グループ間取引の書類保存特例と特定取引の範囲
2026年5月15日
【№1 はじめに】
こんにちは! 静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です! 私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!本日は、「グループ間取引の書類保存特例と特定取引の範囲」をお伝えさせていただきます!
「グループ会社同士だから、契約書や計算根拠はざっくりで大丈夫だよね……」 もし、静岡市や浜松市で親会社・子会社を経営されている皆様がそうお考えだとしたら、令和8年からは非常に危険な状態になるかもしれません。
令和8年度税制改正において、新しく「企業グループ間の取引に係る書類保存の特例」という制度が導入される予定です。これは、グループ間で行われる特定の取引について、対価の額(支払うお金)がどのように計算されたのかを証明する「補完書類」の保存を義務付けるものです。
これまでは、身内同士の取引ということで、しっかりとしたエビデンス(証拠書類)がなくても見過ごされていたケースがあったかもしれません。しかし、これからは「なぜこの金額になったのか」を客観的に示す書類がなければ、税務署から「青色申告の承認取消」という、非常に重いペナルティを課される可能性が出てきました。
特にIT導入やクラウド会計を活用して、グループ全体の経営管理を効率化しようとしている企業様にとっては、このデジタル時代における「ドキュメンテーション(文書化)」の重要性がより一層高まっています。本日は、この新しい特例の対象となる「特定取引」の具体的な範囲や、実務で何を準備すべきかについて、どこよりもやさしく解説してまいります。
【この記事で得られること】
令和8年4月から始まる、グループ企業間の取引に関する新しい書類保存のルールがわかります。
親会社に支払う「経営指導料」や「ロイヤルティ」の算定根拠をどう残すべきかが理解できます。
書類が不足している場合に、青色申告が取り消されるリスクについて対策が立てられます。
【№2 結論】
令和8年4月1日からスタートするこの特例のポイントは、以下の3点に集約されます。
親会社などの「関連者」から子会社などの「内国法人」へ行われる取引が対象です。
対象は、ロイヤルティ(知的財産権の使用料)や、経営指導・システム利用などの「サービス(役務提供)」に限定されます。
取引関連書類に対価の算定根拠の記載がない場合、それを補う「補完書類」を保存しなければなりません。
★重要:このルールを守らないと、青色申告が取り消される可能性があるため、実務上の対応は必須です。
【№3 やさしい解説】
この新しいルールを、日常の「お買い物」や「お小遣い」に例えて説明しましょう。
① これまでの状態 例えば、お父さん(親会社)が子供(子会社)に「お勉強のコツ(技術指導)」を教えて、そのお礼として子供がお小遣いを払うとします。これまでは、親子なので「なんとなく月1万円ね」という口約束や、簡単な領収書だけでも税務署はそれほど厳しく言いませんでした。
② これからの状態(令和8年4月〜) 今後は、税務署からこう言われます。「その1万円は、どうやって計算したの? 1時間いくらで計算したのか、資料をちゃんと残しておきなさい!」もしこの資料(算定根拠)がないと、「お小遣いを経費として認める青色申告の権利を奪いますよ」と警告されることになります。
③ 算定根拠が必要な「特定取引」とは? すべての取引が対象ではありません。「商品の仕入れ(売上原価)」のような、物自体のやり取りは対象外です。対象となるのは、目に見えにくい「ブランドの使用料(ロイヤルティ)」や「コンサルティング料(経営指導料)」などの、販売費や一般管理費(販管費)に関わる取引です。
④ 親会社のシステムを使うのも対象! 親会社が作った基幹システムや、グループ共通の会計ソフトなどを子会社に使わせる場合も対象になります。そのシステム利用料が「適正な金額かどうか」を説明できる書類が必要になるのです。
一言まとめ: 「身内の取引こそ、第3者に説明できる計算資料をしっかり保管せよ」というルールが始まります。
【№4 具体例】
どのようなケースが「特定取引」に該当し、どのような書類が必要になるのか、10個の事例を見てみましょう。
① 【ロイヤルティ(商標権)の支払い】 浜松市の親会社が持つブランド名を使っている静岡市の子会社。親会社に払う「商標使用料」が売上の何%なのか、その設定根拠を示す資料が必要です。
② 【親会社のシステム利用料】 グループ共通のITインフラやERPシステムを子会社が利用。利用料の配賦基準(社員数割りなのか、アクセス数割りなのか等)の計算表を保存します。
③ 【経営指導料・マネジメントフィー】 親会社の役員が子会社の経営会議に出席し、指導を行う。指導の内容、時間、単価などが記されたレポートや契約書の補完資料が必要です。
④ 【技術指導・マニュアル提供】 製造業において、親会社の熟練工が子会社の現場を指導。指導計画書や、技術料の算出根拠となる資料を保管します。
⑤ 【広告宣伝の成果享受】 親会社が全国規模でテレビCMを打ち、その恩恵を子会社も受けているとして費用を負担。広告費の按分(あんぶん)根拠が適正であることを示す書類が必要です。
⑥ 【法務・税務・会計支援】 親会社の管理部門が子会社の経理や契約チェックを一括して行っている。実費精算なのか、役務提供の対価なのかを明確にし、その計算資料を残します。
⑦ 【マーケティング支援】 親会社が集めた顧客データを子会社が活用。データ提供料や分析支援料の算定根拠を明らかにします。
⑧ 【研究開発成果の共有】 親会社の研究所で開発された新技術を子会社が利用。研究開発費の負担金や、成果利用料の計算根拠を保存します。
⑨ 【親会社のサーバー保守・運用】 子会社のWEBサイトを親会社のサーバーで運用。保守料の市場価格との比較や、コスト積み上げによる算定資料を保管します。
⑩ 【研修・教育訓練の実施】 親会社が主催する新人研修に子会社の社員も参加。研修費用の1人あたり単価や、講師派遣料の算定根拠書類が必要です。
★注意:商品の仕入れ(売上原価になるもの)は対象外です。
【№5 手順】
令和8年4月のスタートに向けて、静岡・浜松の企業様が進めるべき10ステップです。
① グループ間取引の総洗い出し 親会社や関連会社に対して支払っている「費用(販管費)」をすべてリストアップします。
② 「特定取引」への該当性を判定 リストアップした費用のうち、ロイヤルティや役務提供(サービス)に該当するものを選別します。
③ 現行の契約書・請求書のチェック 現在の書類に対価の「算定根拠(計算式など)」が記載されているか確認します。
④ 算定根拠が不明確な取引の特定 「なんとなく月額固定」になっている取引や、計算根拠が古い資料しかない取引を見つけます。
⑤ 「補完書類」の作成ルール作成 契約書に書ききれない詳細な計算根拠を、別紙や電磁的記録としてどう残すかルールを決めます。
⑥ 親会社(関連者)への資料請求 算定根拠は親会社側で持っていることが多いため、子会社として資料の提供を依頼します。
⑦ クラウドストレージ等での保存体制構築 ITを活用し、これらの重要書類を電子帳簿保存法に準拠した形で保存できるよう設定します。
⑧ 定期的な見直しスケジュールの設定 一度決めた算定根拠が、現時点でも適正かどうか(市場価格とズレていないか)を毎年確認します。
⑨ 社内規定(ドキュメント管理規定)の改訂 新しい保存特例に対応した社内ルールを明文化し、担当者に周知します。
⑩ 税理士による法務・税務チェック 保存している「補完書類」が、税務調査に耐えうる内容になっているか専門家の確認を受けます。
【№6 FAQ】
① 「特定取引」とは具体的に何ですか? グループ内の親会社(関連者)が子会社(内国法人)に対して行う、特許権の貸付けや、経営管理・技術指導などのサービス提供を指します。
② なぜ売上原価に関わる取引は対象外なのですか? 売上原価(商品の仕入れ等)は、市場価格との比較が比較的容易であり、通常の税務調査で把握しやすいため、今回の「販管費」をターゲットにした特例からは除外されています。
③ 「補完書類」は紙で保存しなければなりませんか? いいえ。電子データ(電磁的記録)での保存も認められます。むしろ、クラウド会計やITツールでの管理が推奨されます。
④ 静岡・浜松に親会社、海外に子会社がある場合も関係ありますか? この特例は「関連者が内国法人に対して行う取引」が対象です。日本にある子会社が支払う側の場合に適用されます。
⑤ 算定根拠がないとすぐに青色申告が取り消されますか? 保存義務に違反し、税務署からの是正指導に従わない場合など、悪質なケースで取り消しのリスクが生じます。
⑥ 親会社のシステムの保守料を払っています。これも対象ですか? はい。親会社のシステムを子会社に使用させる行為や、その維持・管理も「特定取引」に該当します。
⑦ 算定根拠はどのように書けば良いですか? 「時価との比較」「コストに一定の利益を上乗せした額」など、客観的な計算ロジックを記載します。
⑧ 令和8年3月までの取引についてはどうなりますか? この特例は令和8年4月1日以後に行う取引から適用される予定です。
⑨ 関連者の定義を教えてください。 持株関係や実質的支配関係がある法人などが該当します。兄弟会社間も含まれる可能性があります。
⑩ 会計・税務・法務の支援も「役務提供」に含まれますか? はい。親会社が行う専門的な知識に基づいた支援は特定取引に含まれます。
【№7 まとめ】
令和8年度税制改正で創設される書類保存の特例は、企業グループ内の実務に大きな影響を与えます。身内同士だからという「甘え」は許されず、第三者が見ても納得できる「対価の算定根拠」を、目に見えにくいサービス取引にまで求めるものです。
静岡市や浜松市の企業様においても、グループ間での経営指導料やシステム利用料の見直しは急務です。ITを駆使したエビデンス(証拠)管理を早期に導入し、透明性の高い経営体制を整えることが、青色申告の承認という大きな権利を守ることにつながります。
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3890号(2026年03月02日)「R8改正 グループ間取引の書類保存特例に係る特定取引の範囲」 参考:国税庁タックスアンサー「No.5401 関連者間取引の税務」(参照日:2026-05-01) 参考:e-Gov法令検索「法人税法第121条、第127条(青色申告の承認の取消し)」(参照日:2026-05-01)
【№9 該当条文の説明】
参考:e-Gov法令検索「法人税法第121条(青色申告)」 内容解説:法人が一定の帳簿書類を保存することを条件に、税務上の特典(欠損金の繰越しなど)を受けられる制度です。今回の特例は、この帳簿書類の保存義務をさらに具体化・強化するものです。
参考:e-Gov法令検索「法人税法第127条(青色申告の承認の取消し)」 内容解説:税務署長が、帳簿書類の備付け、記録又は保存が適正に行われていないと認める場合に、青色申告の承認を取り消すことができる規定です。新しい特例の違反はこの取消事由に直結します。
【結論(重要ポイントまとめ)】
令和8年4月から、グループ内のサービス取引には客観的な「計算根拠」の保存が必須となります。
ロイヤルティや経営指導料など、目に見えない取引ほど細かなドキュメント整備が必要です。
静岡・浜松の企業様は、ITを活用した電子保存体制を整え、青色申告取消リスクを回避しましょう。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ! ※当事務所はDXを経営に活かすことを推進しており、当ブログはAIを活用して生成しています。実際の税制や政策、判例、事件、事象を元に作成していますが、正確な内容や最新の情報とは異なる場合がありますことをご了承くださいませ。 無料相談をご希望の方は、最高のIT税理士法人へお気軽にお問い合わせくださいませ。
https://toc-tax.jp/contact/