インボイス制度下における調査対応と令和7事務年度の方針
2025年10月12日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「インボイス制度下における調査対応と令和7事務年度の方針」をお伝えさせていただきます!
インボイス制度は令和5年10月に始まり、すでに1年半以上が経過しました。令和7年には、制度下で初めての調査対象となる確定申告分が登場し、国税庁の調査方針も具体化しつつあります。今回は「現在の調査の現状」「誤りやすいポイント」「令和7事務年度の重点方針」について、わかりやすくご説明します。
【№2 結論】
インボイス制度下の税務調査は、基本姿勢として「大きな不正や誤りを重点的に把握する」ものです。つまり、形式的な記載不備があったとしても、ただちに仕入税額控除を否認されるようなことは原則としてありません。
しかし安心しきるのは危険です。特に令和7事務年度において、国税庁が重点的に見ていくポイントは次の3点です。
① インボイスの保存が全くないまま仕入税額控除をしている事案
② 経過措置(免税事業者からの仕入れに関する80%控除)を誤って全額控除している事案
③ 輸出免税や還付制度を悪用している不正計算の事案
★重要
調査では「制度理解の不足によるうっかりミス」か「意図的な不正」かを見極めることが中心となります。したがって、中小企業の経理担当者や経営者の方は、「保存」「計算」「特例」の3つの基礎をしっかり押さえることが最大の防御策です。
さらに、国税庁は令和7年度の方針として「柔軟な対応」を続けると明言しています。たとえば、記載不備があっても、納品書や契約書など他の資料とあわせて確認できれば控除を認めるなど、現実的な対応が取られています。
静岡や浜松の中小企業の現場でも「請求書が修正されて再発行になったが控除は大丈夫か」といった相談は少なくありません。結論からいえば「保存をしていれば控除は維持できる」ため、過剰に不安を抱く必要はありません。
ただし、繰り返しになりますが、保存ゼロや誤用は即アウトです。インボイス制度を理解し、社内の経理ルールを整えておくことが、令和7事務年度を乗り切る最重要ポイントです。
【№3 やさしい解説】
ここからは専門用語をかみくだいて、インボイス制度下の調査対応を整理します。
インボイス制度は、消費税の仕入税額控除を「透明で、公平にする」ことを目的にしています。
以前は「帳簿があれば控除OK」でしたが、制度開始後は「帳簿+インボイス(適格請求書)」が必須です。
★注意
「インボイスがなければ即否認」というイメージを持つ方が多いですが、実際の調査はそこまで硬直的ではありません。調査官は、納品書や契約書、領収書などと照合し、要件を満たしていれば控除を認めます。
ただし、次のようなケースは否認リスクが高いです。
① インボイスが1枚も保存されていない
② クレジットカード明細だけで領収書を保存していない
③ 免税事業者からの仕入れについて、80%控除のはずが100%控除している
④ 帳簿自体が不備で、金額や相手先が確認できない
こうしたケースでは「単純な記載ミス」ではなく「法令違反」として扱われます。
さらに、インボイス制度によって「不正計算」がしにくくなったという背景も重要です。
たとえば、これまで一部で行われていた「架空仕入れ」や「架空輸出による不正還付」は、インボイス制度によって、実際に存在する事業者同士でなければ成立しなくなりました。そのため、令和7年度は不正還付へのチェックが一段と厳しくなると予想されています。
静岡市や浜松市の中小企業でよくある実務相談としては、
「出張旅費はインボイス不要の特例があるのか」
「1万円未満の少額取引はどう処理すべきか」
「免税事業者からの仕入れが混在しているが帳簿の書き方は?」
といった具体的なものが挙げられます。これらはすべて「事前にルールを知っていれば防げるミス」です。
まとめると、やさしい解説として押さえておきたいポイントは以下の通りです。
・インボイス保存が基本中の基本
・不備は柔軟に修正できる
・保存ゼロや全額控除の誤りは危険
・不正還付は重点監視の対象
・特例(出張旅費・少額取引)を正しく理解すれば安心
経理担当者が日々の処理でこの5点を意識することで、調査対応に過剰な不安を持つ必要はなくなります。
【№4 具体例】
① インボイス保存なしの仕入控除
・仕入先から領収書をもらわず、クレジットカード明細のみで経理処理。
・税務調査で控除否認のリスク大。
② クレジットカード利用明細の誤用
・明細書だけを保存し、領収書を廃棄。
・明細はインボイスの要件を満たさず、控除できない。
③ 免税事業者からの仕入れ処理ミス
・免税事業者からの仕入れを全額控除。
・本来は80%控除(令和8年9月末までの経過措置)に限定。
④ 納品書と請求書を併用して救済
・請求書に登録番号の記載漏れ。
・納品書や契約書と照合し、調査時に控除が認められた事例。
⑤ 出張旅費の特例適用
・3万円未満の新幹線運賃について、インボイス不要の特例を適用。
・帳簿保存のみで仕入税額控除可能。
⑥ 少額取引(1万円未満)の特例
・近隣の小規模店舗での消耗品購入。
・令和11年9月末まで、インボイス不要で控除可能。
⑦ 架空仕入れの防止
・架空会社との取引を計上しようとしたが、インボイス未発行で発覚。
・制度が不正抑止に寄与。
⑧ 支給日ベースの判断
・給与計算と同様に、経理処理で「支払日」を基準にインボイスを整理。
・年をまたぐ取引の実務で有効。
⑨ 領収書の再発行対応
・インボイス記載不備を調査官に指摘され、売手に再発行依頼。
・再交付で控除が維持できたケース。
⑩ 海外取引の不正還付防止
・輸出額を水増しして還付を受けようとする不正事例。
・インボイス制度で実在取引を証明する必要があり、摘発事例が増加。
【№5 手順】インボイス対応の実務フロー
① 仕入先確認
・仕入先がインボイス発行事業者かを確認。
・国税庁の「インボイス発行事業者公表サイト」で検索。
② 書類の受領
・商品やサービスを購入した際、必ず請求書・領収書を受領。
・登録番号や消費税額の記載があるかをその場で確認。
③ 書類の保存
・紙で受領した場合はファイルに保管。
・PDFやデータで受け取った場合はクラウドや会計ソフトに保存。
・領収書を紛失した場合は、再発行依頼を行う。
④ 帳簿への記録
・仕入税額控除を受けるために、帳簿に取引内容を正確に記録。
・日付・取引先・金額・消費税区分を必ず入力。
⑤ 特例の適用判断
・免税事業者からの仕入れ → 80%控除(令和8年9月まで)。
・公共交通機関の運賃3万円未満 → 帳簿保存でOK。
・少額取引1万円未満(小規模事業者) → インボイス保存不要(令和11年9月まで)。
⑥ クレジットカード取引の処理
・利用明細だけでは不可。
・購入時に受け取ったインボイス(領収書)を必ず保存。
⑦ 年末の確認
・年末調整のように、1年分の取引を振り返り。
・インボイスの保存漏れ、経過措置の誤適用がないかを点検。
⑧ 税務調査対策
・書類不備があっても、契約書や納品書と組み合わせて説明できるように。
・調査官からの指摘に備えて、再交付や補足資料を準備。
⑨ 社内ルールの整備
・経理担当者だけでなく、現場社員にもルールを周知。
・出張や少額経費でも「領収書必須」を徹底。
⑩ 会計ソフト活用
・クラウド会計やスキャンアプリを導入すると、保存漏れが減少。
・静岡や浜松でもクラウド会計導入サポートが増えており、実務効率化に有効。
【№6 FAQ】インボイス制度に関するよくある質問
① インボイスがないと絶対に仕入税額控除はできないのですか?
原則として必要です。ただし、公共交通機関の運賃や少額特例など一部は帳簿保存で控除が認められます。
② クレジットカード明細だけで仕入税額控除は可能ですか?
不可です。利用明細はインボイスに該当しません。必ず購入時の領収書(インボイス)を保存してください。
③ インボイス発行事業者かどうかはどこで確認できますか?
国税庁の「インボイス発行事業者公表サイト」で検索可能です。登録番号が正しいかもチェックが必要です。
④ 免税事業者からの仕入れはどう処理しますか?
経過措置により、令和8年9月まで80%控除可能です。ただし帳簿保存は必須です。
⑤ 海外の取引先からの仕入れはインボイスが必要ですか?
不要です。輸入取引はインボイス制度の対象外で、輸入消費税を納付した際の輸入許可証等で処理します。
⑥ 少額特例とは何ですか?
一定規模以下の事業者は、1万円未満の取引ではインボイス保存が不要となる制度です。期限は令和11年9月までです。
⑦ インボイスを紛失した場合はどうすればよいですか?
取引先に再発行を依頼してください。どうしても入手できない場合は契約書や納品書で補足し、税理士に相談しましょう。
⑧ 個人事業主でもインボイスを発行する必要がありますか?
課税事業者であれば必要です。免税事業者は任意で登録可能ですが、取引先から要望されるケースが増えています。
⑨ 社内の出張旅費や経費精算もインボイスが必要ですか?
必要です。ただし3万円未満の公共交通機関運賃や一定の旅費は帳簿保存のみで認められる場合があります。
⑩ インボイスの記載内容に不備があった場合、仕入税額控除はできませんか?
軽微な不備であれば、契約書や納品書と合わせて要件を満たせば控除可能です。再交付を受ければ確実です。
⑪ 静岡や浜松の中小企業ではどんな失敗が多いですか?
クレジットカード明細のみ保存、免税事業者からの仕入れを全額控除、少額特例の適用漏れ、インボイス番号未確認が多いです。
⑫ インボイス保存は紙でないといけませんか?
電子保存も可能です。会計ソフトやクラウドストレージを活用することで管理が効率化します。
【№7 まとめ】
インボイス制度は、消費税の適正な納税と取引の透明性を高める大きな仕組みです。事業者にとっては、日々の請求書や経費処理の方法が変わるため、戸惑いも多い制度といえます。
まとめると、次の点が特に重要です。
・インボイス(適格請求書)の保存が仕入税額控除の大前提であること。
・クレジットカード明細や簡単なメモでは足りず、正しい書類を保存する必要があること。
・経過措置や少額特例などの救済措置があるため、活用すれば実務負担を軽減できること。
・国税庁も調査の際には柔軟な対応をとるが、保存が全くない場合や不正が疑われる場合は厳正な対応となること。
静岡や浜松の中小企業でも、日常的に発生する経費処理や仕入取引に直結するテーマです。事前に正しい知識を持っておくことで、税務調査への不安も大きく減らすことができます。
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3859号(2025年7月14日)「インボイスの調査対応の現状・令和7事務年度の対応方針」税務研究会
参考:国税庁タックスアンサー「No.6492 適格請求書等保存方式(インボイス制度)」(参照日:2025-10-01)
参考:e-Gov法令検索「消費税法 第30条~第45条」(参照日:2025-10-01)
【№9 該当条文の説明】
インボイス制度の根拠となる条文は、消費税法およびその関連通達に規定されています。ポイントを箇条書きで整理します。
① 消費税法第30条(仕入税額控除)
課税仕入れについて、適格請求書(インボイス)や帳簿の保存を条件に控除が認められる。
② 消費税法第45条(請求書等保存方式)
適格請求書の交付義務や、保存の要件を規定。制度の基盤となる重要条文。
③ 消費税法附則第12条(経過措置)
免税事業者からの仕入に関して80%控除や50%控除の経過措置を定める。令和11年9月まで適用。
④ 消費税法施行令第49条
請求書に記載すべき具体的事項(登録番号、税率ごとの消費税額など)を細かく規定。
⑤ 個別通達(消費税基本通達11-6-5など)
クレジットカード明細や領収書の扱い、保存が認められるかどうかの実務指針を示す。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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