グローバル・ミニマム課税(GM課税)の令和8年度改正と国際合意への対応

2026年3月26日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!

私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「グローバル・ミニマム課税(GM課税)の令和8年度改正と国際合意への対応」をお伝えさせていただきます!

世界中の多国籍企業を対象とした「最低税率15%」を確保するための国際ルール、グローバル・ミニマム課税(以下、GM課税)。

令和8年度の税制改正では、このGM課税に大きな動きがありました。
特に注目すべきは、米国などの独自制度を持つ国との「共存」についての合意です。

静岡県や浜松市を拠点に、グローバルに展開されている多国籍企業グループの皆さまにとって、二重課税のリスクや申告事務の負担がどう変わるのか、最新情報を整理してお伝えします。

【№2 結論】

令和8年度税制改正により、GM課税のルールに「適用免除基準」が追加され、制度がより実務的かつ合理的な方向へ見直されます。

★重要:今回の改正のポイントは、日本以外の国(特に米国など)で、すでに「およそ20%以上」の十分な課税が行われている場合、日本での追加課税を「ゼロ」とする免除規定が設けられることです。

また、事務負担を軽くするための「経過措置(セーフハーバー)」の期限も1年延長され、令和9年末までとなりました。

これにより、対象となる企業グループは、各国の税率や制度の「共存適格」を正しく判定することで、不必要な追加納税や複雑な計算を回避できる可能性が高まります。

静岡・浜松の多国籍企業さまへ
GM課税は、一見すると超巨大企業だけの問題に思えますが、売上規模が基準(およそ1,200億円/7億5,000万ユーロ)を超えるグループに属していれば、地方の支店や子会社であっても影響を免れません。今回の改正による免除基準の活用は、国際税務戦略の要となります。

【№3 やさしい解説】

1. グローバル・ミニマム課税(GM課税)とは?
世界中の国々が「税金の安さ競争」を止めるために決めたルールです。
「どこの国でビジネスをしても、最低でも15%の税金は払いましょう」という約束事です。もし15%に満たない低い税率の国(タックスヘイブンなど)で利益を出している場合、親会社がある国(日本など)で、足りない分を上乗せして課税されます。

2. なぜルールが変わるのか
実は、米国など一部の国では、すでに独自に「最低でもこれくらいは税金を払ってね」という制度(GILTI課税など)を持っています。
これまで、日本のGM課税と米国の制度がどう組み合わさるのかが不明確でした。今回の合意により、「相手国でしっかり20%以上払っているなら、日本のルールで重ねてチェックしなくていいですよ」という、お互いの制度を尊重し合う形に整理されました。

3. 「所在地国」による免除
財務大臣が指定する「しっかり税金を取っている国(共存適格国)」に親会社がある場合、日本での追加課税額をゼロとする仕組みです。これにより、二重に計算する手間が大幅に省けます。

4. 投資を応援する特例
企業が設備投資などをした際、本来なら「税制優遇で税金が安くなる=GM課税の対象になりやすい」という矛盾がありました。
今回の改正では、一定の条件を満たす「投資促進のための税額控除」については、GM課税の計算上、不利にならないように調整するルールが設けられます。

5. 期限の延長
複雑な計算をショートカットできる「経過措置」の期限が、令和9年12月31日まで延長されました。
まだ制度に慣れていない企業にとって、準備期間が1年増えることは大きな救いです。

【№4 具体例】

実際にどのようなケースで改正の影響が出るのか、10のシナリオで見ていきましょう。

① 浜松市の親会社が米国に子会社を持つケース。米国での税率がおよそ20%以上であれば、日本のGM課税における「追加課税」の判定が免除され、事務負担が激減します。

② 静岡市のIT企業が海外展開し、売上基準を超えたグループに属した場合。経過措置の1年延長により、令和9年分まで簡便な計算方法が利用可能になります。

③ 投資促進税制を活用して工場を建てた企業。改正後の「加算特例」により、節税メリットをGM課税で打ち消されることなく、投資効果を維持できます。

④ 財務大臣が「共存適格国」として欧州諸国を指定。これらの国に最終親会社がある多国籍グループの日本法人は、日本でのIIR(所得合算ルール)の適用が免除されます。

⑤ 給与支払額(およそ5.5%)や有形資産(およそ5.5%)を基礎とした調整額の計算。新設される特例により、実態のある経済活動を行っている企業ほど、追加課税のリスクが下がります。

⑥ 米国子会社の所得に対し、米国の「独自ミニマム課税」が発動。今回の合意により、日本側で「米国でも払って日本でも払う」という二重負担が回避されます。

⑦ 令和8年1月1日以降に開始する会計年度。新しい免除基準が適用され、グローバルなタックスプランニングの再構築が必要になります。

⑧ 連結売上高が7億5,000万ユーロ(約1,200億円)付近の企業。境界線上の企業こそ、免除基準の有無が申告の要否に大きく関わります。

⑨ 特定の有形資産に係る減価償却費を多く抱える製造業。調整後対象租税額の計算において、新しい加算特例を適用し、実効税率を15%以上に維持しやすくなります。

⑩ 海外M&Aを検討中の静岡の企業。買収先の国が「指定国」に含まれるかどうかを確認することで、買収後の税務リスクを事前に正確に予測できます。

★重要:これらの免除を受けるためには、「ただ税金を払っている」だけでなく、財務大臣の指定や国際的な認定といった形式的な要件をクリアしていることが必須です。

【№5 手順】

令和8年度税制改正で追加される「グローバル・ミニマム課税(GM課税)」の新ルールに基づき、多国籍企業グループがとるべき実務的な対応手順を解説します。

STEP①:連結売上高の再確認と対象判定
まず、自社が属する企業グループの連結売上高が、直近4会計年度のうち2会計年度以上で「7億5,000万ユーロ(およそ1,200億円)」を超えているか再確認します。静岡・浜松の企業さまでも、海外親会社の傘下にある場合は、そのグループ全体の売上で判定されます。

STEP②:所在地国が「財務大臣指定の免除国」かどうかの照合
今回の改正の目玉である「適用免除基準」を使えるか確認します。グループの最終親会社が所在する国が、日本政府(財務大臣)によって「20%以上の税率で課税している共存適格国」として指定されているかをチェックします。米国などがこの指定を受ける見込みです。

STEP③:経過的セーフハーバーの適用期限管理
事務負担を大幅に軽減できる「経過的な適用免除基準(セーフハーバー)」の期限が、令和9年12月31日まで1年延長されました。この期間内に、簡便な国別報告書(CbCR)ベースの数値で免除要件を満たせるか、令和8年分・9年分のシミュレーションを事前に行います。

STEP④:投資促進税額控除の「加算特例」の計算
自社が設備投資などを行い、法人税の税額控除を受けている場合、そのままでは「実効税率が15%を下回る」リスクがあります。改正により、一定の支出(従業員の給与や有形資産の減価償却費の約5.5%など)を税額に加算できる特例が設けられました。この枠内に収まるか計算し、追加課税を回避します。

STEP⑤:調整後対象租税額の算出と申告調整
免除基準に該当しない国(低税率国)に拠点がある場合、その拠点ごとに実効税率を算出します。令和8年1月1日以降に開始する会計年度から新ルールが適用されるため、会計システムやERPの設定変更、海外拠点からのデータ収集体制を令和7年中に構築しておく必要があります。

STEP⑥:国際最低課税額の申告と納税
計算の結果、15%に満たない「国際最低課税額」が発生した場合は、日本の税務署に対して申告・納税を行います。申告期限は会計年度終了後15ヶ月以内(初回は18ヶ月以内)と長いですが、データ収集に時間がかかるため、早期の着手が欠かせません。

【№6 FAQ】

①Q.「連結売上高1,200億円」には届きませんが、静岡にある海外子会社には関係ありますか?
A. はい、関係あります。日本単体の売上が小さくても、グループ全体(親会社を含む世界合計)で基準を超えていれば、日本拠点もGM課税の報告対象になる可能性があります。

②Q. 米国(アメリカ)に親会社がある場合、今回の改正でどう変わりますか?
A. 米国は「共存適格国」として指定される可能性が高く、その場合、米国でしっかり課税されていれば、日本側での追加課税計算が免除(ゼロ扱い)されるという大きなメリットがあります。

③Q. 延長された「令和9年末まで」の経過措置とは何ですか?
A. 本来は非常に複雑な「実効税率の計算」を、既存の国別報告書(CbCR)などの数字を使って「簡易的に免除判定して良い」というボーナスタイムのような期間です。これが1年延びたことで、本格的な計算体制の構築に余裕ができました。

④Q. 浜松市で受けている「投資促進のための税額控除」は、GM課税で不利になりますか?
A. 税金が安くなると「最低税率15%」を下回りやすくなりますが、今回の改正で「投資や雇用に連動した控除」であれば、一定額を税金にプラスして計算できる救済措置(加算特例)が設けられました。

⑤Q. GM課税は、静岡の税務署に申告するのですか?
A. はい、所轄の税務署(静岡税務署や浜松西税務署など)に対して、法人税とは別に「国際最低課税額に対する法人税」として申告を行います。

⑥Q. 財務大臣が指定する国は、いつ発表されますか?
A. 改正法の施行に合わせて順次発表されます。主要な先進国や、日本と同等以上の税率を持つ国がリストアップされる見込みです。

⑦Q. 「IIR」や「UTPR」という言葉をよく聞きますが、何ですか?
A. IIR(所得合算ルール)は親会社が足りない分を払うルール、UTPR(軽課税所得ルール)は子会社側で調整するルールです。今回の改正で、これら両方の適用免除基準が整備されました。

⑧Q. 1,200億円の判定に使う「ユーロ」の換算レートはどう決まりますか?
A. 原則として、対象となる会計年度の直前の12月の平均レートなど、一定の基準で換算します。為替変動により対象になったり外れたりする場合があるため注意が必要です。

⑨Q. 海外の孫会社が赤字の場合、GM課税はどうなりますか?
A. 赤字の拠点は基本的に追加課税は発生しませんが、グループ全体の「国ごとの実効税率」を計算する過程で、赤字をどう取り扱うかという複雑な計算ルールがあります。

⑩Q. IT導入補助金などを使ってシステム対応をしたいのですが。
A. GM課税のデータ収集には高度なERP管理が不可欠です。静岡・浜松の企業さまであれば、IT導入補助金を活用したシステム刷新と、当法人の税務コンサルティングを組み合わせて対応可能です。

【№7 まとめ】

国際合意による「制度の調和」
令和8年度改正の最大の成果は、米国などの独自制度と日本のGM課税が「共存」できるようになったことです。これにより、二重課税のリスクという多国籍企業最大の懸念が大幅に後退しました。

適用免除基準の積極活用
財務大臣が指定する国に親会社や拠点がある場合、複雑な計算をショートカットして「追加課税ゼロ」を勝ち取ることができます。この免除基準をいかに正確に判定するかが、税務コスト削減の鍵を握ります。

投資と雇用のインセンティブ維持
「税金を安くして投資を促す」という国内政策と、「最低15%は取る」という国際ルール。この矛盾を解消する「加算特例」が設けられたことは、製造業の多い静岡・浜松の企業にとって大きな救いとなります。

1年間の執行猶予を活かす
経過措置が令和9年末まで延長された今、この「1年」を単なる先送りではなく、データ収集体制のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を進める準備期間とすべきです。

専門家による「羅針盤」が必要
GM課税は、これまでの税務の常識が通用しない「新しいパズル」のような制度です。静岡・浜松から世界へ羽ばたく企業さまが、この複雑な海図を読み解き、安全に航海を続けられるよう、最高のIT税理士法人が全力で伴走いたします。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3884号(2026年01月19日)「自民税調 1月に合意したGM課税を8年度改正に追加へ」税務研究会
参考:国税庁タックスアンサー「No.1500 国際最低課税額に対する法人税の概要」(参照日:2026-03-09)
参考:e-Gov法令検索「法人税法 第10条の2、租税特別措置法 第66条の20」(参照日:2026-03-09)

【№9 該当条文の説明】

法人税法 第10条の2(各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税)
本条は、GM課税の根幹となる「最低税率15%」に満たない場合に課される法人税について定めています。今回の改正では、この条文に関連して「財務大臣が指定する特定の国を所在地とする場合」に、この課税額をゼロとみなすという画期的な免除規定が加えられました。これにより、高税率国に本拠を置くグループの事務負担が法的に軽減されます。

租税特別措置法 第66条の20(国際最低課税額の計算の特例)
実効税率(ETR)の計算方法を細かく定めた条文です。改正により、投資促進のための税額控除を「調整後対象租税額」にプラスできる特例が盛り込まれました。具体的には、従業員給与や有形資産額の約5.5%を上限とした加算が認められます。これは、単なるペーパーカンパニーによる租税回避と、実態のある工場投資などを法的に区別するための重要なフィルターの役割を果たします。

経過措置(施行令・告示)
法律の施行に伴う「激変緩和措置」として、令和9年12月31日まで延長されたセーフハーバー規定です。これは、正式な計算(およそ数百項目に及ぶデータ収集)に代えて、簡便な財務諸表ベースの数値で免除を認めるものです。法改正の経緯として、国際的な合意形成が遅れた米国等への配慮と、企業側の準備不足を補うための柔軟な対応といえます。

立法趣旨:課税権の確保と公平性の追求
GM課税の導入目的は、富が特定の低税率国に集中することを防ぎ、各国が公平に税収を得ることです。しかし、制度が複雑すぎて経済活動を阻害しては本末転倒です。今回の改正条文は、「厳格な課税」と「実務的な簡素化」という二律背反を、国際的な「共存」というキーワードで解決しようとする高度な立法技術の結晶といえます。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
※当事務所はDXを経営に活かすことを推進しており、当ブログはAIを活用して生成しています。実際の税制や政策、判例、事件、事象を元に作成していますが、正確な内容や最新の情報とは異なる場合がありますことをご了承くださいませ。
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