国外事業者によるアプリ配信とインボイス制度(プラットフォーム課税)
2025年10月16日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「国外事業者によるアプリ配信とインボイス制度(プラットフォーム課税)」をお伝えさせていただきます!
令和7年4月からスタートした「プラットフォーム課税制度」は、アプリやオンラインサービスを海外事業者から購入する企業に大きな影響を与えています。
特に「どこからインボイスをもらえば仕入税額控除できるのか?」という点は、静岡・浜松の中小企業からも多くの質問をいただくテーマです。
【№2 結論】
今回の改正の結論を一言でいえば、
「アプリ配信などの国外取引であっても、インボイスを発行する『特定プラットフォーム事業者』を経由していれば、仕入税額控除が可能」
という点です。
つまり、AppleやGoogle Playなど、国税庁に指定されたプラットフォームから配信されたアプリなら、
国外事業者(アプリ提供元)ではなく、そのプラットフォームが発行するインボイスを保存すればOKです。
ただし、国外事業者から直接購入した場合は注意が必要です。
国外事業者がインボイス登録していない場合 → 仕入税額控除は原則できない
税込1万円未満なら帳簿保存だけで控除可能(少額特例)
経過措置(80%控除・50%控除)は国外事業者には使えない
★重要
「プラットフォーム経由=控除OK」と覚えがちですが、あくまで特定プラットフォーム事業者に限る点がポイントです。
静岡や浜松のIT・製造業でも、海外アプリやSaaSを業務に使う企業が増えています。
適切なインボイスを受け取れているか、今のうちに確認しておきましょう。
【№3 やさしい解説】
ここで、今回の「プラットフォーム課税」をもう少しやさしく解説します。
以前は、海外のアプリやソフトを購入した場合、課税の仕組みが非常に複雑でした。
たとえば、
日本企業がアメリカの開発会社から直接アプリを購入
決済はカード会社経由でドル払い
その海外会社が日本のインボイス制度に登録していない
こうした場合、インボイスが存在しないため仕入税額控除が認められないという問題が起きていました。
そこで令和6年度税制改正で新たに設けられたのが、「プラットフォーム課税」です。
これは、海外事業者がアプリストアなどを介して販売した場合、
実際に代金を受け取るプラットフォーム側が役務提供者とみなされ、課税・納税を行う制度です。
つまり、海外開発者から直接買った場合と、プラットフォーム経由で買った場合で「課税の扱い」が変わります。
例として、
① AppleのApp Store → iTunes株式会社が特定プラットフォーム事業者に指定されているため、インボイスを保存すれば控除可能。
② 海外の小規模アプリサイトから直接購入 → 国外事業者が登録していない場合、控除不可。
★注意
国外事業者がインボイス登録していない場合、
経過措置(80%・50%控除)は対象外
帳簿保存のみの「少額特例(1万円未満)」でしか対応不可
そのため、月額課金型のアプリやクラウドツールを多く使う企業では、
どの取引がプラットフォーム経由かを一覧化し、定期的にインボイスの有無を確認する管理体制が必要です。
静岡・浜松の中小企業でも、海外ツール(ChatGPT・Canva・Notionなど)を使う機会が増えています。
こうしたサービスが「どの販売経路か」によって、税務上の扱いが大きく変わる点を押さえておきましょう。
【№4 具体例】
ここでは、国外事業者からのアプリ購入や課金サービス利用に関する「実務上のよくある10の場面」を通じて、
プラットフォーム課税とインボイス対応を具体的に見ていきます。
① AppleのApp Store経由でのアプリ購入
iTunes株式会社が「特定プラットフォーム事業者」として登録済み。
App Storeの請求書(インボイス)を保存すれば、仕入税額控除OK。
② Google Play経由の課金(Androidアプリ)
Google合同会社が指定事業者。アプリ配信や課金も同様に控除対象。
海外開発者から直接請求されるケースは対象外。
③ Canva(オーストラリア企業)をWebから直接契約
Canva社自体は国外事業者。プラットフォーム経由でないため、
インボイス未登録なら控除不可。
年払い契約の場合、税込1万円超なら少額特例も使えない。
④ ChatGPT Plus(OpenAI社)をクレカ払いで契約
OpenAI社は米国法人。日本でのインボイス登録なし。
プラットフォーム課税対象外。帳簿保存のみで控除不可。
⑤ Adobe Creative Cloudの利用料
日本法人(アドビ株式会社)を通じて契約していればインボイス発行済み。
海外サイト経由で契約した場合は対象外になるため注意。
⑥ Meta(Facebook広告・Instagram広告)利用料
Meta社は国外事業者。Meta Platforms, Inc.名義の請求書は
インボイスとして無効。経過措置も使えない。
⑦ Microsoft 365(旧Office365)
Microsoft Japan(日本法人)を経由して契約すれば控除可能。
国外法人経由(USD決済)の場合は、プラットフォーム課税対象外。
⑧ クラウド会計ソフトのアドオン機能
マネーフォワードやfreeeのAppストア経由での購入なら控除OK。
外部サイトから直接導入した場合は国外事業者扱いになる場合がある。
⑨ 海外セミナー動画・オンライン講座の購入
Udemy(特定プラットフォーム)経由ならOK。
個人講師から直接購入の場合、国外事業者のインボイス登録が必要。
⑩ 海外Webサービスの利用(例:Notion・Dropbox)
サービス提供元が国外法人の場合、原則控除不可。
領収書が英語表記でも「インボイス番号」があれば控除可能。
★重要
静岡・浜松の企業でも、業種を問わず海外SaaS利用は増えています。
「どの経路で契約しているか」をまず把握し、
取引先リストに「インボイス対応状況」列を設けておくと管理が容易です。
【№5 手順(実務フロー)】
次に、実際に企業が確認・対応すべき流れを簡潔にまとめます。
① 取引経路を整理
各アプリ・SaaSの支払先(プラットフォーム or 直接契約)を一覧化。
② 請求書(インボイス)を確認
「登録番号(T+13桁)」があるか確認。
英文表記の場合も「Japan VAT」「T番号」で判別可。
③ 特定プラットフォーム事業者か確認
国税庁の「指定事業者一覧」をチェック。
Apple、Google、Udemy、Amazonなど主要事業者が該当。
④ 帳簿保存の要否を判断
インボイスなし → 税込1万円未満なら帳簿保存でOK(少額特例)。
⑤ 経過措置の誤適用を防ぐ
国外事業者には80%控除・50%控除は使えない。
国内インボイス未発行者との混同に注意。
⑥ 税務申告時の添付整理
「国外取引一覧表」や「仕入明細表」に対象区分を明記。
⑦ 顧問税理士と共有
年間契約サービスやクレカ決済明細を毎期共有。
会計ソフト側での自動分類設定を見直す。
⑧ システム連携の最適化
会計ソフト(マネーフォワード等)で
海外取引インボイスを自動取得できる設定にする。
⑨ 社内マニュアルの整備
経理担当者向けに「国外アプリ支払時の確認フロー」を作成。
⑩ 定期チェック
国外サービスは提供者が頻繁に変わるため、
半年ごとに契約先の登録番号を確認するのが安全。
【№6 よくある質問(FAQ)】
プラットフォーム課税と国外事業者のインボイス対応について、
静岡・浜松の中小企業から寄せられる代表的な質問をまとめました。
① 令和7年4月以前に購入したアプリも対象になりますか?
→ いいえ。新制度の対象は令和7年4月1日以後に開始する取引からです。
それ以前の契約は従来ルール(国外事業者が課税主体)で処理します。
② 特定プラットフォーム事業者はどこで確認できますか?
→ 国税庁ホームページ「特定プラットフォーム事業者一覧」で公開されています。
(例:Apple・Google・Amazon・Udemyなど)
③ 国外事業者がインボイス登録しているかどうかは?
→ 「適格請求書発行事業者公表サイト」で検索できます。
登録番号(T+13桁)を確認しましょう。
④ 国外事業者からの請求書が英語でも有効ですか?
→ はい。内容要件(登録番号・取引内容・税額など)が満たされていれば有効です。
⑤ 海外サイト経由で購入した場合の控除方法は?
→ プラットフォーム課税の対象外なら、国外事業者のインボイスが必要です。
インボイスがない場合は税込1万円未満の少額特例のみが利用可能です。
⑥ 海外サブスクリプション(月額課金)は毎月インボイスが必要?
→ はい。課税仕入れごとにインボイスが必要です。
クラウド会計ソフトで自動取得設定にすると管理が楽です。
⑦ 特定プラットフォーム事業者経由の請求でも保存は必要?
→ はい。仕入税額控除の要件として、発行インボイスの保存が義務です。
⑧ 税務調査で指摘されやすい点は?
→ 海外課金サービスの「課税・不課税区分」の誤りです。
仕訳段階での分類ミスに注意しましょう。
⑨ 静岡市や浜松市の企業にも関係ありますか?
→ はい。ITや広告、デザイン業など、海外アプリを業務に使う事業者は多数あります。
地域を問わず実務影響があります。
⑩ 顧問税理士に相談すべきタイミングは?
→ 契約前がベストです。
「このサービスは控除対象になるか?」を事前に確認すると安心です。
【№7 まとめ】
今回の改正での要点を整理します。
プラットフォーム経由なら「特定プラットフォーム事業者」が納税義務者。
国外事業者から直接購入した場合は、インボイスがないと控除不可。
経過措置(80%控除・50%控除)は国外取引に使えない。
税込1万円未満なら帳簿保存のみで控除可(少額特例)。
国外事業者・プラットフォーム事業者の区別が実務の肝。
★重要
「誰から買ったのか」よりも「誰が課税事業者として登録されているか」を
常に確認することがポイントです。
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3859号(2025年7月14日)「国外事業者のアプリ配信とインボイス」税務研究会
参考:国税庁タックスアンサー「No.6505 インボイス制度における仕入税額控除」(参照日:2025-10-08)
参考:e-Gov法令検索「消費税法 第15条の2(特定プラットフォーム課税)」および「施行令附則第24条」(参照日:2025-10-08)
【№9 該当条文の説明】
今回のテーマである「国外事業者によるアプリ配信とインボイス制度」に関連する主要条文をやさしく解説します。
① 消費税法第15条の2(特定プラットフォーム課税)
この条文は、国外事業者がデジタルプラットフォームを通じて行う電気通信利用役務の提供に関する課税関係を定めています。
要するに、「アプリストアなどを通じた海外取引では、代金を受け取るプラットフォームが課税事業者とみなされる」というルールです。
★ポイント
「特定プラットフォーム事業者」が日本の課税義務を負う。
国外事業者(開発元)は原則として課税主体にならない。
インボイスもプラットフォームが発行する。
これにより、利用者(日本の企業・個人事業主)は、プラットフォーム側から交付されるインボイスを保存すれば、仕入税額控除が可能となります。
② 消費税法施行令附則第24条(経過措置)
こちらは、旧制度から新制度に移行する際の特例を定めています。
ただし、国外事業者による取引は対象外。
「80%控除」「50%控除」は国内未登録事業者との取引に限定され、海外事業者には適用できません。
★注意
海外ソフトウェア企業との直接契約では、誤って経過措置を適用しないよう注意が必要です。
③ 消費税法第30条(仕入税額控除)
この条文では、仕入税額控除の要件として「インボイス(適格請求書)」の保存を求めています。
国外事業者の場合でも、課税仕入れと認められるためには、インボイス番号(T+13桁)が付された請求書の保存が必要です。
★重要
プラットフォーム課税下では、
AppleやGoogleなどのプラットフォームがインボイスを発行
国外事業者から直接購入した場合は、登録がなければ控除不可
という扱いになります。
④ 関連通達(令和6年改正関係)
国税庁の通達では、「国外事業者からの課税仕入れに係る仕入税額控除の可否」を明確化しています。
海外アプリ取引では、プラットフォーム経由であるか、直接契約であるかの区別が非常に重要であるとされています。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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