土地の賃貸借とリース取引

2026年5月20日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!

私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!

本日は、「土地の賃貸借とリース取引」をお伝えさせていただきます!

【この記事で得られること】
令和9年から始まる「新リース会計基準」で土地の賃貸借がどう変わるか分かります。
会計上のルールが変わっても、法人税の計算には影響しない理由が明確になります。
借手と貸手、それぞれの視点で土地取引の正しい処理手順を理解できます。

【№2 結論】

会計の世界では、令和9年4月1日以後に開始する事業年度から「新リース会計基準」が本格的に始まります。
この新しいルールでは、借りている資産をバランスシート(貸借対照表)に載せる「オンバランス処理」が原則となります。

しかし、ここで注目すべきは「土地」の扱いです。

結論から申し上げますと、土地の賃貸借については、法人税法上の取扱いに変更はありません。
たとえ会計上でオンバランス(資産と負債の両方に計上)することになっても、税務上は「所有権が移転しない土地の賃貸借」であれば、従来通り支払った地代を経費とする「賃貸借処理」を継続することになります。

つまり、会計と税務で「ズレ」が生じる可能性があるため、申告調整が必要になるケースが出てきます。
静岡・浜松の中小企業様においては、会計基準の影響を受けるかどうかをまず確認し、税務申告でミスをしないことが肝要です。

【№3 やさしい解説】

「新リース会計基準」とか「オンバランス」と言われても、日常業務では聞き慣れない言葉ですよね。
まずは、背景にある考え方を日常的な例えで分かりやすく説明します。

1. そもそも新リース会計基準とは?
これまでは、「借りているもの(リース)」については、毎月の支払いだけを帳簿につければ良いというルールが一般的でした。
しかし新しいルールでは、「長期間借りて使い続ける権利は、もう自分の資産と同じだよね」と考えます。
これを「使用権資産」という名前でバランスシートに載せるのがオンバランス化です。
家計で言えば、「月々の家賃を払う」という記録だけでなく、「この部屋を2年間使う権利という価値(資産)」と「2年分の家賃を払う義務(負債)」を同時に記録するようなイメージです。

2. 土地だけが「特別」な理由
建物やコピー機は、使っていれば価値が減ります(減価償却)。
一方、土地は使っても減りません。
法人税の世界では、「土地の所有権が自分に移らない契約」であれば、それは単なる「借り物」として扱います。
会計基準が「全部資産に載せよう!」と方針を変えても、税法は「土地は減らないし、所有権が移らないなら売買とは認めない」という独自のスタンスを貫いています。

3. 会社への影響は?
もしあなたの会社が上場企業であったり、監査を受けている大きな会社であったりする場合、土地のリースも資産に載せる必要があります。
しかし、法人税の計算(確定申告)をするときは、その会計処理を「税金計算用の処理」に引き戻さなければなりません。
これを「申告調整」と呼びます。

一言まとめ:
「会計上のルールが厳しくなっても、土地の地代にかかる税金のルールは変わらないので安心してください。ただし、帳簿の付け方は工夫が必要です!」

【№4 具体例】

それでは、具体的にどのような場面で土地の賃貸借とリースの問題が発生するのか、10個の事例を見ていきましょう。

① 【ロードサイド店舗の土地借入】
浜松市内の主要道路沿いで店舗を運営するために、30年間の事業用定期借地権を契約しました。
新会計基準では資産計上が必要になる場合がありますが、法人税では毎月の地代をそのまま損金(経費)にします。

② 【本社ビルの敷地利用】
静岡市内の自社ビルの敷地が借地である場合です。
土地には減価償却がないため、税務上はリース資産として償却することはできず、賃貸借処理となります。

③ 【割安購入選択権がある場合】
契約期間終了後に、相場よりも明らかに安い価格で土地を買い取れる権利がついている契約です。
これは税務上も「売買(ファイナンス・リース)」とみなされ、最初から自分の資産として扱うことになります。

④ 【土地と建物をセットで借りる場合】
オフィスビル1棟を借りる契約では、建物部分はリース会計の影響を大きく受けますが、土地部分は「所有権移転外」であれば税務上は賃貸借となります。
土地と建物を分ける作業が重要になります。

⑤ 【資材置き場の短期賃貸】
建設会社が浜松市内の空き地を1年間だけ資材置き場として借りました。
これは「短期リース」の例外に該当する可能性が高く、会計上もオンバランスせず経費処理で済むことが多いです。

⑥ 【太陽光発電パネルを設置する土地】
耕作放棄地などを借りて太陽光パネルを設置する場合です。
土地の賃貸借期間が長くても、所有権が移らない限り、税務上の地代処理は変わりません。

⑦ 【コインパーキングの運営】
駐車場運営会社が土地を借りるケースです。
新会計基準の適用範囲であっても、法人税法第64条の2により「土地の賃貸借」はリース取引の定義から除外されるため、経費処理が維持されます。

⑧ 【再開発に伴う一時的な土地借用】
静岡駅周辺の工事のために数年間土地を借りる場合です。
所有権移転条項がなければ、会計処理がどうあれ、税務上は地代として落とせます。

⑨ 【親会社から土地を借りる場合】
グループ法人税制が絡みますが、基本は同じです。
所有権が移転しない契約形態であれば、法人税法上のリース取引には該当しません。

⑩ 【海外子会社が現地で土地を借りる場合】
現地の会計基準がIFRS(国際財務報告基準)などの場合、すでにオンバランスされているはずです。
日本の法人税申告では、日本の税法に合わせて地代処理に修正します。

【№5 手順】

新リース会計基準の適用を見据えた、実務上のチェック手順をご紹介します。

① 【契約書の確認】
現在契約しているすべての土地賃貸借契約書を集めます。
特に「所有権が将来移る約束があるか(所有権移転条項)」「格安で買える権利があるか」をチェックします。

② 【会計基準の適用範囲の判定】
自社が新リース会計基準を適用すべき会社(上場企業やその子会社、監査対象法人など)かどうかを確認します。
★重要:多くの中小企業が採用している「中小企業の会計に関する指針」では、オンバランスが強制されない場合もあります。

③ 【土地とその他の資産の分離】
建物と土地をセットで借りている場合、支払額を「土地の対価」と「建物の対価」に分ける必要があります。
税務上、土地は「リース取引」から除外されるため、この切り分けが必須です。

④ 【会計システムの改修・導入】
新会計基準に対応するためには、従来のように「地代家賃」として入力するだけでは足りません。
静岡のクラウド会計導入を推進する当法人では、使用権資産とリース負債を自動計算できるシステムの導入をサポートしています。

⑤ 【申告調整の準備】
会計上の「使用権資産の償却費」と、税務上の「支払地代」の差額を計算します。
法人税の申告書(別表)で、どのように調整するかをシミュレーションしておきます。

【№6 FAQ】

① ①Q.新リース会計基準は、静岡・浜松のすべての中小企業に強制適用されますか?
A.いいえ、すべての企業ではありません。主に上場企業や会計監査人設置会社(大会社など)が対象です。多くの中小企業が利用する「中小企業の会計に関する指針」等では、従来の賃貸借処理が認められる方向ですが、親会社の連結対象となっている場合は対応が必要になることがあります。

② ②Q.土地の賃貸借が「資産」として計上されると、自己資本比率に影響しますか?
A.はい、影響します。会計上で「使用権資産」と「リース負債」を両建て(オンバランス)すると、総資産が増えるため、見かけ上の自己資本比率が低下する可能性があります。浜松の地銀など金融機関との格付けに関わる場合は、事前の説明が重要です。

③ ③Q.なぜ法人税法では「土地のリース」という概念がほぼないのですか?
A.法人税法第64条の2において、リース取引の範囲から「所有権が移転しない土地の賃貸借」が明確に除外されているためです。土地は減価償却資産ではないため、売買と同視できるような特別な事情がない限り、単なる借り物として扱われます。

④ ④Q.「所有権が移転する土地のリース」とはどのようなケースですか?
A.リース期間終了後に無償または名目的な価格で土地が譲渡される契約や、割安購入選択権がある場合です。この場合は、最初から「土地を分割払いで買った」とみなされ、利息相当額を除いて土地資産として計上します。

⑤ ④Q.静岡市内のビルを借りていますが、共益費もオンバランスの対象ですか?
A.原則として、サービス部分である共益費やメンテナンス料はリースの構成要素から除外して考えます。土地・建物の賃借料相当額のみを計算対象とするのが一般的です。

⑥ ⑥Q.会計で資産計上した「土地の使用権」を減価償却してもいいですか?
A.会計上は期間に応じて費用化(償却)しますが、法人税法上、土地は非償却資産です。そのため、会計上の償却費は税務上すべて「加算(申告調整)」し、実際に支払った「地代」を「減産」する処理が必要になります。

⑦ ⑦Q.IT導入補助金やクラウド会計で、この複雑な計算は自動化できますか?
A.はい、可能です。最新のクラウド会計ソフトやリース管理システムを導入することで、会計上の資産・負債計上と、税務上の申告調整データの作成を連動させることができます。静岡のクラウド会計導入支援は当法人にお任せください。

⑧ ⑧Q.借地権を設定する際、「権利金」を支払った場合はどうなりますか?
A.権利金は「税務上の繰延資産」または「借地権」として資産計上し、別途税務ルールに従って処理します。新リース会計基準における「使用権資産」の計算には、これらの前払的性格の支出も含めて計算することになります。

⑨ ⑨Q.土地を貸している側(貸手)の処理はどうなりますか?
A.貸手側は、新会計基準でも「ファイナンス・リース」か「オペレーティング・リース」かに分類します。土地の貸付は、所有権が移転する特約がない限り、基本的には「オペレーティング・リース(賃貸借)」として、地代収入を計上し続けます。

⑩ ⑩Q.令和9年まで何もしなくて大丈夫ですか?
A.早期適用を検討する場合や、契約数が膨大な企業様は早めの準備が必要です。特に浜松・静岡で多店舗展開されている企業様は、契約ごとに土地・建物の按分比率を確認する作業に時間がかかるため、今から現状把握を進めるべきです。

【№7 まとめ】

令和9年から導入される「新リース会計基準」は、日本の会計慣行を国際基準に合わせる大きな変化です。しかし、法人税の実務においては、これまで通り「土地は土地」としての取扱いが維持されます。

会計上は、土地の賃貸借も原則として「資産」と「負債」に計上する(オンバランス)。
法人税法上は、所有権が移転しない限り「賃貸借取引」として地代を経費処理する。
この「会計と税務の差」を正しく理解し、確定申告で適切に調整することが実務の要です。

静岡・浜松の経営者の皆様におかれましては、財務諸表の見た目が変わることによる銀行評価への影響や、システム対応の必要性について、今のうちから専門家と相談しておくことをお勧めいたします。

【結論(重要ポイントまとめ)】
土地の賃貸借は、法人税法上、原則としてリース取引の範囲から除外されている。
会計上で資産計上しても、税務上の「支払地代」としての経費処理は変わらない。
会計と税務の不一致が生じるため、クラウド会計やITツールを活用した効率的な申告調整が不可欠。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3890号(2026年03月02日)「土地の賃貸借とリース取引」税務研究会
参考:国税庁タックスアンサー「No.5702 リース取引の利用者の法人税等」(参照日:2026-05-13)
参考:e-Gov法令検索「法人税法第64条の2(リース取引に係る所得の金額の計算)」(参照日:2026-05-13)

【№9 該当条文の説明】

参考:e-Gov法令検索「法人税法第64条の2」の内容解説
この条文は、リース取引を「売買」として扱うか「賃貸借」として扱うかの基準を定めています。第3項において、リース取引の定義を規定していますが、施行令等により「所有権が移転しない土地の賃貸借」はここから除外されています。これにより、土地の賃貸借は原則として売買(ファイナンス・リース)扱いされず、地代としての処理が継続されます。

参考:e-Gov法令検索「法人税法施行令第131条の2」の内容解説
リース取引の範囲から除外される資産を具体的に規定しています。第1項第1号において、「所有権が移転しない土地の賃貸借」が明記されており、これが土地の賃貸借を税務上オンバランスしない(売買処理しない)ことの直接的な法的根拠となっています。

参考:e-Gov法令検索「法人税法第53条」の内容解説
返品調整引当金等の規定と並び、法人税における売上や費用の計上時期を定めています。リース取引に関する収益・費用の帰属時期もこの考え方に基づきますが、土地の賃貸借は通常の賃貸借取引として、支払期日の到来に合わせて損金算入するルールが適用されます。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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