改正下請法(取適法)が賃上げ促進税制の適用に与える影響

2026年3月21日

【№1 はじめに】

こんにちは! 静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「改正下請法(取適法)が賃上げ促進税制の適用に与える影響」をお伝えさせていただきます!

賃上げ促進税制は、多くの経営者さまが関心を持つ税務優遇制度です。しかし、実は会社の「取引適正化」への取り組みが、この税制を使えるかどうかの鍵を握っていることをご存知でしょうか。

令和8年1月より、これまでの下請法は「中小受託取引適正化法(取適法)」として新しくスタートしました。もし、取引先に対して不適切な行為を行い、勧告を受けてしまうと、パートナーシップ構築宣言の掲載が取りやめられ、結果として賃上げ促進税制が使えなくなるリスクがあります。

静岡や浜松で製造業や運送業を営む企業さまにとって、こうした法令の変更は非常に重要です。本記事では、改正法のポイントと、税務上のリスクを避けるための対応策を詳しく解説します。

【№2 結論】

結論から申し上げます。賃上げ促進税制を確実に適用するためには、日頃の徹底した取引適正化が不可欠です。本制度は単なる「賃金アップによる恩恵」ではなく、社会的な信頼の証である「パートナーシップ構築宣言」を維持することが大前提となります。

パートナーシップ構築宣言の維持が必須 賃上げ促進税制(全企業向け・中堅企業向け)には、パートナーシップ構築宣言のポータルサイト掲載が要件となっています。これは宣言をして終わりではなく、宣言した企業が取引先と対等かつ健全な関係を維持していることが条件です。

法違反による勧告で税制が適用外に もし取適法に基づく禁止行為を行い、行政から勧告を受けると、この宣言の掲載が取り消される可能性があります。この時点で、該当年度の賃上げ促進税制が適用できなくなるだけでなく、過去の取引に遡って疑義が生じるなど、企業経営に多大な損失を与えることになります。

取適法は従来の禁止行為に加え、新たな規定も追加 今回の改正では、従来の下請法に比べてより踏み込んだ規定が設けられました。協議に応じない一方的な代金決定の禁止や、手形払い等の禁止が新たに追加されており、従来の商慣行がそのまま通用しなくなる可能性があります。

経営戦略としてのコンプライアンス 税務調査の現場では、単に税金の計算が合っているかだけでなく、貴社が法令を遵守する体制にあるかが重視されます。コンプライアンス違反は、税制優遇の剥奪にとどまらず、取引先からの信用失墜、ひいては企業価値の低下を招きます。私たちのようなIT税理士法人が、顧問先企業さまに「取引適正化」の重要性を強く訴えるのは、それが最強の経営防衛策だからです。静岡・浜松の中小企業さまが、持続的な成長を遂げるためには、税務優遇を「使うための土台」としての法規制遵守を、経営の最優先事項に据える必要があります。

【№3 やさしい解説】

1. 賃上げ促進税制とは? 企業が従業員の給与を引き上げた場合に、その増加額の一部を法人税から差し引くことができる制度です。利益が出ている企業にとっては非常に強力な節税メリットがありますが、適用には「法人税の申告時に適切な要件を満たしていること」が絶対条件となります。

2. パートナーシップ構築宣言とは? 大企業や親事業者が、下請事業者や取引先との共存共栄を目指すことを、経営者の名の下で宣言するものです。ポータルサイトへの掲載が、税制適用における「必須の条件」となります。これは、政府がサプライチェーン全体で賃上げを波及させるための強力な政策ツールです。

3. 中小受託取引適正化法(取適法)とは? 改正前の下請法をさらに強化した法律です。従来の下請法に加え、特定運送委託などが対象となり、手形払いの禁止や代金決定に関する規定が厳格化されました。特に、これまで「暗黙の了解」として許容されていたような、親事業者による一方的な要求やコスト転嫁が、明確に「法律違反」として扱われるようになった点が最大の変化です。

法改正の背景には、昨今の物価高騰と、それによる中小・小規模事業者の利益圧迫があります。政府は、賃上げを大企業から中小企業へと循環させるため、この税制を「優良な取引を行っている企業へのボーナス」と位置付けています。
逆に言えば、法令を守れない企業にはその権利を与えないという強いメッセージでもあります。静岡や浜松のような製造業が盛んなエリアでは、親事業者が下請事業者に対して「単価据え置き」や「一方的なコスト押し付け」を行っていた場合、それがそのまま税制適用の障害になる恐れがあります。ビジネスパートナーとの関係性を改めて見直すこと。
それが、今の時代における最も確実な税金対策と言えるでしょう。

【№4 具体例】

取適法(および改正前下請法)で注意すべき、よくある違反例を挙げます。

① 発注後に、原材料価格の変動を理由として代金を一方的に減額した。

② 納品物を受け取った後、理由をつけずに返品し、送料も負担させた。

③ 検査をしていないのに、品質に難があるとして代金を支払わなかった。

④ 下請け企業との協議なしに、量産価格を前提とした安い単価を押し付けた。

⑤ 発注が長期間ないのに、下請け企業の金型を無償で預かり続けた。

⑥ 振込手数料を当然のように全額、下請け企業負担にした。

⑦ 役務提供委託において、事前に取り決めた条件を無視した。

⑧ 納品から検査完了までの期間を、不当に長く設定した。

⑨ 協力金という名目で、あらかじめ定めた報酬から一定額を天引きした。

⑩ 忙しい時期に、短納期を理由とした追加の経費を一切認めなかった。

★注意:これらの行為は、すべて「禁止行為」に該当するリスクがあります。特に中小企業との取引においては、法律の基準が厳しく適用されます。クラウド会計などで取引記録を残し、いつでも説明できるようにしておくことが大切です。

【№5 手順】

法令順守と税制適用を確実なものにするためのステップを整理します。この手順を社内のワークフローとして組み込むことが、経営の安定につながります。

1. 自社の取引形態の棚卸しと分類 まず、自社が関わる「製造委託」「役務提供委託」「特定運送委託」などの取引をすべて洗い出します。どの取引が取適法の対象となるかを明確にするのが第一歩です。

2. 取引条件書と契約書の徹底更新 口頭での合意や、曖昧な見積書での発注はトラブルの元です。取適法に対応した最新の雛形を用い、合意内容をすべて書面または電磁的記録に残しましょう。静岡や浜松の企業間取引でも、古い契約書を使い続けているケースが多いですが、これはリスクです。

3. パートナーシップ構築宣言の定期的更新 一度掲載したからといって安心してはいけません。宣言内容が実際の取引内容と乖離していないか、年に一度の経営会議等で確認しましょう。宣言内容に実態が伴っていないことが判明すると、後の税務調査で否認されるリスクがあります。

4. 協議プロセスの可視化(IT導入) 単価改定の際のやり取りをメールやチャットツール、電子契約システムで記録に残します。誰が、いつ、何を提示し、どのように合意したかをクラウド会計等と紐づけて保存してください。「協議した形跡がない」ことが、後の勧告リスクを増大させます。

5. 内部監査と取引先ヒアリング 年に一度は取引先から「困りごとがないか」をヒアリングする機会を設けましょう。これを議事録に残しておくことで、コンプライアンス体制を証明する強力なエビデンスになります。

6. 専門家と連携した税制適用の最終確認 決算のタイミングで、税理士と一緒に「賃上げ要件」だけでなく「コンプライアンス要件」もチェックします。私たちのような専門家へ「今回の取引内容で、パートナーシップ構築宣言に抵触しないか」を事前に確認することが、最も安全な税務対策となります。

【№6 FAQ】

①Q.パートナーシップ構築宣言は誰が掲載すべきですか?
A.全企業向け・中堅企業向けの賃上げ促進税制を適用したい一定規模の法人等が、ポータルサイトへの掲載を行う必要があります。

②Q.取適法で新たに追加された禁止行為とは何ですか?
A.協議に応じない一方的な代金決定の禁止や、手形払い等の禁止が新たに追加されました。

③Q.違反により勧告を受けるとどうなりますか?
A.パートナーシップ構築宣言の掲載が取りやめられ、賃上げ促進税制の適用要件を充足できなくなります。

④Q.下請法の違反事例は公開されますか?
A.はい、公正取引委員会による勧告事例として、企業名とともに公表される場合があります。

⑤Q.返品の禁止違反とは具体的にどのようなことですか?
A.検査を適切に行わず、正当な理由なく納品物を受け取らせない、または受領後に一方的に返品する行為を指します。

⑥Q.単価の据え置きも違反になる可能性がありますか?
A.協議なく一方的な代金決定を行った場合、買いたたきとして勧告の対象となる事例が出ています。

⑦Q.静岡の会社ですが、取引先の規模は関係ありますか?
A.はい、委託先が中小企業かどうかが法規制の適用に大きく関わるため、取引先リストの整理が重要です。

⑧Q.手形払いは全面的に禁止されたのでしょうか?
A.下請取引の適正化に向け、手形等による支払いを禁止する方向で法改正が行われています。

⑨Q.賃上げ促進税制の適用を顧問税理士と相談できますか?
A.もちろんです。静岡・浜松の税務顧問として、税制要件と法令順守の双方からアドバイスいたします。

⑩Q.過去の違反が現在に影響することはありますか?
A.勧告等を受けて宣言が取り消されている間は、税制優遇の適用が難しくなるため注意が必要です。

【№7 まとめ】

税制優遇と法令順守は表裏一体である 賃上げ促進税制のような強力な節税策は、企業のコンプライアンスが土台にあって初めて成立します。取引先との公正な関係を築くことは、経営の信頼性を高めるだけでなく、税務上のリスクを排除する最善策です。

パートナーシップ構築宣言の重要性 本宣言は単なる公表ではなく、税制優遇の切符です。一度宣言した内容を形骸化させず、日々の取引実態と整合性を保ち続けることが、経営者として求められる管理体制のあり方です。

新法(取適法)への適応が必須 改正により、これまで慣習として行われていた取引手法が禁止される可能性があります。契約書の見直しや、代金決定プロセスの透明化を早急に進めることが、静岡・浜松で事業を展開する中小企業の急務です。

IT活用による取引管理 クラウド会計や電子契約ツールを導入し、協議の経緯や合意内容をデジタルで保存・管理しましょう。これにより、税務調査時にも迅速な対応が可能となり、会社全体の事務効率も大きく向上します。

専門家との連携 法令は日々複雑化しています。判断に迷う際は、地域の税理士や専門家に相談し、正確な知識のもとで経営の舵取りを行うことが、結果として企業の永続的な成長に直結します。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3883号(2026年01月12日)「改正下請法スタート 勧告で賃上げ税制適用不可」税務研究会
参考:国税庁タックスアンサー「No.4277-2 中小企業者等が機械等を取得した場合の特別税額控除制度」(参照日:2026-03-05)
参考:e-Gov法令検索「中小企業の事業活動の機会の確保のための中小企業者に関する国等の契約の確保に関する法律」(参照日:2026-03-05)

【№9 該当条文の説明】

本記事の解説の根拠となる法令について整理します。

中小受託取引適正化法(取適法) 本法は、下請取引の適正化を目的として、親事業者に対して受託事業者との公正な取引を義務付けています。特に禁止行為の規定は、パートナーシップ構築宣言と連動しており、宣言を履行していないとみなされる行為(勧告等)があった場合、掲載の取りやめ要請の対象となります。これは、行政が税制優遇の要件と取引適正化を直結させた重要な動きです。

賃上げ促進税制に係る租税特別措置法 一定の賃上げを行った企業に対し、法人税額からの控除を認める制度です。この適用において、資本金規模等の条件に応じ「マルチステークホルダー方針の公表・届出」の一環として、パートナーシップ構築宣言の活用が義務付けられています。

参考:e-Gov法令検索「租税特別措置法 第42条の12の5」(参照日:2026-03-05) この条文に基づき、賃上げ税制の適用要件やマルチステークホルダー方針の公表義務が定められています。実務上は、単に宣言をするだけでなく、その運用状況が問われる点に注意が必要です。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ! ※当事務所はDXを経営に活かすことを推進しており、当ブログはAIを活用して生成しています。実際の税制や政策、判例、事件、事象を元に作成していますが、正確な内容や最新の情報とは異なる場合がありますことをご了承くださいませ。 無料相談をご希望の方は、最高のIT税理士法人へお気軽にお問い合わせくださいませ。
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