新リース会計基準と借上げ社宅に係る外形標準課税

2026年4月8日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!

私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「新リース会計基準と借上げ社宅に係る外形標準課税」をお伝えさせていただきます!

新リース会計基準の適用により、企業が借りているすべてのリース物件がバランスシートに載ることになりました。
これに伴い、多くの企業が福利厚生として導入している「借上げ社宅」の会計処理や、法人地方税の「外形標準課税」における計算方法に大きな変更が生じています。

★注意:これまでの感覚で「支払賃借料」を集計していると、付加価値額の計算で大きなミスを招く恐れがあります。
特に、敷金や更新料、従業員からの徴収賃料の扱いは非常に複雑です。
今回は、静岡・浜松の中小企業さまが迷いやすいポイントを整理し、ミスを防ぐための考え方を解説します。

【№2 結論】

新リース会計基準の適用と外形標準課税における「純支払賃借料」の集計には、会計上の処理と税務上の取扱いの明確な切り分けが不可欠です。この二つは根拠となる法律や基準が異なるため、単純に会計ソフトの合計値をそのまま税務申告書に転記すると、大きな集計ミスを招くリスクがあります。

★重要:外形標準課税の計算において、敷金、礼金、更新料、保証金などの権利金的な性質を持つ一時金は、支払賃借料には含まれません。また、従業員から徴収する社宅の家賃は「受取賃借料」として、支払った家賃から控除する処理を忘れてはなりません。これを怠ると、付加価値額が不当に過大計算され、本来支払うべき額以上の税負担を強いられることになります。

★注意:新リース基準では「使用権資産」としてバランスシートに計上しますが、法人税法や地方税法上の「支払賃借料」の定義は、これまで通り賃貸借契約に基づいた支払額がベースとなります。つまり、会計帳簿上の資産額と、外形標準課税の計算基礎となる金額には恒久的な乖離が生じます。この乖離を理解せず、集計時に「会計上の減価償却費」と「税務上の支払賃借料」を混同して集計すると、申告ミスに繋がります。
静岡・浜松の経理現場では、決算業務の忙しい時期にこの集計がボトルネックとなりがちです。決算作業を効率化するためには、日頃から「外形標準課税対象」か「非対象」かを勘定科目やタグ付けで明確に区別し、自動集計できる経理体制を構築しておくことが、税務調査リスクを最小限に抑えるための唯一の道です。

【№3 やさしい解説】

1. 新リース会計基準とは?
これまで、賃貸借取引(オペレーティング・リース)は、単に費用を払うだけの処理で済む場合が多かったです。
しかし新基準では、すべてのリースについて「資産」と「負債」を貸借対照表に計上することが求められます。

2. 外形標準課税とは何か?
資本金が1億円を超える法人が対象となる地方税です。
利益(所得)だけでなく、給与や利子、賃借料など、会社の事業活動の規模を基準に税額が計算されます。
今回話題の「純支払賃借料」は、その計算式における「付加価値額」の構成要素です。

3. なぜ集計に注意が必要なのか?
新会計基準では、敷金なども資産として扱いますが、外形標準課税の税務ルールでは、敷金や更新料は「賃借料」とは見なされません。
会計ソフト上の数字をそのまま拾うと、付加価値額の計算が正しく行われない可能性があります。

4. 社宅の「受取賃料」の扱い
会社が大家さんに支払う額が「支払賃借料」ですが、従業員から徴収する家賃は「受取賃借料」です。
外形標準課税では「支払賃借料から受取賃借料を差し引く」計算を行うため、この両方を正しく集計しなければなりません。

【№4 具体例】

静岡・浜松の企業で起こりうる経理の実務シーンです。

① 社宅としてマンションを借りた際の敷金(50万円)。新リース会計基準では使用権資産にするが、外形標準課税の賃借料には含めない。

② 浜松市内の支店社宅の更新料(10万円)。これも支払賃借料には該当せず、付加価値額の算定から除外する。

③ 従業員から月々5万円の社宅使用料を徴収。これを「受取賃借料」として支払賃借料から控除し忘れると、付加価値額が過大になる。

④ 契約期間が1か月未満の短期賃貸契約。これは外形標準課税の支払賃借料には含まれないため、集計から除外して計算する。

⑤ 新リース基準適用により、リース負債の返済額と利息を計上。利息部分は支払利子だが、賃借料とは別に正しく仕分けが必要。

⑥ 会社所有の社宅ではなく、不動産会社から借りている社宅のみを対象に集計を行う(自社所有は別扱い)。

⑦ 敷金が返還されないことが契約で決まっている場合、使用権資産の一部とする会計処理と、税務上の賃料ルールの違いに戸惑う。

⑧ 静岡市内の複数の物件を借りており、物件ごとに異なる礼金・更新料の扱いをマスタデータで管理する必要が出てくる。

⑨ クラウド会計で「支払賃借料」として一括計上していたものを、物件ごとの明細に分解し、税務用の集計を自動化する。

⑩ グループ会社間での社宅貸与。この場合も社内ルールに基づき、支払・受取を正確に把握しなければならない。

【№5 手順】

新リース会計基準の適用に伴い、外形標準課税の計算でミスを起こさないための実務ステップを解説します。

STEP①:社宅物件の全件リストアップ
まず、自社が借り上げているすべての社宅物件をリスト化します。静岡・浜松市内など、物件ごとに賃貸借契約書を確認し、契約上の性格(オペレーティング・リースか否か)を整理します。

STEP②:支払賃借料と敷金・礼金の分離
会計ソフト上の「支払賃借料」勘定から、敷金、礼金、更新料、1か月未満の賃料などを抽出して「除外項目」としてマークします。これらは外形標準課税の計算対象外です。

STEP③:受取賃借料の把握
社宅を貸与している従業員から回収している賃料を「受取賃借料」として正確に集計します。給与天引きのデータや振込データを突き合わせ、漏れがないか確認します。

STEP④:新リース会計基準による使用権資産との照合
会計処理上、使用権資産として計上したリース負債と、税務上の支払賃借料として集計する項目が一致しないことを理解し、調整計算表を作成します。

STEP⑤:外形標準課税申告用集計表の作成
「支払賃借料(除外項目抜き)」から「受取賃借料」を差し引いた「純支払賃借料」を算出する計算シートを作成します。静岡・浜松の法人税申告を支援する当法人でも推奨する集計方法です。

STEP⑥:税務顧問との定期的な整合性確認
リース会計基準は複雑です。四半期ごとに、会計上の資産計上額と税務上の集計額に齟齬がないかを確認し、期末に慌てない体制を整えます。

STEP⑦:社内マニュアルの整備
物件管理部門や経理担当者に対し、どの項目が「支払賃借料」に該当するかをルール化し、社内研修などで周知徹底します。

【№6 FAQ】

①Q. 敷金は外形標準課税の計算に含まれますか?
A. いいえ。敷金、礼金、更新料などは権利金的な性質を持つため、支払賃借料には含まれません。

②Q. 従業員から徴収する社宅料は、すべて受取賃借料として引いていいですか?
A. はい。従業員から受け取る賃料は受取賃借料として、支払賃借料から差し引くことが認められています。

③Q. 1か月未満の契約も対象ですか?
A. いいえ。短期賃貸借契約に係る賃料は外形標準課税の支払賃借料の範囲から除外されます。

④Q. 新リース基準適用の有無に関わらず、計算は同じですか?
A. 税務上のルールは変わりませんが、会計上の数字の出し方が変わるため、集計の起点を間違えないよう注意が必要です。

⑤Q. 静岡市と浜松市で物件を借りている場合、どう集計しますか?
A. 全国の賃貸借契約を合算して集計します。外形標準課税は原則として法人全体で付加価値額を計算します。

⑥Q. 自社所有の社宅は対象ですか?
A. 外形標準課税の「支払賃借料」の集計には含まれません。あくまで賃貸借契約に基づき支払う家賃が対象です。

⑦Q. 契約書の記載が曖昧な場合はどうしますか?
A. 契約の形態が賃貸借契約であれば対象となります。不動産会社に確認し、契約実態を明確にしましょう。

⑧Q. リース負債の利息は賃借料に含まれますか?
A. 含まれません。支払利息として扱われるため、賃借料の集計対象からは外れます。

⑨Q. 電子帳簿で管理する際の注意点は?
A. 物件ごとに「支払家賃」「敷金」「礼金」を区分できる勘定科目設定を行い、自動集計できるようにしておくのが効率的です。

⑩Q. 複数の税理士に相談してもいいですか?
A. 最高のIT税理士法人では、税務・会計の専門家が連携し、正確な外形標準課税申告を支援しています。

【№7 まとめ】

勘定科目ごとの「純支払賃借料」集計を正確に
会計上の新リース基準と、地方税の税務上のルールは異なることを強く意識してください。「敷金・更新料」を支払賃借料に含めて計算してしまうと、付加価値額が不正確になり、税務調査で指摘されるリスクが高まります。集計項目を一つずつ丁寧にチェックすることが、適正な納税への第一歩です。

控除される「受取賃借料」の漏れを徹底防止
従業員から徴収する家賃は、必ず「支払賃借料」から差し引くべき項目です。受取分を正しく控除することで、会社の事業規模に応じた適正な付加価値額が算出されます。ここを忘れると会社の業績実態以上に付加価値額が膨らみ、不必要な税負担を負うことになります。

ITツールによる集計の自動化と効率化
物件数が多くなればなるほど、手計算での集計はミスを誘発します。クラウド会計のタグ付け機能や、物件ごとの明細管理機能を活用し、「外形標準課税対象」と「非対象」を自動判別できるフローを構築しましょう。DXを推進する最高のIT税理士法人が推奨するのは、経理の自動化による「申告の見える化」です。

静岡・浜松の中小企業を支えるIT税理士の強み
複雑なリース会計基準への対応と、地方税法上の外形標準課税の計算は、企業の経営判断に直接関わる重要な領域です。私たちは、IT技術と税法の知識を組み合わせ、静岡・浜松の皆さまの正確な申告をサポートいたします。法改正で生じる混乱を最小限に抑え、本業に集中できる経理環境を一緒に作り上げましょう。税制改正は「対応コスト」と捉えるのではなく、「経理の透明性を高める機会」と捉えることが、経営成長の鍵となります。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3885号(2026年01月26日)「新リース税制 借上げ社宅に係る外形標準課税の純支払賃借料の処理方法」
参考:国税庁タックスアンサー「No.5704 借地権の権利金等の認定課税」(参照日:2026-03-10)
参考:e-Gov法令検索「地方税法 第72条の17」(参照日:2026-03-10)

【№9 該当条文の説明】

地方税法 第72条の17(付加価値額の算定)
外形標準課税の対象となる法人の付加価値額を決定する根幹をなす条文です。報酬給与額、純支払利子、純支払賃借料の合算から成り立ち、赤字であっても事業活動という経済的活動そのものに対して課税を行うという、地方税の重要な原則が示されています。

支払賃借料の範囲(地方税取扱通知の解説)
地方税取扱通知等において、支払賃借料とは「事業の用に供する土地や建物の賃借のために支払う対価」と定義されています。ここで重要なのは、権利金・敷金・更新料といった一時金は、賃貸借契約の対価そのものではなく、貸与を受けるための権利の対価や預り金としての性質が強いため、支払賃借料から除外されるという点です。実務上、この「賃貸借の対価」という範囲を正しく判断することが、申告漏れや過大納付を防ぐポイントになります。

立法趣旨:応益負担と公平性の実現
外形標準課税の立法趣旨は、利益が赤字であっても、企業は道路や教育、消防といった地方自治体の行政サービスを享受して事業活動を行っているという「応益負担」の考え方にあります。利益(所得)だけを課税対象にすると、不景気時に税収が極端に減ってしまうという問題を解決するため、より広範な事業活動の指標(付加価値)を課税標準に組み込みました。賃借料を付加価値の一部とするのは、土地や建物という社会資本を利用して生産活動を行うことそのものを「経済的な付加価値」とみなすためです。

適正な負担分担の担保
この税制は、企業がどの程度の経済規模で事業を行っているかを、給与や利子、賃借料という「分配された付加価値」の総計から把握しようとするものです。したがって、集計の際の一時金の扱いを曖昧にしてしまうと、この税制が本来目指している「公平な課税」が歪められてしまいます。賃借料の範囲を明確に定義し、全国一律の基準で課税することで、企業活動の規模に相応しい税負担を求め、地方自治体の財政基盤を安定させることがこの条文の根底にある精神です。複雑な計算ルールですが、正しく理解することで、無駄のない適正な納税を実現できます。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
※当事務所はDXを経営に活かすことを推進しており、当ブログはAIを活用して生成しています。実際の税制や政策、判例、事件、事象を元に作成していますが、正確な内容や最新の情報とは異なる場合がありますことをご了承くださいませ。
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