信託設定時の課税関係と受益権の評価実務
2026年4月7日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「信託設定時の課税関係と受益権の評価実務」をお伝えさせていただきます!
なお、今回は特に「信託を始めた瞬間に発生する税金」にスポットを当てます。
「誰が利益を受け取るか」という設計ミス一つで、予期せぬ大きな税負担が生じる
こともあるため、静岡や浜松で家族信託や事業承継を検討されている皆様は、
ぜひ基本の仕組みから一緒に整理していきましょう!
【№2 結論】
信託を利用する際、もっとも注意すべきなのは「誰が利益を受け取るか」という点です。
自分でお金を預けて、自分自身が利益を受け取る「自益信託(じえきしんたく)」であれば、
設定した時点では税金はかかりません。
しかし、自分以外の人(子供や孫など)を利益の受け取り人にする「他益信託(たえきしんたく)」
の場合は、その瞬間に「贈与」があったとみなされ、贈与税などの対象になります。
特に、利益を受け取る権利(収益受益権)と、将来的に財産そのものをもらう権利(元本受益権)
を分ける「複層化(ふくそうか)」を行う場合は、評価方法が非常に複雑です。
これらは、信託期間の長さや、その時の市場の金利(基準年利率)によって評価額が大きく
変動するため、事前のシミュレーションが欠かせません。静岡や浜松で事業承継や
資産管理をお考えの中小企業オーナー様にとっても、非常に重要な知識となります。
【№3 やさしい解説】
信託(しんたく)という言葉は難しく聞こえますが、簡単に言えば「信頼できる人に
財産を預けて、決まったルールで管理・運用してもらう仕組み」のことです。
信託には、主に3つの登場人物が出てきます。
委託者(いたくしゃ):財産を預ける人(例:お父さん)
受託者(じゅたくしゃ):財産を預かって管理する人(例:信頼できる長男や会社)
受益者(じゅえきしゃ):財産から出る利益をもらう人(例:お父さん自身、または子供)
この仕組みの中で、税金が決まる大きなポイントは「委託者と受益者が同じかどうか」です。
① 自益信託(じえきしんたく)の場合
「自分でお金を預けて、利益も自分がもらう」というパターンです。
これは、自分のお財布から別の自分専用の箱に移しただけ、とみなされます。
そのため、信託をスタートした時点では、所得税も贈与税も発生しません。
② 他益信託(たえきしんたく)の場合
「自分でお金を預けるけれど、利益は子供がもらう」というパターンです。
税務署はこれを、「子供が価値のある権利をタダでもらった」と判断します。
そのため、信託を始めた瞬間に贈与税(または相続税)の対象となります。
③ 権利の切り分け(複層化)
信託の面白いところは、一つの財産を「分ける」ことができる点です。
例えば、「アパートから出る家賃をもらう権利(収益受益権)」と、
「将来、信託が終わった時にアパートそのものをもらう権利(元本受益権)」
に分けることができます。
これを「複層化(ふくそうか)」と呼びます。
この場合、家賃をもらう人と、将来の物件をもらう人が別々であれば、
それぞれに税金がかかる可能性があります。
【№4 具体例】
信託設定時の課税関係について、10個の具体的なケースを見てみましょう。
(金額はおよその目安として算出しています)
① 自益信託のケース
父が所有する時価5,000万円(およそ5,000万円)の賃貸マンションを信託し、
受益者を父自身に設定した。
結果:父から父への移動なので、贈与税は0円です。
② 子供が受益者になるケース(他益信託)
母が3,000万円(およそ3,000万円)の現金を信託し、受益者を息子にした。
結果:息子が3,000万円の贈与を受けたものとして贈与税がかかります。
③ 収益と元本を分けるケース(複層化)
父が1億円(およそ1億円)の土地を信託。収益受益者を長男、元本受益者を次男にした。
結果:長男と次男それぞれが、計算された評価額に対して贈与税を払います。
④ 信託期間が短い場合
2,000万円(およそ2,000万円)の財産を5年間信託し、収益を孫に渡す。
結果:期間が短いため、収益受益権の評価額は低くなり、元本受益権が高くなります。
⑤ 信託期間が長い場合
2,000万円(およそ2,000万円)の財産を30年間信託し、収益を孫に渡す。
結果:期間が長いため、孫がもらう収益の合計額(現在価値)が大きくなり、
贈与税もその分高くなる可能性があります。
⑥ 金利(基準年利率)が上がった場合
信託設定時の金利が0.5%から0.7%に上昇した。
結果:金利が上がると「将来もらうお金の現在の価値」が低く計算されます。
そのため、収益受益権の評価は下がり、元本受益権の評価は上がります。
⑦ 法人が受益者になるケース
個人が所有する時価1億円(およそ1億円)の自社株を信託し、受益者を法人にした。
結果:個人には「時価で売った」とみなされる税金(みなし譲渡課税)がかかり、
法人には受贈益(タダでもらった利益)として法人税がかかる可能性があります。
⑧ 不動産を信託して権利だけ贈与
静岡市内の時価4,000万円(およそ4,000万円)の土地を信託。
委託者は父、元本受益者は娘。
結果:娘には、信託財産の評価額から収益分を引いた金額に対して贈与税がかかります。
⑨ 複数の収益受益者がいる場合
浜松市の賃貸ビルを信託し、収益を妻と子供で50%ずつ分ける。
結果:それぞれの持分(およそ半分ずつ)に対して贈与税の計算が行われます。
⑩ 信託途中で受益者が変わる場合
当初は父が受益者だったが、途中でその権利を孫に無償で譲り渡した。
結果:その譲り渡した瞬間に、孫に対して贈与税がかかります。
【№5 手順】
信託を活用して正しく納税・評価を行うための基本的な流れをステップで解説します。
① 目的の明確化
まずは「なぜ信託をするのか」を決めます。
相続対策なのか、認知症対策としての財産管理なのかによって、
受益者を誰にするかが決まります。
② 信託財産の評価(現状把握)
信託する財産(土地、建物、現金、株式など)の現在の評価額を調べます。
不動産であれば、路線価(ろせんか)などを用いて正確に算出する必要があります。
③ 受益者の決定と分類
「自益信託」にするか「他益信託」にするかを選びます。
子供に利益を渡す場合は、この時点で贈与税が発生することを覚悟しなければなりません。
④ 信託期間と収益の見込みを立てる
何年間信託するのか、年間でいくらの利益(家賃など)が出るのかをシミュレーションします。
この数字が、収益受益権の計算の基礎になります。
⑤ 基準年利率の確認
国税庁が発表している最新の「基準年利率」を確認します。
これは月ごとに変わる可能性があるため、契約する月の利率を用いるのが鉄則です。
⑥ 受益権の評価額計算
「将来もらう利益 × 複利現価率(ふくりげんかりつ)」の計算を行い、
それぞれの権利がいくらの価値になるかを算出します。
⑦ 公正証書による契約
トラブルを防ぐため、信託契約書は公証役場で「公正証書(こうせいしょうしょ)」
として作成することをお勧めします。
⑧ 税務署への届出
信託が開始されたら、一定の条件(財産価額が500万円超など)に該当する場合、
「信託の計算書」などを税務署に提出する必要があります。
⑨ 贈与税の申告
他益信託の場合は、受益者が贈与税の申告期間内(翌年2月1日から3月15日)に
申告と納税を済ませます。
⑩ 定期的なメンテナンス
信託期間中も、状況の変化に合わせて内容を見直すことが大切です。
特にITを導入してクラウド会計で管理しておくと、毎年の収益把握がスムーズになります。
【№6 FAQ】
①Q.静岡市でアパートを経営していますが、信託すると固定資産税はどうなりますか?
A.納税通知書は受託者(管理を任された人)に届きますが、実質的な負担は受益者が行います。
②Q.浜松市の自宅を子供のために信託したいのですが、贈与税はすぐにかかりますか?
A.はい。子供(委託者以外)を受益者にした瞬間に、贈与があったとみなされます。
③Q.自益信託なら、税務署への報告は一切不要ですか?
A.いいえ。財産の価値が一定額を超える場合は、信託設定の書類を提出する義務があります。
④Q.収益受益権と元本受益権、どちらが節税になりますか?
A.状況によりますが、将来値上がりしそうな物件の元本だけを先に贈与して、評価を下げる手法があります。
⑤Q.信託期間を途中で延長したら、また税金がかかりますか?
A.権利の価値が変わるため、新たな贈与とみなされるリスクがあります。専門家にご相談ください。
⑥Q.ITを導入して信託管理を効率化できますか?
A.はい。クラウド会計ソフトを活用して、信託専用の口座を連携させれば収益計算が自動化できます。
⑦Q.基準年利率が0.1%変わるだけで、評価額は大きく変わりますか?
A.はい。特に30年や40年といった長期の信託では、数百万円単位で変わることもあります。
⑧Q.孫に収益だけを渡す信託は可能ですか?
A.可能です。教育資金の足しにするなど、有効な活用方法があります。
⑨Q.信託契約は自分で作れますか?
A.法律上は可能ですが、税務上のリスクが非常に高いため、税理士や弁護士のチェックが必須です。
⑩Q.静岡・浜松の地元の銀行で信託の相談はできますか?
A.多くの銀行で扱っていますが、税務の具体的なシミュレーションは当法人のような税理士へ依頼するのが確実です。
【№7 まとめ】
信託設定時の課税は、「見た目の形」ではなく「実質的な利益がどこにあるか」
で決まります。自分自身の財産を管理するだけの自益信託なら課税はありませんが、
家族のために権利を移転させる他益信託には、必ず税金の影がつきまといます。
特に「複層化」という手法は、将来の利益を現在の価値に割り引いて計算するという
特殊な評価ルールを用います。これは、金利の動きや期間設定一つで結果が激変するため、
非常に高度な判断が求められます。
静岡、浜松の中小企業さまへ。
事業承継や家族信託を成功させるためには、ITを活用した正確な収益予測と、
最新の税制に基づいたシミュレーションが不可欠です。
事前の準備こそが、最大の節税対策となります。
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3885号(2026年01月26日)「図解でわかる!税理士のための信託制度と信託税制の基礎と実務 第4回 受益者等課税信託の概要と課税②」高杉 尚志
参考:国税庁タックスアンサー「No.4429 信託に関する権利を贈与により取得したとみなされる場合」(参照日:2026-03-11)
参考:e-Gov法令検索「相続税法第九条の二(信託に関する権利)」(参照日:2026-03-11)
参考:e-Gov法令検索「所得税法第十三条(信託財産に属する資産及び負債から生ずる所得の帰属)」(参照日:2026-03-11)
【№9 該当条文の説明】
参考:e-Gov法令検索「相続税法・所得税法」の内容解説
1 所得税法第13条第1項(信託所得の帰属)
この条文は「信託の受益者は、その信託の財産を自分で持っているものとみなす」という
基本原則を定めています。
信託という箱に財産が入っていても、税務上は「中身の利益をもらう人」が
その財産の持ち主ですよ、という考え方です。
この原則があるため、自分から自分へ(自益信託)の移転には課税が発生しないのです。
2 相続税法第9条の2第1項(贈与・遺贈のみなし)
ここには「信託の受益者になる人が、対価を払わずにその権利を得た場合、
委託者から贈与(または遺贈)されたものとみなす」と書かれています。
たとえ不動産の名義が受託者に移っても、実質的な価値を受け取るのが子供であれば、
それは「プレゼント(贈与)」と同じだと法的に定義されています。
3 財産評価基本通達202(信託受益権の評価)
これは法律そのものではありませんが、税務署が評価額を決める際のルールブックです。
「元本と収益の受益者が同じなら、財産そのものの価値で評価する」
「別々の場合は、将来もらう利益を金利で割り戻して計算する」
という具体的な数式が定められています。
この「割り戻し(複利現価)」という概念が、信託税務を難しくしている要因ですが、
同時に戦略的な資産承継を可能にしているポイントでもあります。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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