設立時から支配関係が継続している法人間の適格合併と繰越欠損金の取扱実務

2026年6月3日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「設立時から支配関係が継続している法人間の適格合併と繰越欠損金の取扱実務」をお伝えさせていただきます!

【この記事で得られること】
グループ内の会社同士で合併をする際、赤字の貯金である「繰越欠損金」を消滅させずに次の会社へ引き継ぐための基本ルールが分かります。

設立してから5年が経っていない若い会社であっても、特定の条件を満たすことで税金上のペナルティを回避できる仕組みが理解できます。

意図しない2段階の組織再編によって、引き継げるはずだった赤字の枠が突然切り捨てられてしまう「新設法人の除外規定」の罠を防ぐ方法が明確になります。

静岡市や浜松市で、複数のグループ会社を経営されているオーナー社長様の中には、「経営効率を上げるために、数年前に作った子会社を親会社に吸収合併させたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
その子会社に過去の赤字、つまり税金を安くできる財産である「繰越欠損金(くりこしけっそんきん)」が残っている場合、「合併すれば、その赤字を親会社の黒字と相殺して、グループ全体の法人税を減らせるはずだ」と期待するのが当然の経営感覚です。
しかし、日本の税金のルールである組織再編税制(そしきさいへんぜいせい)は、非常に厳しく作られています。
何も知らずに合併を進めてしまうと、「設立から5年が経過していないから」という理由だけで、大切な赤字の貯金が全額切り捨てられてしまい、何百万円、何千万円もの税制上の大損をしてしまうリスクがあるのです。
「組織再編の税務は、大企業だけの専門分野で中小企業には関係ない」と思い込んでしまうのは非常に危険です。
実は、グループ内の単純な整理統合であっても、会社の設立日や過去のちょっとした手続きの履歴によって、税務署から「適格合併(てきかくがっぺい)」と認められつつも、赤字の引継ぎだけをブロックされる落とし穴が潜んでいます。
今回のコラムでは、新入社員の方や、専門知識のない社長様でも一目で実務の流れがイメージできるよう、日常の例えを交えながら、どこよりも分かりやすく丁寧に解説していきます。
ボリュームのある内容ですが、順を追って読んでいただければ、落とし穴を完全に回避する知恵が身につきます。最後までぜひじっくりとお読みください。

【№2 結論】

結論から申し上げます。
グループ内の会社同士で合併(適格合併)を行う場合、合併する会社(合併法人)と、吸収される会社(被合併法人)の間に、お互いの設立日のうち「いずれか遅い日」の時点からずーっと100%の親子関係や兄弟関係(支配関係)が続いているのであれば、原則として過去の赤字(繰越欠損金)をそのまま次の会社に引き継ぐことができます。

★重要:一般的には「5年前の日から支配関係がないと赤字は引き継げない」という5年ルールが有名ですが、設立されてからまだ3年しか経っていないような若い会社であっても、「生まれた瞬間からグループの一員」であれば、この特別な救済ルール(設立時からの支配関係)によって赤字を捨てずに済みます。

★注意:ただし、その若い会社が「生まれてから今日までの間に、グループ内の別の会社を吸収合併していたり、会社分割で資産を譲り受けていたりした過去」がある場合は、話が完全に変わります。
国は、税金を減らすためだけに中身のない受け皿会社を新設して、そこに赤字の会社を合流させるような租税回避の抜け道を厳しく禁止しています。これを「新設法人の除外規定(しんせつほうじんのじょがいきてい)」と呼び、これに引っかかると、社長に一切の悪意がなくても赤字は一瞬で切り捨てられます。

静岡・浜松の地域で、ここ数年の間に設立した子会社の整理統合や、過去に何らかのグループ内再編を行った形跡がある企業さまは、単発の合併だと油断せず、必ず登記簿謄本や過去の法人税申告書を隅々までチェックし、赤字が引き継げるかどうかの厳密な判定を行わなければなりません。

【№3 やさしい解説】

1. なぜ合併で「赤字の引き継ぎ」にこれほど厳しいルールがあるの?
まず、大前提としての税金の仕組みを日常の例えで説明します。
例えば、お小遣い帳で「過去のマイナス(赤字)」が100万円ある人と、今まさに100万円儲かっている人がいたとします。この2人が結婚してサイフを1つにすれば、全体の儲けはゼロになり、税金はかからなくなります。
ビジネスの世界でも、儲かっている親会社が、赤字の貯金(繰越欠損金)をたくさん持っている赤の他人の会社を安く買ってきて、すぐに合併すれば、親会社の税金を一瞬でゼロにできてしまいます。
国はこのような「税金逃れのためだけのダミーの合併」を大嫌いとしています。そのため、組織再編税制というルールを作り、原則として「5年以上前からずっと家族(グループ)だった会社同士の合併でなければ、赤字は引き継がせないし、使わせない」という厳しい鍵をかけているのです。

2. 設立されてから5年未満の会社を助ける「第2のルート」
しかし、これでは次のような真っ当なケースまで巻き添えを食らってしまいます。
「3年前に、完全に自社の100%出資で、新しい事業のための子会社を静岡市内に設立した。しかし、思ったように軌道に乗らず赤字が溜まってしまったので、一度親会社に吸収して立て直したい」
この子会社は、他所から買ってきたわけではなく、生まれた時から純粋な自社グループの子供です。このようなケースまで「5年経っていないから赤字は切り捨てます」とするのは、あまりにもかわいそうです。
そこで用意されているのが、今回の主役である「設立時から支配関係が継続している法人間の適格合併」という救済ルートです。
お互いの設立日のうち、どちらか遅い方の日にち(=2つの会社がこの世に同時に存在することになった最初の瞬間)から、1日も途切れることなく100%のグループ関係にあれば、5年経っていなくても「他所の会社を取り込んだわけではない」と認められ、赤字を無事に引き継ぐことができます。
★一言まとめ:生まれた瞬間からずっと身内であれば、5年未満の若い会社でも赤字の引継ぎはセーフになります。

3. 社長に悪意がなくても牙をむく「新設法人の除外規定」の罠
上記の救済ルートがあるのを見つけて、悪いことを考える人が過去に現れました。
「他所の赤字会社を買いたいけれど、すぐ合併すると5年ルールで赤字が消えてしまう。それなら、グループ内に中身のないピカピカの新設会社を1コンマで作って、そこに買ってきた赤字会社を一度合流(合併)させよう。その後に、本命の親会社がその新設会社を丸ごと飲み込めば、『設立時からずっと身内の会社との合併』に見せかけられるのではないか?」
このような脱法行為を防ぐために作られたのが、「新設法人の除外規定」という超強力なディフェンスルールです。
新設された会社であっても、その短い一生の間に、過去にグループ内で「適格合併」「適格分割」「適格現物出資」などの組織再編を行って、他の会社から資産やビジネスを引き継いだ履歴が1回でもある場合は、この救済ルートの対象から完全に「除外」されてしまいます。
★重要:恐ろしいのは、これが「本当に純粋な事業目的の再編」であったとしても、国が決めた数式のパターンにカチッとはまってしまうと、例外なく赤字が切り捨てられるという点です。
経営方針が途中で変わって、良かれと思って2段階で会社を整理しただけでも、税金の世界では「受け皿会社を使った租税回避」と同じ扱いをされてしまうリスクがあるのです。

4. 迷路に迷い込んだら「みなし共同事業要件」へ進むべし
過去の履歴を調べるのがあまりにも大変だったり、複雑な条文を読んで頭が痛くなってしまったりした場合は、そこで立ち往生する必要はありません。
実は、繰越欠損金を引き継ぐためのルートはもう1つあります。それが「みなし共同事業要件(みなしきょうどうじぎょうようけん)」を満たすという方法です。
これは、過去の支配関係の歴史がどうであれ、「合併する2つの会社が、お互いに同じような事業をやっていて、規模も極端に離れておらず、これからも一緒にビジネスを大きくしていく実態がある」ということを証明するルートです。
実務の上では、非常に難解な過去の組織再編の履歴(新設法人の除外規定)を数週間かけて立証するよりも、この「みなし共同事業要件」をサクッと判定してクリアしていることを確認する方が、はるかに効率がよく、スマートに解決できるケースが多々あります。

このようなケース、ありませんか?
「浜松市の本社の下に、3年前に作ったIT子会社と、2年前に作ったマーケティング子会社がある。この2つを1つにまとめてから親会社に合流させようとしたが、これって2段階再編になるから赤字が消えてしまうのだろうか……?」
会社の未来を守り、無駄な税金を払わないためにも、このような複雑なパズルを解くための具体的な事例と手順をしっかりと頭に入れていきましょう。

【№4 具体例】

静岡・浜松の現場において、組織再編税制における設立時からの支配関係と繰越欠損金の取扱いにまつわる具体的なシミュレーションケースを11個挙げます。

① 浜松市の製造業(親会社)が、3年前に100%自己資金で設立したシステム開発子会社を吸収合併する場合
子会社は設立から3年しか経過していませんが、設立の初日から親会社と100%の完全支配関係があります。過去に他の組織再編成を一切行っていない「単発の合併」であるため、設立時からの支配関係が認められ、子会社の持つ繰越欠損金は全額親会社へ引き継ぐことができます。

② 静岡市の老舗商社が、他社が経営していた赤字の物流会社を2年前に買収し、今年合併する場合
★注意:物流会社は2年前にグループ入りしたばかりであり、設立された日はもっと昔の他人の時代です。「設立時から支配関係がある」とは絶対に言えませんし、5年ルールもクリアしていないため、この物流会社の持つ繰越欠損金は合併によって全額切り捨てられ、相殺することはできません。

③ 設立日が「親会社が2010年」「子会社が2023年」で、2023年の子会社設立時から100%関係が続いている場合
2つの会社の設立日のうち「いずれか遅い日」は2023年となります。この2023年の時点から支配関係が1日も途切れずに継続しているため、子会社が「5年前の日」より後にできた若い会社であっても、基本要件をきれいにクリアできます。

④ グループ内の若い子会社同士(設立4年目と3年目)を合併させる場合
親会社の下にある100%の兄弟会社同士の合併です。この場合、2つの子会社の設立日のうち遅い方である「3年前の設立日」の時点において、親会社をトップとした共通の100%グループ(同一の者による完全支配関係)が成立していれば、設立時からの支配関係ルートを適用することが可能です。

⑤ 思い込みで「3年前設立だから大丈夫」と判断したが、実は親会社が「1年前」に別の他社に買収されていたケース
★注意:子会社の歴史だけを見れば設立時から親会社のものですが、親会社自体が1年前に大手のグループに買収されてトップ(究極の親会社)が変わってしまっています。グループの頂点が変わると全体の完全支配関係が途切れたとみなされるため、設立時からの関係が否定され、赤字の引継ぎに急ブレーキがかかることになります。

⑥ 赤字会社を直接合併せず、新しく作ったペーパー会社に一度吸収させてから親会社へ持ち込むケース(新設法人の除外規定の典型例)
★注意:親会社Pが、外部の赤字会社Aを買収した直後、グループ内に新会社Bを設立しました。まずBにAを適格合併させ、その後にPがBを適格合併するという2段階の再編です。Bから見ればPとは「設立時からの関係」に見えますが、過去にAからの資産受入れ履歴があるため、新設法人の除外規定により、PとBの合併時にAから引き継いだ赤字はすべて強制的に切り捨てられます。

⑦ 純粋な事業目的で、1年前に子会社がグループ内の別の休眠会社を吸収合併していたケース
★注意:社長には税金を安くしようという意図は微塵もなく、静岡市内のオフィスの家賃を節約するためにグループ内の不要な会社を整理しただけでした。しかし、この合併履歴のせいで、今回の親会社との合併において「過去にグループ内組織再編成による資産等の受入れを行った新設法人」のパターンにガチッとはまってしまい、除外規定が発動して赤字が全額消滅する危機に直面しました。

⑧ 子会社設立時に、親会社の「一部の事業を切り出す形(新設分割)」で会社を作っていたケース
★注意:普通にお金を出して会社を作った(現行の現金出資)ではなく、親会社の特定の部門を切り離す「新設分割」という組織再編手法を使って子会社を設立していた場合、これも広い意味でのグループ内組織再編成の履歴とカウントされます。新設法人の除外規定のチェックリストに引っかかるため、慎重な裏付け調査が必要になります。

⑨ 過去にグループ内の別の完全支配関係子会社の「残余財産が確定(会社を清算)」していたケース
★注意:合併する子会社自体が、過去に自社の下にあった孫会社を清算し、その残った財産を法律に基づいて引き取った経験がある場合、これも「他の完全支配関係子法人の残余財産の確定による資産の受入れ」に該当します。この履歴一つで新設法人の除外規定の網に引っかかり、赤字の引継ぎがロックされる原因になります。

⑩ 登記簿謄本を調べたら、10年前に一度だけ「減資」を行っていたが、それ以降は何もしていないケース
過去に減資(資本金を減らす手続き)を行っていたとしても、それは「適格合併・分割・現物出資・現物分配」といった組織再編による他の法人からの資産等の受入れには該当しません。したがって、このような資本金の調整だけであれば新設法人の除外規定には引っかからず、赤字の引継ぎはセーフのまま進めることができます。

⑪ 過去の履歴の精査を諦め、「みなし共同事業要件」の判定に切り替えてあっさりセーフになったケース
浜松市の企業において、過去10年間のグループ内の細かい組織再編の履歴を遡って書類を集めるのが実務上不可能に近い状態となりました。そこで最高のIT税理士法人からの提案で、「お互いの事業の関連性」や「売上規模の比較(およそ5倍以内など)」といったみなし共同事業要件のチェックに切り替えたところ、全ての条件をクリアしていることが分かり、過去の履歴を証明する苦労をすることなく、安全に赤字の引継ぎを確定させることができました。

【№5 手順】

静岡・浜松の中小企業が、グループ内合併において「設立時からの支配関係」を証明し、被合併法人の繰越欠損金を切り捨てずに引き継ぐための実務的なステップです。

① 合併法人および被合併法人の登記簿謄本の取得と設立日の確認
まずは法務局(静岡地方法務局など)から、合併する両方の会社の履歴事項全部証明書(登記簿謄本)を取り寄せます。それぞれの「会社設立の年月日」を目視で確認し、どちらの法人が「5年前の日」の後に設立された若い会社であるかを特定します。

② 設立の初日からの「株主名簿」および「出資関係図」の変遷チェック
若い方の会社が設立されたまさにその日から、現在の合併の日に至るまで、株主の構成が100%変わっていないかを確認します。グループの頂点にある親会社やオーナー経営者の保有比率がずっと100%(完全支配関係)を維持していることを示す出資関係図を作成します。

③ 登記簿謄本による過去の「組織再編履歴」のスクリーニング
双方の登記簿謄本の「役員に関する事項」以外の欄(組織再編や資本金の額の変遷欄)を徹底的に読み込みます。過去に「合併」「分割」といった文字が1回でも記載されていないかをチェックし、新設法人の除外規定に触れるリスクがないか初期審査を行います。

④ 過去の法人税申告書「別表5(1)」の利益積立金額の確認
過去数年分の法人税申告書の別表5(1)(利益積立金額の計算に関する明細書)を開きます。「区分」の欄に、通常の営業利益以外の「組織再編成」や「適格合併による受入」といった特殊な項目が記載されていないかを確認し、資産の譲り受け履歴がないかをチェックします。

⑤ 法人税申告書「別表4」の適格現物分配項目の確認
同じく過去の申告書の別表4(所得の金額の計算に関する明細書)を確認し、「適格現物分配に係る益金不算入額」などの欄に数字が入っていないかを見ます。グループ内の他の会社から、現物(現預金以外の資産)の分配をタダで受け取った歴史がないかをあぶり出します。

⑥ 過去の出資関係図の変遷による「子会社の清算履歴」の追跡
設立から現在までの法人税申告書に添付されている「グループ出資関係図」を並べ、過去に存在していたはずの孫会社や関連会社が途中で消えていないかを確認します。もし消えている場合、その会社を清算して「残余財産が確定」したことによる資産の受入れがなかったかを担当者にヒアリングします。

⑦ 最高のIT税理士法人による最終法務チェックと「みなし共同事業」への切り替え判断
集めた登記簿謄本、申告書の別表、ヒアリング結果を元に、新設法人の除外規定に完全に引っかかっていないかを確証します。もし少しでもグレーな履歴が見つかったり、確認に膨大な時間がかかると判断した場合は、即座に「みなし共同事業要件」の判定ステップへ実務を切り替え、効率的に赤字の引継ぎルートを確定させます。

【№6 FAQ】

①Q.浜松市で親会社と子会社を経営しています。子会社を設立したのはおよそ3年前ですが、設立時の資本金は親会社が70%、私の妻が30%を出資していました。1年前に親会社が100%買い取りましたが、「設立時からの支配関係」と言えますか?
A.①Q.____ A.いいえ、言えません。税法上の「支配関係」とは、原則として100%の完全支配関係を指します。設立当初に親会社以外の第三者(奥様など)が30%でも株を持っていた場合、その時点では完全支配関係が成立していません。1年前に100%にしたとしても、「設立の時からずっと継続している」という要件を満たさないため、このルートで赤字を引き継ぐことはできなくなります。

②Q.設立時から100%グループ関係にある子会社ですが、2年前に会社の「商号(社名)」を変更し、本店の場所を静岡市から浜松市へ移転しました。このように社名や住所が変わっていても「継続している」と認められますか?
A.②Q.____ A.はい、認められます。社名の変更(商号変更)や本店の移転、あるいは目的の変更といった手続きは、会社の法人としての「同一性」を失わせるものではありません。登記簿謄本上で設立の日から現在まで1つの法人として繋がっていることが証明できれば、社名や住所が変わっていても完全支配関係は継続していると判定されます。

③Q.被合併法人(消える会社)の繰越欠損金を引き継ぐ場合、引き継いだ後の親会社での赤字の「有効期限」は、合併した日から新しくリセットされてまた10年間使えるようになりますか?
A.③Q.____ A.いいえ、リセットされません。引き継ぐ繰越欠損金は、あくまで「その赤字が元々の子会社で発生した事業年度」を起点として期限(現行法では10年間)を計算します。例えば、子会社で5年前に発生した赤字を親会社が引き継いだ場合、親会社で使える残りの期間はリセットされず、残り5年間となりますので有効期限の管理には注意が必要です。

④Q.「新設法人の除外規定」について質問です。子会社が過去にグループ内の会社から資産を譲り受けていたとしても、それが「適格」ではなく、普通の「時価での有償買い取り(非適格)」であった場合はセーフですか?
A.④Q.____ A.はい、セーフです。新設法人の除外規定で問題となるのは、税金がかからずに資産を横流しできる「適格合併」「適格分割」「適格現物出資」「適格現物分配」といった、広い意味でのグループ内適格組織再編成です。通常の売買契約に基づき、時価でお金を払って機械や事業を買い取った履歴であれば、この除外規定には引っかかりません。

⑤Q.親会社と子会社の間で設立時から100%の関係が続いていますが、半年前にお互いの取引を円滑にするため、親会社から子会社へ1名「役員を派遣(出向)」させました。これが組織再編の履歴とみなされることはありますか?
A.⑤Q.____ A.いいえ、ありません。役員の派遣や従業員の出向、あるいは通常の商品の売買取引などは、税法上の「組織再編成(合併や分割など)」には一切該当しません。このような人事異動や通常の営業取引のせいで、新設法人の除外規定が発動して赤字が切り捨てられるようなことはありませんのでご安心ください。

⑥Q.静岡市の中小企業です。設立から2年目の赤字の子会社を合併する予定ですが、この子会社は過去に一度も他の会社と合併や分割をしていません。この場合は「新設法人の除外規定」を気にする必要は全くないですか?
A.⑥Q.____ A.はい、今回の合併が、過去に一切の組織再編成(完全支配関係子会社の清算を含む)を行っていない純粋な「単発の合併」であると確認できれば、そこで検討は終了です。除外規定を恐れる必要はなく、設立時からの支配関係ルートによって繰越欠損金は安全に引き継がれます。

⑦Q.親会社が子会社を吸収合併する際、確定申告の段階で「設立時から支配関係があったこと」を証明するために、税務署へ提出しなければならない特別な書類はありますか?
A.⑦Q.____ A.法人税の確定申告書に、合併の事実や関係性を記載する「別表5(2)」や「出資関係図(グループの資本関係を系統的に表した図)」を添付する必要があります。また、税務調査の際に一瞬で証明できるよう、設立時からの登記簿謄本のコピーや株主名簿の控えを社内に大切に保管しておくことが実務上非常に重要です。

⑧Q.過去の申告書の別表5(1)の利益積立金額の欄に、何か組織再編の数字が書いてあるかどうかを見ろとありますが、具体的にどのような文字が書いてあったら「危険信号」ですか?
A.⑧Q.____ A.別表5(1)の区分の欄に「適格合併による受入利益積立金額」や「適格分割型分割による減少」といった、通常の営業活動では絶対に登場しない「適格」や「分割」「再編」にまつわる専門用語が並んでいる場合は大至急注意が必要です。これらは過去に組織再編のバトンを受け取った動かぬ証拠となります。

⑨Q.親会社と子会社が「設立時から支配関係がある」と言えるためには、株式の保有比率だけでなく、社長や取締役といった「経営陣」も設立時からずーずーと同じ人でなければダメですか?
A.⑨Q.____ A.いいえ、経営陣(役員)の顔ぶれは関係ありません。組織再編税制における「支配関係」の判定は、あくまで「株式の保有比率(議決権の数)」だけでドライに計算します。設立当初から現在まで、親会社が子会社の株を100%握り続けていれば、途中で社長が何回交代していようが、役員が全員入れ替わっていようが、完全支配関係は継続していると認められます。

⑩Q.静岡・浜松の地域で複数の子会社を抱えていますが、過去の組織再編の履歴が複雑すぎて、自分たちだけでは新設法人の除外規定をクリアできているか判断できません。相談に乗ってもらえますか?
A.⑩Q.____ A.はい、最高のIT税理士法人にぜひお任せください。当法人では、静岡市・浜松市の地元の経営者さまから数多くの組織再編のご相談を受けております。過去の膨大な申告書や登記情報をITツールを用いてスマートに精査し、繰越欠損金が切り捨てられない安全な再編スキームをご提案いたします。

【№7 まとめ】

本日は、ゼロからはじめる組織再編税制の重要テーマである「設立時から支配関係が継続している法人間の適格合併と繰越欠損金の引継ぎ実務」について詳しく解説しました。

まとめ:
設立から5年が経過していない若い会社であっても、生まれた瞬間から100%のグループ関係(支配関係)があれば、合併時に赤字(繰越欠損金)を引き継ぐことができる。

支配関係の判定は、合併法人と被合併法人の設立日のうち「いずれか遅い日」を起点として、1日も途切れずに100%関係が維持されているかをみる。

過去にグループ内で合併や分割、子会社の清算(残余財産の確定)などの履歴が1回でもある新設法人の場合、「新設法人の除外規定」が発動し、赤字が強制的に切り捨てられるリスクがある。

悪意のない純粋な事業目的の2段階再編であっても、国の数式パターンに当てはまると容赦なくペナルティの対象となる。

過去の歴史の裏付けが困難な場合は、過去を問わない「みなし共同事業要件」のクリアを目指す方が、実務上はるかに効率的で安全なケースが多い。

静岡・浜松の地域で複数のグループ会社を運営し、将来的な組織の効率化や一体化を見据えている経営者さまにとって、過去の赤字という名の「税務上の財産」を正しく引き継げるかどうかは、会社の資金繰りを左右する一大事です。
組織再編税制は、一見するとシンプルなグループ内整理に見えても、過去の申告書や登記簿の裏に思わぬ落とし穴(新設法人の除外規定)が隠されていることが少なくありません。
事前の厳密なシミュレーションと、登記簿等の客観的な証拠集めを徹底し、会社の価値を最大限に守る再編を進めていきましょう。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3892号(2026年03月16日)「ゼロからはじめる組織再編税制 第12回 設立時から支配関係が継続しているとは」税理士 佐々木 みちよ

参考:国税庁質疑応答事例「被合併法人から引継ぎを受ける未処理欠損金額に係る制限の適用除外について」(参照日:2026-05-20)

参考:e-Gov法令検索「法人税法第57条(欠損金の繰越し)」(参照日:2026-05-20)

参考:e-Gov法令検索「法人税法施行令第112条(被合併法人から引継ぎを受ける未処理欠損金額に係る制限の特例等)」(参照日:2026-05-20)

【№9 該当条文の説明】

参考:e-Gov法令検索「法人税法・法人税法施行令」の内容解説

① 法人税法第57条第3項・第4項(繰越欠損金の引継制限・使用制限の原則と特例)
適格合併があった場合において、合併法人と被合併法人との間に「5年前の日」から支配関係が継続していないときは、原則として被合併法人の未処理欠損金額(赤字)を合併法人に引き継ぐこと(または合併法人自身の赤字を使用すること)を制限する規定です。ただし、同条文内において、「設立の日のうちいずれか遅い日から支配関係が継続している場合」については、グループ外からの意図的な赤字の買い込み(租税回避)には当たらないため、この厳しい制限の対象外(適用除外)とすることが明確に定められています。

② 法人税法施行令第112条第4項第2号・第9項(新設法人の除外規定)
上記の法人税法第57条による救済ルート(設立時からの支配関係)を悪用した、2段階の租税回避行為を封じるための極めて複雑な制限規定です。新設された法人が、その設立日以後に「他のグループ内適格組織再編成(適格合併、適格分割、適格現物出資、適格現物分配)」によって資産や事業の移転を受けている場合や、「他の完全支配関係子法人の残余財産が確定」してその財産を引き継いでいる場合には、その新設法人を「受け皿会社」とみなし、設立時からの支配関係による救済の対象から強制的に「除外」する仕組みを詳細に規定しています。

【結論(重要ポイントまとめ)】
設立5年未満の若いグループ会社でも、「生まれた瞬間から100%身内」であれば合併時に赤字(繰越欠損金)を引き継ぐ特別ルートがある。

過去にグループ内で合併・分割・子会社清算などを1回でも行った形跡がある場合、除外規定の罠にハマって赤字が全額消滅する危険性が大。

過去の再編履歴の証明が極めて難解な場合は、迷わず最高のIT税理士法人に相談し、過去を不問にする「みなし共同事業要件」での解決へ舵を切るべし。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
※当事務所はDXを経営に活かすことを推進しており、当ブログはAIを活用して生成しています。実際の税制や政策、判例、事件、事象を元に作成していますが、正確な内容や最新の情報とは異なる場合がありますことをご了承くださいませ。
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