特定親族特別控除と夫婦双方での適用が可能なケース

2025年11月9日

【№1】はじめに

こんにちは!
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私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「特定親族特別控除と夫婦双方での適用が可能なケース」についてお伝えさせていただきます!
令和7年度の税制改正では、子育て世帯への支援をより手厚くするために「特定親族特別控除」という新しい所得控除制度が創設されました。
対象となるのは、19歳以上23歳未満の子ども(学生等)を扶養している世帯です。
これまでの扶養控除や配偶者控除とは異なり、所得の多寡によって段階的に控除額が設定されており、最大で63万円の控除を受けられるという特徴があります。
そして今回注目されているのが、「夫婦のどちらも控除を受けられるケースがある」という点です。
本来は同一の特定親族について重複適用はできませんが、年の途中で夫または妻が出国したり亡くなった場合など、特殊な事情があると両者が控除を適用できる可能性があります。
本記事では、この制度の基本構造から、具体的な事例、そして静岡・浜松エリアの企業が押さえておくべき実務対応まで、わかりやすく解説いたします。

【№2】結論

★結論から言えば、特定親族特別控除は原則として「夫婦のどちらか一方のみ」が適用できる制度です。
しかし、例外として「年の途中で夫または妻が出国、または死亡した場合」には、夫婦の双方で同一の特定親族に対して控除を適用できるケースがあります。
この特例が認められる理由は、所得税法第85条および基本通達85-1にある「現況判定」の考え方です。
出国や死亡によって課税関係が途切れると、その時点で一度「所得計算を確定」させる必要があるため、
夫側は出国時点の現況で、妻側は年末(12月31日)時点の現況でそれぞれ控除対象を判定することが認められています。
したがって、夫婦の双方が異なる時点において、同一の子を「特定親族」として扱うことが可能となるわけです。
実際には、海外赴任・単身赴任・海外転勤などのケースで発生することが多く、
特にグローバル展開を行う中小企業や外資系企業では、見落としやすいポイントです。
ただし、この控除を受けるためには「日付」と「申告方法」に細心の注意が必要です。
令和7年分では、制度の適用開始日が12月1日以後であるため、
11月30日以前に出国した場合は、準確定申告で特定親族特別控除を適用できません。
この場合、令和7年12月1日から令和8年12月2日までの間に「更正の請求」を行う必要があります。
一方、12月1日以後の出国であれば、準確定申告や年末調整で控除が認められます。
つまり、出国や死亡のタイミングが12月1日をまたぐか否かで、控除の適用可否が分かれることになります。
さらに、制度の趣旨を踏まえると、税務上は「二重適用」ではなく、
あくまで「それぞれの時点での現況に基づく別個の判定」と位置づけられています。
そのため、申告書にはそれぞれの基準日を明示し、重複ではなく独立した適用であることを示す必要があります。
実務上は、年末調整や準確定申告の段階で、扶養控除等申告書の記載を再確認し、
控除漏れ・重複誤記を防ぐことが重要です。
特に静岡・浜松エリアの企業でも、海外出向・出国手続を行う社員のケースでは、
会計・人事部門が連携して、出国日と居住者区分の管理を徹底することが求められます。
このように、特定親族特別控除の夫婦双方適用は「例外的ではあるが明確に認められる」制度であり、
日付・手続・書類管理の3点を押さえておけば、円滑な申告が可能です。

【№3】やさしい解説

特定親族特別控除は、若年層(19〜23歳)の子を持つ家庭にとって新しい税負担軽減の仕組みです。
ここでは、制度の全体像と「夫婦双方で控除できるケース」の考え方をやさしく解説します。
まず、「特定親族」とは、
19歳以上23歳未満
合計所得金額が58万円超〜123万円以下
生計を一にする(同居または仕送り)
この条件を満たす子どもを指します。
そして、その子を扶養している居住者(親)が控除を受けられます。
この控除額は、子の所得に応じて段階的に決まり、最大で63万円です。
つまり、学生アルバイトなどで所得が少しある場合でも、金額に応じて控除が調整されます。
原則として、1人の子について控除できるのは親のどちらか1人です。
例えば夫婦共働きで、大学生の子が1人いる場合、夫が控除を取れば妻は取れません。
しかし、所得税法第85条やその基本通達では、「年の途中で死亡または出国した居住者の特定親族が、他の居住者の特定親族にも該当する場合には、他の居住者も控除を適用できる」と定められています。
つまり、夫婦のどちらかが中途で出国したり亡くなった場合、その時点での状況(現況)に応じて両方が控除できる仕組みなのです。
これは、家族の生活実態を反映し、課税の公平を保つための考慮です。
たとえば、静岡や浜松の企業で海外駐在員を派遣するケースなどでは、夫が12月前に海外転勤し、妻が国内に残るようなケースも少なくありません。
この場合、タイミング次第で「両方が控除を受けられる」可能性が出てきます。

【№4】具体例

以下に、実際のケースを基に整理します。
① 夫婦共働きで大学生の子が1人。夫が12月10日に海外赴任した場合。
→ 出国日は12月1日以後のため、夫も妻も控除可能。
② 夫が11月30日に出国した場合。
→ 出国日は施行日前のため、夫は更正の請求が必要。妻は年末調整で控除可能。
③ 妻が年途中で死亡、夫が年末に生存している場合。
→ 妻は死亡時現況で控除適用、夫も年末現況で控除可能。
④ 父が出国後に子が母と同居を開始した場合。
→ 父は出国時に控除、母は年末に同居確認が取れれば控除可能。
⑤ 共働き夫婦で、夫が単身赴任中に死亡した場合。
→ 死亡時現況と年末現況が異なるため、両方が適用可能。
⑥ 共働きだが、妻が中途で海外出張(非居住者扱い)となった場合。
→ 出国時と年末で判定が異なり、両者で適用可能。
⑦ 夫婦どちらも国内居住のままの場合。
→ 重複適用不可。従来どおり、どちらか一方のみが控除対象。
⑧ 夫が12月5日に死亡した場合。
→ 妻は年末時点で現況該当し、両者控除可能。
⑨ 特定親族が複数(兄弟2人)の場合。
→ 子ごとに適用判定するため、別々の親が1人ずつ控除することは可能。
⑩ 夫婦の一方が出国後に離婚した場合。
→ 出国時点では夫、年末時点では妻がそれぞれ控除可能(条件付き)。
これらのケースを整理すると、
★判断基準は「現況判定日」
★境目は「12月1日」
であることが分かります。

【№5】手順

ここでは、夫婦双方が「特定親族特別控除」を適用できるケースにおける実務対応の流れを、時系列で整理します。
年末調整や更正の請求は、正しい手順を踏むことでスムーズに処理できます。
① 出国・死亡などの事実確認
まず、夫または妻が年の途中で出国または死亡した事実を確認します。
日付(11月30日以前か12月1日以後か)を明確にしておくことが、後の判断に不可欠です。
② 判定基準日の確認
所得税法では、年の中途で出国・死亡した場合には「その時点の現況」で特定親族該当を判定します。
残る配偶者は「12月31日の現況」で判定します。
③ 控除の可否を判定
出国・死亡時に子が19歳以上23歳未満で、所得金額が58万円超123万円以下であれば特定親族に該当します。
両親ともに条件を満たす場合、重複して控除可能です。
④ 準確定申告の実施
年の途中で死亡・出国した方については、4か月以内に準確定申告を行います。
この際、12月1日以前であれば特定親族特別控除は適用できません。
⑤ 更正の請求(必要な場合)
もし11月30日までに出国していた場合、制度適用開始前のため控除を受けられません。
その場合、令和7年12月1日以後に「更正の請求」を行う必要があります。
期限は翌年12月2日までです。
⑥ 年末調整の実施
残る配偶者は年末調整で控除を適用します。
源泉徴収票の「所得控除欄」に特定親族特別控除を記入し、添付書類(扶養控除等申告書)を確認します。
⑦ 所得証明書・在学証明書の添付
子どもの所得が58万円超123万円以下であることを証明するため、
源泉徴収票やアルバイト先の支払調書、在学証明書などを添付しておくと確実です。
⑧ 会計ソフトの更新対応
クラウド会計・給与システムでは、特定親族特別控除の自動反映が遅れる場合があります。
早めに令和7年度改正データを更新し、控除欄を手入力できる設定にしておきましょう。
⑨ 顧問税理士との確認
静岡・浜松エリアの企業では、出国・死亡の有無を会計事務所へ連絡しておくことが大切です。
手続き漏れがあると、翌年の源泉徴収簿や法定調書に誤りが残ることがあります。
⑩ 控除適用後の保存義務
控除適用を受けた際の根拠資料(申告書控・添付証明書等)は、7年間の保存が必要です。

【№6】FAQ(よくある質問10選)

Q1. 夫婦どちらが控除を取るかは自由に決められますか?
→ 原則はどちらか一方のみ。話し合いで選択可能です。年の途中で出国・死亡した場合に限り両方可。
Q2. 子がアルバイトで130万円稼いだ場合、特定親族に該当しますか?
→ 所得金額123万円超の場合は対象外です。収入ではなく「所得」で判定します。
Q3. 出国が12月1日ちょうどの場合はどう扱いますか?
→ 制度開始日当日のため「適用あり」とされます。準確定申告で控除可。
Q4. 出国時に申告を忘れた場合、後から訂正できますか?
→ 更正の請求をすれば可能です。期限は令和8年12月2日まで。
Q5. 子が2人いる場合、夫婦で1人ずつ控除できますか?
→ はい。子ごとに判定します。特定親族が複数いれば、分けて適用可。
Q6. 出国・死亡ではなく離婚の場合はどうなりますか?
→ 出国や死亡と異なり、単なる離婚では同一年中の重複適用は不可です。
Q7. 子が年途中で就職した場合はどうなりますか?
→ 12月31日時点で就職し扶養を外れた場合は特定親族に該当しません。
Q8. 静岡市内の企業で海外支店に転勤した社員の子は対象ですか?
→ 出国した時点で居住者でなくなりますが、家族が国内居住なら条件次第で控除可。
Q9. 年末調整時に書類を提出し忘れた場合は?
→ 翌年の確定申告で控除を適用できます。年末調整では不可。
Q10. 顧問税理士が自動的に手続きしてくれますか?
→ 基本は納税者本人の申告事項です。必ず相談して進めましょう。

【№7】まとめ

今回の「特定親族特別控除」は、少子化対策の一環として導入された制度ですが、
夫婦の一方が年途中で出国・死亡するようなケースでは、想定外の重複適用が認められる点が実務上のポイントです。
静岡・浜松エリアの中小企業でも、海外駐在・単身赴任・国際結婚など多様な家族構成が増えており、
このような例外規定を理解しておくことが、年末調整の精度を高めるうえで非常に重要です。
特に注意すべきは、
① 出国や死亡の日付(12月1日を境に扱いが変わる)
② 更正の請求の期限(翌年12月2日まで)
③ 証明書類の保存義務(7年間)
の3点です。
また、制度の趣旨は「子どもの教育を支える家庭を応援する」ことにあります。
単なる節税手段ではなく、社会的意義のある制度として、企業や個人が正しく理解して適用することが望まれます。
実務上は、給与計算ソフトやクラウド会計に改正対応を反映し、
顧問税理士と連携して更正の請求や準確定申告を漏れなく行うことが求められます。
制度を正確に適用することで、税負担を最適化しつつ、家族を支える政策の恩恵を受けることができるのです。

【№8】出典

出典:『税務通信』第3862号(2025年8月4日)「特定親族特別控除 夫婦両方が重複適用できるケースも」
参考:国税庁タックスアンサー「No.1180 扶養控除と特定親族特別控除」(参照日:2025-08-10)
参考:e-Gov法令検索「所得税法 第84条の2(特定親族特別控除)」および「所得税法施行令 第216条」(参照日:2025-08-10)

【№9】該当条文の説明

特定親族特別控除は、令和7年度改正によって新設された所得税法第84条の2に定められています。
この条文は、19歳以上23歳未満の特定親族を有する居住者に対して、合計所得金額に応じて控除を認める規定です。
【第84条の2(要旨)】
居住者が、特定親族(19歳以上23歳未満で合計所得金額58万円超123万円以下の子など)を有する場合には、その特定親族の所得金額に応じ、最高63万円を控除する。
また、判定基準は同法第85条および基本通達85-1に規定されています。
年の途中で死亡または出国した場合は「その時点の現況」、年末時点で居住する配偶者については「12月31日の現況」で判断します。
これにより、夫婦双方が異なる時点の現況に基づき同一の特定親族を対象とできる場合が生じる、という仕組みです。
加えて、国税庁の「令和7年度税制改正Q&A」では、
「年の中途で出国等した居住者の特定親族が、同年中に他の居住者の特定親族に該当する場合、
他の居住者も控除を適用できる」と明記されています。
したがって、法令の根拠としては以下の3段階で構成されます。
① 所得税法84条の2(特定親族特別控除の創設)
② 所得税法85条(判定時期の規定)
③ 所得税基本通達85-1(中途出国・死亡時の取扱い)
この三層構造を理解することで、制度の趣旨と適用範囲を明確に把握できます。

【№10】おわりに

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、
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