譲渡制限付株式(RS)におけるクローバック条項発動時の源泉所得税の取扱い

2026年4月24日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「譲渡制限付株式(RS)におけるクローバック条項発動時の源泉所得税の取扱い」をお伝えさせていただきます!

静岡や浜松の企業の皆様、近年「株式報酬制度」を導入する動きが活発になっています。
特に「譲渡制限付株式(リストリクテッド・ストック、RS)」は、役員や従業員のモチベーション向上に非常に有効な手段です。
しかし、不祥事や競業避止義務違反が起きた際に、交付した株式を強制的に返還させる「クローバック条項」を運用する場合、税務上の手続きが非常に複雑になることをご存知でしょうか?
今回は、万が一の返還時に、納めすぎた源泉所得税をどう取り戻すのか、その実務を徹底解説します。

【№2 結論】

譲渡制限付株式(RS)の返還(クローバック)が発生した場合の税務処理は、そのタイミングが「譲渡制限の解除前」か「解除後」かによって大きく異なります。

★重要
譲渡制限の「解除前」であれば、まだ課税が発生していないため、税務上の手続きは不要です。
一方で、譲渡制限の「解除後」に株式や金銭を返還させる場合は、解除時に一度納付した源泉所得税について、「誤納額還付請求」を行うことで取り戻すことが可能です。

これは「条件付の支払」において、条件が成立しなかったために返金を受けたものとみなされるからです。静岡・浜松の中小企業さまにおかれましても、この還付実務を正しく理解しておくことが、適正なガバナンスとコスト管理に繋がります。

【№3 やさしい解説】

1. 譲渡制限付株式(RS)とは?
一定期間、売ったり譲ったりすることができないルール(譲渡制限)がついた株式を、役員や従業員に渡す仕組みです。
頑張って働き、株価が上がれば本人の利益も増えるため、会社と個人の目標が一致しやすくなります。

2. クローバック条項(報酬返還条項)とは?
「後から取り上げるルール」のことです。
例えば、退職後にライバル会社へ転職したり、在職中の重大な不正が発覚したりした場合に、渡した株式(または相当する現金)を会社に返させる厳しい契約です。

3. いつ税金(源泉所得税)がかかるの?
株式をもらった時ではなく、売買ができるようになる「譲渡制限が解除された日」の株価に対して税金がかかります。
会社はこの時、給与や退職金と同じように源泉所得税を計算して国に納めます。

4. 返還が起きた時の税金のゆくえ
解除後に「やっぱり返せ」となった場合、本人は利益を得ていないことになります。
しかし、国にはすでに税金を納めてしまっています。
この「納めすぎた税金」を会社が手続きをして取り戻すのが、今回のテーマである還付実務です。

【№4 具体例】

実務で想定される具体的なケースを10個ご紹介します。

① 浜松市の製造業A社で、役員が退職時に不祥事を起こしたケース
退職により譲渡制限が解除され、源泉税を納付した直後に横領が発覚。クローバック条項を発動し、株式を無償返還させました。納付済みの税額について還付請求を行います。

② 静岡市のIT企業B社で、元社員が競合他社へ引き抜きを行ったケース
契約に基づき、解除時の時価相当額(1,000万円)を現金で返還させました。この際、会社が納めた所得税分を差し引いて精算するか、全額返還させるかで手続きが変わります。

③ 譲渡制限解除前に自己都合退職したケース
制限期間中に退職したため、株が会社に没収されました。この段階では課税が発生していないため、源泉所得税の手続きも一切発生しません。★重要

④ 解除後に株価が大暴落してから返還させたケース
返還すべき金額は「解除時の時価」が基準となります。現在の株価が下がっていても、還付される税金は「解除時に納めた額」がベースになります。

⑤ 役員の役務提供の対価としてRSを交付したケース
通常は「給与所得」として扱われますが、退職をきっかけに制限が解ける場合は「退職所得」として源泉徴収されます。還付手続きの際も、この所得区分を意識する必要があります。

⑥ 外国人役員が帰国後に不祥事を起こし、海外から返金されたケース
海外送金での返還であっても、日本の税務署に対する還付請求の手続き自体は同様に行うことが可能です。

⑦ 合意書を作成せずに株式だけ戻させたケース
税務署への還付請求には「なぜ返還されたか」の証拠(合意書など)が必須です。証拠がないと還付が認められないリスクがあります。★注意

⑧ 会社が源泉税を立て替えていたケース
解除時に本人の現金が足りず、会社が一旦納税を立て替えている間に不祥事が発覚。この場合、還付金は会社がそのまま受け取り、立て替え分と相殺します。

⑨ 100株交付し、50株だけクローバックしたケース
返還した50株分に相当する源泉所得税額のみを計算し、部分的な還付請求を行うことになります。

⑩ 倒産寸前の企業で、業績悪化を理由に返還を求めたケース
クローバック条項に「業績指標」が含まれている場合、正当な理由として税務上の還付が認められます。

【№5 手順】

譲渡制限付株式(RS)のクローバック(返還)が発生した際、納めすぎた源泉所得税を取り戻すための実務ステップを解説します。

① 返還事由の特定と証拠書類の整備
まずは、クローバック条項のどの項目(不祥事、競業避止義務違反など)に該当するかを確定させます。
★重要:税務署への還付請求には、客観的な証拠が必要です。取締役会の議事録や、本人との「報酬返還に関する合意書」を必ず作成してください。

② 返還金額(価額)の算定
「譲渡制限が解除された時の時価」を正確に把握します。
株式そのものを無償で戻させるのか、あるいは既に売却済みのために金銭で戻させるのかにより、仕訳や精算額が異なりますが、還付対象となる税額の計算根拠は常に「解除時の給与所得(または退職所得)としての課税額」です。

③ 源泉所得税の還付請求書の作成
「源泉所得税及び復興特別所得税の誤納額還付請求書」を作成します。
ここには、誤って(過大に)納付してしまった金額、本来納めるべきであった金額(返還後はゼロになるケースが多いです)、そしてその差額である還付請求額を記入します。

④ 添付書類の準備
以下の書類を揃えます。

納付時の「所得税徴収高計算書(納付書)」の写し

誤納額が生じた事実を証明する帳簿(預り金勘定や源泉徴収簿の写し)

返還を証明する書類(合意書、通帳のコピー、株式名簿の書き換え記録など)

⑤ 税務署への提出と還付金の受領
所轄の税務署(静岡市や浜松市の各税務署)へ書類を提出します。
審査を経て、通常1ヶ月〜2ヶ月程度で会社名義の口座に還付金が振り込まれます。

⑥ 本人との精算(額面返還の場合)
本人から「税金込みの総額」を返還させていた場合は、税務署から戻ってきた還付金を本人に支払います。最初から「手取り額」だけを返させていた場合は、還付金は会社の利益(納めすぎたキャッシュの回収)となります。

【№6 FAQ】

①Q.浜松市で製造業を営んでいます。役員が退職後にライバル企業へ転職したためクローバックを検討していますが、本人が拒否した場合はどうなりますか?
A.税務以前に法務上の問題となりますが、強行に返還を求めるには訴訟等の手続きが必要になる場合があります。実際に返還(株式の移転や現金の着金)が行われない限り、源泉所得税の還付請求はできません。

②Q.還付請求ではなく、次回の給与の源泉税から差し引く(充当する)ことはできますか?
A.はい、給与や賞与に係る誤納であれば「誤納額充当届出書」を提出することで、以後の納付額から差し引くことが可能です。ただし、退職所得として納付した分については、原則として還付請求の手続きが必要になるケースが多いです。

③Q.静岡市のベンチャー企業です。RSの譲渡制限期間中に株価が半分になりました。クローバックする時の金額は今の株価でいいですか?
A.いいえ、税務上の還付対象となるのは「譲渡制限解除時(課税時)の株価」に基づいた税金です。返還させる金額自体は契約によりますが、税金の還付額は当時の納付額が基準となります。

④Q.クローバック条項は、全従業員を対象にしたRS制度でも設定できますか?
A.可能です。ただし、労働基準法上の「賃金全額払いの原則」との兼ね合いがあるため、導入時に専門家による就業規則や契約書のチェックが不可欠です。

⑤Q.還付請求に期限はありますか?
A.原則として、過誤納となった日から5年以内であれば還付を請求する権利(公法上の不当利得返還請求権)があります。

⑥Q.静岡の税務署から「なぜ返還されたのか」詳しく聞かれますか?
A.はい、還付金額が高額になることが多いため、還付請求書の提出後に内容の確認が行われるのが一般的です。合意書などのエビデンスをITでしっかりと保存しておくことが、スムーズな還付のコツです。

⑦Q.本人が既に海外へ引っ越してしまった場合の還付手続きは?
A.源泉徴収義務者である日本法人が手続きを行うため、本人が海外にいても手続き自体は可能です。ただし、還付金の精算方法については、あらかじめ合意書で決めておく必要があります。

⑧Q.RSではなく、ストックオプション(税制非適格)の行使後にクローバックした場合は?
A.考え方はRSと同様です。行使時に給与所得として課税された分について、返還があれば過誤納として還付請求の対象になり得ます。

⑨Q.還付されたお金に利息(還付加算金)はつきますか?
A.誤納の内容や期間に応じて、一定の還付加算金がつく場合があります。

⑩Q.静岡・浜松エリアの地元の税務署で、RSの還付実務に詳しい担当者はいますか?
A.RSは比較的新しい制度ですが、近年導入企業が増えているため、税務署側もマニュアル化を進めています。私たちIT税理士法人が代理人として説明を行うことで、より確実に手続きを進めることが可能です。

【№7 まとめ】

本日は、譲渡制限付株式(RS)におけるクローバック条項が発動した際の、源泉所得税の還付実務について詳しく解説しました。

まとめ:
譲渡制限の「解除前」の返還は、税務上の手続きは不要。
「解除後」の返還は、一度納めた源泉税を「過誤納金」として取り戻せる。
還付には「合意書」や「返還の事実」を証明するエビデンスが不可欠。
本人と「額面」で精算するか「手取り」で精算するか、契約内容を事前に明確に。

静岡・浜松の中小企業・ベンチャー企業の皆様にとって、株式報酬制度は優秀な人材を惹きつける大きな武器です。しかし、その「出口」であるクローバック時の税務を疎かにすると、会社と本人双方に不利益が生じかねません。

ITを駆使したエビデンス管理と、専門的な税務知識を組み合わせることで、リスクを最小限に抑えた制度運用が可能になります。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3887号(2026年02月09日)「税務相談 源泉所得税 譲渡制限付株式(RS)におけるクローバック条項発動時の源泉所得税の取扱い」税理士 阿瀬 薫
参考:国税庁タックスアンサー「No.2506 役員等に交付される譲渡制限付株式(RS)に係る所得税の取扱い」(参照日:2026-03-12)
参考:e-Gov法令検索「所得税法第181条(源泉徴収義務)」(参照日:2026-03-12)
参考:e-Gov法令検索「国税通則法第56条(過誤納金)」(参照日:2026-03-12)

【№9 該当条文の説明】

参考:e-Gov法令検索「所得税法」および「所得税基本通達」の内容解説

① 所得税法 第36条(収入金額)
所得としてカウントすべき金額は、その行為が適法か無効かを問わず、現実に支配管理しているかどうかで判断されます。一度株を手にして利益を得た以上は、たとえ後から返還義務が生じても、実際に返すまでは課税対象となるという考え方の根拠です。

② 所得税基本通達 181〜223共-6(過誤納金の還付)
徴収義務者が誤って納めすぎた、あるいは条件付きの支払いで後から返金を受けた場合の、源泉所得税の還付ルールを定めています。今回のRSクローバックは、この(3)「条件付の支払による返還」に該当するため、還付が認められます。

③ 所得税法施行令 第274条
各種所得の金額に異動が生じた場合の更正の請求の特例を定めています。行為が無効になったり、経済的成果が失われたりした場合に、税金の再計算を認める手続き上の根拠です。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
※当事務所はDXを経営に活かすことを推進しており、当ブログはAIを活用して生成しています。実際の税制や政策、判例、事件、事象を元に作成していますが、正確な内容や最新の情報とは異なる場合がありますことをご了承くださいませ。
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