手形の廃止に伴う電子記録債権への移行と印紙税の取扱い
2026年4月6日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「手形の廃止に伴う電子記録債権への移行と印紙税の取扱い」をお伝えさせていただきます!
なお、今回は特に「2027年の手形廃止」に向けた実務的な注意点にスポットを当てます。
「電子化すれば印紙代はすべてゼロになる」という思い込みによるミスを防ぐため、
静岡や浜松で企業経営をされている皆様は、ぜひ基本の仕組みから一緒に整理して
いきましょう!
【№2 結論】
2027年(令和9年)4月から、長年親しまれてきた紙の「約束手形」が事実上廃止され、
電子的な決済へと全面的に移行します。この移行に伴い、多くの経営者様が
「印紙代が節約できる」と期待されていますが、実はすべてが非課税になるわけでは
ありません。
銀行を通じた電子記録債権(でんさい)そのものの発生や譲渡記録には印紙税は
かかりません。しかし、企業間で取り交わす「債権譲渡契約書」や、継続的な
取引のルールを定める「基本契約書」を紙(書面)で作成した場合には、
従来通り印紙税が発生します。
特に、代金を受け取った際の「受取書(領収書)」については、ただし書きに
「電子記録債権で受領」と明記しなければ、有価証券の受取書として印紙税の
対象となってしまうリスクがあります。静岡・浜松の企業様においては、
デジタル化を進めつつも、書面作成時のルールを再確認することが重要です。
【№3 やさしい解説】
まず「電子記録債権(でんさい)」とは何かを、とても簡単に説明します。
これは、これまでの「紙の手形」を、インターネット上のデータに置き換えた
デジタルな権利のことです。
紙の手形には、紛失や盗難のリスクがあり、作成するたびに収入印紙を貼る
必要がありました。これを電子化することで、紛失の心配がなくなり、
銀行の手続きだけで完結できるメリットがあります。
しかし、税金のルール(印紙税法)は「何が書かれた紙を作成したか」で
判断されます。
① 電子データそのもの
パソコン上の操作だけで完結する「でんさい」の記録には、紙が存在しないため、
印紙税は1円もかかりません。これが最大のコスト削減メリットです。
② 契約書(紙の書面)
「この電子記録債権をあなたに譲ります」という契約書を、あえて紙で作成して
お互いにハンコを押した場合、その紙は「債権譲渡に関する契約書」となります。
この場合は、200円(第15号文書)などの印紙税がかかります。
③ 領収書(受取書)
ここが一番の落とし穴です。売上代金を「でんさい」で受け取った際、
相手に「領収書」を紙で発行することがあります。
この時、単に「代金として受け取りました」とだけ書くと、税務署からは
「現金か手形(有価証券)でもらったのでは?」と疑われてしまいます。
★重要
電子記録債権は「金銭」でも「有価証券」でもないという特殊な扱いです。
そのため、領収書に「電子記録債権として受け取った」と明記してあれば、
その領収書に印紙を貼る必要はなくなります(不課税)。
静岡や浜松のビジネス現場でも、手形から電子決済への切り替えが進んでいますが、
こうした「紙が介在する瞬間」のルールを知っておくことで、無駄な税金や
過怠税(ペナルティ)を防ぐことができるのです。
【№4 具体例】
電子記録債権への移行に伴う印紙税の判定について、具体的な10個のケースを
確認しましょう。(金額はおよその目安です)
① 銀行システムでの発生記録
静岡市のメーカーが、ネットバンキングで1,000万円(およそ1,000万円)の
電子記録債権を発生させた。
結果:紙の文書が作成されないため、印紙税は0円です。
② 債権譲渡契約書(単発)の作成
浜松市の商社が、特定の電子記録債権を譲渡する契約書を紙で1通作成した。
結果:第15号文書に該当し、印紙税は200円となります。
③ 取引基本契約書の締結
継続的に電子記録債権の譲渡を行うための「基本契約書」を書面で交わした。
結果:第7号文書に該当し、印紙税は4,000円となります。
④ 領収書への「でんさい」明記
売上金500万円(およそ500万円)を電子記録債権で受領し、領収書に
「電子記録債権で受領」と記載した。
結果:第17号文書(受取書)に該当せず、印紙代は0円です。
⑤ 領収書への明記を忘れた場合
上記④と同じケースで、但し書きを忘れて「代金受領」とだけ記載した。
結果:売上代金の受取書とみなされ、2,000円の印紙税が必要になります。
⑥ 譲渡担保約定書の差し入れ
銀行に対して、融資の担保として電子記録債権を差し入れる契約書を提出した。
結果:第15号文書(債権譲渡に関する契約書)に該当し、200円の印紙税がかかります。
⑦ 電子記録債権の「分割」手続き
保有する3,000万円の債権を、支払いのために1,000万円ずつ3つに分けた。
結果:システム上の記録のみであれば、印紙税は発生しません。
⑧ 割引依頼書の作成
手形割引と同じように、電子記録債権を銀行に売却(割引)する書面を作成した。
結果:譲渡記録の請求を含む場合は、第15号文書として200円の印紙税がかかります。
⑨ インターネットバンキングでの振込への移行
手形をやめて、すべてインターネットバンキングの振り込みに切り替えた。
結果:振込データ自体に印紙税はかかりません。
⑩ 契約書の電子署名(電子契約)化
債権譲渡契約書を、紙ではなく「電子契約サービス」を利用して締結した。
結果:書面(紙)の作成がないため、印紙税は一切かかりません。
【№5 手順】
手形決済から電子記録債権(でんさい)へ移行する際の、税務面でのステップです。
① 現在の手形取引の把握
静岡・浜松の自社取引において、年間で何枚の手形を発行・受領しているか
棚卸しをします。
② 銀行への利用申し込み
取引銀行へ「でんさい」の利用を申し込み、ネットバンキング環境を整えます。
③ 取引先への通知と合意
仕入先や外注先に対し、2027年の手形廃止に向けて電子決済へ移行する旨を
説明し、同意を得ます。
④ 基本契約書の見直し
必要に応じて、取引基本契約書に「決済は電子記録債権による」旨の条項を
追加します。この時、電子契約を活用すれば印紙代4,000円を節約できます。
⑤ 領収書(受取書)フォーマットの変更
電子記録債権で代金を受け取った際、自動で「電子記録債権で受領」と
印字されるようシステムを改修します。
⑥ 社内規定の整備
紙の手形管理簿に代わり、電子記録債権の管理フロー(承認ルートなど)を
ITツールを用いて構築します。
⑦ 印紙貼付ルールの周知
「紙で契約書を作った時だけ印紙が必要」というルールを、経理・営業担当者に
徹底して教育します。
⑧ 銀行への担保書類提出
融資を受けている場合、担保設定の書類(譲渡担保約定書など)を銀行と
取り交わします。
⑨ 決算・税務申告への反映
電子記録債権は会計上、受取手形や支払手形に準じた科目で管理し、
正しく決算書に反映させます。
⑩ クラウド会計での自動連携
銀行データとクラウド会計を連携させ、決済完了時に自動で仕訳が
起きるように設定し、業務生産性を爆上げします。
【№6 FAQ】
①Q.静岡市の弊社ではまだ紙の手形を使っていますが、いつまでにやめるべきですか?
A.2027年4月には交換所が閉鎖されるため、2026年度中には完全移行を終えるのが理想です。
②Q.「電子記録債権」は印紙税法上の「有価証券」には当たらないのですか?
A.はい。紙の証券が存在しないため、印紙税法上の有価証券には該当しないとされています。
③Q.取引先から「領収書に印紙を貼ってくれ」と言われたらどう説明すればいいですか?
A.「電子記録債権での受領は不課税文書である」旨を、国税庁の指針を添えてお伝えください。
④Q.浜松市の支店で個別に契約書を作った場合、印紙はどちらが負担しますか?
A.原則として契約当事者が連帯して負担しますが、実務上は折半や作成側負担など様々です。
⑤Q.でんさいの譲渡をスマホで行った場合、その操作に印紙税はかかりますか?
A.スマホやPCの操作(データの送信)だけであれば、印紙税は一切かかりません。
⑥Q.債権譲渡契約書をメール(PDF)で送った場合、印紙は必要ですか?
A.PDFを送信するだけであれば「書面の作成」に当たらないため、印紙税は不要です。
⑦Q.「基本契約書」と「個別の譲渡契約書」で印紙代が違うのはなぜですか?
A.基本契約書は継続的な取引を定める「第7号」、個別は単発の譲渡を定める「第15号」と区分されるためです。
⑧Q.電子記録債権に移行すれば、経理の仕事は楽になりますか?
A.はい。手形の取立依頼や領収書の郵送、印紙の購入・貼付の手間がすべて削減されます。
⑨Q.自社のロゴを領収書に入れたいのですが、印紙税の判定に影響しますか?
A.ロゴの有無は関係ありません。重要なのは「何を受け取ったか」の記載内容です。
⑩Q.銀行から「譲渡担保約定書」に印紙を貼るよう言われました。拒否できますか?
A.書面で契約を結ぶ以上、法律で定められた印紙税の納付義務(200円)は免れません。
【№7 まとめ】
2027年の手形廃止は、単なる決済手段の変化ではなく、多くの中小企業にとって「印紙税コスト」と「事務負担」を劇的に減らす経営革新のチャンスです。
電子記録債権を正しく活用すれば、これまで年間数万円から数十万円かかっていた印紙代を大幅に削減できます。ただし、今回解説したように「領収書の書き方」や「紙の契約書の取り扱い」を一歩間違えると、思わぬ税務リスクを抱えることにもなりかねません。特に、手形からデジタル決済への過渡期においては、新旧のルールが混在するため、社内の経理フローをIT化し、人為的なミスが起きない仕組みを作ることが不可欠です。
静岡・浜松の地域経済を支える皆様が、安心してデジタルトランスフォーメーション(DX)を進められるよう、私たちIT税理士法人は、最新の税務知識とITツールの導入支援の両面から、日本一わかりやすく、かつ強力にサポートいたします。
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3885号(2026年01月26日)「税務相談 印紙税 手形の廃止に伴う電子記録債権による決済への移行と印紙税」佐藤 明弘
参考:国税庁タックスアンサー「No.7105 継続的取引の基本となる契約書」(参照日:2026-03-11)
参考:e-Gov法令検索「印紙税法別表第一(課税物件表)」(参照日:2026-03-11)
参考:e-Gov法令検索「電子記録債権法第二条(定義)」(参照日:2026-03-11)
【№9 該当条文の説明】
参考:e-Gov法令検索「印紙税法・電子記録債権法」の内容解説
① 印紙税法第2条(納税義務者)
この条文では、課税物件表に掲げられる「文書を作成した者」が印紙税を納める
義務があることを定めています。電子記録債権のやり取りにおいて、PC上のデータ
送信だけであれば「文書の作成」に該当しないため、非課税となる根拠となります。
② 印紙税法別表第一 第15号文書(債権譲渡に関する契約書)
電子記録債権そのものはデジタルですが、その譲渡を約束する「紙の書面」を
作成した場合、この15号文書として課税されます。契約金額に関わらず一律
200円(または無記載時200円)となるのが特徴です。
③ 印紙税法別表第一 第17号文書(金銭又は有価証券の受取書)
売上代金を受け取った際の領収書に関する規定です。電子記録債権は、印紙税法上の
「金銭」でも「有価証券」でもないため、但し書きでその旨を証明すれば、
この17号文書の枠外(不課税)として扱われることになります。
④ 電子記録債権法第2条(定義)
「電子記録債権」とは何かを定義した条文です。発生や譲渡に「電子記録」を
要件とする金銭債権であることを明確にしており、これが紙の証券(有価証券)と
明確に区別される法的根拠となっています。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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