新リース会計基準におけるフルペイアウト要件の判定方法
2026年2月2日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「新リース会計基準におけるフルペイアウト要件の判定方法」をお伝えさせていただきます!
近年、企業会計を取り巻く環境は大きく変化しています。
その中でも、実務への影響が特に大きいのが、新リース会計基準の導入です。
これまで「リース」とひとくくりに処理されていた契約について、
新リース会計基準では、
リースとして扱う部分と、サービスとして扱う部分を区分する考え方が導入されました。
この変更は、単なる会計処理の話にとどまりません。
法人税の世界では、
その契約がファイナンス・リース取引なのか、
それともオペレーティング・リース取引なのか、
いわゆるフルペイアウト要件の判定にも影響を及ぼします。
特に、カーリースや設備リース、保守や管理がセットになった契約を利用している企業では、
これまでの感覚で判断すると、思わぬ税務リスクにつながる可能性もあります。
そこで本コラムでは、新リース会計基準の考え方を踏まえながら、
リース部分とサービス部分を区分する場合のフルペイアウト要件の判定方法について、
できるだけやさしく整理していきます。
【№2 結論】
結論からお伝えします。
新リース会計基準に基づいて契約を区分している場合、
法人税におけるフルペイアウト要件の判定は、
区分後の「リースを構成する部分」の金額のみで行います。
★重要なポイントは次の3点です。
会計上、リース部分とサービス部分を区分している場合は、リース部分の金額で判定する
区分せず、全体をリースとして処理している場合は、契約全体の金額で判定する
維持管理費用相当額は、フルペイアウト要件の判定において控除しない
旧リース会計基準では、
維持管理費用相当額をリース料総額から控除する考え方がありました。
しかし、新リース会計基準では、この考え方が採用されていません。
そのため、
「明細上は維持管理費用が分かれているから大丈夫」
といった判断は通用しなくなっています。
会計処理の選択次第で、
フルペイアウト要件の判定結果が変わる可能性がある点は、
実務上、特に注意が必要です。
【№3 やさしい解説】
まず、新リース会計基準の考え方を整理します。
今回のテーマを理解するうえで、最初に押さえておきたいポイントです。
従来のリース会計では、
リース料の中に含まれている保守費用や管理費用について、
「リースとは別物」として、やや曖昧に扱われる場面がありました。
しかし、新リース会計基準では考え方が変わっています。
契約全体を一つのリースとして見るのではなく、その中身に注目するという発想が基本です。
具体的には、
資産を使用する権利に対する対価
保守、管理、点検などのサービスに対する対価
この二つを、原則として区分することになります。
このうち、資産を使用する権利に対応する部分が、いわゆる「リースを構成する部分」です。
一方で、保守や管理といった役務の提供に対応する部分は、
「リースを構成しない部分」、つまりサービス部分と整理されます。
ここで重要なのが、法人税は、この会計上の区分を前提に取り扱いを定めている点です。
法人税では、リース取引かどうかを判断するために、フルペイアウト要件という基準が使われています。
フルペイアウト要件とは、簡単に言えば、
「支払うリース料の合計が、資産の取得価額のおおむね90%を超えるかどうか」
を見るルールです。
この判定によって、
ファイナンス・リース取引
オペレーティング・リース取引
のいずれに該当するかが決まります。
新リース会計基準に基づいて、
リース部分とサービス部分を区分している場合、
このフルペイアウト要件は、
区分後のリース部分の金額のみで判定します。
つまり、
サービス部分の金額は、
フルペイアウト要件の計算には含めません。
一方で、
会計上、区分を行わず、
契約全体をリースとして処理する方法を選択している場合もあります。
この場合は、
区分前の契約全体の金額で、
フルペイアウト要件を判定することになります。
★注意したいのは、
どちらの方法を選ぶかによって、
判定結果が変わる可能性がある点です。
特に、
カーリースや機械設備のリースなど、
維持管理費用が大きい契約では、
影響が顕著に表れることがあります。
旧リース会計基準では、
維持管理費用相当額を控除して判定する考え方がありました。
しかし、新リース会計基準では、
この控除は行いません。
維持管理費用相当額は、
リース部分とサービス部分に配分する対象であり、
単純に差し引いてよいものではない、
という整理に変わっています。
この点を理解せずに、
従来どおりの感覚で判断してしまうと、
リース区分の誤りにつながるおそれがあります。
静岡市や浜松市の中小企業でも、
車両リースや設備リースを利用しているケースは多く、
決して他人事ではありません。
次の【№4 具体例】では、
実際の金額を使いながら、
区分した場合と、区分しない場合で、
フルペイアウト判定がどう変わるのかを見ていきます。
【№4 具体例】
① 車両リース(区分あり)
営業車のリース契約で、対価総額300万円のうち、リース部分240万円、保険や点検などのサービス部分60万円に区分している場合、フルペイアウト要件は240万円を基準に判定します。取得価額300万円に対し80%となるため、要件を満たしません。
② 車両リース(区分なし)
同じ契約でも、会計上区分せず全体をリースとして処理した場合、判定金額は300万円となります。取得価額と同額のため100%となり、フルペイアウト要件を満たします。
③ 製造設備リース(保守込み)
取得価額1,000万円、契約対価1,050万円のうち、リース部分850万円、保守200万円に区分した場合、判定は850万円で行います。85%となるため、ファイナンス・リースには該当しません。
④ IT機器リース(サポート付き)
サーバーや複合機のリースで、ハード部分と保守サポートを区分している場合、フルペイアウト要件はハード部分のみで判定します。サポート費用は控除ではなく区分処理します。
⑤ 工場機械リース(点検費用含む)
定期点検費用が契約に含まれていても、新リース会計基準では単純に控除せず、リース部分とサービス部分に分けて判定します。
⑥ 建設機械リース(短期契約)
短期の建設機械リースでも、対価に保険や整備費が含まれている場合は区分が必要です。区分後のリース部分で90%判定を行います。
⑦ カーリース(税金込み表示)
見積書に自動車税や保険料が含まれて表示されている場合でも、税務上は維持管理費用を控除せず、区分処理した上でフルペイアウト要件を確認します。
⑧ ITサービス一体型契約
システム利用料と機器リースが一体となった契約では、どこまでがリース部分かを明確にしないと、判定金額を誤るリスクがあります。
⑨ 区分誤りによる判定ミス
旧リース基準の感覚で維持管理費用を差し引いてしまうと、実際はフルペイアウト要件を満たしているのに、誤ってオペレーティング・リースと判断してしまうケースがあります。
⑩ 静岡・浜松の中小企業で多い実例
静岡市や浜松市の中小企業では、営業車や複合機リースが多く、区分の有無によって法人税上の取扱いが変わるケースが頻発しています。
⑪ 会計処理選択による影響
借手が区分しない会計処理を選択した場合、税務でもその処理が前提となり、契約全体の金額でフルペイアウト要件を判定することになります。
【№5 手順】
ここでは、新リース会計基準に基づき、リース部分とサービス部分を含む契約について、
法人税上のフルペイアウト要件をどう判断するかを、実務の流れに沿って整理します。
手順① 契約書と見積書を必ず確認する
最初に行うべきことは、契約書と見積書の内容確認です。
リース対象資産は何か
対価の総額はいくらか
保守、点検、保険などが含まれているか
この段階で、
「リースだけの契約なのか」
「サービスが含まれている契約なのか」
を見極めます。
手順② リースを構成する部分とサービス部分を整理する
次に、契約内容をもとに、リースを構成する部分と、リースを構成しない部分を整理します。
資産の使用に対する対価 → リース部分
保守、管理、サポート → サービス部分
★重要
維持管理費用だからといって、単純に控除する処理は行いません。
手順③ 会計上、区分処理をするかを決める
借手は、次のどちらかを選択できます。
リース部分とサービス部分を区分する
全体をリースとして処理する
どちらを選択するかで、法人税上のフルペイアウト要件の判定方法が変わります。
手順④ フルペイアウト要件の判定金額を決める
会計処理に応じて、判定に使う金額を確定します。
区分している場合
→ リースを構成する部分の金額
区分していない場合
→ 契約全体の対価の金額
この金額が、取得価額のおおむね90%を超えるかを確認します。
手順⑤ 維持管理費用相当額は控除しない
旧リース会計基準では、維持管理費用相当額を控除する考え方がありました。
しかし、新リース会計基準では、維持管理費用を控除せず、区分処理を行うことが前提です。
★注意
旧基準の感覚のまま処理すると、
判定誤りにつながりやすくなります。
手順⑥ ファイナンス・リースかを判定する
フルペイアウト要件に加え、解約不能要件も満たす場合は、ファイナンス・リース取引に該当します。
どちらかを満たさない場合は、オペレーティング・リース取引として扱います。
手順⑦ 税務処理と申告内容を確認する
最後に、判定結果に基づき、減価償却や賃借料の処理を確認します。
法人税申告書との整合性
勘定科目の妥当性
税務調査時の説明資料
これらを意識して、証拠資料を整理しておくことが重要です。
【№6 FAQ】
Q1. リース契約に保守費用が含まれている場合、必ず区分が必要ですか。
A1. 原則として、リースを構成する部分とサービス部分に区分することが求められます。ただし、借手は区分せず全体をリースとして処理する選択も可能です。
Q2. 区分しない会計処理を選んだ場合、税務でもそのまま認められますか。
A2. はい。法人税では、新リース会計基準に基づく会計処理を前提として、区分しない処理も許容されています。
Q3. フルペイアウト要件の90%は厳密な数値ですか。
A3. 法令上は「おおむね90%」とされており、形式的な計算だけでなく、実質的な内容も踏まえて判断します。
Q4. 維持管理費用相当額は必ず控除できませんか。
A4. 新リース会計基準では、維持管理費用相当額を単純に控除する考え方は採用されていません。区分処理が前提となります。
Q5. カーリースの自動車税や保険料はフルペイアウト判定から外せますか。
A5. いいえ。旧基準とは異なり、新基準では控除せず、リース部分とサービス部分に配分して判定します。
Q6. 見積書に内訳が書かれていない場合はどう判断しますか。
A6. 契約内容や実態を確認し、合理的な方法でリース部分とサービス部分を見積もる必要があります。
Q7. ファイナンス・リースと判定された場合の税務処理はどうなりますか。
A7. 原則として、借手側で資産計上し、減価償却を行う処理となります。
Q8. オペレーティング・リースと判定された場合はどう処理しますか。
A8. 支払リース料を賃借料として損金算入する処理が基本となります。
Q9. 新リース会計基準はすべての法人に影響しますか。
A9. リース取引を行っている法人であれば、業種や規模を問わず影響を受ける可能性があります。
Q10. 静岡市や浜松市の中小企業でも対応は必要ですか。
A10. はい。営業車や複合機などのリースが多いため、静岡市・浜松市の中小企業でも実務対応が必要なケースが多く見られます。
Q11. 税務調査ではどこを見られやすいですか。
A11. 契約書、見積書、区分の根拠資料が重視され、フルペイアウト要件の判定過程が説明できるかがポイントになります。
【№7 まとめ】
今回のテーマである、
「リース部分とサービス部分を区分する場合のフルペイアウト要件の判定」は、
新リース会計基準の導入によって、実務上の重要度が大きく高まっています。
特に押さえておきたいポイントは、次のとおりです。
新リース会計基準では、契約対価を
「リースを構成する部分」と「サービス部分」に分けて考える
法人税でも、その会計処理を前提として取扱いが行われる
区分している場合は、
区分後の「リースを構成する部分」の金額でフルペイアウト要件を判定する
区分しない処理を選択した場合は、
契約全体の対価の金額で判定する
維持管理費用相当額は、
旧基準のように単純に控除しない
★重要
同じ契約内容でも、
「区分するか」「区分しないか」という会計処理の選択によって、
ファイナンス・リースかオペレーティング・リースかの判定が変わる点は、
実務上の大きな注意点です。
また、
カーリースやIT機器リース、設備リースなど、
中小企業で一般的な取引ほど影響を受けやすくなります。
静岡市や浜松市の中小企業でも、
営業車や複合機のリース契約をきっかけに、
判定の見直しが必要になるケースが増えています。
今後は、
契約書や見積書の確認
区分の根拠資料の保存
税務調査時に説明できる体制づくり
これらを意識した対応が、
実務の安心につながります。
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3876号(2025年11月17日)
「リース部分とサービス部分を区分する場合のFL判定」税務研究会
参考:国税庁タックスアンサー
「リース取引に係る所得の金額の計算」(参照日:2026-01-05)
参考:e-Gov法令検索
「法人税法 第53条、第64条の2」
「法人税法施行令 第131条の2」(参照日:2026-01-05)
【№9 該当条文の説明】
法人税法では、
資産の賃貸借取引について、
ファイナンス・リース取引と、
それ以外の賃貸借取引とを区別して取り扱います。
まず、法人税法第64条の2では、
ファイナンス・リース取引について、
資産の取得と実質的に同様の経済効果がある取引として、
所得計算上の特例が定められています。
このファイナンス・リース取引に該当するかどうかは、
主に次の二つの要件で判断されます。
解約不能要件
フルペイアウト要件
フルペイアウト要件とは、
賃借人が支払う賃借料の合計額が、
その資産の取得に通常要する価額のおおむね90%を超えるかどうか、
という基準です。
法人税法施行令第131条の2では、
この「おおむね90%」の判定方法が示されています。
新リース会計基準の導入後は、
契約にサービス部分が含まれている場合でも、
旧基準のように維持管理費用相当額を単純に控除する考え方は採られません。
会計上、
リース部分とサービス部分を区分している場合は、
区分後のリース部分の金額で判定する
区分していない場合は、
契約全体の対価で判定する
この考え方が、
法人税の取扱いにもそのまま反映されます。
そのため、
条文そのものだけでなく、
会計基準との関係を理解したうえでの判断が重要になります。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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