住宅ローン控除の経過措置と所得要件
2026年5月29日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「住宅ローン控除の経過措置と所得要件」をお伝えさせていただきます!
【この記事で得られること】
住宅ローン控除の所得制限が変わった背景と最新のルールが分かります。
年収が高くなった年でも控除を諦めなくてよい「経過措置」の仕組みが理解できます。
静岡・浜松エリアでマイホームを取得した方が、確定申告で損をしないための判定手順が明確になります。
マイホームを購入したときの大きな味方である「住宅ローン控除」ですが、実は近年の税制改正によって、要件が非常に細かく変化しています。
特に大きな変更があったのが、控除を受けられる人の「所得制限(年収のハードル)」の引き下げです。
「自分の所得が基準を超えてしまったから、もう控除は使えない」と思い込んでいませんか。
実は、購入した時期によっては、古い基準のまま控除を受け続けられる「経過措置(救済ルール)」が存在します。
プロの税理士でも見落としがちと言われるこの複雑な特例について、ITを駆使してわかりやすく整理し、お伝えしていきます。
【№2 結論】
結論から申し上げます。
住宅ローン控除の所得制限は原則として「合計所得金額2,000万円以下」へと引き下げられましたが、入居した時期によっては、以前の「合計所得金額3,000万円以下」という基準がそのまま適用される経過措置があります。
★重要:令和3年(2021年)12月31日以前にマイホームに住み始めている方は、令和4年以降の年であっても、所得が2,000万円を超え3,000万円以下であれば、引き続き住宅ローン控除の適用が可能です。
この経過措置を知らずに、「改正で一律2,000万円以下になった」と誤解し、確定申告で控除を適用しないまま放置してしまうケースが多発しています。
一度見落としてしまうと、数十万円規模の税金を余分に支払うことになり、非常に大きな損失となってしまいます。
静岡・浜松の中小企業経営者さまや、役員、高所得の会社員さまで、数年前に家を購入された方は、ご自身の入居日と毎年の所得データを至急見直す必要があります。
【№3 やさしい解説】
1. 住宅ローン控除とは?
家をローンで買った時に、年末のローンの残りの金額(残高)に応じて、自分が支払う所得税や住民税を直接安くしてもらえる(控除できる)大変お得な制度です。
2. 改正で何が変わったの?
昔は「お金持ちでも使いやすい制度」でしたが、令和4年度(2022年度)の税制改正により、「本当に支援が必要な人向け」にシフトしました。
具体的には、控除を受けられる人の合計所得金額の上限が、それまでの「3,000万円以下」から「2,000万円以下」へと厳しくなりました。
★一言まとめ:年収が一定以上の高い人は、住宅ローン控除が使えなくなるケースが増えました。
3. 「経過措置」という救済ルールの正体
法律が変わる時、古いルールの時にすでに家を買って住んでいた人まで新しいルールで縛ってしまうと、不公平になってしまいます。
そのため、「令和3年12月31日より前に住み始めている人」については、令和4年分以降の確定申告であっても、古いルールの「3,000万円以下」という基準をそのまま使っていいことになっています。
これが「経過措置(けいかそち)」です。
4. なぜ見落としが起きるのか?
例えば、令和3年に家を買った会社員の方が、令和7年に出世や副業の成功で所得が2,500万円になったとします。
「今は2,000万円以下じゃないとダメだから、今年の確定申告はローン控除を書かなくていいや」と自分で判断してしまうのです。
しかし、この人は令和3年に入居しているため、経過措置により3,000万円以下であれば控除を受けることができます。
このようなケース、心当たりはありませんか?
「会社の給与以外に、臨時の収入(株の売却や不動産の売却など)があって、今年の合計所得がたまたま2,000万円を超えてしまった……」
まさにその年の申告こそ、この経過措置のチェックが必要になる瞬間なのです。
【№4 具体例】
静岡・浜松の現場で想定される、住宅ローン控除の所得要件と経過措置に関する具体的なケースを10個挙げます。
① 浜松市のITベンチャー役員が、令和3年に入居し、令和7年に所得2,500万円になったケース
令和3年入居のため経過措置が適用されます。合計所得が2,000万円を超えていても3,000万円以下のため、令和7年分も住宅ローン控除を受けることができます。
② 静岡市の製造業管理職が、令和4年に入居し、令和7年に所得2,100万円になったケース
令和4年入居の場合、新しいルールが適用されます。そのため、合計所得が2,000万円を超えた令和7年分は、残念ながら住宅ローン控除の適用は受けられません。
③ 会社のボーナスが大幅に増えて「合計所得」が2,010万円になった会社員のケース
令和3年以前の入居者であれば、10万円の超過を気にする必要はありません。経過措置のおかげで、上限の3,000万円まではセーフとなります。
④ 自宅の敷地の一部を売却して、一時的に所得が跳ね上がったケース
不動産を売った利益(譲渡所得)も「合計所得金額」に含まれます。令和3年以前の入居であれば、売却益を足して2,800万円になった年でも、ローン控除を維持できます。
⑤ 令和3年に入居したが、令和4年に所得が3,100万円になり、令和5年に2,500万円に戻ったケース
所得が3,000万円を超えた令和4年分は控除を使えませんが、2,500万円に下がった令和5年分は、経過措置の範囲内(3,000万円以下)なので、再び控除の適用を復活させることができます。★注意
⑥ 夫婦でペアローンを組んでおり、夫だけが所得2,000万円を超えたケース(令和3年入居)
夫の所得が2,300万円になっても、経過措置により夫側の控除は消えません。妻の所得が従来通りであれば、夫婦ともに満額の控除メリットを享受できます。
⑦ 医療費控除やふるさと納税の計算で所得の判定を誤るケース
「収入(額面)」と「所得(手取りや各種控除前の利益)」を混同し、自分が2,000万円を超えているかどうかをITツール等の入力ミスで誤認してしまうパターンです。
⑧ 令和4年以降に購入した「特例認定住宅」で、所得要件が1,000万円以下になるケース
特定の狭小住宅(床面積40平方メートル以上50平方メートル未満)の場合、令和4年以降の建築では所得要件が「1,000万円以下」へとさらに厳しくなります。この複雑な引き下げの連動も見落とされがちです。
⑨ クラウド会計ソフトの初期設定で、入居年を間違えて入力していたケース
ITを活用した確定申告でも、大元の「入居年月日」のデータ入力を間違えていると、ソフトが経過措置を正しく判定せず、控除額を0円と計算してしまうことがあります。★重要
⑩ 過去の申告漏れに気づき、遡って「更正の請求(税金を返してもらう手続き)」をするケース
令和3年以前に入居していた人が、過去に2,000万円超を理由に控除を適用していなかった場合、過去3年〜5年の範囲内であれば、経過措置を適用した正しい内容に修正して税金を返してもらうことができます。
【№5 手順】
ご自身の住宅ローン控除において、経過措置が適用できるかどうかの正しい判定と、確定申告でミスを防ぐためのIT実務手順を徹底解説します。
① マイホームの「居住開始日(入居日)」の客観的特定
まずは、家を買って住み始めた日を正確に把握します。
★重要:売買契約の日や登記の日ではなく、「実際に住民票を移して住み始めた日」が基準となります。過去の住民票の除票や、引っ越し業者のIT領収書などで日付を確認します。
② 「合計所得金額」のITデータ集計と正確な算出
その年におけるすべての所得(給与所得、事業所得、雑所得、不動産所得、株式の譲渡所得など)を合算します。
★注意:「収入(総支給額)」と「所得(経費や給与所得控除を引いた後の金額)」は異なります。クラウド会計ソフトや国税庁の作成コーナー等に各データを正しく入力し、判定の土台となる金額を算出します。
③ 適用すべき「所得要件」の上限額の判定
居住開始日に応じて、満たすべき所得上限を以下のように自動判定します。
令和3年(2021年)12月31日以前に入居:上限3,000万円(経過措置の対象)
令和4年(2022年)1月1日以後に入居:上限2,000万円(原則ルール)
④ 残高証明書の確認と控除額のITシミュレーション
金融機関から届く「住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書」を元に、年末残高のデータを確定申告書に入力します。
経過措置対象者で所得が2,300万円の場合、システム上で控除が反映されることを確認します(自動で弾かれてしまう場合は、入居年のフラグ設定が間違っている可能性があります)。
⑤ 確定申告書の作成と電子申告(e-Tax)の実行
判定結果に基づき、確定申告書を作成します。
静岡・浜松の税務署へ直接出向くことなく、マイナンバーカードを用いたIT電子申告(e-Tax)を活用することで、スムーズに手続きを完了させます。
⑥ 過去分にミスがあった場合の「更正の請求」手続き
もし「2,000万円を超えていたから使えない」と誤認して、過去の確定申告で控除を外していたことが発覚した場合は、ITを通じて過去の申告データを修正する「更正の請求」を行い、納めすぎた税金の還付を求めます。
【№6 FAQ】
①Q.静岡市で会社を経営しています。令和3年に自宅を建てました。令和7年の合計所得金額が2,600万円になりそうなのですが、住宅ローン控除は受けられますか?
A.はい、受けられます。令和3年以前の入居であれば経過措置の対象となるため、合計所得金額が3,000万円以下であれば住宅ローン控除の適用が可能です。
②Q.「合計所得金額」とは、給与明細のどの数字を見ればよいですか?
A.源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」という欄の数字です。他に副業や株の利益、不動産収入などがある場合は、それらの「所得」をすべて足し合わせた金額になります。
③Q.浜松市内のタワーマンションに令和5年に入居しました。所得が2,050万円だった場合、経過措置で救済されますか?
A.いいえ、救済されません。令和4年以降に入居された場合は一律で「2,000万円以下」の新しいルールが適用されるため、5万円でも超えてしまうとその年の控除は受けられなくなります。
④Q.ある年に所得が2,000万円を超えて控除が受けられなかった場合、その後の残りの期間もすべて権利が消滅してしまうのですか?
A.いいえ、消滅しません。所得制限で弾かれるのは「その年だけ」です。翌年に所得が2,000万円以下(経過措置対象なら3,000万円以下)に下がれば、残りの控除期間について再び控除を受けることができます。
⑤Q.ふるさと納税をたくさんすると、合計所得金額を下げて住宅ローン控除の枠を維持できますか?
A.いいえ、下げられません。ふるさと納税(寄附金控除)や医療費控除、配偶者控除などは「所得控除」と呼ばれ、合計所得金額を計算した「後」に差し引くものです。したがって、所得判定のボーダーライン対策には使えません。★注意
⑥Q.iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛け金は、所得要件の引き下げに役立ちますか?
A.いいえ。iDeCoの「小規模企業共済等掛金控除」も所得控除に該当するため、合計所得金額そのものを減少させる効果はありません。
⑦Q.株の売却益がある場合、所得制限に影響しますか?
A.特定口座で「源泉徴収あり・申告不要」を選択していれば、合計所得金額にはカウントされません。ただし、損失を取り戻すために「確定申告」をしてしまうと、その利益が合計所得金額に加算されてしまい、2,000万円の壁を超えてしまう原因になるためIT管理が必要です。
⑧Q.副業の売上が500万円あるのですが、所得はどう計算しますか?
A.売上の500万円から、事業にかかった必要経費を差し引いた「利益(事業所得または雑所得)」が合計所得金額に算入されます。売上の額そのもので判定されるわけではありません。
⑨Q.プロの税理士でも見落とすことがあるというのは本当ですか?
A.はい。住宅ローン控除は毎年のように借入限度額や床面積のルールが変わるため、最新のシステムやITを用いた法改正チェックを怠ると、一律で「2,000万円以下」と思い込んでしまうエラーが発生しやすい分野です。
⑩Q.静岡・浜松エリアで、個人の確定申告や住宅ローン控除の経過措置について相談できる窓口はありますか?
A.私たち最高のIT税理士法人は、クラウド会計のデータを活用し、お客様の過去の入居年と毎年の所得をシームレスに照合します。複雑な経過措置の適正判定も安心してお任せいただけます。
【№7 まとめ】
本日は、見落とすと数十万円単位の損をしてしまう「住宅ローン控除の所得要件と経過措置の落とし穴」について解説しました。
まとめ:
住宅ローン控除の所得制限は、原則として2,000万円以下に引き下げられた。
令和3年12月31日以前に入居していれば、3,000万円以下までセーフとなる経過措置がある。
判定基準となるのは「収入」ではなく、各種経費を引いたあとの「合計所得金額」。
所得制限を超えて控除が使えない年があっても、翌年以降に所得が下がれば復活できる。
株の申告や不動産売却など、臨時の所得が発生した年は特に注意が必要。
静岡・浜松で家を購入され、熱心にビジネスを展開されている経営者や幹部層の皆様にとって、所得の変動は日常茶飯事です。
法改正の全体像と経過措置の有無をITシステム等できちんと把握し、使えるはずの権利を確実に使い切るための防衛策を講じていきましょう。
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3891号(2026年03月09日)「住宅ローン控除の経過措置と所得要件」
参考:国税庁タックスアンサー「No.1212-1 各年分の住宅ローン控除の適用要件(新築住宅を取得等した場合)」(参照日:2026-03-24)
参考:e-Gov法令検索「租税特別措置法第41条(住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除)」(参照日:2026-03-24)
【№9 該当条文の説明】
参考:e-Gov法令検索「租税特別措置法」等の内容解説
① 租税特別措置法 第41条第1項(住宅ローン控除の基本規定)
居住者が住宅ローンを利用してマイホームを新築・取得等し、一定期間内に住み始めた場合に、所得税額から一定額を控除する仕組みを規定しています。この条文の改正により、現在の原則的な所得制限が2,000万円以下と定められています。
② 令和4年改正法附則 第34条第1項(経過措置の根拠)
令和4年度の税制改正法において、激変緩和および既得権保護の観点から設けられた附則です。令和3年12月31日以前に居住の用に供しているケースについては、改正前の所得要件である「3,000万円以下」を適用する旨が明確に記されています。
③ 所得税法 第2条第1項第30号(合計所得金額の定義)
住宅ローン控除の判定基準となる「合計所得金額」の法的定義です。純損失や雑損失の繰越控除を適用する「前」の、各種所得の合計額を指すことが規定されており、実務上の判定ミスを防ぐための大原則となる条文です。
【結論(重要ポイントまとめ)】
住宅ローン控除の所得制限は、令和3年以前の入居であれば「3,000万円以下」の経過措置が使える。
単年の所得超過によって、将来の控除権利まですべてが失われるわけではない。
クラウド会計などのITデータを活用し、自身の正確な「合計所得金額」を把握・判定することが不可欠。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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