令和7年度税制改正条文を読んで〔所得税等編〕

2025年12月26日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「令和7年度税制改正条文を読んで〔所得税等編〕」をお伝えさせていただきます!
今回の所得税等の改正は、「103万円の壁」の見直しをはじめ、基礎控除や給与所得控除、扶養控除まわりが一体的に整理された点が大きな特徴です。
あわせて、大学生アルバイト向けの「特定親族特別控除」、退職所得控除の重複調整の見直し、エンジェル税制や事業承継税制の細かな改正など、「現場で迷いやすいポイント」を丁寧に補正する内容になっています。
静岡・浜松の中小企業では、パート・アルバイトの働き方や、役員・オーナーの退職・投資・事業承継など、幅広い場面で影響が出てきます。
このコラムでは、条文の細かな文言を追い過ぎず、実務上「何が変わるのか」「どこに注意すべきか」をやさしく整理していきます。

【№2 結論】

ここでは、細部に入る前に「まずここだけ押さえればOK」という5点をコンパクトにまとめます。
① 課税最低限は「160万円前後」にシフト
パート・アルバイトなど給与収入のみの方は、
給与所得控除65万円
基礎控除95万円(上乗せ含む)
を前提にすると、所得税がかからないラインが160万円前後に上がります。

② 扶養・配偶者などの「58万円ライン」が共通化
配偶者控除・扶養控除・ひとり親控除など、多くの所得要件が「合計所得金額58万円以下」でそろいます。
給与収入ベースでは、およそ123万円前後が、扶養に入れるかどうかの一つの目安になります。

③ 大学生アルバイト向け「特定親族特別控除」が新設
19歳以上23歳未満で合計所得金額123万円以下の子ども等について、63万円を上限に段階的な控除ができる制度が創設されます。
「ある金額を1円超えた瞬間に一気に不利になる」という状態をやわらげる狙いがあります。

④ 非居住者には基礎控除の上乗せは適用されない
非居住者にも基礎控除58万円は準用されますが、措置法による上乗せ分は居住者に限られます。
海外赴任や海外在住の役員・オーナーを抱える企業では、この差を意識しておく必要があります。

⑤ 退職・投資・事業承継の「つぎ目」が要チェック
退職所得控除の重複調整、エンジェル税制、事業承継税制などでは、
何年以内に受け取った退職給付か
いつ売却して、いつ再投資するか
いつ役員就任し、いつ贈与するか
といった「時間軸」がより重要になります。

【№3 やさしい解説】

今回の改正は、給与所得控除・基礎控除・扶養控除などの「入口基準」を整理し、分かりやすくした点が中心です。ここでは実務で特に押さえておきたい部分だけを短くまとめます。
【1】給与所得控除と基礎控除の見直し
給与所得控除が一律65万円に整理され、基礎控除は最大95万円(上乗せ含む)となります。これにより、給与収入160万円前後までは所得税がかからない層が広がるイメージです。非居住者には上乗せ部分が適用されない点は注意が必要です。

【2】「103万円の壁」の構造が分解
従来の「103万円の壁」は、
・本人の税負担ライン(160万円前後)
・扶養控除の判定ライン(合計所得58万円=給与収入123万円前後)
に整理されました。実務では、税金・扶養・社保のラインを分けて説明することが重要です。

【3】58万円ラインに統一された所得要件
配偶者控除・扶養控除・ひとり親控除など、幅広い制度で「合計所得金額58万円以下」が共通の要件になりました。給与収入のみのケースでは123万円前後がひとつの目安になります。

【4】特定親族特別控除の新設
19歳以上23歳未満の子などが対象で、合計所得金額に応じて最大63万円の控除が段階的に適用されます。大学生アルバイトの急激な不利を避けるための制度です。

【5】源泉控除対象親族の追加
源泉徴収の計算では、控除対象扶養親族に加え、
・19〜23歳
・合計所得100万円以下
の親族も人数に含めます。給与計算ソフトの対応時期を確認することが推奨されます。

【6】非居住者・退職・投資・承継との接点
基礎控除の扱い、退職所得の勤続期間調整、エンジェル税制の再投資期限、事業承継税制の就任要件など、複数制度で時間軸の考え方が整理されています。役員・オーナーの出口設計では、数年単位での時系列管理が重要になります。

【№4 具体例】

ここでは、給与収入と控除の関係を短時間でつかめるように、最低限の数字だけに絞ってイメージを整理します。個人所得課税の改正を理解するうえで、実務で遭遇しやすい10パターンを取り上げます。

1 :給与100万円の高校生アルバイト
・合計所得は35万円。
・基礎控除95万円以下のため本人に税負担なし。
・親の扶養も維持できる。
2 :給与120万円の大学生
・合計所得65万円。
・58万円ラインを超え、親の扶養から外れる可能性。
・ただし特定親族特別控除(段階式)が一部適用される。
3 :給与160万円のパート
・合計所得は95万円。
・本人の所得税が発生し始める水準。
・扶養は当然外れる。
4 :給与130万円の主婦
・合計所得は65万円。
・親族の扶養控除58万円ラインをわずかに超える。
・世帯全体の手取りで比較すると働き方の調整が必要。
5 :給与123万円付近の「扶養ギリギリ」層
・合計所得は58万円前後。
・扶養維持の可否が最もズレやすいポイント。
・時給変動や年末調整後の精算で外れる例もある。
6 :ダブルワークで給与合算180万円
・年末調整で両方の収入が合算され、基礎控除と給与所得控除の調整が必要。
・扶養全般は不可となる。
7 :非居住者の子を扶養していたケース
・非居住者の親族は基本控除対象外。
・今回の改正でも扱いは変わらないため注意。
8 :大学生の子が短期アルバイトで急増収入
・一時的に150万円を超えた場合、扶養から外れる可能性。
・特定親族特別控除で急な負担を緩和。
9 :65歳以上の親を扶養している場合
・親の合計所得58万円以下なら扶養可能。
・年金収入は65歳以上なら110万円程度までは扶養範囲。
10 :障害者控除を併用する家庭
・扶養判定は同じく58万円基準。
・控除額が大きいため、世帯全体の税負担は大きく下がる。

【№5 手順】

ここでは、中小企業の社長・経理担当の方向けに、
「今から何を準備しておけばよいか」をステップで整理します。
① 社内での情報整理
令和7年度改正のうち、自社に関係するテーマを整理する
例:
パート・アルバイト比率が高い会社 → 所得税・扶養・壁の見直し
退職金制度・iDeCo導入企業 → 退職所得控除の重複ルール
スタートアップ投資・M&Aを行う経営者 → エンジェル税制
自社株承継を検討中 → 事業承継税制

② 給与・人事まわりのマニュアル改訂
扶養控除等申告書の書き方説明資料を改訂
「103万円の壁」という言い方を見直し、
自分の課税最低限
扶養のライン
社会保険のライン
など複数の数字があることを整理して社内共有。

③ 経理・給与ソフトのバージョン確認
源泉徴収税額表・扶養人数のカウント方法(源泉控除対象親族を含むかどうか)
年末調整モジュールが、改正後の基礎控除・各種控除に対応しているかをチェック。

④ 退職金・確定拠出年金の情報蓄積
過去の退職金支給履歴
iDeCoや企業型DCの老齢給付の受給予定・実績
を一覧にし、
「どの年に何を受け取ったか」
が一目で分かるようにしておきます。

⑤ スタートアップ投資・M&A案件のヒアリング強化
顧問先経営者が株式を売却した場合は、
売却益の規模
将来のスタートアップ投資意向
を早めに確認し、
必要に応じて「再投資見込み」の書類を期限内に提出できるよう、フローを整備します。

⑥ 事業承継税制を利用中・検討中の顧問先の棚卸し
特例承継計画の提出状況
後継者候補が役員等に就任しているか(改正後は「直前でよい」が原則)
今後の贈与・相続のスケジュール
を確認し、期限の管理表を作成します。

【№6 FAQ】

Q1:非居住者かどうかはどこで判断しますか?
A1:国内の住所の有無ではなく、生活拠点(住所・滞在期間・出入国状況)で判定します。迷う場合は税務署への事前相談が確実です。

Q2:売買代金の10.21%は必ず源泉徴収が必要ですか?
A2:原則必要です。ただし個人が自己居住用の不動産を1億円以下で購入する場合は源泉不要です。法人は金額に関係なく源泉が必要です。

Q3:賃料支払の20.42%は、非居住者個人でも同じですか?
A3:はい。同じです。非居住者が所有する物件なら、賃料は原則源泉対象です。ただし個人が自己居住用に借りる場合は例外で源泉不要です。

Q4:所有者が途中で非居住者に変わった場合は?
A4:変更後に支払う賃料から源泉が必要です。管理会社からの通知だけに依存せず、契約書の名義変更にも注意が必要です。

Q5:源泉徴収した税額を、相手に証明する必要はありますか?
A5:はい。支払調書や計算書を渡すことでトラブルを防げます。特に海外在住者は証明を求めることが多いです。

Q6:税金はいつまでに納付すればいいですか?
A6:支払月の翌月10日が期限です。遅れると不納付加算税などの追加負担が生じます。

Q7:源泉税を誤って多く納付してしまった場合は?
A7:還付手続きで回収できます。買主(支払者)が請求主体になる点に注意が必要です。

Q8:賃料を海外口座に送金する場合も源泉が必要ですか?
A8:支払方法や送金先に関係なく、国内源泉所得に当たる場合は源泉徴収が必要です。

Q9:静岡・浜松の法人でも、非居住者オーナーの物件を借りると源泉が必要ですか?
A9:はい。所在地に関係なく、所有者が非居住者なら源泉義務が発生します。地域によって免除されることはありません。

Q10:法人で海外駐在員がオーナーの物件を借りた場合は?
A10:駐在員が非居住者なら、物件が日本国内にある限り源泉の対象です。駐在期間中だけ非居住扱いになるケースもあります。

【№7 まとめ】

令和7年度税制改正(所得税等編)は、
「103万円の壁」をはじめとする各種ラインの見直し
大学生アルバイト向けの新しい特別控除
退職金・iDeCo・エンジェル税制・事業承継税制などの「つぎ目」の整備
といった、多方面にわたる調整が行われた改正です。
静岡・浜松の中小企業にとっては、
従業員やその家族の働き方
経営者ご自身の老後資金設計
スタートアップ投資やM&A後の資金運用
自社株式の承継スケジュール
など、ライフプランと経営計画が交差する分野で、税制改正の影響がじわじわと表れてきます。
★重要なのは
「ニュースのキャッチフレーズ」ではなく、
具体的な年収・所得の数字
条文上の要件
適用時期・提出期限
を押さえたうえで、個別案件ごとに一つずつ丁寧に整理していくことです。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3871号(2025年10月13日)「実例から学ぶ税務の核心 第110回 令和7年度税制改正条文を読んで〔所得税等編〕」税務研究会
参考:国税庁タックスアンサー「所得控除」「扶養控除」「配偶者控除」ほか(参照日:2025-12-11)
参考:e-Gov法令検索「所得税法」「租税特別措置法」「所得税法施行令・施行規則」ほか(参照日:2025-12-11)

【№9 該当条文の説明】

ここでは、本文中で触れた主な条文の位置付けとポイントを、やさしく整理します。
① 所得税法第28条(給与所得)
給与所得の金額は「給与収入-給与所得控除額」で計算する、と定めた条文です。
今回の改正では、特に「190万円以下の給与所得控除額を65万円とする」部分が重要です。

② 所得税法第86条(基礎控除)
すべての納税者が共通で差し引ける基礎控除の金額を定めた条文です。
改正により、2,350万円以下の納税者の控除額が58万円に引き上げられました。

③ 租税特別措置法第41条の16の2(基礎控除等の特例)
基礎控除に「上乗せ」する額を、所得水準ごとに細かく定めた特例条文です。
一定期間に限り、基礎控除額が最大95万円まで増える仕組みの根拠になっています。

④ 所得税法第2条関連(同一生計配偶者・扶養親族・勤労学生・源泉控除対象親族など)
所得税の世界で使う用語の定義をまとめた条文です。
「合計所得金額58万円以下」といった要件が、ここで整理されています。
新しく導入される「源泉控除対象親族」の定義もこの条文に位置付けられます。

⑤ 所得税法第84条の2(特定親族特別控除)
大学生アルバイトなどを想定した「特定親族特別控除」の新設条文です。
合計所得金額の水準に応じた控除額の段階構造が、細かく規定されています。

⑥ 所得税法施行令・施行規則の各条文
本法だけでは書ききれない計算方法・期間の考え方・保存期間などを補う役割を持つ条文です。
退職所得控除額の重複排除ルールや、退職所得の受給に関する申告書の保存期間延長など、実務に直結する部分が多く含まれます。

⑦ 租税特別措置法第37条の13(エンジェル税制関連)
スタートアップ投資に関する「投資時・売却時の特例」を定めた条文です。
今回の改正では、株式売却益の翌年末まで再投資期間を延長し、繰戻し還付の仕組みを整備した部分がポイントです。

⑧ 租税特別措置法第70条の7の5(事業承継税制・贈与税の納税猶予特例)
非上場株式等の贈与税の納税猶予特例の中で、「特例経営承継受贈者」の要件を定めた条文です。
改正により、役員就任要件が「贈与の直前に役員等であること」で足りるように緩和されています。
条文そのものは難解に見えますが、
「どの条文が、どの金額・どのラインの根拠になっているか」
を意識して読み解くと、改正の方向性が理解しやすくなります。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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