役員退職慰労金の収入すべき時期と税務上の取り扱い
2026年3月17日
【№1 はじめに】
こんにちは! 静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です! 私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています! 本日は、「役員退職慰労金の収入すべき時期と税務上の取り扱い」をお伝えさせていただきます!
会社経営において、役員の退任は節目となる重要な出来事です。これまで会社のために尽力された役員の方へ支払われる「役員退職慰労金」は、長年の功績に対する報いであると同時に、法人にとっては大きな支出となります。
しかし、その慰労金が「いつの時点の所得として扱われるのか」という税務上の判定は、意外と見落とされがちなポイントです。この時期の判定を誤ると、確定申告で思わぬ不備が生じたり、税務署から指摘を受けたりするリスクがあります。
本コラムでは、経営者の方が知っておくべき「収入時期のルール」を、静岡・浜松の中小企業さまにも分かりやすく、丁寧に解説していきます。
【№2 結論】
役員退職慰労金の収入時期は、原則として「退職した日」となります。
ただし、株主総会の決議が必要な場合は「決議があった日」になることがあります。
タイミングを間違えると税額や申告の手間に影響するため、事前の計画が非常に重要です。
所得計上の仕組み
役員の退職は、会社の業績や個人のライフプラン、そして税制の枠組みが交差する瞬間です。退職所得は、給与所得とは異なり「退職所得控除」という非常に大きな減税措置が設けられています。この恩恵を正しく受けるためには、法律が定める「収入すべき時期」に正しく税務申告を行うことが大前提となります。
☆重要:退職日と決議日のズレ
もし「退職日」と「決議日」の認識がズレていれば、翌年分の確定申告に組み込まれてしまうといったミスが発生しやすくなります。税金は1年の区切りが厳格であるため、たった1日の違いで申告対象の年分が変わり、計算し直しを迫られることもあります。
【№3 やさしい解説】
会社役員が退任するときに受け取る「役員退職慰労金」にはルールがあります。誰にいくら支払うのか、そのタイミングを税務署はどう判断するのか。ここでは専門用語を噛み砕いて解説します。
役員報酬と株主総会の関係 会社法では、役員報酬は原則として株主総会で決めることになっています。これには退職慰労金も含まれます。誰にいくら払うのかを株主総会で決める必要があるため、タイミングの判定が重要になります。
収入時期の判定ルール 税務の世界では、原則は「退職した日」ですが、例外もあります。
① 原則:支給の基因となった「退職の日」が収入時期。
② 例外:「その役員の退職後、その決議があった日」が収入時期。
☆重要:退職前の決議は原則通り もし、退職前に株主総会で支給金額を決めた場合は例外には該当しません。退職前に決議が終わっていれば、原則通り「退職の日」が収入時期となります。この判定を誤ると正しい確定申告ができず、税務調査で指摘される恐れがあります。
【№4 具体例】
役員退職慰労金の時期判定を、具体的な場面で解説します。
① 3月31日に退職し、翌4月に株主総会で慰労金を決議した → 退職後に決議をしたため、収入時期は「4月の決議日」になります。
② 3月31日に退職し、前年12月に株主総会で決議を終えていた → 退職前に決議済みのため、収入時期は「退職日の3月31日」になります。
③ 取締役Aが5月末に退職し、株主総会を6月に開催して決議した → 退職後の6月の決議日が、Aの退職所得の収入時期となります。
④ 役員が退職時に一度に全ての金額を受け取る → 原則通り、その退職日または決議日が収入時期となります。
⑤ 複数回に分けて退職金を受け取る権利がある → 最初に支払を受けるべき権利が確定した日が収入時期になります。
⑥ 定款に退職金の定めがあり、総会決議が不要な場合 → 既に支給額が明確なため、原則の退職日が時期となります。
⑦ 役員が退職直後に亡くなり、遺族が受け取る → 退職金として課税される時期の考え方は、生前と同様に判断されます。
⑧ 支給額が退職時に確定しているが、支払いが遅れる → 支払日が未定でも、決議日や退職日が収入すべき時期となります。
⑨ 決議内容が不明確で、後に変更があった → 最初に権利が確定した日が、収入すべき時期として扱われます。
⑩ 会社が解散し、残余財産として分配を受ける → 会社が精算される過程で、退職所得として判定される時期があります。
【№5 手順】
STEP①
定款や社内規定の確認 まずは株主総会での決議が必要か、事前に規定を確認しましょう。退職金規定が整備されていない場合、会社法上のリスクや税務上の否認リスクが高まります。規定がない場合は、退職金支給に関する「細則」を策定し、支給要件を明文化することから始めます。
STEP②
退職日の明確化 登記上の役員退任日と、実務上の退職日が同じか確認します。登記を放置していると、税務署から「まだ退任していないのでは?」と疑われる原因になります。実際の業務遂行がいつ終わったかを明確にすることが大切です。
STEP③
株主総会の計画 退職前が良いか、退職後が良いか、税務メリットを検討します。退職所得控除を最大限に活用できるよう、勤続年数を精査し、決議のタイミングを戦略的に決定しましょう。
STEP④
議事録の作成と保管 金額や支給方法を明確に記載した議事録が、税務上の最強の証拠になります。特に「いつ決定したか」が不明確な場合、税務調査で否認されるリスクが高まります。議事録には、総会の開催日時、出席者、審議内容、決議事項を漏れなく記録してください。
STEP⑤
確定申告の準備 収入時期が確定したら、その年分の申告書類を作成します。退職所得の受給に関する申告書を会社へ提出し、源泉徴収漏れを防ぐことも重要です。
STEP⑥
税理士への相談 判断が難しい場合は、静岡や浜松の税理士へ早めに相談しましょう。
☆注意:控除枠の活用 退職所得には、勤続年数に応じた控除枠があります。この控除枠は、勤続年数が長ければ長いほど大きくなる仕組みです。
しかし、誤った年分で申告すると、本来適用されるはずの控除枠が適用されなかったり、他の所得と合算されて高い税率が適用されたりするリスクがあります。
特に中小企業の社長さまにおいては、生涯の大きな節目となる重要な課税イベントです。万全を期すために、必ず専門的なチェックを受けることをお勧めします。
【№6 FAQ】
Q1:静岡で経営しています。退職金はいつ決めるのが最適ですか? A:退職所得控除を考慮し、最も税負担が少なくなる時期を検討すべきです。静岡・浜松の税理士へ計画を相談しましょう。
Q2:退職後に総会を開く場合、収入時期はいつになりますか? A:退職したあとに決議を行った日となります。
Q3:退職前に総会で金額を決めた場合はどうなりますか? A:その場合は退職した日が収入時期となります。
Q4:退職金にはどんな税金がかかりますか? A:退職所得として課税されます。給与所得とは異なり、長期的な勤続を評価するための税制優遇があります。
Q5:株主総会決議が不要なケースはありますか? A:定款で退職金の計算方法が具体的に定められている場合は不要なこともあります。
Q6:退職金が分割支払いの場合はどうなりますか? A:原則として、最初に支払を受けるべき権利が確定した日が収入時期となります。
Q7:赤字ですが、退職金を支払っても良いですか? A:支払い自体は可能です。ただし金額の妥当性は税務上で慎重に判断が必要です。
Q8:死亡退職金は税務上どう扱われますか? A:死亡退職金は、相続税の課税対象となる場合があります。
Q9:浜松の会社設立時、定款に退職金の規定は入れるべき? A:将来の退職を見据えて準備しておくことは経営上賢明です。
Q10:収入時期を間違えて申告したらどうなりますか? A:税務調査等で修正申告が必要となるケースもあります。時期判定は慎重に行いましょう。
【№7 まとめ】
確実なスケジューリングを
役員退職慰労金の収入時期は、「退職日」か「決議日」のどちらになるかが大きなポイントです。どちらのタイミングを採用するかで、所得を計上する年分が変わり、税額や控除枠の適用に影響を与えます。
この「時期の選択」は、単なる事務手続きではなく、貴社のキャッシュフローや退職される方の手取り額を左右する経営戦略の一部です。
記録の重要性
株主総会の議事録は、いつ決定したかを証明するための大事な資料です。静岡市や浜松市で経営をされている皆さまは、決議のスケジュールを顧問税理士と入念に相談してください。
将来の退職を見据え、定款の内容や役員報酬のルールを整えておくことも大切です。議事録の作成を疎かにすると、数年後の税務調査で「根拠がない」として経費が否認されるケースすらあります。
プロの活用で安心を
制度の正しい理解は、会社の余計なコストや経営リスクを減らすことにもつながります。
税制は複雑で、法改正も頻繁に行われます。迷った際は、地域の税理士とともに万全の体制で退職金の支給準備を進めていきましょう。
会社の持続的な発展のためには、こうした細かい税務のルールを守ることが、経営者としての一歩となります。
未来を見据えた経営
退職金は、社長ご自身の「経営の集大成」を受け取る儀式でもあります。その最後に躓かないよう、日頃から顧問税理士とコミュニケーションを取り、将来に向けた準備を整えておくことが、安定した経営の秘訣です。
何かあったときにはすぐ相談できる「パートナー」として、私たちがお役に立てれば幸いです。
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3882号(2026年01月05日)「役員退職慰労金と収入時期」税務研究会
参考:国税庁タックスアンサー「No.1420 退職所得」
参考:e-Gov法令検索「所得税法 第30条(退職所得)」
【№9 該当条文の説明】
役員退職慰労金の収入時期に関する取り扱いは、所得税法の「収入金額の収入すべき時期」についてのルールが根拠となっています。このルールでは、原則としてその金額の支払いが確定した日が、所得として計上すべき時期となります。
会社法上のプロセスとの関係として、実務上の通達では、退職後に株主総会決議を必要とする場合、その決議があった日を収入時期と定めています。これは、決議が行われるまでは法的に金額が確定したとは言い難いという考え方に基づいています。一方、退職前に既に支給額が確定している場合には、退職の事実を重視して退職日が収入時期となります。
条文の背景にある考え方
この規定の根拠となっているのは、所得税法における「権利確定主義」の考え方です。所得は、その受け取る権利が確定したときに計上するというのが大原則です。会社法361条は、役員の報酬について株主総会の決議を必要としています。つまり、総会の決議がない状態では、まだ法的に「役員退職金を受け取る権利」が会社に対して確定していない、という論理構成になっています。
改正の経緯と実務への影響
かつては収入時期の判定が曖昧なケースも多く、税務調査での争点になることもありました。しかし、近年の税務実務では、会社法の手続きとの整合性を極めて重視する傾向が強まっています。そのため、形式的な要件を満たしているか(議事録はあるか、決議日はいつか)が以前にも増して厳しくチェックされるようになっています。
経営者として押さえておくべきポイント
条文や通達の知識は、単なる法律の暗記ではなく、経営の防御策です。退職金を支給する際、決議が退職後になるのか前になるのかを把握しておくことは、会社の資金繰りと個人の所得税負担をコントロールする上で非常に強力な武器となります。法律は経営を縛るためのものではなく、適切に活用することで会社と役員の双方を守るためのツールであると捉えてください。正確なルールを理解し、適切なタイミングで意思決定を行うことが、長期的な税務リスクの回避につながります。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ! ※当事務所はDXを経営に活かすことを推進しており、当ブログはAIを活用して生成しています。実際の税制や政策、判例、事件、事象を元に作成していますが、正確な内容や最新の情報とは異なる場合がありますことをご了承くださいませ。
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