経過リース期間定額法の届出と実務対応ポイント

2025年10月15日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「経過リース期間定額法の届出と実務対応ポイント」についてお伝えさせていただきます!
令和7年度の法人税改正では、リース取引の会計処理の大きな変更がありました。特に残価保証額の扱いが見直され、これまでの「旧リース期間定額法」と異なる新しいルールが適用されることになります。これにより、静岡や浜松の中小企業でもリース資産の償却方法を見直す必要が出てきています。

【№2 結論】

今回の改正で、中小企業や個人事業主が特に注意すべき点は次のとおりです。
電子取引データの保存は改ざん防止措置が必須であり、タイムスタンプや訂正削除防止規程の整備が重要。
JP-PINT準拠のXMLデータは重加算税の加重措置から除外される一方、JPEGや埋め込み型PDFは対象外。
システム移行時も、規程を整えていれば適正保存と認められる。
★重要:形式の誤りや規程未整備は大きなリスクです。
静岡や浜松の企業にとっても、クラウド会計や電子請求書の導入時に最新Q&Aに沿った運用が不可欠です。

【№3 やさしい解説】

経過リース期間定額法は一見難しいですが、要点をやさしく整理すると次のようになります。
① 従来のルール(旧リース期間定額法)
リース資産の取得価額に残価保証額が含まれる場合、その部分を除外して減価償却していた。
つまり、保証分は償却対象外。実質的に損金算入できる額が少なかった。
② 新しいルール(令和7年度改正)
新リース会計基準で「残価保証を残存価額とする扱い」が廃止。
そのため、リース資産は残価保証分も含め「1円まで」償却可能となった。
償却可能額が広がるため、法人税の課税所得を減らす効果が期待できる。
③ 経過措置(経過リース期間定額法)
過去に締結したリース契約(令和9年3月31日までの契約)も、令和7年4月1日以後の事業年度から新ルールを選択できる。
ただし、自動適用ではなく「経過リース期間定額法の届出」が必須。
届出をしない場合は、旧ルールがそのまま適用される。
④ 届出のポイント
様式は「旧リース期間定額法」と「経過リース期間定額法」の兼用。
どちらを採用するかにチェックを入れる形。
「改定取得価額」や「採用する事業年度」を記載する必要がある。
⑤ 実務上の影響
リース資産を多く抱える企業(製造業・運送業・医療法人など)では、償却可能額の拡大によりキャッシュフロー改善効果も期待できる。
逆に、届出を失念すると他社と比較して不利な税務処理を強いられる可能性がある。
★注意:
「届出は任意だから提出しなくてもいい」と考えるのは危険です。静岡や浜松の法人でも、経過リース資産がある場合は提出の有無で法人税負担が大きく変わるため、必ず期限内に確認を行いましょう。

【№4 具体例】

静岡や浜松の中小企業でよく起こり得るケースを、業種ごとに整理しました。
① 小売業の請求書保存
静岡市内の小売業A社が、取引先からXML形式インボイスを受領。
JP-PINT準拠のため重加算税の加重措置除外の対象。
JPEG請求書保存は対象外となるため注意。
② 建設業のシステム入替え
浜松市の建設会社B社が、2026年にクラウド型会計システムへ移行。
データ移行時に「訂正削除防止規程」を整備し適正保存を確保。
③ 医療法人の契約書管理
静岡県中部の医療法人Cが契約書をPDF化後にタイムスタンプ付与。
改ざん防止措置を講じ、保存要件も満たす。
④ 製造業の取引データ管理
浜松市の製造業D社は、銀行決済データを「特定電子計算機処理システム」で保存。
国税庁基準を満たし、除外対象に含まれる。
⑤ サービス業の領収書保存
静岡市のサービス業E社が紙領収書をJPEG保存。
JPEGは対象外のため、PDF化とタイムスタンプ付与で補正が必要。
⑥ 顧問税理士への形式確認
取引先からPDFで受領したデータが「添付型」か「埋め込み型」かを要確認。
添付型なら要件クリアだが、埋め込み型は不可。
⑦ 飲食業のレジデータ保存
浜松市の飲食店F社がPOSレジの売上データを電子保存。
XML形式で保存しているため要件を満たすが、バックアップ運用ルールも必須。
⑧ 卸売業の仕入データ移行
静岡市の卸売業G社が、2025年にシステムを刷新。
データ移行時に改ざん履歴管理を導入し、適正保存と認められる。
⑨ IT企業の電子契約導入
浜松市のIT企業H社がクラウド契約システムを導入。
電子署名とタイムスタンプを組み合わせ、調査時の証拠力を強化。
⑩ 不動産業の賃貸契約保存
静岡市の不動産会社I社が、賃貸借契約書をPDF化。
添付型PDFで保存し、規程整備により実務リスクを軽減。
⑪ 学校法人の補助金関係資料
静岡県西部の学校法人Jが補助金申請関連データを電子化。
形式がバラバラだったため、顧問税理士と整理し、XML形式に統一。
⑫ 運送業の運行管理データ
浜松市の運送業K社が、運行日報を電子ファイルで保存。
タイムスタンプを付与し、訂正履歴管理で要件を満たす。
★重要:
電子保存は「形式・タイムスタンプ・規程整備」の3点セットで成立します。
静岡や浜松の企業でも、データ形式を誤ると「保存しているのに違反」という事態になりかねません。

【№5 手順】

① 資産リストの確認
自社で保有するリース資産を一覧化。
契約締結日や残価保証の有無を確認する。
経過リース資産(令和7年4月1日以後に開始する事業年度対象)を抽出。
② 適用の可否を判断
契約日が令和9年3月31日以前かどうか確認。
所有権移転外リースに該当するかを顧問税理士と相談。
③ 改定取得価額の算定
各資産について、既に償却済みの金額を控除。
残った金額を「改定取得価額」として算出する。
④ 届出書の記載
国税庁が公表した新様式「旧リース期間定額法・経過リース期間定額法届出書」を利用。
各資産の種類ごとに改定取得価額の合計を記入。
適用する事業年度を明確に記載。
⑤ チェック欄の選択
「旧リース期間定額法」か「経過リース期間定額法」かを選択。
採用したい方にチェックマークを入れる。
⑥ 提出期限の確認
原則:対象となる事業年度の法人税申告期限まで。
仮決算による中間申告がある場合は、その提出期限までに届出が必要。
⑦ 提出先の確認
所轄の税務署長宛に提出する。
電子申告システム(e-Tax)での提出も可能。
⑧ 顧問税理士との最終確認
記載内容に誤りがないか税理士に確認依頼。
リース資産の一覧表や契約書控えも添付資料として準備。
⑨ 社内共有と保存
提出後は控えを保存し、経理・財務担当者と情報共有。
将来の税務調査に備え、保存期間(7年)を守る。
⑩ 運用後のモニタリング
翌年度以降の申告でも、対象資産については継続して経過リース期間定額法を適用。
新たに契約したリース資産については改正後の通常ルールで処理。
★注意:
届出を出さなければ「経過リース期間定額法」は適用されず、旧制度のまま処理されます。結果として残価保証分を償却できず、税務上の負担が増える可能性があります。

【№6 FAQ】

① 経過リース期間定額法とは何ですか?
令和7年度改正で導入された経過措置です。
過去に締結した所有権移転外リース契約でも、残価保証額を含めて備忘価額1円まで償却できます。
② どのリース資産が対象ですか?
契約締結日が令和9年3月31日以前の所有権移転外リースが対象です。
令和7年4月1日以後に開始する事業年度から適用できます。
③ 届出を出さないとどうなりますか?
自動的に旧リース期間定額法が適用されます。
残価保証分を償却できないため、税務上の負担が増える可能性があります。
④ 届出書の提出期限はいつですか?
原則として適用を受ける事業年度の法人税の申告期限までです。
仮決算で中間申告をする場合は、その申告書提出期限までに提出が必要です。
⑤ 提出先はどこですか?
所轄税務署長宛に提出します。
電子申告(e-Tax)での提出も可能です。
⑥ 残価保証額を含めて償却できると何が変わりますか?
従来よりも償却額が増え、当期の損金算入が多くなります。
その分、法人税の負担が軽くなる効果があります。
⑦ 届出書の様式はどこで入手できますか?
国税庁ホームページで公表されています。
「旧リース期間定額法」と兼用の様式です。
⑧ 途中で方法を変更できますか?
原則として一度選択した方法は継続適用が求められます。
税務署に変更届を出しても認められない可能性が高いです。
⑨ 静岡や浜松の中小企業も対象になりますか?
はい。全国一律で適用される制度です。
静岡市や浜松市の企業も、対象資産を保有していれば届出が必要です。
⑩ 経過リース資産の「改定取得価額」とは何ですか?
過去に償却済みの金額を控除した後の取得価額です。
これを基準に、残価保証分を含めて償却を続けます。
⑪ 顧問税理士に相談した方が良いですか?
はい。契約書の確認や届出書の作成は専門的です。
顧問税理士に依頼することで、誤りなく申請できます。
⑫ 届出後はどんな対応が必要ですか?
提出控えを保存し、経理部門と情報共有してください。
将来の税務調査に備え、7年間の保存が求められます。

★重要:
届出を忘れると、償却できる金額に差が出ます。静岡や浜松の中小企業の皆さまも、必ず顧問税理士と連携して期限内に届出を出すことが肝心です。

【№7 まとめ】

経過リース期間定額法は、令和7年度改正で導入された重要な経過措置です。従来のリース期間定額法では、残価保証額を控除したうえで償却を行っていましたが、新制度では備忘価額1円まで償却することが可能となりました。
この改正により、中小企業にとって次のようなメリットと注意点が生じます。
メリット
① 残価保証額分まで償却できるため、損金算入額が増加し、法人税負担を軽減できる。
② 新リース会計基準に合わせた処理が可能になり、会計と税務の整合性が高まる。
③ 適用初年度に大きな償却費が計上されることで、資金繰りの改善に寄与する場合がある。
注意点
① 届出書を提出しないと適用できず、旧方式のままとなり損をする可能性がある。
② 提出期限は法人税申告期限(または中間申告期限)までであり、忘れると適用不可。
③ 一度選択した方法は基本的に継続適用となり、途中変更は困難。
④ 届出内容は資産ごとに「改定取得価額」を記載する必要があり、誤記載はリスクになる。
★重要:
形式上の届出だけでなく、社内の経理処理・固定資産台帳の更新・顧問税理士との確認が必須です。単なる「書類対応」にとどめず、経理システムの運用や資産管理体制の見直しと一体で進めることで、税務調査における安心感が高まります。
静岡や浜松の中小企業の皆さまも、経過リース期間定額法を「一時的な制度対応」と捉えるのではなく、経営改善に直結する仕組みとして活用することが可能です。例えば、製造業の設備リースや建設業の大型機械リースなど、地域の産業構造に即した資産管理を行えば、資金効率の向上につながります。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3859号(2025年7月14日)「国税庁 経過リース期間定額法の届出書を公表」税務研究会
参考:国税庁タックスアンサー「No.5400 リース取引に関する取扱い」(参照日:2025-10-02)
参考:e-Gov法令検索「法人税法施行令 第48条の2」「改正附則 第7条第2項」(参照日:2025-10-02)

【№9 該当条文の説明】

今回の「経過リース期間定額法」に関連する主要条文を、実務に役立つ形で要点を整理します。
① 法人税法施行令 第48条の2
所有権移転外リース取引における「リース期間定額法」の規定です。
従来は残価保証額を取得価額から控除し、償却を行う仕組みでした。
令和7年度改正により、残価保証額を除外せず「備忘価額1円まで」償却可能となりました。
② 改正附則 第7条第2項(経過措置)
改正前に契約したリース取引についても、令和7年4月1日以降に開始する事業年度から、改正後のルールを選択できる仕組みです。
この場合、所轄税務署へ「経過リース期間定額法」の届出書を期限までに提出する必要があります。
③ 法人税法 第31条(減価償却資産の償却)との関係
リース資産も「減価償却資産」として扱われ、原則は耐用年数に従って償却します。
ただし、リース特有の計算方法として「リース期間定額法」が認められてきました。
今回の改正は、この特例的な計算方法の見直しにあたります。
④ 実務での確認ポイント
届出をしないと、旧制度に基づく償却が続くため、節税効果が弱まる可能性があります。
改正条文と附則を必ず顧問税理士と確認し、自社の契約開始日・リース期間を照合することが重要です。
静岡や浜松の中小企業でも、設備リースや車両リースなどに直接影響が出ます。
★注意:条文は形式的に難しく見えますが、「残価保証額を控除せずに償却できる」という一点が大きなポイントです。これにより、資産の償却スピードが早まり、損金算入が増えるケースがあります。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
※当事務所はDXを経営に活かすことを推進しており、当ブログはAIを活用して生成しています。実際の税制や政策、判例、事件、事象を元に作成していますが、正確な内容や最新の情報とは異なる場合がありますことをご了承くださいませ。
無料相談をご希望の方は、最高のIT税理士法人へお気軽にお問い合わせくださいませ。
https://toc-tax.jp/contact/