基準所得金額と合計所得金額の違い

2025年11月6日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「基準所得金額と合計所得金額の違い」についてお伝えさせていただきます!
令和5年度改正により、所得税の計算構造に新たな概念として「基準所得金額」が導入されました。
令和7年分以後、高所得者層を中心に追加課税が行われる「特定の基準所得金額課税の特例(措法41の19)」が適用されます。
これにより、同じ「所得金額」という言葉でも、「基準所得金額」と「合計所得金額」は明確に区別して理解する必要が生じました。
この2つの違いは、単なる用語の差ではなく、課税体系全体の判断基準や扶養控除・配偶者控除などの適用可否にも影響する重要なポイントです。
静岡・浜松の経営者や個人事業主の方々からも、「合計所得金額は知っているけど、基準所得金額って何?」「どう違うの?」というご相談が増えています。
この記事では、
どちらの所得金額がどんな場面で使われるのか
なぜ2種類に分かれているのか
実務上どんな影響があるのか
をやさしく解説いたします。

【№2 結論】

まず結論から整理します。
「合計所得金額」とは、**所得控除などを差し引く前の“課税ベースの合計”**であり、
「基準所得金額」とは、**確定申告不要制度を適用せずに再計算した“より広い範囲の所得合計”**を指します。
つまり、基準所得金額は、
・確定申告不要の上場株式等の配当所得や譲渡所得なども加算する
・源泉分離課税扱いの利子やNISAなどの非課税所得は除外する
という特徴があります。
一方、合計所得金額は、
・扶養控除や配偶者特別控除などの所得要件判定に使用される
・損益通算後の事業所得・不動産所得・給与所得などを合計し、一定の長期譲渡所得・一時所得は2分の1計上
・退職所得や山林所得も加える
という、従来通りの範囲です。
★重要
つまり「基準所得金額」は、従来の合計所得金額よりも“広い範囲”の所得を対象とする考え方です。
3.3億円超の高所得者については、基準所得金額をもとに追加課税(いわゆる“高所得者負担調整”)が行われる仕組みです。
静岡・浜松の経営者の皆さまでも、配当収入や株式譲渡が多い方は特に注意が必要です。
従来は申告不要制度で完結していた所得が、基準所得金額には含まれるため、課税判定に影響する可能性があります。

【№3 やさしい解説】

ここからは、専門用語を使わずに「2つの違い」を整理してみましょう。
① 「合計所得金額」はどんなときに使う?
扶養控除・配偶者控除・国民健康保険料などの判定に使います。
“家族関係や社会的優遇のための基準”です。
例:配偶者控除は「合計所得金額48万円以下」が要件です。
② 「基準所得金額」はどんなときに使う?
高所得者への追加課税判定に使います。
“税負担の公平性を確保するための基準”です。
例:基準所得金額が3.3億円を超える場合、超過部分の22.5%相当が追加課税の対象となります。
③ どうやって計算する?
合計所得金額:損益通算後の各種所得を合計+長期譲渡・一時所得の1/2+退職・山林所得。
基準所得金額:上記に加えて「申告不要の株式配当や譲渡所得(源泉あり特定口座分)」を足します。
つまり、通常よりも広い「見なし課税ベース」と考えると分かりやすいです。
④ どんな人が対象?
高額所得者、特に株式・金融収入が多い人。
静岡・浜松の地主層や上場企業オーナーなども該当する場合があります。
⑤ なぜ区別されたの?
所得税の公平性を保つためです。
従来の仕組みでは、源泉徴収済の株式配当などを申告しないことで課税回避的な構造が生じる場合がありました。
そこで、実際の経済的所得をより正確に反映する「基準所得金額」が新設されたのです。
⑥ 企業経営者への影響
会社役員報酬に加え、持株会社からの配当が多い方は課税判定が変わる可能性があります。
特にグループ経営を行う静岡・浜松の中小企業オーナーは、株式管理会社の運用と個人課税の両面から検討が必要です。
⑦ 行政上の使われ方
国税庁では、基準所得金額を用いた新たな「課税調整申告書」様式を検討中とされています。
将来的には電子申告システムでも自動判定が組み込まれる見通しです。

【№4 具体例】

① 会社員(浜松市在住)
給与所得のみ:年収900万円、他の所得なし
→ 合計所得金額:給与所得控除後の金額のみ。
→ 基準所得金額:同じ金額。差は生じない。
② 自営業者(静岡市)
事業所得600万円、配当所得30万円(特定口座・源泉あり)
→ 合計所得金額:600万円(配当は除外)。
→ 基準所得金額:630万円(源泉あり配当を加算)。
③ 投資家(浜松市)
上場株式譲渡益500万円(源泉あり特定口座)
→ 合計所得金額:0円(確定申告不要)。
→ 基準所得金額:500万円(加算対象)。
④ 会社役員(静岡市)
役員報酬3,000万円、配当所得2,000万円(源泉あり)
→ 合計所得金額:3,000万円。
→ 基準所得金額:5,000万円。追加課税対象。
⑤ 不動産オーナー(焼津市)
不動産所得2,000万円、NISA口座の配当300万円
→ 合計所得金額:2,000万円。
→ 基準所得金額:2,000万円(NISA分は非課税で除外)。
⑥ 医師(静岡市)
診療所得1億円、上場株式譲渡益4億円(源泉あり)
→ 合計所得金額:1億円。
→ 基準所得金額:5億円(合計)。課税特例の対象。
⑦ 退職者(浜松市)
退職所得2,000万円(退職金)、配当所得50万円(源泉あり)
→ 合計所得金額:退職所得は別枠、50万円を除外。
→ 基準所得金額:退職金除外、配当50万円を加算。
⑧ 農家(島田市)
農業所得800万円、上場株式配当20万円(特定口座源泉あり)
→ 合計所得金額:800万円。
→ 基準所得金額:820万円。
⑨ 個人投資家(静岡市)
給与所得500万円、配当2億円、譲渡益2億円
→ 合計所得金額:500万円。
→ 基準所得金額:4億5,000万円(源泉あり分を加算)。
⑩ 会社オーナー(浜松市)
役員報酬4,000万円、グループ会社配当1億円
→ 合計所得金額:4,000万円。
→ 基準所得金額:1億4,000万円。
→ 3.3億円を超えないが、資産構成次第で翌年超過もあり注意。
★注意
投資収入が多い方は、申告不要所得が基準所得金額に加算されます。
従来の所得より課税判定が上振れするため、申告前に再試算を行う必要があります。

【№5 手順】

基準所得金額を確認する手順は次の通りです。
① 各種所得を整理する
給与、事業、不動産、配当、譲渡、一時、山林などを区分。
② 損益通算を行う
通常どおり総合課税所得を確定。
③ 確定申告不要の所得を再加算
上場株式の配当・譲渡(源泉あり特定口座分)を加える。
④ 非課税所得を除外
NISA、エンジェル税制、預貯金利子などは含めない。
⑤ 合計額を算出
上記①〜④を合計して基準所得金額を確定。
⑥ 3.3億円超を確認
超える場合は、22.5%×(超過額)−基準所得税額を計算。
⑦ 確定申告書類へ反映
追加課税対象の場合は申告時に別表を添付。

【№6 FAQ】

① Q:基準所得金額の計算でNISAは入れますか?
A:いいえ。非課税制度であるため除外します。
② Q:申告不要の株式配当は必ず含めますか?
A:はい。確定申告不要でも基準所得金額には加算します。
③ Q:扶養控除の判定も基準所得金額ですか?
A:いいえ。従来どおり「合計所得金額」を使います。
④ Q:3.3億円を超えたら自動的に課税されますか?
A:はい。超過部分に対して追加課税が行われます。
⑤ Q:基準所得金額はどこで確認できますか?
A:申告書作成ソフトや国税庁e-Taxシステムで自動算出されます。
⑥ Q:複数年にわたる所得は通算しますか?
A:いいえ。年単位で判定します。
⑦ Q:静岡や浜松でも同じルールですか?
A:はい。全国共通ですが、静岡県内の金融所得層は特に影響が出やすい傾向です。
⑧ Q:退職金や年金は含みますか?
A:退職所得・年金(公的年金)は原則含めません。
⑨ Q:基準所得金額は住民税にも影響しますか?
A:現時点では所得税のみが対象です。住民税は従来どおり。
⑩ Q:どんな人が注意すべきですか?
A:上場株式を多く保有する個人事業主や会社オーナー、医師、不動産オーナーなどです。

【№7 まとめ】

基準所得金額は、これまで見落とされがちだった「確定申告不要制度の裏にある所得」まで可視化するための新しい考え方です。
合計所得金額とは似ていますが、“誰の負担をどこまで公平にするか”という税制の根幹に関わる違いがあります。
合計所得金額は、扶養控除や配偶者控除など生活関連の税制に使われ、家計単位での負担調整が目的です。
一方、基準所得金額は、金融所得を多く得る層の実際の経済力を反映し、税負担の適正化を図ることを目的としています。
この2つの違いを整理すると、次の通りです。
合計所得金額:控除前の所得の合計(社会的判定に使用)
基準所得金額:申告不要の所得を含む広い合計(課税負担の公平化に使用)
★重要
従来は源泉徴収済の配当や譲渡益を「確定申告不要」とすることで、一定の所得層では実質的に課税軽減が起きていました。
基準所得金額の導入は、こうした格差をならし、より正確に所得階層を反映させる仕組みです。
静岡・浜松地域でも、医師・経営者・地主層などの資産家を中心に、金融所得を含めた基準所得金額が3.3億円を超えるケースが散見されます。
特に次のような方は、今後の確定申告で再計算が必要です。
上場株式を多く保有している個人
複数法人から配当を受けているオーナー経営者
特定口座の譲渡益が多い個人投資家
医療法人理事長や不動産オーナーで、複数所得がある方
★注意
確定申告をしないと課税を逃れられる時代は終わりつつあります。
基準所得金額は、税務署が自動的に金融機関データ等を参照して算出可能な仕組みへと進化しています。
静岡・浜松の高所得者層は、税理士と連携して「合計所得金額」「基準所得金額」「総所得金額等」の三つの関係を整理し、
次年度以降の納税予測や節税対策を早めに進めることが大切です。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3862号(2025年8月4日)「基準所得金額と合計所得金額の違い」
参考:国税庁タックスアンサー「No.2220 所得金額の種類」(参照日:2025-10-22)
参考:e-Gov法令検索「租税特別措置法第41条の19」「所得税法第22条」(参照日:2025-10-22)

【№9 該当条文の説明】

租税特別措置法第41条の19(特定の基準所得金額の課税の特例)は、令和5年度改正により新設された条文で、令和7年分の所得税から施行されます。
目的は、高所得者層への課税の適正化と、所得税全体の累進構造の維持です。
第1項では、基準所得金額が3億3,000万円を超える個人について、超過部分に対し「22.5%相当額−基準所得税額」を課すことを定めています。
これにより、所得税率の最高45%を超える実効税率が発生する場合もありますが、政策的には「逆進性の是正」を意図しています。
第2項では、「基準所得金額」の定義が示されます。
その年分の所得税について確定申告不要制度を適用しないで計算した「合計所得金額」と規定され、さらに政令で詳細が補われています(措令26の25)。
このため、通常の所得区分では申告対象外だった配当・譲渡益も再度合算されます。
★実務上の解釈ポイント
「確定申告不要制度を適用しない」という点が最大の特徴です。
NISA、預貯金利息、エンジェル税制対象所得は除外されます。
損益通算は適用せず、あくまで総額ベースでの計算を行います。
配当控除は考慮されません。
一方、所得税法第22条では「合計所得金額」の定義を定めており、主に扶養控除や配偶者控除など、家計的・社会的な判定の基準として用いられます。
つまり、所得税法第22条は「生活関連の基準」を目的とし、措法第41条の19は「課税上の公平性確保」を目的とした規定です。
前者は生活者視点の税負担調整、後者は経済的全所得を対象とする公平課税の仕組み、と整理できます。
背景には、OECD諸国で進む**包括的所得課税(Comprehensive Income Tax)**への流れがあります。
わが国では、分離課税制度の拡大により所得の捕捉が分断されていたため、税負担の一体的把握を進める目的で新制度が導入されました。
★静岡・浜松の実務例
静岡や浜松では、持株会社を通じて配当を受け取るオーナー経営者や、不動産収入と株式収入を併せ持つ個人が増えています。
これらの配当は基準所得金額に含めて再計算されるため、一時的に課税所得が急増することがあります。
税理士は、基準所得金額試算表を早期に作成し、来期の資金繰りや納税予測を顧客へ提示することが重要です。
この条文の運用は今後の所得税制度全体に大きな影響を与えるため、国税庁は「基準所得金額に関する通達」や申告様式の整備を段階的に進めています。
静岡・浜松地域の税理士としても、地方の高所得者層に対して新しい課税体系を丁寧に説明し、透明で公正な納税行動を促す姿勢が求められます。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
※当事務所はDXを経営に活かすことを推進しており、当ブログはAIを活用して生成しています。実際の税制や政策、判例、事件、事象を元に作成していますが、正確な内容や最新の情報とは異なる場合がありますことをご了承くださいませ。
無料相談をご希望の方は、最高のIT税理士法人へお気軽にお問い合わせくださいませ。
https://toc-tax.jp/contact/