中小企業経営強化税制E類型における30万円特例と中小企業投資促進税制の適用関係

2026年1月19日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「中小企業経営強化税制E類型における30万円特例と中小企業投資促進税制の適用関係」をお伝えさせていただきます!
中小企業経営強化税制のE類型は、建物も対象となる点など、これまでの類型とは性質が大きく異なります。
その一方で、実務上とくに見落とされやすいのが、いわゆる30万円特例や中小企業投資促進税制との関係です。
「併用できると思っていた」「初年度だけの制限だと誤解していた」といった相談は、静岡市や浜松市の中小企業さまからも多く寄せられています。
本コラムでは、制度の考え方を整理しながら、どの期間に・どの設備が・どの特例を使えるのかを、できる限りやさしく解説していきます。

【№2 結論】

中小企業経営強化税制E類型を適用する場合、30万円特例および中小企業投資促進税制は原則として併用できません。
この適用制限は「E類型を使う初年度だけ」に限られるものではなく、経済産業大臣の確認を受けた投資計画期間中すべてに及ぶ点が、実務上の最大の注意点です。
そのため、E類型を選択した事業者は、
・投資計画期間中に取得・事業供用した少額減価償却資産については30万円特例を使えない
・同じく、一定の設備について中小企業投資促進税制も使えない
という前提で、設備投資のスケジュールと税務処理を組み立てる必要があります。
一方で、投資計画期間の「前」または「後」に取得した資産については、E類型の適用制限は及びません。
つまり、取得時期が投資計画期間に含まれるかどうかによって、
・E類型のみを適用するのか
・30万円特例や中小企業投資促進税制を使えるのか
という結論が大きく変わることになります。
実務では、「E類型を使う=他の特例は一切使えない」と誤解されがちですが、正しくは
『E類型の投資計画期間中に取得した資産に限って、併用が制限される』
という整理が適切です。
したがって、E類型の検討にあたっては、
1. 投資計画期間の開始日と終了日を正確に把握する
2. 各資産の取得日・事業供用日がその期間内か外かを確認する
3. 税務上どの特例が使えるかを個別に判定する
というステップを踏むことが、税務上のリスクを避けるうえで不可欠になります。

【№3 やさしい解説】

中小企業経営強化税制E類型は、これまでのA類型やB類型などとは異なり、企業規模の拡大そのものを後押しする制度として新設されました。
そのため、税務上の優遇だけでなく、経済産業政策の色合いが強い点が特徴です。
まず押さえておきたいのは、E類型が
「単発の設備投資に対する優遇制度」
ではなく、
「一定期間にわたる投資計画全体を前提とした制度」
であるという点です。
この前提があるため、E類型では、
1. 投資利益率要件
2. 経営規模拡大要件(いわゆる売上高100億円宣言など)
を満たす投資計画を作成し、経済産業大臣の確認を受けることが求められます。
そして、その投資計画に基づいて取得・事業供用する設備が、税制優遇の対象になります。
ここで重要なのが、投資計画期間中における他制度との関係です。
30万円特例や中小企業投資促進税制は、
・少額投資をしやすくする
・中小企業の設備更新を促す
ことを目的とした制度です。
一方、E類型は、
・企業規模の拡大
・中長期的な成長投資
を促す制度です。
このように、制度の目的が異なるため、立法上、
「E類型の投資計画期間中は、他の投資促進系特例を重ねて使わせない」
という整理がされています。
実務でよくある誤解として、
「E類型を使う初年度だけ、30万円特例が使えない」
という認識があります。
しかし、これは誤りです。
E類型では、
投資計画期間中に取得・事業供用した資産すべて
について、30万円特例および中小企業投資促進税制の適用が制限されます。
投資計画期間は、必ずしも法人の事業年度と一致しません。
例えば、
・計画期間が3年
・途中で決算期をまたぐ
といったケースも珍しくありません。
そのため、
「前期は大丈夫だったのに、今期は使えない」
「決算期が変わったから制限が外れたと思っていた」
といった勘違いが生じやすくなります。
一方で、E類型の制限は無期限ではありません。
投資計画期間の
・開始前
・終了後
に取得・事業供用した資産については、E類型の制限は及ばず、
30万円特例や中小企業投資促進税制を適用できる余地があります。
つまり、E類型を理解するうえでのポイントは、
「どの制度を使うか」ではなく、
「いつ取得した資産なのか」
という時間軸で考えることにあります。
この考え方を押さえておけば、
・制度選択のミス
・税務調査での否認リスク
を大きく減らすことができます。

【№4 具体例】

ここでは、中小企業経営強化税制E類型の投資計画期間との関係に着目し、
30万円特例や中小企業投資促進税制が「使える・使えない」を具体的に確認します。

① 投資計画「開始前」に30万円未満の備品を取得した場合
E類型の投資計画提出前に取得・事業供用していれば、
E類型の制限は及ばず、30万円特例の適用が可能です。

② 投資計画「開始日以後」に30万円未満の備品を取得した場合
取得価額が少額でも、投資計画期間中であれば、
30万円特例は適用できません。

③ 投資計画期間中にパソコン(25万円)を複数台取得した場合
1台あたり30万円未満であっても、
投資計画期間中であれば、全て30万円特例は使えません。

④ 投資計画期間中に機械装置を取得した場合
取得価額や用途にかかわらず、
中小企業投資促進税制の適用も不可となります。

⑤ 投資計画期間中に取得した建物附属設備の場合
E類型では建物も対象ですが、
同期間中の取得であれば、30万円特例や中小投資促進税制は併用不可です。

⑥ 投資計画期間中だが、事業供用が期間後になった場合
「取得」だけでなく「事業供用」の時期も重要です。
期間中に取得し、期間後に供用した場合でも、
E類型の制限が及ぶケースがあるため注意が必要です。

⑦ 投資計画期間終了「直後」に少額備品を取得した場合
投資計画期間が明確に終了していれば、
その後に取得・供用した資産には制限はなく、
30万円特例の適用が可能になります。

⑧ 投資計画期間が複数事業年度にまたがる場合
決算期が変わっても、
投資計画期間が継続していれば制限は解除されません。
「期が変わった=使える」と誤解しやすい典型例です。

⑨ 投資計画期間中にE類型対象外の資産を取得した場合
E類型の対象設備でなくても、
投資計画期間中に取得した資産であれば、
30万円特例等の制限が及ぶ点に注意が必要です。

⑩ 投資計画期間前後で同種の資産を取得した場合
同じ備品であっても、
取得時期が計画前か計画中か計画後かで、
適用できる特例がまったく異なります。

⑪ 投資計画期間中に「少額だから問題ない」と判断したケース
金額基準だけで判断すると誤りやすく、
結果として30万円特例の誤適用となるリスクがあります。

⑫ 投資計画期間中に会計上は費用処理したが、税務上は資産となる場合
会計処理と税務判断は別です。
税務上、減価償却資産に該当すれば、
E類型の制限が及ぶ可能性があります。

【№5 手順】

ここでは、E類型と30万円特例・中小企業投資促進税制の関係を、
実務で迷わず判断するための手順として整理します。
1. 投資計画の有無を確認する
まず、当該法人が
中小企業経営強化税制E類型の投資計画を策定しているか
経済産業大臣の確認を受けているか
を確認します。
E類型を検討中・申請予定であっても、確認を受けていない段階では制限は及びません。

2. 投資計画期間を正確に把握する
次に、投資計画書に記載されている
投資計画の開始日
投資計画の終了日
を確認します。
この期間が、30万円特例等の適用可否を分ける最重要ポイントになります。

3. 資産ごとに「取得日」と「事業供用日」を確認する
資産台帳や請求書、納品書等を用いて、
いつ取得したのか
いつ事業の用に供したのか
を確認します。
投資計画期間中に取得・供用していれば、原則として制限対象になります。

4. 投資計画期間「内」か「外」かを判定する
各資産について、
投資計画期間前
投資計画期間中
投資計画期間後
のいずれに該当するかを整理します。
ここで初めて、30万円特例等が使えるかどうかの判断に進みます。

5. 適用できる特例を個別に判断する
投資計画期間中の資産 → E類型のみ(30万円特例・中小投資促進税制は不可)
投資計画期間外の資産 → 要件を満たせば30万円特例や中小投資促進税制の適用を検討
という形で、資産ごとに結論を出すことが重要です。

【№6 FAQ】

Q1. E類型を使うと、すべての特例が一切使えなくなりますか。
A1. いいえ。制限されるのは、投資計画期間中に取得・供用した資産に限られます。

Q2. E類型の初年度だけ併用不可なのですか。
A2. いいえ。投資計画期間中すべてが制限対象になります。

Q3. 投資計画期間と事業年度が違う場合はどう考えますか。
A3. 事業年度ではなく、投資計画期間で判断します。

Q4. 30万円未満なら無条件で30万円特例が使えますか。
A4. いいえ。金額に関係なく、投資計画期間中であれば使えません。

Q5. E類型の対象でない資産なら30万円特例は使えますか。
A5. いいえ。対象外資産でも、投資計画期間中なら制限されます。

Q6. 投資計画終了後に取得した資産はどうなりますか。
A6. 投資計画期間外であれば、30万円特例等の適用を検討できます。

Q7. 会計上は消耗品費でも税務上は資産になる場合は?
A7. 税務上の判定が優先され、制限対象になる可能性があります。

Q8. 建物を取得した場合も同じ考え方ですか。
A8. はい。E類型では建物も対象となるため、同様に制限を確認します。

Q9. 申請中の段階で取得した資産はどうなりますか。
A9. 原則として、確認前であれば制限は及びませんが、慎重な判断が必要です。

Q10. 税務調査で否認されやすいポイントは何ですか。
A10. 投資計画期間の認識違いと、少額だから大丈夫という誤解です。

【№7 まとめ】

中小企業経営強化税制E類型は、建物も対象となる点や、経営規模拡大を強く意識した制度設計など、従来の類型とは性質が大きく異なります。
その反面、実務上は「使える特例が増える制度」と誤解されやすく、30万円特例や中小企業投資促進税制との関係で判断を誤るケースが少なくありません。
本コラムでお伝えしてきたとおり、E類型を適用する場合の最大のポイントは、
投資計画期間中に取得・事業供用した資産については、原則として他の投資促進系特例を併用できない
という点にあります。
この制限は初年度だけではなく、投資計画期間全体に及ぶため、年度ごとの感覚で判断してしまうと誤りにつながります。
一方で、E類型の適用があるからといって、すべての資産で30万円特例等が使えなくなるわけではありません。
投資計画期間の「前」または「後」に取得した資産については、要件を満たせば30万円特例や中小企業投資促進税制の適用を検討する余地があります。
つまり、実務上は「制度の選択」よりも、取得時期と投資計画期間との位置関係を正確に整理することが何より重要です。
静岡市や浜松市の中小企業さまからも、
「E類型を使ったことで、想定外に30万円特例が使えなくなってしまった」
「計画期間の認識が曖昧だったため、処理をやり直すことになった」
といった相談が寄せられています。
E類型を検討する際には、税額への影響だけでなく、今後数年間の設備投資計画全体を見据えた判断が不可欠と言えるでしょう。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3874号(2025年11月3日)
「中小経営強化税制E類型 30万円特例と中小企業投資促進税制との適用関係」
税務通信編集部
参考:国税庁「令和7年度法人税関係法令の改正の概要」(参照日:2025-11-10)
参考:e-Gov法令検索「租税特別措置法」(参照日:2025-11-10)

【№9 該当条文の説明】

中小企業経営強化税制E類型は、租税特別措置法第42条の12の4に規定されています。
この条文では、一定の要件を満たした中小企業者等が、経営規模拡大設備等を取得し事業の用に供した場合に、特別償却や税額控除を受けられる旨が定められています。
同条の特徴は、単に優遇措置を定めるだけでなく、他の租税特別措置との関係調整を明示的に行っている点にあります。
具体的には、E類型の適用を受ける事業者について、一定の期間における設備投資については、他の投資促進系の特例を適用対象から除外する仕組みが設けられています。
この点を受けて、
・租税特別措置法第67条の5(少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例、いわゆる30万円特例)
・租税特別措置法第42条の6(中小企業投資促進税制)
においても、E類型の対象となる事業者を、それぞれの適用対象から除外する規定が置かれています。
これらの条文は、E類型が「中長期的な経営規模拡大」を目的とする制度であることを踏まえ、
短期的・小規模な投資を促進する他の制度と重ねて適用することを防ぐための調整規定と位置付けられています。
したがって、条文上も「初年度のみ」や「一部の資産のみ」といった限定は設けられておらず、投資計画期間中という期間概念が重要な判断基準になっています。
実務では、条文の文言だけでなく、制度趣旨や改正背景を踏まえて解釈することで、
なぜE類型と30万円特例等が併用できないのかを、より合理的に理解することができます。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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