離婚により居住用不動産を引き渡す場合の課税関係(贈与税、所得税)

2026年5月21日

【№1 はじめに】

こんにちは!静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!

私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!

本日は、「離婚により居住用不動産を引き渡す場合の課税関係(贈与税、所得税)」をお伝えさせていただきます!

【この記事で得られること】
離婚で自宅を相手に渡す際、実は自分に「所得税」がかかるリスクとその回避法がわかります。
3,000万円の特別控除を確実に受けるための「離婚届のタイミング」が明確になります。
贈与税がかからない範囲と、特例を適用するための具体的な手続き手順が理解できます。

【№2 結論】

離婚に伴う財産分与で自宅不動産を相手に渡す場合、税務上は「その時の時価で売却した」とみなされるため、渡す側(譲渡人)に譲渡所得税がかかる可能性があります。

しかし、以下の条件を満たすことで税負担を大幅に軽減、あるいはゼロにすることが可能です。

① 離婚成立後に引き渡す:
これにより相手が「配偶者」ではなくなるため、居住用財産の3,000万円特別控除が適用可能になります。

② 婚姻期間が20年以上の贈与:
離婚成立前にあえて贈与の形をとる場合、贈与税の配偶者控除(最大2,000万円)を活用できるケースがありますが、財産分与の実態がある場合は慎重な判断が必要です。

静岡市や浜松市の不動産価格が上昇している昨今、知らずに名義変更を行うと思わぬ高額納税に繋がるため、事前のシミュレーションが不可欠です。

【№3 やさしい解説】

「夫婦の話し合いで家を譲るだけなのに、なぜ税金の話が出てくるの?」
そう思われるのも無理はありません。しかし、日本の税制には「財産分与=義務の消滅」という考え方があります。

① 「売った」とみなされる仕組み
例えば、あなたが昔2,500万円で買った静岡市内のマンションが、現在3,500万円の価値があるとします。これを離婚の際に奥様に渡すと、税務署は「あなたが1,000万円の利益を得て、その1,000万円を離婚の解決金として支払った」と解釈します。つまり、現金を1円も受け取っていなくても、1,000万円の儲けに対して所得税がかかってしまうのです。

② 3,000万円控除という強力な味方
この「架空の利益」を消してくれるのが、マイホームを売った時の特例です。利益から3,000万円を差し引けるため、多くのケースで税金は0円になります。
★注意:ただし、この特例は「夫婦や親子」など、身内への譲渡には使えません。

③ 離婚届を出す「前」か「後」か

離婚届を出す「前」に家を渡す:まだ夫婦なので特例が使えず、税金がかかる可能性大。

離婚届を出す「後」に家を渡す:他人(元配偶者)への譲渡となり、特例が使える。
たったこれだけの違いで、数百万円の納税額が変わることがあります。

④ もらう側(受贈者)の税金
原則として、適正な範囲の財産分与であれば、もらう側に贈与税はかかりません。家をもらったからといって、後から多額の請求が来ることは基本的にはないので安心してください。

一言まとめ:家を譲るなら、必ず「離婚が成立してから」名義変更の手続きを行いましょう。

【№4 具体例】

静岡・浜松の地域性や様々な家庭環境を想定した10個の事例を紹介します。

① 【静岡駅近マンションの譲渡】
購入時より1,500万円値上がりしたマンションを、離婚成立後に財産分与。3,000万円控除のおかげで所得税は0円になりました。

② 【離婚届前の名義変更ミス】
仲が悪くなり、一刻も早く縁を切りたいと離婚届前に家を譲渡。夫婦間譲渡とみなされ、特例が使えず200万円の納税が発生しました。

③ 【婚姻20年超の先行贈与】
離婚協議中ですが、あえて婚姻期間20年超の特例(おしどり贈与)を使い、2,000万円分を非課税で贈与。その後離婚する計画を立てました。
★注意:実態が「財産分与」であれば、所得税のルールが優先されるリスクがあります。

④ 【浜松市の併用住宅の分与】
1階が店舗、2階が自宅の物件。自宅部分には3,000万円控除が使えますが、店舗部分は「住居」ではないため、値上がり益に課税されました。

⑤ 【別居から4年経過した自宅】
すでに別居して5年。その家を分与しようとしましたが、「住まなくなってから3年目の年末」を過ぎていたため、マイホーム特例が受けられませんでした。

⑥ 【住宅ローン付き不動産の譲渡】
オーバーローン(家の価値より借金が多い)の状態。この場合は「利益」が出ていないため、所得税の心配はほぼありませんでした。

⑦ 【多額の現預金と自宅の分与】
自宅だけでなく、静岡市内の土地や多額の現金を一度に分与。社会通念上多すぎると判断されると、超えた分に贈与税がかかるため調整しました。

⑧ 【海外に住む元配偶者への分与】
仕事で海外にいる夫から、浜松に住む妻へ分与。非居住者への譲渡となり、納税管理人の選任など特殊な手続きが必要になりました。

⑨ 【親名義の土地に建つ自宅】
建物は自分、土地は親名義。建物の分与はマイホーム特例が使えますが、土地は自分の所有ではないため、別の税務検討が必要になりました。

⑩ 【再開発エリアでの高額利益】
浜松市内の地価上昇エリア。購入価格が不明だったため「売価の5%」を取得費とするルールが適用され、利益が大きく計算されましたが、特例で回避しました。

【№5 手順】

トラブルを防ぎ、確実に特例を受けるための5ステップです。

① 【不動産の購入価格を特定する】
当時の売買契約書を探します。紛失していると税金計算で非常に不利になります(売価の95%が利益とみなされるため)。

② 【現在の時価(査定)を確認する】
不動産会社に依頼し、現在の相場を確認します。静岡・浜松の最新相場を知ることが第一歩です。

③ 【離婚届を提出する】
まずは法的に離婚を成立させます。特例適用のための「他人」になる期間を確保します。

④ 【財産分与契約書(公正証書)の作成】
「離婚に伴い、この物件を譲渡する」旨を明確に記載します。後の税務署への証拠書類となります。

⑤ 【所有権移転登記と確定申告】
法務局で名義を変更し、翌年の2月〜3月に税務署で「居住用財産の3,000万円控除」を適用して確定申告を行います。
★重要:静岡の税務調査対策を万全にするためにも、申告書の作成はプロに任せるのが安心です。

【№6 FAQ】

①Q. 財産分与で家をもらった場合、不動産取得税はかかりますか?
A. 原則として、夫婦の財産を清算する目的であれば、静岡県・浜松市ともに不動産取得税は「非課税」または「軽減」となるケースがほとんどです。

②Q. 3,000万円控除を受けるために必要な書類は?
A. 確定申告書に、譲渡所得の内訳書、除票住民票(住んでいた証明)などを添付します。

③Q. 住宅ローンが残っている家を譲る場合、銀行の承諾は必要ですか?
A. はい、非常に重要です。名義を勝手に変えると契約違反になるため、浜松の地銀など融資先へ事前に相談が必要です。

④Q. 離婚して半年後に手続きしても大丈夫ですか?
A. 財産分与の請求権は「離婚から2年」です。税務上の「住まなくなってから3年」という期限も意識して進めてください。

⑤Q. 共働きで共有名義にしている場合は?
A. お互いの持ち分を清算することになります。自分の持ち分を相手に渡す際、そこに利益が出ていれば同様に所得税の検討が必要です。

⑥Q. 静岡市内の実家に住んでいて、マンションは人に貸していました。この場合も特例は使えますか?
A. 残念ながら、貸している物件(非居住用)には3,000万円控除は使えません。

⑦Q. 離婚後、元妻が再婚しても課税関係に影響しますか?
A. 譲渡の時点(財産分与時)で要件を満たしていれば、その後の再婚は税務上問題ありません。

⑧Q. 慰謝料として家を渡すのと、財産分与として渡すのは違いますか?
A. 税務上の所得税の扱いはほぼ同じですが、名目の違いにより贈与税のリスクが変わることがあります。

⑨Q. 浜松市で会社を経営していますが、会社名義の社宅を元妻に譲ることはできますか?
A. 会社所有の場合は、法人から個人への譲渡または退職金代わりなどの処理になり、全く別の高度な税務判断が必要になります。

⑩Q. 税理士に相談するタイミングはいつが良いですか?
A. 離婚届に判を押す「前」です。タイミングを間違えると、後からリカバリーできない税金が発生してしまいます。

【№7 まとめ】

離婚に伴う不動産の引き渡しは、人生の再出発に向けた大切な一歩です。しかし、そこには「見えない所得税」という大きな罠が潜んでいます。

財産分与は「時価での譲渡」とみなされる。

離婚成立「後」の名義変更が、3,000万円控除適用の鍵。

婚姻期間が長い場合は、贈与税の特例も選択肢に入る。

不動産価格が上昇している静岡・浜松エリアでは特に注意が必要。

「知らなかった」で数十万円、数百万円を失わないために、ITを駆使して最速で正確なシミュレーションを行うことが、新しい生活を守ることにつながります。

【結論(重要ポイントまとめ)】
1. 不動産の名義変更は、必ず「離婚届が受理された後」に行う。
2. 確定申告を忘れると、3,000万円控除は1円も受けられない。
3. ローン残高や購入時の契約書を早急に確認し、利益が出るか把握する。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3890号(2026年03月02日)「タックスフントウ 第162回 離婚により居住用不動産を引き渡す場合の課税関係(贈与税、所得税)」芝のダイモン軍団
参考:国税庁タックスアンサー「No.3302 マイホームを売ったときの特例」(参照日:2026-05-12)
参考:e-Gov法令検索「租税特別措置法第35条(居住用財産の譲渡所得の特別控除)」(参照日:2026-05-12)

【№9 該当条文の説明】

参考:e-Gov法令検索「租税特別措置法第35条」の内容解説
個人がその居住の用に供している家屋や、その家屋と共に譲渡する土地を売却した際、その利益から最大3,000万円を控除できるとする規定です。離婚後の財産分与は「他人への譲渡」となるため、この規定が適用可能となります。

参考:e-Gov法令検索「所得税基本通達33-1の4」の内容解説
財産分与による資産の移転は、分与者の「財産分与義務」が消滅するという経済的利益を対価とする「有償譲渡」にあたると明記されています。これにより、無償のプレゼント(贈与)ではなく「売却」としての税制が適用される根拠となっています。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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