グループ間取引の書類保存特例で求められる記載事項

2026年6月1日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「グループ間取引の書類保存特例で求められる記載事項」をお伝えさせていただきます!

【この記事で得られること】
令和8年4月からスタートする、グループ企業間の取引に関する新しい書類保存の義務が分かります。

契約書に何を書かなければならないのか、もし足りない場合にどうやって補うべきかが理解できます。

保存を怠った場合の恐ろしいペナルティ(青色申告の取り消し)を回避するための、具体的な準備方法が明確になります。

親会社と子会社の間、あるいは兄弟会社の間で、「技術指導」や「経営コンサルティング」などのやり取りを行っていませんか。
身内同士の取引だからといって、口約束や金額だけを書いた簡単な請求書だけで済ませていると、これからは非常に危険です。
令和8年度(2026年度)の税制改正により、「企業グループ間の取引に係る書類保存の特例」という新しいルールが誕生します。
これからは、その取引金額が「どのように計算されたのか」という具体的な根拠を、いつでも税務署に見せられるように書類で残しておかなければなりません。
「身内同士の取引にそこまで厳しいルールができるなんて」と不安に思う経営者様も多いでしょう。
しかし、あらかじめルールを正しく理解し、ITツールを導入して書類管理を自動化すれば、何も恐れることはありません。
中小企業の社長様や新入社員の方でも一目で分かるように、どこよりも分かりやすく解説していきます。

【№2 結論】

結論から申し上げます。
企業グループ間で技術指導やライセンスのやり取り(特定取引)を行う場合、契約書や請求書などの書類に「対価 of 額を算定するために必要な事項(単価や期間など)」を明確に記録して保存することが完全に義務化されます。

★重要:もし、既存の契約書などにこれらの計算根拠が書かれていない場合は、それを補うための「補完書類」を自分たちで作成するか取得して、一緒に保存しなければなりません。

この書類保存をサボってしまい、税務調査で「書類がない」と判定されてしまうと、最悪の場合、税金面で多大な優遇を受けられる「青色申告の承認」を取り消されてしまうという非常に重い罰則が科されることになります。

ただし、安心してください。
この特例の目的は、あくまで「本当にその取引が実在したか」「どうやって金額を計算したか」を把握することです。
そのため、「なぜその金額にしたのかという妥当性の理由」や「他社との比較データ」といった、高度で難しい経営資料まで用意する必要はありません。

静岡・浜松で複数の関連会社を経営されているグループ企業の皆様は、令和8年4月以降の取引に向けて、今すぐ契約書の書式見直しとITによるデータ保存体制の整備を開始する必要があります。

【№3 やさしい解説】

1. なぜこんな新しいルールができるの?
これまでは、グループ企業の間で「経営指導料」などの名目で、実態のないお金を動かして利益を調整する(税金を減らす)不正が行われやすい傾向にありました。
国はこれを防ぐために、「本当に仕事をした証拠」と「金額の計算の決まり」を書類としてしっかり残すように義務付けることにしたのです。

2. 「対価の額を算定するために必要な事項」ってなに?
難しい言葉ですが、中身はとてもシンプルです。
お買い物に例えるなら、レシートに「お肉 300円」とだけ書いてあるのではなく、「国産牛肉 100グラムあたり300円、購入量100グラム、合計300円」と書いてあるような状態を指します。
ビジネスの取引であれば、以下の2つのデータが必要です。

役務(サービス)の提供明細:どんな仕事を、いつからいつまで、どんな条件で行ったか。

② 対価の額の計算明細:単価はいくらで、どういう計算式でその最終金額になったか。
★一言まとめ:金額の「中身」と「計算式」をだれが見ても分かるように書く必要があります。

3. 書類が1枚にまとまっていなくても大丈夫?
はい、大丈夫です。
1通の契約書の中にすべてが書ききれていなくても、例えば「基本契約書」+「個別の注文書」+「毎月の請求書」をセットで組み合わせることで、計算の根拠(単価や期間)がパズルのように繋がって証明できれば、わざわざ新しい書類(補完書類)を作る必要はありません。

4. もし書類を用意し忘れたらどうなるの?
これが今回の法改正で最も注意しなければならない点です。
もし税務調査が入った時に、グループ間取引の計算根拠を示す書類(取引関連書類や補完書類)が保存されていないと、税務署から「青色申告を取り消します」と言われてしまうリスクがあります。
青色申告が取り消されると、会社の赤字を翌年以降に繰り越せなくなったり、さまざまな税金の優遇措置が使えなくなったりして、会社経営に大打撃を受けます。

このようなケース、ありませんか?
「親会社から子会社へ、毎月一律で『経営コンサルティング料 50万円』という請求書を出しているけれど、中身の作業時間や単価の決まりは特に文書にしていない……」
実は、まさにこのような状態が、令和8年4月以降は最も危険視されるケースに該当するのです。

【№4 具体例】

静岡・浜松の現場で想定される、グループ間取引の書類保存特例に関する具体的なケースを10個挙げます。

① 浜松市の自動車部品メーカー(親会社)が、子会社へ技術指導を行う場合
親会社のエキスパートを子会社の工場へ派遣し、技術指導を行います。この際、契約書に「指導員1名あたり1日5万円、令和8年5月中に合計5日間実施、計25万円」という具体的な単価と期間を明記して保存します。これがあれば特例を完全にクリアできます。

② 静岡市の老舗お菓子メーカーが、販売子会社に商標を使わせる(ライセンス貸付)場合
商標権の貸し付け取引に該当します。書類には「対象となる商標の内容」「売上高の3%を毎月徴収する」といった計算方法(計算の明細)を明記した契約書を保存する必要があります。

③ 契約書には金額しかなく、別途ITシステム内の「作業日報データ」で管理している場合
契約書単体では「対価の額を算定するために必要な事項」が不足していますが、社内のIT日報システムに「誰が・いつ・何時間稼働したか(単価と期間)」が記録されており、契約書と紐づけて出力できれば、複数の書類の組み合わせとして有効であり、補完書類を新しく作成する必要はありません。

④ 身内向けなので、他社に頼むよりも「およそ30%」安い単価で設定したケース
今回の特例では、「なぜその金額(単価)にしたのか」という妥当性の理由や、第三者取引との比較データまでは求められません。★重要
「単価がいくらで、どう計算したか」という事実さえ書かれていれば、金額の安さそのものは書類保存の不備にはなりません。

⑤ 請求書に「経営指導料 一式 1,000,000円」とだけ記載して発行し続けているケース
役務提供の内容や単価、期間がどこにも記録されていないため、典型的な書類保存不備となります。この状態のまま放置すると、将来の税務調査で青色申告の承認取り消しリスクに直面します。★注意

⑥ 過去(令和8年3月以前)に締結した自動更新の契約書に基づき、4月以降も取引を行うケース
特例は「令和8年4月1日以後に行う取引」が対象です。古い契約書であっても、4月以降の取引について単価や期間の記載が足りない場合は、今からでも「覚書」などの補完書類を作成して保存しなければなりません。

⑦ グループ内のITシステム管理会社が、各拠点にサーバー保守サービスを提供する場合
「サーバー1台あたり月額約1万円、対象サーバー15台、期間は1年間」といった明細を、クラウド上の契約台帳や管理ITツールに正確に記録し、いつでもPDF等で出力して保存できるようにしておきます。

⑧ 地方の農家法人グループ(浜松市)で、農機具の相互貸し付けを行うケース
機械の貸し付け(資産の貸し付け)に該当します。「トラクター1台、1日あたり2万円、使用日数5日間」といった貸付明細を記した書面、またはメールの履歴などを補完書類として大切に保存します。

⑨ 税務調査で「金額の妥当性」について口頭で説明を求められたケース
書類上には単価や期間が正しく記載されているため、書類保存特例としては合格です。ただし、あまりにも世間の相場からかけ離れた(実態と乖離した)金額である場合は、書類保存とは別の「寄附金認定」などの法人税の一般ルールとして説明を求められることがあります。

⑩ クラウド電子契約ITツールを導入して、グループ間契約をすべてデジタル化したケース
非常に賢い対応です。ITツール上で「単価」「期間」「内容」を必須入力項目にして契約書を交わせば、保存漏れをシステム的に防ぐことができます。静岡・浜松の中小企業でも、このようなIT導入による法防衛が今まさに求められています。

【№5 手順】

令和8年4月からのグループ間取引の書類保存特例にしっかり対応するために、静岡・浜松の企業が進めるべき実務的な手順をステップごとに解説します。

① 自社グループ内の取引(特定取引)の洗い出し
まずは、自社グループの中でどのような取引が行われているかをすべてリストアップします。特に「技術指導」「工業所有権などの譲渡や貸付け」「経営コンサルティング(一定の役務提供)」に該当するものがないかを徹底的に確認します。クラウド型のグループ管理ITツール等を使うと、全社の取引状況を効率よく可視化できます。

② 既存の契約書や請求書のチェック
洗い出した取引について、現在使っている契約書や見積書、請求書などの「取引関連書類」を手元に集めます。それらの書類の中に、「単価」「作業期間」「数量」「計算方法」などの「対価の額を算定するために必要な事項」がきちんと書かれているかを1枚ずつ確認します。

③ 不足している「記載事項」の特定
確認した結果、金額(例:月額50万円など)しか書かれておらず、その金額になった計算式や単価の条件が抜けている契約書や取引を見つけ出します。この「抜けている部分」こそが、今回の特例で税務署から指摘を受けるリスクのあるポイントです。

④ 「補完書類」の作成または取得
書類の記載が不足している取引について、それを補うための「補完書類」を準備します。新しく「覚書」を交わして単価や期間を明記するか、社内のITシステムから「稼働報告書」や「作業日報」などを出力し、元の契約書とセットにして保存する段取りを整えます。

⑤ クラウド電子保存システム(ITツール)の整備
作成した取引関連書類や補完書類を、安全かつ確実に保存するための仕組みを構築します。電子帳簿保存法に対応したクラウドストレージや電子契約ITツールを導入し、グループ各社がいつでも必要な書類をすぐに検索・確認できる状態(検索性の確保)にしておくことが推奨されます。

⑥ 社内ルール(社内規程)の策定とスタッフへの周知
グループ間取引を行う際の手順や、書類に必ず記載すべき項目(単価・期間・内容)を定めた社内ルールを作成します。静岡市や浜松市の本社からグループ各社の担当者へ、新しいITシステムの使い方も含めて研修や説明会を行い、グループ全体で保存漏れが起きない体制を維持します。

【№6 FAQ】

①Q.静岡市で親会社と子会社を経営しています。身内の取引なので、今まで契約書を作らずに口約束と請求書だけで済ませていました。これからはこれだとマズいですか?
A.非常に危険です。令和8年4月以降の取引については、請求書に単価や役務提供の期間といった詳細な計算根拠が書かれていない限り、書類保存不備とみなされます。今すぐ取引内容を記した契約書や覚書を作成してください。

②Q.「対価の額を算定するために必要な事項」として、具体的にどのような内容を書類に書けば合格ラインですか?
A.一定の役務提供(技術指導など)であれば、「どのような内容の作業か」「1日または1時間あたりの単価はいくらか」「いつからいつまでの期間(または何日間)行ったか」「最終的な計算方法はどうなっているか」のすべてが分かるように記載します。

③Q.もし税務調査の時に、グループ間取引の補完書類を保存していないことが発覚したら、具体的にどんなペナルティがありますか?
A.今回の特例では、書類が適切に保存されていない場合、「青色申告の承認の取消事由」に該当すると明記されています。青色申告が取り消されると、税制上の多くのメリットを失うため、会社にとっては致命的な大打撃となります。

④Q.浜松市内の子会社に対して、親会社が持っている特許権(工業所有権)を貸し付けています。この場合は何を記載すればよいですか?
A.特許権の貸し付けに該当するため、「対象となる特許の内容」「貸し付けの開始時期や期間」「使用料(ライセンス料)の単価やその計算方法(例:子会社の売上高の何%など)」を書類にしっかりと記録して保存する必要があります。

⑤Q.1枚の契約書の中に、単価や期間などの必要事項がすべて書ききれない場合は、別々の書類に分けても大丈夫ですか?
A.はい、大丈夫です。一通の書類ですべてを網羅する必要はありません。例えば「基本契約書」に単価の決め方を書き、「個別注文書」に期間を書き、「請求書」に最終金額を書く、といった形で、複数の書類を組み合わせることで全体が把握できれば問題ありません。

⑥Q.今回の新しい特例では、身内向けの取引金額が「世間一般の相場と比べて適正かどうか」という理由まで書類に書く必要がありますか?
A.いいえ、そこまでの記載は不要です。今回の特例の主な目的は「実際に取引が行われたか」「金額の計算根拠があるか」の2点です。第三者間取引と比較した金額の設定理由や妥当性の証明までは求められません。

⑦Q.静岡・浜松エリアの地元の関連会社間で、お互いに事務作業をサポートし合っています。この場合の書類保存はどうすれば効率的ですか?
A.共有しているクラウドのスケジュール管理ITツールや、IT日報システムを活用するのがおすすめです。「誰がどこの会社のために何時間働いたか」のデータを毎月PDFで出力し、請求書と一緒にクラウド上に保存しておけば、立派な補完書類になります。

⑧Q.令和8年4月1日より前に結んだ古い契約書に基づく取引についても、今回の新しい書類保存ルールは適用されますか?
A.はい、適用されます。契約を結んだ日付が過去であっても、「令和8年4月1日以後に行われる実際の取引(役務提供など)」については、新しいルールの対象となります。記載が足りない場合は、今から補完書類を用意してください。

⑨Q.グループ企業間であれば、どんなに小さな取引であっても、すべてこの書類保存特例の対象になりますか?
A.対象となるのは、工業所有権等の譲渡・貸付け、技術指導などの「特定取引(一定の役務提供等)」です。一般的な商品の売買などは今回の特例の直接の対象ではありませんが、税務調査対策として計算根拠を残す習慣は大切です。

⑩Q.静岡・浜松で複数の中小企業を経営していますが、自社の契約書が今回の新ルールをクリアしているか不安です。どこに相談すればよいですか?
A.私たち最高のIT税理士法人にお任せください。当法人では、最新の税制改正に基づいた契約書のチェックはもちろん、電子帳簿保存法に対応したクラウドITツールを用いた効率的な書類保存体制の構築まで、トータルでサポートいたします。

【№7 まとめ】

本日は、令和8年度税制改正で大きな注目を集めている「グループ間取引の書類保存特例」について詳しく解説しました。

まとめ:
令和8年4月から、企業グループ間で行う技術指導などの取引(特定取引)について、詳細な書類保存が完全に義務化される。

書類には、単価などの取引条件や役務提供の期間といった「対価の額を算定するために必要な事項」を記載しなければならない。

1枚の契約書にまとまっていなくても、複数の書類(契約書・注文書・請求書・IT日報など)の組み合わせで確認できれば問題ない。

書類や補完書類の保存を怠ると、最悪の場合「青色申告の承認取消」という非常に重い罰則が科されるリスクがある。

取引金額が第三者と比べて適正かどうかの「設定理由(妥当性)」までは記載を求められない。

静岡・浜松の地域で関連会社や親子会社を運営されている経営者さまにとって、この改正は決して他人事ではありません。
「身内だから大丈夫」という甘い考えは捨て、今すぐ社内の取引書類を総チェックし、ITを活用したクリーンで効率的な書類保存体制を整えていきましょう。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3892号(2026年03月16日)「R8改正 グループ間取引の書類保存特例で求められる記載事項」株式会社税務研究会

参考:国税庁「法人税法の改正の概要(令和8年度改正予定案)」(参照日:2026-05-20)

参考:e-Gov法令検索「法人税法第121条(青色申告の承認の取消し)」(参照日:2026-05-20)

【№9 該当条文の説明】

参考:e-Gov法令検索「法人税法」等の内容解説

① 法人税法 第121条(青色申告の承認の取消しに関する規定)
帳簿書類の記録や保存が適正に行われていない場合、税務署長が青色申告の承認を取り消すことができる旨を定めた重要な条文です。今回の令和8年度税制改正により、グループ間取引(特定取引)における「対価の額を算定するために必要な事項」が記載された書類(または補完書類)の保存がないケースも、この取消事由に該当することが明確化されます。

② 令和8年度税制改正大綱(企業グループ間の取引に係る書類保存の特例)
新しく創設される特例の根拠となる大綱の規定です。持株関係や実質的支配関係のある関連者との間で行われる工業所有権等の譲渡・貸付け、技術指導などの特定取引について、取引の透明性を高め、実態のない利益移転を防ぐことを目的に、詳細な計算明細の保存を義務付ける背景と経緯が記されています。

【結論(重要ポイントまとめ)】
令和8年4月以降のグループ間取引では、単価や期間などの計算根拠(算定必要事項)の書類保存が完全義務化。

保存を怠ると「青色申告の承認取消」という大打撃を受けるため、足りない場合は「補完書類」を必ず用意する。

金額の妥当性や他社比較の理由までは記載不要。まずはITツールを活用して既存の契約書や請求書のチェックを行うこと。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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