消費税 有価証券の譲渡に係る内外判定

2026年1月1日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「消費税 有価証券の譲渡に係る内外判定」をお伝えさせていただきます!
近年、国内の証券会社を通じて、海外株式や外国企業の有価証券を取引するケースが、中小企業でも珍しくなくなっています。
その一方で、消費税の取扱いについては、「国内の証券会社を使っているから国内取引ではないか」といった誤解が生じやすい分野でもあります。
有価証券の譲渡は、原則として消費税が課されない取引ですが、その前提として「国内取引に該当するか」「国外取引に該当するか」という、いわゆる内外判定を正しく行う必要があります。
本コラムでは、株式の譲渡を中心に、有価証券の内外判定の基本的な考え方を、実務目線でやさしく整理します。

【№2 結論】

有価証券の譲渡に係る消費税の内外判定は、
実務上、誤解や思い込みが生じやすい論点の一つです。
特に、
「国内の証券会社を通じて取引している」
「日本語の取引画面で売買している」
「円建てで決済している」
といった事情から、無意識のうちに国内取引と判断してしまうケースが少なくありません。
しかし、消費税法における内外判定は、
こうした取引の外形や利便性を基準としていません。
判断の基準となるのは、
株券が発行されているかどうかという点、
そして、株券が発行されている場合には譲渡の時点における株券の所在場所、
株券が発行されていない場合には、その取引に係る振替機関の所在地、
この二つの法令上の基準です。
これらの基準に基づき、
国内取引に該当する場合は非課税取引、
国外取引に該当する場合は不課税取引、
という整理が行われます。
実務では、この判定結果が消費税の課税関係そのものを左右するわけではありませんが、
課税売上割合や仕入税額控除の計算に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、有価証券の譲渡については、
取引の見た目や感覚に頼らず、
必ず法令が求める判定軸に立ち返って整理する姿勢が重要です。

【№3 やさしい解説】

消費税は、「国内において事業者が行う資産の譲渡等」を課税対象としています。
そのため、取引が国内で行われたのか、国外で行われたのかを判定することが、消費税実務の出発点になります。
有価証券の譲渡についても同様で、まずは内外判定を行い、そのうえで課税関係を整理します。
ここで注意したいのは、有価証券の譲渡は、国内取引であっても原則として非課税であるという点です。
しかし、国内取引なのか、国外取引なのかによって、「非課税」になるのか、「不課税」になるのかが分かれます。
この違いは、課税売上割合や仕入税額控除の計算に影響するため、実務上は非常に重要です。
内外判定のルールは、消費税法および消費税法施行令で細かく定められています。
株式の譲渡については、「株券が発行されているかどうか」が最初の分岐点になります。
株券が発行されている場合には、譲渡時点でその株券がどこに存在していたかを確認します。
一方、株券が発行されていない場合、いわゆる電子化された株式については、振替機関の所在地が判定基準となります。
このように、有価証券の内外判定は、直感ではなく、形式的な事実関係を一つずつ確認して行う仕組みになっています。
国内の証券会社を通じて取引しているという事情だけで、国内取引と判断することはできません。

【№4 具体例】

ここでは、実務でよく出てくるケースを想定し、有価証券の譲渡に係る内外判定を具体的に整理します。
「どこで取引したか」ではなく、「何を基準に見るか」を意識して読み進めてください。

1. 株券が発行されており、国内に保管されている場合
国内法人が、外国法人の株式を保有しており、その株券が日本国内の保管施設に置かれている状態で譲渡したケースです。
この場合、譲渡時点における株券の所在場所は国内となります。
そのため、国内における有価証券の譲渡に該当し、消費税は非課税取引として扱われます。

2. 株券が発行されており、国外に保管されている場合
外国株式の株券が、海外の保管機関に置かれている状態で譲渡されたケースです。
譲渡時点の株券の所在場所は国外となるため、国外取引に該当します。
この場合、消費税の課税対象外、いわゆる不課税取引となります。

3. 株券が発行されていない上場株式を譲渡した場合
現在多くの上場株式は、株券が発行されていません。
この場合には、株券の所在場所ではなく、その取引に係る振替機関の所在地で判定します。
振替機関が国外に所在していれば国外取引、国内に所在していれば国内取引となります。
国内の証券会社を通じて外国株式を売却した場合
取引の窓口が国内の証券会社であっても、それ自体は内外判定の基準になりません。
株券の所在場所や振替機関の所在地を基準に、改めて判定する必要があります。

4. 日本円建てで取引している場合
取引通貨が日本円であっても、内外判定には直接影響しません。
あくまで法令で定められた判定基準に基づいて判断します。

5. 日本語で契約書を作成している場合
契約書の言語も、内外判定の決定要素にはなりません。
形式的な要素ではなく、株券や振替機関の所在地を確認します。

6. 外国法人が発行した株式である場合
発行体が外国法人であっても、それだけで国外取引になるわけではありません。
株券の所在場所や振替機関の所在地を基準に判定します。

7. 非上場株式を譲渡した場合
非上場株式であっても、株券が発行されているかどうかで判定方法が分かれます。
実際の管理状況を確認することが重要です。

8. グループ会社間で株式を譲渡した場合
関係会社間取引であっても、消費税の内外判定ルールは変わりません。
第三者取引と同様に判定します。

9. 誤って国内取引として処理していた場合
本来は国外取引に該当するにもかかわらず、国内非課税として処理しているケースも見られます。
課税売上割合への影響もあるため、定期的な見直しが必要です。

【№5 手順】

有価証券の譲渡に係る内外判定は、次の順序で整理するとスムーズです。

1 対象取引が有価証券の譲渡に該当するかを確認する
株式、社債、投資信託の受益証券などに該当するかを確認します。
有価証券の譲渡に該当する場合、消費税の課税対象とはなりません。

2 株券が発行されているかを確認する
紙の株券が存在するかどうかを確認します。
株券不発行制度が採用されている場合は、株券は発行されていないものとして扱います。

3 株券が発行されている場合の内外判定を行う
株券が発行されている場合は、譲渡時点における株券の所在場所を確認します。
株券が国内にあれば国内取引、国外にあれば国外取引となります。

4 株券が発行されていない場合の内外判定を行う
株券が発行されていない場合は、その取引に係る振替機関の所在地を確認します。
振替機関が国内であれば国内取引、国外であれば国外取引となります。

5 国内取引か国外取引かを整理する
上記③④の結果を踏まえ、取引が国内取引か国外取引かを確定させます。
この区分が、その後の消費税の取扱いの前提となります。

6 非課税取引か不課税取引かを確定する
国内取引に該当する場合は非課税取引、国外取引に該当する場合は不課税取引として処理します。
併せて、課税売上割合や仕入税額控除への影響があるかも確認します。
★注意
証券会社が国内であることや、日本語の取引画面であることは判定基準ではありません。
必ず、株券の有無と所在地、又は振替機関の所在地に基づいて判断してください。

【№6 FAQ(よくある質問)】

ここでは、「消費税 有価証券の譲渡に係る内外判定」について、実務でよく受ける質問を整理します。
細かい論点よりも、判断の軸をつかむことを目的にしています。

Q.国内の証券会社を通じて取引していれば、国内取引になりますか。
A.なりません。内外判定は、証券会社の所在地ではなく、法令で定められた基準により判断します。

Q.外国株式の譲渡は、必ず国外取引になりますか。
A.いいえ。株券が国内に所在していれば、国内取引に該当する場合があります。

Q.株券が発行されているかどうかは、どこで確認しますか。
A.発行会社の制度や管理方法、証券会社からの資料などを基に確認します。

Q.株券が発行されていない株式とは、どのようなものですか。
A.多くの上場株式のように、紙の株券を発行せず、電子的に管理されている株式です。

Q.株券が発行されていない場合は、何を基準に判定しますか。
A.その取引に係る振替機関の所在地が、国内か国外かで判定します。

Q.国内取引に該当した場合、消費税は課税されますか。
A.有価証券の譲渡は、国内取引であっても原則として非課税です。

Q.国外取引に該当した場合はどうなりますか。
A.消費税の課税対象外となり、不課税取引として処理します。

Q.非課税と不課税の違いは重要ですか。
A.はい。課税売上割合や仕入税額控除の計算に影響するため、実務上は重要です。

Q.取引通貨が日本円の場合、判定に影響しますか。
A.影響しません。通貨は内外判定の基準にはなりません。

Q.静岡市や浜松市の中小企業でも注意が必要ですか。
A.はい。海外株式を保有している場合、内外判定を誤っているケースが見受けられます。

Q.内外判定を誤って処理していた場合、どうなりますか。
A.申告内容の修正が必要になることがあり、税務調査で指摘される可能性もあります。

★重要
有価証券の内外判定は、「感覚」や「取引の雰囲気」で判断せず、
株券の有無と所在地、振替機関の所在地という客観的事実で整理することが大切です。

【№7 まとめ】

有価証券の譲渡は、消費税の計算において
「課税されない取引」に分類される点では共通しています。
しかし、その内訳を見ると、
国内取引として非課税取引に該当するのか、
国外取引として不課税取引に該当するのか、
という点で明確に区別されます。
この区分は、単なる区分表示の違いにとどまりません。
課税売上割合の算定や、
仕入税額控除の可否、
簡易課税制度の適用可否の検討など、
消費税実務のさまざまな場面に影響を及ぼします。
とくに、外国株式や海外投資を行う企業が増えている現在では、
「国内業者を通じているから国内取引」といった
経験則による判断が、誤りにつながるリスクが高まっています。
有価証券の譲渡に係る内外判定では、
株券が発行されているかどうか、
発行されている場合は株券の所在場所、
発行されていない場合は振替機関の所在地、
この基本的な確認を丁寧に積み重ねることが不可欠です。
こうした整理を平時から意識しておくことが、
消費税申告の正確性を高めるだけでなく、
将来の税務調査においても、
根拠をもって説明できる実務対応につながります。

【№8 出典】

出典:
『税務通信』第3872号(2025年10月20日)
「税務相談 消費税 有価証券の譲渡に係る内外判定」
税理士 和氣 光
参考:
e-Gov法令検索
「消費税法 第4条」
「消費税法施行令 第6条」
(参照日:2025-12-17)
国税庁 タックスアンサー
消費税の課税対象に関する解説
(参照日:2025-12-17)

【№9 該当条文の説明】

消費税法第4条では、消費税の課税対象を「国内において事業者が行う資産の譲渡等」と定めています。
そのため、消費税の判断においては、まず国内取引かどうかを判定する必要があります。
この内外判定の具体的な基準は、消費税法施行令第6条に定められています。
有価証券の譲渡については、
株券が発行されている場合は、その所在場所
株券が発行されていない場合は、振替機関の所在地
によって判定する仕組みです。
これらの規定は、取引の実態を客観的に判断するためのルールです。
証券会社の所在地や、取引の方法といった要素は、判定基準として採用されていません。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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