令和8年度税制改正:中小企業向け少額減価償却資産の特例変更
2026年4月14日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「令和8年度税制改正:中小企業向け少額減価償却資産の特例変更」をお伝えさせていただきます!
令和8年度の税制改正大綱において、中小企業が活用している「少額減価償却資産の特例」について大きな変更が示されました。
主なポイントは、取得価額の基準が引き上げられたことと、適用対象となる法人の範囲が見直されたことです。
★重要:昨今の物価上昇を受け、これまで30万円未満だった基準が40万円未満に引き上げられます。
これにより、少し高額な備品でも一括で費用化できる可能性が広がりました。
しかし、その一方で適用対象からは一定規模を超える法人が外れることになりました。
静岡・浜松の中小企業さまにとっても、今回の改正は自社の設備投資戦略に直接関わる重要なニュースです。
改正の内容を正しく把握し、令和8年4月以降の備品購入計画に活かしていきましょう。
【№2 結論】
令和8年度の改正では、「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入特例」の取得価額基準が40万円未満に引き上げられます。これは物価上昇に対応し、中小企業の事務負担軽減を目的とした措置です。
★重要:注意すべき点は、「常時使用する従業員数が400人を超える法人」が対象外となる点です。これまで特例を利用していた大規模な法人は、令和8年4月以降、取得価額に応じた通常の減価償却処理が必要となります。
また、本改正は単なる「節税」の手段ではありません。むしろ、業務効率化のためのIT投資を後押しする経営支援の側面が強いものです。例えば、これまでは30万円未満という制約でスペックを妥協していたPCや周辺機器も、今回の改正により高性能なモデルを即時損金で導入可能となります。静岡・浜松の中小企業さまは、本特例をDX推進の足がかりとして活用すべきです。ただし、特例の対象か否かを判断する際、従業員数のカウント方法や、一式で判定すべき資産の範囲(複合機やサーバー等)には専門的な判断が求められます。会計ソフトの設定を見直し、新基準に合わせた資産登録フローを早期に構築することが、決算時の申告漏れや過大納付を防ぐ「最高の準備」となります。
【№3 やさしい解説】
1. 少額減価償却資産の特例とは?
通常、10万円以上の備品は数年に分けて「減価償却」として経費にします。
しかし、この特例を使えば、取得価額が一定金額以下の備品について、買った年に全額を経費に落とせます。
2. なぜ40万円に引き上げられたの?
物価上昇により、業務で使うノートPCや周辺機器の価格が上がっているからです。
30万円の枠では足りなくなったため、40万円まで範囲を広げることで、中小企業の投資を後押しします。
3. 「常時使用する従業員数400人以下」のルール
この特例は、もともと「事務負担が重い中小企業」を助けるためのものです。
そのため、一定規模以上の大企業は「事務負担軽減の必要性は低い」とみなされ、今回の改正で対象外となりました。
4. 他の特例との違い
「一括償却資産の特例(20万円未満)」などは、今回の改正に関わらず従来通りの扱いです。
改正されたのは、あくまで「中小企業者等の特例」だけであり、すべての特例が引き上げられたわけではありません。
5. 青色申告が条件
この特例を使うためには、青色申告をしていることが大前提です。
静岡・浜松の地域企業さまも、青色申告を活用して、賢く節税対策を行いましょう。
6. 適用期間の延長
この特例の期限が令和11年3月31日まで3年間延長されました。
これにより、当面の間は安心して設備投資を計画できます。
7. 年間300万円の上限
この特例には「年間で合計300万円まで」という上限があります。
高額なものを何個も買えばいいというわけではない点に注意が必要です。
8. 取得価額とは?
消費税込みか税抜きかは、自社の経理方式(税込経理か税抜経理か)によって異なります。
社内のルールに沿って正確に判定しましょう。
9. 損金経理のルール
買った年に経費にするためには、決算書上で「損金経理」しておく必要があります。
申告書で調整するだけでは足りないため、経理の仕訳をしっかり行いましょう。
10. IT化への影響
PCやサーバーなど、IT導入を促進する静岡・浜松の企業さまには、今回の改正で費用化の範囲が広がるのは大きな追い風になります。
【№4 具体例】
静岡・浜松の企業さまの現場で、今回の改正がどう影響するかを具体的なケースで確認します。
① 35万円の高性能ノートPC:これまでは30万円未満でなかったため、減価償却が必要でしたが、改正後は特例により購入した年に全額を経費にできます。
② 15万円の業務用プリンター:従来通りの「少額減価償却資産の特例」が適用可能です。これまで通り、一括損金処理できます。
③ 25万円のタブレット端末:以前からある「一括償却資産の特例(20万円未満)」は使えませんが、今回の改正で40万円未満の枠に入り、全額損金化が可能になります。
④ 年間上限300万円の判定:35万円のPCを10台購入した場合、合計350万円となります。特例が使えるのは300万円までで、残りの50万円は通常の償却計算になります。
⑤ 従業員数400人超の法人:今回の改正で対象から外れます。この場合、30万円以下であっても、30万円以上40万円未満であっても、通常の減価償却が必要です。
⑥ PC価格の高騰対策:半導体不足などでPC価格が上昇していましたが、40万円まで枠が広がったことで、最新のスペックを導入しやすくなりました。
⑦ 損金経理の重要性:決算書を作成する際に、会計上で「消耗品費」等として処理しないと、税務申告だけでは損金になりません。経理担当者は注意が必要です。
⑧ 青色申告の確認:青色申告を取りやめている場合、この特例は一切使えません。静岡市内の事業者さまも、申告形態を今一度確認しましょう。
⑨ 償却資産税の申告:特例を使って損金にしても、償却資産税の申告は必要です。申告漏れを防ぐため、固定資産台帳の管理を徹底してください。
⑩ 共同取得の扱い:1つの機械を複数社で共有して購入する場合、自社の持ち分に応じた取得価額で判定を行います。
【№5 手順】
設備投資における経理処理のフローを解説します。
STEP①:自社の従業員数の確認
まずは期末の従業員数が400人以下かどうかを確認します。これを超える場合は、今回の特例そのものが利用不可となるため、早期の判断が必要です。
STEP②:取得価額の精査
購入した資産が消費税込み(または税抜き)で40万円未満かを確認します。一式として判断が必要な資産(例えばPC本体とモニターを一体で購入した場合)は、それらを合計して40万円未満か判定してください。
STEP③:年間300万円の枠管理
年度内に購入した資産の合計額が300万円を超えていないか、固定資産台帳で管理します。超過分は通常の償却期間に按分する必要があります。
STEP④:会計帳簿への損金経理
決算書上で「減価償却費」として計上し、かつ固定資産台帳に「少額償却資産」として登録します。静岡・浜松の企業さまで、クラウド会計を導入している場合は、資産登録機能で「特例適用」にチェックを入れるだけで自動集計が可能です。
STEP⑤:申告書別表への記載
法人税申告書において、本特例の適用を受けている旨を明記します。特例の明細書を正しく作成し、税務署へ提出することで処理は完了です。
【№6 FAQ】
①Q. 従業員数400人以下の判定はいつの時点で判断しますか?
A. 事業年度終了の日の現況により判定します。
②Q. 300万円の枠は税込計算ですか?
A. 自社の経理方式(税込経理か税抜経理か)によって異なります。消費税の経理方式を基準に判定してください。
③Q. 40万円以上のPCを買った場合はどうなりますか?
A. 本特例の対象外です。通常の耐用年数(PCなら4年)に応じた減価償却が必要です。
④Q. 一括償却資産の特例(20万円)とどちらが得ですか?
A. 少額償却資産特例(40万円)なら全額即時損金になるため、短期的な節税効果は今回改正の特例の方が大きいです。
⑤Q. 償却資産税の申告で免税点(150万円)の判定はどうなりますか?
A. 特例を使った資産も、償却資産税の課税対象となります。申告漏れには十分注意してください。
⑥Q. 静岡市内で購入した中古資産も特例対象ですか?
A. 対象です。取得価額が40万円未満であれば、中古でも問題なく適用可能です。
⑦Q. 従業員数400人超の法人は、なぜ対象外になったのですか?
A. 本来の趣旨が中小企業の事務負担軽減にあるため、規模の大きな法人は対象外とされました。
⑧Q. リース契約で導入したものは対象になりますか?
A. 売買契約ではないため、この特例の対象外です。
⑨Q. 4月1日以後に取得したものが対象とのことですが、決算期とズレる場合は?
A. 令和8年4月1日以後の取得分から適用されます。決算日が途中の法人は、期中での区分けが必要です。
⑩Q. 複数の資産をあわせて40万円未満ならいいですか?
A. 原則として一取引単位で判定しますが、明らかに一組の資産である場合は合計して判定します。
【№7 まとめ】
取得価額基準の40万円未満への引上げを活用する
昨今の物価高に対応し、より高額な設備まで即時損金化できるようになりました。中小企業にとって非常に有利な改正ですので、令和8年4月以降の備品購入計画は、この新基準を前提に組み立ててください。
従業員数400人超の対象外ルールに注意
自社の規模がボーダーラインにある場合は、常時使用する従業員数を正確に把握しましょう。特例が使えるかどうかでキャッシュフローが大きく変わるため、経営判断として慎重に確認が必要です。
300万円の年間限度額を計画的に管理する
特例をフル活用するためには、年度内に購入する資産の合計が300万円を超えないようコントロールすることが重要です。特に決算直前の駆け込み購入は避けるべきです。
最高のIT税理士法人による伴走支援
静岡・浜松の中小企業さまの設備投資管理を支援します。複雑な判定や申告業務は、ITツールを駆使する私たち専門家にお任せください。改正は「守り」の経理ではなく、投資を促進する「攻め」のチャンスです。
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3885号(2026年01月26日)「R8改正 中小の少額資産特例以外は現行の取得価額基準を維持」
参考:国税庁タックスアンサー「No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入の特例」(参照日:2026-03-10)
参考:e-Gov法令検索「租税特別措置法 第67条の5」(参照日:2026-03-10)
【№9 該当条文の説明】
租税特別措置法 第67条の5
中小企業者等が購入した少額減価償却資産を、その事業年度で一括損金算入することを認める特例規定です。この条文により、中小企業は設備投資を積極的に行いやすくなります。今回の改正では、取得価額基準が「40万円」に引き上げられ、法人の規模制限が厳格化されました。法律の趣旨は、事務負担の軽減という「簡便な課税」と、中小企業の「設備投資促進」のバランスを取ることにあります。
法人税法施行令 第133条(少額減価償却資産の取得価額の損金算入)
取得価額が10万円未満である資産を一括損金化できる、すべての法人が使える特例です。今回の改正ではこの基準に変更はありません。つまり、大企業や今回の特例対象外となる企業は、これからも10万円未満か否かを厳格に判定し、それ以上の資産については耐用年数に応じた償却が義務付けられます。
立法趣旨:地域経済を支える中小企業への配慮
400人という従業員数による線引きは、事務処理能力が高い大企業と、現場で多忙を極める中小企業との間に明確な「差」を設けたものです。静岡・浜松の地域経済の担い手である皆さまが、煩雑な償却計算に時間を取られることなく、本来の事業活動に注力できる環境を整えることが、この改正の隠れた意図です。法令を逐条的に読み解き、自社がどのグループに該当するかを正しく判別することが、税務調査における指摘を回避し、かつ最大限の節税効果を享受するための「法的防衛策」となります。複雑な判定に迷った際は、条文の解釈と実務への適用を熟知した税理士の知見をぜひ活用してください。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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