政黒字化とその意義」について取り上げます。

皆様、いかがお過ごしでしょうか?本日は、日本政府が示した令和7年度における初めてのプライマリーバランス(PB)の黒字化予測についてお話ししたいと思います。財政健全化は国の将来を左右する重要なテーマであり、今回の試算結果は多くの関心を集めています。

まず、プライマリーバランスとは何かについて簡単に触れておきましょう。プライマリーバランスとは、国や地方の財政収支のうち、利子支払いを除いた収支を指します。これが黒字になるということは、国が借金をせずに、歳出を賄えているということです。政府が目標としていた令和7年度に、初めてこのPBが8000億円程度の黒字に転じる見込みが示されたことは、非常に画期的なことです。

今回の試算が示すところによれば、令和7年度に黒字化する背景には、いくつかの要因があります。まず、企業の好業績や物価上昇に伴う税収の増加が挙げられます。企業が収益を上げることで法人税収が増え、また消費者物価が上がることで消費税収も増えるというわけです。さらに、大規模な経済対策が一巡し、歳出が抑えられることで、財政の健全化が進むと予測されています。

これまで、政府は令和7年度のPBを赤字として試算していました。今年1月の時点では、ベースラインで4.5兆円、成長実現ケースでも3.0兆円の赤字が見込まれていました。しかし、令和5年度の実績見込みが31.9兆円の赤字から、令和6年度には19.7兆円へと大幅に改善されたことで、今回の試算では令和7年度に初めて黒字に転じるという見通しが立てられたのです。

政府が示した試算には、3つの異なるシナリオが含まれています。一つは、「成長移行ケース」で、全要素生産性(TFP)が過去40年の平均程度まで上昇し、安定した成長が続くシナリオです。もう一つは、「過去投影ケース」で、直近の景気循環の平均並みの成長が続くシナリオです。そして最後が、「高成長実現ケース」で、デフレからの脱却前の水準までTFPが上昇し、さらに高い成長を実現するシナリオです。

特に「成長移行ケース」では、令和7年度以降も安定した成長が続くと見込まれ、PBの黒字幅がさらに拡大する可能性があります。一方、「過去投影ケース」では、PBの黒字化は一時的であり、次第にその幅が縮小していく見通しです。さらに、TFPがより高く成長する「高成長実現ケース」では、財政状況の一層の改善が期待されます。

この試算が示すように、経済成長が財政の健全化に与える影響は非常に大きいものです。成長が持続すれば、国の借金も減り、財政が安定するだけでなく、社会保障制度や公共サービスの充実にもつながります。しかし、一方で、成長が思うように進まない場合、財政の改善が一時的なものにとどまるリスクも存在します。

令和7年度に向けて、政府がどのような経済政策を展開し、この試算を実現していくかが注目されます。そして、私たち一人ひとりも、今後の経済動向を注視し、必要な対策を講じていくことが求められています。

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