新設された法人の株式を親族一同で50%超保有している場合の新規設立法人の納税義務の判定
2026年6月2日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「新設された法人の株式を親族一同で50%超保有している場合の新規設立法人の納税義務の判定」をお伝えさせていただきます!
【この記事で得られること】
グループ会社の組織再編やホールディングス化(持株会社化)に伴い、新しく設立した会社(新設法人)が、最初の2年間消費税を免除(免税)されるかどうかの正しい判定方法が分かります。
親族や同族グループで株を50%超持っている場合に、どのような条件が重なると「消費税を強制的に支払う義務(課税事業者)」になってしまうのか、その境界線が明確になります。
資本金を1,000万円未満(例:およそ100万円など)にして会社を作れば、どんな場合でも絶対に2年間は消費税がタダになるという実務上の大きな誤解を解消し、正しい対策が打てるようになります。
静岡市や浜松市で、複数の事業を展開されている中小企業のオーナー社長様の中には、「そろそろ経営の効率化や次世代への事業承継を考えて、持ち株会社を新しく設立してグループをきれいに整理したい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
その際、多くの社長様が「新しく作る会社の資本金を1,000万円未満にしておけば、最初の2年間は消費税を納めなくて済む(免税事業者になれる)から、資金繰りがとても楽になるはずだ」と思い込んでいらっしゃいます。
確かに、昔の消費税法であれば、資本金を低く抑えて会社を作れば一律で2年間は免税というボーナス期間が得られました。
しかし、現在の消費税法には「特定新規設立法人(とくていしんせつほうじん)の特例」という、非常に厳しい抜け道封じのルールが設けられています。
このルールを知らずに、親族や既存のグループ会社で100%株を保有する形で新会社を作ってしまうと、設立直後に突然、高額な消費税の納税義務が発生し、会社のスタートダッシュの資金計画が根底から崩れてしまうリスクがあるのです。
特に、既存の会社を子会社化するための「株式交換」や、新しくグループのトップとなる親会社を創り出す「株式移転」といった組織再編を行う場合、登場する会社の数が多く、株主の判定がとても複雑になります。
今回のコラムでは、新入社員の方や、専門知識のない社長様でも実務の全体像がハッキリとイメージできるよう、日常の親子の関係やサイフの例えを交えながら、どこよりも分かりやすく丁寧に解説していきます。
専門用語の羅列を避け、短く平易な言葉で説明していきますので、ぜひ最後までじっくりとお読みください。
【№2 結論】
結論から申し上げます。
株式交換や株式移転などの組織再編を行い、親族(同族一族)で100%株を保有する新しい親会社(資本金100万円など)を新設した場合、その新しい会社は原則として「特定新規設立法人」には該当せず、設立から最初の2年間は消費税の納税義務が免除(免税)されます。
★重要:新しく作った会社の消費税が免税になるかどうかは、「誰がその会社の株を50%超握っているか(支配しているか)」という点と、「その株を握っている人や会社の売上高がいくらあるか」という2つのステップで同時に判定します。
★注意:今回のケースでは、新会社の株を握っているのが「事業をやっていない個人(親族一族)」です。個人としての自身の商売(課税売上高)を持っていなければ、その個人の売上高は「ゼロ円」とカウントされます。
国が課税事業者に強制変更する基準は「株主の年間課税売上高が5億円を超えること」ですので、事業をやっていない個人がトップであればこの基準に引っかからず、無事に2年間の免税期間をゲットできるのです。
しかし、もし新会社の株を直接握るトップの存在が、個人ではなく「年商5億円を超える既存の別の会社(法人)」であったり、個人自身が他に大きなお店を個人事業主として経営していたりした場合は、180度結果が変わります。新会社は設立1日目から強制的に消費税を支払わなければならなくなります。
静岡・浜松の地域で、これから持ち株会社を設立しようとしている企業さまや、親族間で株を分散させている会社さまは、単に「資本金が1,000万円未満だからセーフ」と過信せず、株主の「本当の売上規模」を1人ずつ正確に洗い出す必要があります。
【№3 やさしい解説】
1. 消費税の免税ルールに、なぜこれほど厳しいペナルティがあるの?
まず、日本の消費税の基本的な仕組みをおさらいしましょう。
通常、新しくできた会社は、過去の売上実績(基準期間(きじゅんきかん)といいます)が存在しないため、最初の2年間は消費税を納めなくてよいという大原則があります。
これを利用して、昔は「2年経って消費税がかかりそうになったら会社を潰し、また同じ事業内容で資本金が低い新しい会社を設立する」という、モラルのない税金逃れが横行していました。
お店の中身や売っているものは全く同じなのに、会社の名前と書類だけを新しくして消費税を1円も払わないというのは、真面目に納税している他の会社から見れば不公平極まりない話です。
そこで国は、「裏で大きな力を持っている人や会社(大株主)がコントロールしている新設会社については、2年間の免税ボーナスはあげない」という強力なストッパーを導入しました。これが「特定新規設立法人の特例」です。
2. 特定新規設立法人を見分ける「2つの関門」
新しく作った会社が、このストッパーに引っかかって消費税を払わなければならなくなるかどうかは、次の2つの関門(条件)を順番に通ることで判定します。両方の関門を同時にすり抜けた場合だけ、免税というご褒美がもらえます。
第1の関門:株の50%超を誰が握っているか?(特定要件の判定)
新しくできた会社の株を、特定の1人(またはその親族グループ、既存のグループ会社)で半分以上(50%超)持っているかどうかを見ます。
もし、親族一同や1つの親会社で株を100%持っているなら、その新会社は「裏で完全にコントロールされている状態」となり、第1の関門にカチッと捕まります。
第2の関門:その裏にいるボスの「売上規模」は5億円を超えているか?(売上高要件の判定)
第1の関門で捕まった「裏のボス(大株主)」の売上高を調べます。
このボスの、年間における消費税対象の売上高(課税売上高(かぜいうりあげだか))が「5億円」を超えているかどうかが最大の分かれ道です。
もし、ボスが年商10億円のマンモス会社であれば、新会社も連帯責任で「免税にはさせない(課税事業者)」となります。逆に、ボスの売上高が5億円以下であれば、第2の関門をすり抜けることができ、新会社はめでたく免税になります。
★一言まとめ:コントロールされていても、裏にいるボスの売上が5億円以下なら、新会社は免税を維持できます。
3. 「親族一族(個人)」がボスの場合の、税金上の大メリット
ここで、今回のサンプル記事の事例に注目してみましょう。
新しくできたD社という会社の株を100%持っているのは、「個人A一族」という人間の集まりです。このA一族の人たちは、会社を経営してはいますが、自分自身で個人的に商売(個人事業)をやっているわけではありません。
税金の世界では、「会社の売上」と「社長個人の売上」は、サイフが完全に別物として区別されます。
どんなにグループ会社(B社やC社)が大きな売上を上げていたとしても、株を直接持っているのが「事業をやっていない個人」であるならば、そのボスの売上高は「0円(5億円以下)」としてカウントされるのです。
そのため、第1の関門(親族で100%保有)には引っかかりますが、第2の関門(ボスの売上が5億円超か?)のところで「0円だから5億円以下である」となり、セーフという判定になります。
4. 株式交換や株式移転という言葉に騙されないで!
「株式交換」や「株式移転」という言葉を聞くと、なんだか非常に難しくて大規模な、大企業のM&Aのようなイメージを持つかもしれません。
しかし、これらを日常の例えで言うなら、「グループ内の部屋替え」や「新しい本棚の設置」のようなものです。
今まで横並びで仲良く事業をやっていたB社とC社という兄弟の部屋の上に、全体を統括する「D社というお父さんの部屋(持ち株会社)」を新しく乗せただけに過ぎません。
どれだけ建物の形(グループの組織図)が変わったとしても、一番てっぺんにいる株主が「事業をやっていない個人A一族」のままであるならば、消費税の判定に使うサイフの持ち主は個人のままです。したがって、小難しい組織再編の手続きを経た新会社であっても、基本に忠実に判定すれば何も怖がることはありません。
このようなケース、ありませんか?
「静岡市内で何代も続くファミリー企業で、親族5人で株を分け合って持っている。新しく不動産管理の会社を作りたいけれど、親族みんなの持ち株を合わせると50%を超えてしまう。既存の会社の売上は10億円あるから、新しい会社は最初から消費税がかかってしまうのだろうか……?」
このような不安を解消するために、どのような場面で免税になり、どのような場面で課税になってしまうのか、具体的な10個のシミュレーションケースを見ていきましょう。
【№4 具体例】
静岡・浜松の現場において、新設法人の消費税納税義務(特定新規設立法人)の判定にまつわる具体的なシミュレーションケースを11個挙げます。
① 浜松市の個人オーナー経営者(他に個人事業なし)が、100%出資で資本金500万円の新規法人を設立する場合
オーナー個人は自分の商売(個人事業)を行っていないため、課税売上高は0円です。新会社の株を100%支配している(特定要件に該当する)ものの、ボスの売上が5億円以下であるため、新会社は特定新規設立法人には該当せず、設立後2年間は消費税の免税事業者となることができます。
② 静岡市で年商8億円の既存会社(甲社)が、100%出資で新しい子会社(乙社・資本金300万円)を設立する場合
★注意:新会社乙社の株を100%握っているのは、年商8億円の既存会社甲社です。50%超を保有されている上に、その親会社甲社の課税売上高が5億円の壁を大きく超えているため、新会社乙社は特定新規設立法人に該当し、設立1年目の初日から強制的に消費税の課税事業者となってしまいます。
③ 親族4人(社長・妻・長男・長女)が全員で25%ずつ株を出し合い、合計100%保有の新会社を設立する場合
★重要:消費税の判定では、株主が1人でなくても「親族関係にある者(特殊関係者)」の持ち株はすべて合算して計算します。親族4人の合計が50%超(今回は100%)になるため支配関係ありと判定されますが、4人とも個人の商売をしていなければ売上は0円となり、新会社は免税になります。
④ 親族一同がトップのグループで、既存子会社の売上高の合計が「30億円」あるが、新しく持ち株会社を株式移転で設立する場合(今回のサンプル記事のケース)
グループ全体の法人の売上高の合計がおよそ30億円あったとしても、新しくできた持ち株会社の株を直接持っているのは「事業を行っていない個人である親族一同」です。既存の法人の売上高は、このボスの売上高には合算されないルールであるため、新設された持ち株会社は2年間免税を維持できます。
⑤ 新会社の株を「年商6億円の親会社が40%」「年商1億円の他社が60%」保有する形で設立する場合
★重要:新会社の株の過半数(60%)を握っているのは、年商1億円の他社です。年商6億円の親会社は40%しか持っていないため、新会社をコントロールしているボス(50%超の保有者)は「年商1億円の他社」の方になります。ボスの売上が5億円以下となるため、新会社は特定新規設立法人にはならず、免税となります。
⑥ 静岡市の個人オーナーが、自ら年間7億円の売上がある「マンモス個人事業(お店)」を経営しており、新しく法人を設立する場合
★注意:いくら個人であっても、その人自身が個人事業主として年間5億円を超える課税売上高を上げている場合は、ボスの売上が5億円超としてカウントされます。そのため、このオーナーが100%出資して作った新会社は、特定新規設立法人に該当してしまい、最初から免税期間はありません。
⑦ 浜松市の会社(年商15億円)が、全く面識のない他所の会社(年商5,000万円)と「50%ずつ」お金を出し合って共同で新会社を設立する場合
★重要:法律の条文では「50%超(50.00001%以上)」の株を持っている場合を支配と呼びます。ちょうど「50%ぴったり」の出資であれば、年商15億円の大きな会社であっても新会社を単独で支配しているとはみなされません。そのため、特定要件を満たさず、新会社は2年間免税を勝ち取ることができます。
⑧ 既存の親会社(年商12億円)が、新会社の株を直接持つのではなく、「別の子会社(年商2億円)」を経由して孫会社を設立する場合
★注意:新会社の株を直接持っているのは年商2億円の子会社ですが、税法のルールでは、その子会社を裏で操っている親会社(特殊関係法人)の売上もチェックされます。グループのつながりを遡った結果、頂点にいる親会社の売上が5億円を超えているため、新設された孫会社は特定新規設立法人として課税されます。
⑨ 新会社の株を、個人オーナー(売上0円)が51%、オーナーの経営する会社(年商20億円)が49%保有して設立する場合
★注意:直接の筆頭株主は個人オーナー(51%)ですが、残り49%を持っている会社は、そのオーナーが支配している「特殊関係法人」に該当します。支配関係の判定では、これら特殊関係法人の持ち株(49%)もすべて足し算するため、合計100%の支配となり、かつグループ内に5億円超の会社が存在するため、新会社は課税となります。
⑩ 設立1年目は免税だと思い込んで取引を始めたが、親会社の「基準期間の課税売上高」が計算違いで実は5億5万円あったことが後から発覚したケース
★注意:およそ5億円だろうとどんぶり勘定で判定していたところ、税務調査などで親会社の過去の売上を厳密に計算し直した結果、5億円をわずかに超えていたことが判明しました。この瞬間、新会社は設立日に遡って「1年目から消費税の課税事業者」に修正され、過去の取引に対する消費税を追徴課税されるという大損害を被ることになります。
⑪ 静岡・浜松の地域で、最高のIT税理士法人のアドバイスにより、株主構成を個人トップに統一して2年間の消費税免税枠(およそ数百万円の節税)を安全に確定させたケース
複数のグループ会社を抱える浜松市の経営者さまが、新規事業のための新会社設立を計画されました。当初は既存の法人が出資する予定でしたが、特定新規設立法人の罠に気づいた最高のIT税理士法人の提案により、出資者を個人オーナー一族に変更しました。これにより、適法に2年間の免税メリット(およそ350万円のキャッシュアウト防止)を享受することに成功しました。
【№5 手順】
静岡・浜松の中小企業が、組織再編や新会社設立にあたって「特定新規設立法人」に該当するかどうかをミスなく100%正確に判定するための実務的なステップです。
① 新設法人の「設立企画書」および「予定株主名簿」の作成
新しく設立する会社(または株式移転等で誕生する新会社)の資本金をいくらにするか、そして誰が何株(何%)を持つ予定であるかを記載した初期の名簿を机の上に用意します。
② 株主に名前を連ねる「個人」および「法人」の完全なグループ関係図(出資関係図)の見える化
株主となる人たちの相関図を紙に書き出します。親族関係(配偶者、子供、父母など)や、その人たちが他に経営している既存の会社がどれくらいあるかを線で結び、グループの全体像をITツール等も活用して視覚化します。
③ 親族および関係法人の持ち株比率を「足し算」して50%超のグループ(特定要件)があるかどうかの算出
書き出した相関図を元に、グループの保有比率を合算します。特定の個人一族、あるいは特定の企業グループの持ち株の合計が「50%超」に達しているかどうかをチェックし、第1の関門である「特定要件」に該当するかをドライに判定します。
④ 50%超のグループに該当した全ての株主(個人・法人)の「基準期間」の特定
第1の関門で引っかかったボスたちの売上を調べるため、それぞれの「基準期間(新設会社の設立事業年度に対応する2年前の期間など)」がいつからいつまでであるかを正確に特定します。
⑤ 各株主(法人)の確定申告書「別表4」および「消費税申告書」の取り寄せと課税売上高のチェック
グループ内にある既存の会社の過去の消費税申告書をすべて手元に集めます。申告書の「課税標準額(または課税売上高)」の欄に記載されている金額を目視で確認し、それぞれの法人の売上高がおよそ何円であるかを1円単位で正確に把握します。
⑥ 株主(個人)が他に「個人事業」を行っていないか、確定申告書(青色申告決算書)等での裏付け調査
株主である個人オーナーやその親族が、他でお店(アパート経営や駐車場収入、太陽光発電の売電収入なども含む)を個人名義でやっていないかをヒアリングし、過去の個人の確定申告書で消費税対象の売上が5億円を超えていないかを徹底的に裏付けします。
⑦ 全てのボスの売上が「5億円以下」であることを確認し、最高のIT税理士法人による最終リーガルチェック
集めたデータと計算結果を元に、すべての判定対象者の売上高が5億円の壁を下回っていることを確証します。静岡市・浜松市の地域特性に合わせたローカル税務の視点も含め、最高のIT税理士法人による法務・税務チェックを受けて免税事業者としての届出書類を安心して提出します。
【№6 FAQ】
①Q.静岡市でグループ会社を3社経営しています。今回、新しく設立する会社の株を、既存のA社が20%、B社が20%、C社が20%というように分散して持たせれば、1社あたり50%超にならないので特定新規設立法人を回避できますか?
A.①Q.____ A.いいえ、回避できません。消費税のルールでは、株を持っている既存のA社、B社、C社が、お互いに同じオーナー(例えばあなた一族)に支配されている「特殊関係法人」同士である場合、それらの持ち株比率はすべて合計して判定します。今回の場合は20%+20%+20%=60%となり、50%超の支配関係があるとみなされます。
②Q.ボスの売上高が「5億円」を超えているかどうかをみるとき、この5億円という数字は「税込み」の金額ですか?それとも「税抜き」の金額ですか?
A.②Q.____ A.原則として「税抜き」の金額で判定します。ただし、そのボスの会社が過去に免税事業者であった期間の売上をみる場合など、一部の例外的なケースでは「税込み」の金額で計算することもあります。実務上は、5億円の境界線ギリギリ(例えばおよそ4億9,000万円など)のときは非常に危険ですので、必ず税抜きの正確な数字を精査してください。
③Q.新しく会社を作る際、資本金を「990万円」に設定しました。1,000万円未満なので、特定新規設立法人のルールに関係なく、無条件で1年目は消費税が免税になりますよね?
A.③Q.____ A.いいえ、その認識は大きな誤解です。資本金が1,000万円未満であっても、今回の特定新規設立法人の特例(株主の売上が5億円超かどうか)に引っかかってしまえば、資本金の金額に関係なく、設立1日目から消費税の課税事業者になります。資本金による免税判定と、株主の売上による免税判定は、全く別のダブルチェックとして行われます。
④Q.持ち株会社(D社)を新しく設立して、その下に年商10億円の子会社(B社)をぶら下げました。D社自体の売上は子会社からの「配当金」だけですが、配当金には消費税がかかりますか?
A.④Q.____ A.いいえ、子会社から受け取る「配当金」は、消費税の世界では「不課税(ふかぜい・対象外)」という扱いになります。消費税の課税対象となる売上ではないため、新設された持ち株会社D社自身の課税売上高は0円となり、D社自身の売上によって翌年以降に課税事業者になってしまう心配はありません。
⑤Q.親族で株を100%保有する新会社ですが、株主である社長個人が、趣味を兼ねて「家賃収入(アパート経営)」を個人名義でやっています。この家賃収入はボスの売上高5億円の計算に含まれますか?
A.⑤Q.____ A.アパートの「居住用(住むため)」の家賃収入であれば、消費税は非課税(ひかぜい)となりますので、5億円の判定の対象となる課税売上高には含まれません。ただし、もしそのアパートが「店舗用(お店やオフィス)」として貸し出されている場合は消費税がかかる売上(課税売上高)になりますので、5億円の枠にカウントされてしまいます。
⑥Q.浜松市で会社を経営しています。株主である私の年間課税売上高は4億5,000万円、妻の年間課税売上高は1億円です。2人とも新会社の株を持ちますが、売上高は2人分を「合算」して5億5,000万円になってしまいますか?
A.⑥Q.____ A.いいえ、売上高については合算しません。株主の保有比率(50%超か)を判定するときは親族の分を足し算しますが、その後の「売上高が5億円を超えているか」の判定は、株主「1人ずつ(1社ずつ)」個別にバラバラに見ていきます。あなたも奥様も単独では5億円以下(4.5億円と1億円)ですので、この場合は5億円の壁をクリアして免税となります。
⑦Q.新しくできた会社が「特定新規設立法人」に該当してしまい、1年目から消費税を払うことになってしまいました。この場合、国から自動的に何か書類が届くのでしょうか?それとも自分から届け出る必要がありますか?
A.⑦Q.____ A.自分から税務署(静岡税務署や浜松税務署など)へ「消費税の新設法人に該当する旨の届出書」を提出する義務があります。国が勝手に教えてくれるわけではありません。提出を忘れて免税だと思い込んだまま2年が過ぎてしまうと、後からの税務調査で一気に何年分もの消費税を徴収され、大変な事態になります。
⑧Q.今回のサンプル記事のように、組織再編(株式交換や株式移転)を使って新しい会社を作った場合と、普通にお金を振り込んで(発起設立で)新しい会社を作った場合で、消費税の免税ルールに違いはありますか?
A.⑧Q.____ A.消費税の特定新規設立法人の判定ルールについては、会社をどのような手法(組織再編か、普通の設立か)で作ったかによる違いは一切ありません。どのような生まれ方であれ、「設立された初日の時点で、誰に株を握られていて、そのボスの売上がいくらあるか」という基準だけで平等に判定されます。
⑨Q.新しく会社を設立したあと、期の途中で親会社の株主が変わり、売上高が5億円以下の別の会社に買収されました。この場合、年度の途中からでも免税事業者に変わることはできますか?
A.⑨Q.____ A.いいえ、年度の途中から免税に変わることはできません。特定新規設立法人に該当するかどうかの判定は、原則として「その事業年度が始まった初日の時点(新設された日)」の状況だけで1年分をまるごと判定します。期の途中で株主の構成が変わったとしても、その事業年度の消費税の扱いは覆りません。
⑩Q.静岡・浜松のエリアで、クラウド会計(インボイス制度対応)を導入して新会社の消費税の管理をスマートに行いたいのですが、最高のIT税理士法人ではシステムの設定までサポートしてくれますか?
A.⑩Q.____ A.はい、喜んでサポートいたします!最高のIT税理士法人では、静岡・浜松の顧問税理士として中小企業さまのクラウド会計導入を強力にバックアップしています。新会社が免税であっても課税であっても、インボイス制度(適格請求書)に完全対応した最先端のIT環境を構築し、経理の生産性を爆上げいたします。
【№7 まとめ】
本日は、組織再編税制やグループ化の場面で非常によく問題となる「新設された法人の株式を親族一同で50%超保有している場合の新規設立法人の納税義務の判定(特定新規設立法人)」について詳しく解説しました。
まとめ:
新しく作った会社の資本金が1,000万円未満であっても、裏にいるボス(大株主)の力によって消費税が1年目から課税される「特定新規設立法人」のルールがある。
株の50%超を親族一同や既存の同一グループで握っている場合、自動的に「支配関係あり(特定要件に該当)」とみなされる。
支配関係があっても、株を直接持っているトップの主体の「年間課税売上高が5億円以下」であれば、新会社はストッパーをすり抜けて2年間免税になれる。
株式交換や株式移転で新しい親会社を作った場合、その株主が「商売(個人事業)をしていない個人(親族)」であるなら、ボスの売上は0円となり、新会社はめでたく免税となる。
株主の親族の中に、大きな個人事業を営んでいる人がいたり、出資主体を法人(年商5億円超)にしていたりすると、設立1日目から強制課税となるため、事前の株主設計が命取りとなる。
静岡・浜松の地域で、これからの激しいビジネス環境を生き抜くために、持ち株会社化や組織の再編を考えている中小企業の社長さまにとって、消費税の免税期間というキャッシュフローのボーナスを合法的に獲得できるかどうかは、経営のスタートダッシュにおいて極めて重要なポイントです。
消費税法の特定新規設立法人の規定は、パズルのおもちゃのように複雑で、株主の組み合わせ一つで結果が180度変わってしまいます。
思い込みによる判定ミスで後から何百万円もの消費税を追徴されることがないよう、登記や株主の売上データを徹底的に精査し、最高のIT税理士法人とともに安全で確実な一歩を踏み出していきましょう。
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3892号(2026年03月16日)「税務相談 消費税 新設された法人の株式を親族一同で50%超保有している場合の新規設立法人の納税義務の判定」税理士 和氣 光
参考:国税庁タックスアンサー「No.6503 基準期間がない法人の納税義務の免除の特例(特定新規設立法人)」(参照日:2026-05-20)
参考:e-Gov法令検索「消費税法第12条の3(特定新規設立法人の納税義務の免除の特例)」(参照日:2026-05-20)
参考:e-Gov法令検索「消費税法施行令第25条の2(新規設立法人が支配される場合等の判定)」(参照日:2026-05-20)
【№9 該当条文の説明】
参考:e-Gov法令検索「消費税法・消費税法施行令」の内容解説
① 消費税法第12条の3第1項(特定新規設立法人の納税義務の免除の特例の原則)
新しく設立された法人(その課税期間の基準期間がないもの)について、その事業年度の開始の日において、他の者によって株式等の50%超を保有されるなどの「特定要件」に該当し、かつ、その特定要件の判定の基礎となった他の者(またはその特殊関係法人)の売上高が5億円を超える場合には、その新設法人については、消費税の納税義務を免除する規定(消費税法第9条第1項)を適用しない(=つまり強制的に課税事業者とする)ことを定めた大本の条文です。
② 消費税法施行令第25条の2第1項(新規設立法人が支配される場合の判定基準)
上記の消費税法第12条の3にいう「特定要件(支配されている状態)」とは具体的にどのような状態を指すのかを細かく定義した条文です。特定の1人の株主だけでなく、その株主の「配偶者や親族(特殊関係にある個人)」の持っている株式の数、さらにはその一族が実質的に支配している「他の会社(特殊関係法人)」の持っている株式の数もすべて合計して50%超になるかどうかを計算し、グループ一体として新会社をコントロールしているかを厳密に判定する基準が示されています。
【結論(重要ポイントまとめ)】
組織再編(株式移転など)で新親会社を作る際、一番てっぺんの株主が「商売をしていない親族(個人)」なら、新しい会社は2年間消費税が免税になる。
資本金が1,000万円未満でも、年商5億円を超える既存の親会社が直接株を50%超持つ形で新会社を作ると、1年目から強制的に消費税がかかる。
株主の中に「売上のある個人事業主」や「複数のグループ法人」が混ざっている場合は、大至急最高のIT税理士法人に株主構成のリーガルチェックを依頼すべき。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
※当事務所はDXを経営に活かすことを推進しており、当ブログはAIを活用して生成しています。実際の税制や政策、判例、事件、事象を元に作成していますが、正確な内容や最新の情報とは異なる場合がありますことをご了承くださいませ。
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