小規模宅地特例・特定事業用宅地の判定実務と令和元年改正

2026年2月15日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「小規模宅地特例・特定事業用宅地の判定実務と令和元年改正」をお伝えさせていただきます!

相続税の申告において、「小規模宅地等の特例」は、税額を大きく左右する非常に重要な制度です。
とくに事業をされている方にとっては、「事業用の土地がどこまで評価減できるか」で、税額が大きく変わります。
一方で、この特例は「使えればラッキーな制度」ではありません。
要件を一つでも外すと、原則どおりの高い評価で課税される、かなりシビアな制度です。
近年は、相続直前の対策を防ぐために制度改正が重ねられ、
とくに「特定事業用宅地等」の判定は、実務上かなり難しくなっています。
建替え、移転、最近取得した土地、事業の一時中断など、
一見すると問題なさそうなケースでも、実は使えないことがあります。
この記事では、
「どんな点がチェックされるのか」
「どんなケースが特に危ないのか」
という実務上の判断ポイントを、できるだけわかりやすく整理していきます。

【№2 結論】

先に結論からお伝えします。
★重要
特定事業用宅地等に該当するかどうかは、
「昔から事業をやっているかどうか」では決まりません。
「相続の直前から過去にかけて、どのように使われていたか」
そして
「令和元年改正で追加された制限に引っかからないか」
この二つを、かなり細かく見て判断されます。
実務上のポイントを、あえてシンプルにまとめると、次の三つです。
相続開始の直前に、現実に事業で使われていたか。
相続開始前おおむね3年以内の土地取得や利用開始がないか。
建替え、移転、休業などが「一時的なもの」と説明できるか。
このどれか一つでも説明がつかない場合、特定事業用宅地等に該当しない、つまり「80%評価減が使えない」という結論になる可能性が高くなります。
★注意
「登記上は同じ会社」「形式上は同じ事業」という事情だけでは、ほとんど意味がありません。
税務署は、「実際にどう使われていたか」をかなり細かく見てきます。
そして、令和元年改正以降は、次のようなケースが特に厳しく見られます。
相続の直前3年以内に、新しく買った土地の上で事業を始めている。
節税を意識して、事業用の形だけを整えたように見える。
建物の建替えや移転のタイミングが、相続時期と不自然に近い。
つまり、
「昔から事業をやっているから安心」
ではなく、
「この土地について、過去数年間の使い方を説明できるか」
が、実務では決定的に重要になります。
この記事の後半では、実際にどのようなパターンが問題になりやすいのか、具体例を交えながら整理していきます。

【№3 やさしい解説】

特定事業用宅地等とは、
被相続人が事業に使っていた土地について、
一定の条件を満たせば、相続税評価額を大きく下げられる制度です。
評価額は、最大で80%減額されます。
そのため、相続税の金額が、大きく変わることも珍しくありません。
ただし、この制度は、
「事業に使っていれば何でも対象になる」
というものではありません。
実務で特に問題になるのは、次の3点です。
相続開始時点で、本当に事業に使っていたか
いつから、その土地で事業をしていたか
相続対策目的で、直前に取得した土地ではないか
特に、令和元年の改正で、
「相続開始前3年以内に使い始めた土地」は、
原則として対象外になるルールが入りました。
このため、
移転した
建替えた
最近土地を買った
といったケースでは、
単純に「事業用だから大丈夫」とは言えなくなっています。
判断は、
「名義」や「書類」だけではなく、
「実際の使い方」や「そこに至る経緯」も含めて、
総合的に行われます。
そのため、
結論はケースごとに変わり、
「これなら絶対にOK」という単純な基準はありません。
だからこそ、
次の【具体例】【手順】【FAQ】で、
実務で問題になりやすいパターンを、
順番に整理していきます。

【№4 具体例】

ここでは、「こういうケースは要注意」という代表的なパターンを一覧的に整理します。
詳しい判断方法は、後のセクションで順番に解説します。

① 長年、同じ場所で事業を継続しているケース
→ 原則として問題になりにくい典型例。

② 相続の10年以上前から、その土地で事業をしているケース
→ 「3年以内ルール」には引っかからない。

③ 相続の2~3年前に土地を取得して、事業を始めたケース
→ 原則として「新たに事業の用に供された土地」に該当する可能性が高い。

④ ③のケースだが、多額の設備投資をしているケース
→ 例外要件(いわゆる15%要件)を満たすかが問題になる。

⑤ 建物を建て替え中に相続が発生したケース
→ 「一時的な中断」と説明できるかがポイント。

⑥ 事業所を移転した直後に相続が発生したケース
→ 新しい土地については原則として対象外になりやすい。

⑦ 体調不良や災害などで、一時的に休業しているケース
→ 再開準備の状況などにより判断が分かれる。

⑧ 建物の一部を自宅や倉庫として使っているケース
→ 事業用部分に対応する土地の範囲だけが対象になる。

⑨ 名目上は倉庫だが、実際にはほとんど使っていないケース
→ 実態として事業用かどうかが厳しく見られる。

⑩ 相続対策を意識して、形式的に事業を始めたように見えるケース
→ 否認リスクが非常に高いパターン。

【№5 手順】

特定事業用宅地等に当たるかどうかは、
次の順番で事実関係を整理していくと、判断を誤りにくくなります。

STEP① 誰の事業に使っている土地かを確認する
被相続人の事業か、法人の事業か
名義と使用実態は一致しているか
まず入口の区分をここで確定します。

STEP② 相続開始時点の利用状況を確認する
本当に事業に使われていたか
休業や形だけの利用になっていないか
「亡くなった時点の現況」が基準になります。

STEP③ いつからその土地で事業をしているかを整理する
取得時期
使用開始時期
相続開始までの期間
ここで「相続前3年以内に新たに使い始めた土地かどうか」を判定します。

STEP④ 例外(いわゆる15%要件)の対象にならないかを確認する
3年以内に該当する場合でも、
建物や設備への投資状況
実態として拠点といえるか
から、例外に当たらないかを検討します。

STEP⑤ 建替え・移転・休業などの事情を整理する
一時的な中断といえるか
それとも「新たに使い始めた」と見るべきか
客観資料で説明できるかがポイントです。

STEP⑥ 対象になる土地の範囲を確定する
自宅部分や遊休地は含まれていないか
本当に事業用の部分だけか
必要に応じて面積按分を行います。

STEP⑦ 全体の流れとして不自然でないかを確認する
相続直前だけ不自然な動きになっていないか
第三者に説明して違和感がないか
最後に「ストーリーとしての整合性」をチェックします。

【№6 FAQ】

Q1.昔から同じ場所で事業をしていれば、原則として使えますか?
A1.原則としては使える可能性が高いです。ただし、相続開始時点で実際に事業に使われていることが前提になります。形式だけの利用になっている場合は注意が必要です。

Q2.相続直前に一時的に休業していた場合はどうなりますか?
A2.単なる一時的な中断と説明できれば、直ちに否定されるとは限りません。ただし、再開の見込みや実態がない場合は、事業用とは認められにくくなります。

Q3.建替え中で事業を一時的に別の場所に移していた場合はどうなりますか?
A3.建替えのための一時移転であることが客観的に説明できれば、継続使用と評価される余地があります。

Q4.相続の2~3年前に土地を買って、そこで事業を始めた場合は使えますか?
A4.原則として「3年以内ルール」により、使えない可能性が高くなります。ここは特に否認リスクが高いポイントです。

Q5.事業用建物と自宅が同じ敷地にある場合はどうなりますか?
A5.事業に使っている部分だけが対象になります。敷地全体が自動的に対象になるわけではありません。

Q6.法人の事務所として使っている土地でも対象になりますか?
A6.要件を満たせば対象になる場合があります。ただし、個人事業用よりもチェックは厳密になります。

Q7.名義は被相続人ですが、実際の事業は子がやっている場合はどうなりますか?
A7.実態として誰の事業かが重視されます。被相続人の事業といえない場合は、対象外になる可能性があります。

Q8.倉庫や資材置場として使っている土地も対象になりますか?
A8.事業に直接必要な施設といえる場合は、対象になる余地があります。ただし、単なる遊休地は対象外です。

Q9.事業規模が小さい場合でも使えますか?
A9.規模の大小だけで否定されることはありません。ただし、実態として事業といえるかどうかはチェックされます。

Q10.税務署に否認されやすいのはどんなケースですか?
A10.相続直前に土地を取得して使い始めたケースや、形だけ事業をしているように見せているケースは、特に否認リスクが高くなります。

【№7 まとめ】

小規模宅地等の特例の中でも、
「特定事業用宅地等」は、節税効果が大きい一方で、
近年、判定がとても難しくなっている制度です。
特に、令和元年改正以降は、
「相続前3年以内に使い始めた土地かどうか」
という視点が、実務の中心になりました。
その結果、
建替えをしている
移転している
一時的に休業している
相続の数年前に土地を取得している
といったケースでは、
単純に「昔から事業をやっているから大丈夫」とは、
もう言えない時代になっています。

実務では、
相続開始時点の利用実態
いつから、どのように使っていたか
なぜその土地を取得・移動したのか
といった「経緯」と「ストーリー」が、
かなり細かく見られます。
書類の上では問題なさそうに見えても、
経緯を整理すると、
「実は3年以内ルールに引っかかっていた」
というケースも、決して珍しくありません。
この特例は、
「要件に当てはまれば必ず使える制度」ではなく、
「事実関係の積み重ねで評価される制度」だと考えた方が安全です。
逆にいえば、
早めに整理して
事業の実態と経緯を説明できる形にしておけば
不要な否認リスクは、かなり下げることができます。
特に、
事業用不動産を持っている社長
将来の相続を見据えて不動産の取得や移転を考えている方
は、「取得のタイミング」と「使い方」について、
一度立ち止まって整理しておくことがとても大切です。
小規模宅地等の特例は、
使えれば非常に強力な制度ですが、
同時に「あとから修正できない」制度でもあります。
だからこそ、
「相続が起きてから考える」ではなく、
「元気なうちから前提条件を整えておく」ことが、
一番の対策になります。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3878号(2025年12月1日)
「タックスフントウ(奮闘) 第159回 課税時期前3年以内に取得した土地等及び家屋等の価額(相続税)」芝のダイモン軍団
参考:国税庁タックスアンサー
「No.4124 小規模宅地等の特例」(参照日:2026-01-16)
参考:e-Gov法令検索
「租税特別措置法 第69条の4」(参照日:2026-01-16)
「租税特別措置法施行令 第40条の2」(参照日:2026-01-16)

【№9 該当条文の説明】

ここでは、「特定事業用宅地等」に関係する条文の考え方を、
できるだけかみ砕いて整理します。
まず根拠条文は、
租税特別措置法 第69条の4 です。
この条文で、
「一定の要件を満たす宅地等については、相続税評価額を大きく減額できる」
という仕組みが定められています。
その中で、
被相続人の事業に使っていた土地については、
「特定事業用宅地等」として、
最大400㎡まで、評価額を80%減額できる、
という非常に強力な制度になっています。
一方で、同じ条文の中に、
いわゆる「3年以内ルール」が組み込まれています。
これは、
「相続開始前3年以内に新たに事業の用に供した宅地等」については、
原則として、この特例の対象から除外する、
という趣旨の規定です。
この規定は、
相続直前に節税目的で不動産を取得する行為を防ぐために、
令和元年改正で導入されたものです。
ただし、すべてを機械的に排除すると、
正当な事業拡張や、やむを得ない移転まで否定されてしまうため、
施行令(租税特別措置法施行令 第40条の2)では、
一定の例外要件もあわせて定められています。
実務では、
相続開始時点で、どのように使われていたか
いつから、その土地で事業をしていたのか
なぜ、その土地を取得・使用することになったのか
といった事情を総合的に見て、
「実質的に、相続対策目的の取得といえないかどうか」
が判断される構造になっています。
つまり、条文の建て付けとしては、
「形式」よりも「実態」と「経緯」を重視する仕組みになっている、
と理解しておくのが安全です。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
※当事務所はDXを経営に活かすことを推進しており、当ブログはAIを活用して生成しています。実際の税制や政策、判例、事件、事象を元に作成していますが、正確な内容や最新の情報とは異なる場合がありますことをご了承くださいませ。
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