大企業・中堅企業向け賃上げ促進税制の見直しと実務手続き

2026年6月5日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「大企業・中堅企業向け賃上げ促進税制の見直しと実務手続き」をお伝えさせていただきます!

【この記事で得られること】
令和8年3月決算を迎える大企業や中堅企業が、従業員の給料を上げた際にもらえる大きな減税ボーナスの仕組みが分かります。

税金を最大で35%も安くするためにクリアすべき「給料のアップ率」や「教育訓練費」などの具体的なハードルが理解できます。

減税を受けるために絶対必要な「マルチステークホルダー方針」という国の書類を、ネットで正しく提出する手順が明確になります。

静岡市や浜松市には、地域経済を牽引する大企業や、多くの従業員を抱える中堅企業が数多く存在しています。
昨今の物価高や深刻な人手不足への対策として、「他社に負けないよう、思い切って従業員の給料を一律で引き上げた」という決断をされた経営者様も非常に多いのではないでしょうか。
このように、会社が頑張って従業員の生活を守り、賃上げという形で社会に貢献したとき、国から特大のご褒美として用意されているのが「賃上げ促進税制」です。
しかし、この税制は規模の大きな企業になればなるほど、クリアすべき条件や提出しなければならない書類の手続きが驚くほど複雑になります。
「賃上げ促進税制は中小企業だけのものだと思っていた」「中堅企業や大企業向けのルールは難しそうで、損をしていないか不安だ」という声を、現場でもよく耳にします。
実は、令和8年3月決算において、この制度は最大35%の税額控除が狙える非常に強力な武器である一方、令和8年度の税制改正によって大きな見直しや廃止への動きが示されている特別なタイミングでもあるのです。
新入社員の方や、専門知識のない社長様であっても、実務の全体像がひと目でイメージできるように、専門用語を徹底的にかみ砕いて解説します。
最後までスクロールして読んでいただければ、会社の税金を賢く減らし、手元に現金をしっかりと残すためのベストなアプローチがすべて分かります。

【№2 結論】

結論から申し上げます。
令和8年3月決算において、大企業や中堅企業が従業員の給料(継続雇用者給与等支給額)を前年より「3%以上」増やしている場合、その増えた金額の一部(10%から最大35%)を法人税から直接差し引くことができます。

★重要:この減税メリットを上限いっぱいの35%まで引き上げるためには、給料を前年比で4%〜7%以上アップさせ、さらに「教育訓練費(社員の研修代など)を10%以上増やす」「子育て・女性活躍支援の国のお墨付き(プラチナくるみん等)を取る」といった上乗せの条件を満たす必要があります。

★注意:一定規模以上の大きな企業(資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上など)の場合、単に給料を増やすだけでは減税は受けられません。決算日までに「マルチステークホルダー方針」という書面を自社のウェブサイトで公表し、国のシステム(Gビズフォーム)を使って電子届出を完了させておくことが絶対の必須条件となります。

なお、令和8年度の税制改正では、この大企業向け制度の廃止や、中堅企業向けの教育訓練費上乗せの廃止などが決定される見込みとなっています。
つまり、現在の有利なルールで大きな節税メリットを享受できるのは、「今まさに迎えている決算がラストチャンスに近い」ということになります。
静岡・浜松の地域で事業を展開される企業さまは、手続きの期限や添付書類の不備で減税を逃すことがないよう、今すぐ自社の賃上げ状況と必要な電子申請の進捗をチェックしてください。

【№3 やさしい解説】

1. 大企業向け・中堅企業向け「賃上げ促進税制」ってどんな仕組み?
一言でいうと、国が「日本のために従業員の給料をたくさん増やしてくれた会社には、法人税を特別に大まけします」という優遇のルールです。
ここでいう減税の方法は「税額控除(ぜいがくこうじょ)」と呼ばれ、計算された法人税の金額から直接、ご褒美の金額をマイナスできるため、会社のキャッシュを増やす上で非常に効果があります。
ただし、引ける金額には上限があり、その年の法人税額の「20%まで」と決められています。
★日常例:いくらたくさん給料を増やして減税枠が1億円分あったとしても、その年の法人税が1,000万円であれば、その20%にあたる200万円までしか税金は安くなりません。

2. 「大企業」と「中堅企業」でルールはどう違うの?
会社の規模によって、スタートラインとなる条件や、クリアした時にもらえるご褒ベの割合(税額控除率)が少し異なります。

大企業向け:すべての青色申告法人が対象です。前年と比べて給料を3%以上増やすと10%減税。さらに給料を4%増、5%増、最高で7%以上増やすと、それだけで減税率が最大25%まで跳ね上がります。

中堅企業向け:従業員の数が「2,000人以下」の会社(※グループ全体で1万人を超える場合などを除く)が対象です。同じく給料を3%以上増やすと10%減税ですが、中堅企業の場合は給料を「4%以上」増やした時点で、一気に減税率が15%もプラスされ、合計25%に到達します。大企業よりも、少ないアップ率で大きな優遇がもらえるのが特徴です。

3. 最大35%にするための「2つの上乗せボーナス」
大企業も中堅企業も、ベースとなる給料アップ(最大25%)に加えて、さらに次の2つの条件をクリアすると、それぞれ5%ずつ減税率を追加して、最高35%にすることができます。

① 教育訓練費のプラス(+5%):社員のスキルアップのための研修やセミナー代、教科書代などを前年より「10%以上」増やし、かつ、その総額が全従業員の給料総額の0.05%以上であることです。

② 国の認定の取得(+5%):子育て支援に積極的な会社に送られる「プラチナくるみん」や、女性の活躍を応援する「プラチナえるぼし(中堅企業は通常のえるぼしも可)」といった認定を結算日までに持っていることです。
★一言まとめ:給料をたくさん上げ、社員教育にもお金を使い、働きやすい職場づくりを達成した会社が、最大の35%減税を勝ち取れます。

4. 忘れると一発アウト!「マルチステークホルダー方針」とは?
適用事業年度が終わる時点で、「資本金が10億円以上、かつ従業員が1,000人以上」または「従業員が2,000人超」の規模になる会社は、特別な手続きが必要です。
これは、「私たちは従業員だけでなく、取引先(消費税を納めていない免税事業者も含みます)や、地域社会といったすべての関係者(マルチステークホルダー)を大切にしながら経営します」という経営方針を宣言するものです。
これを自社のホームページで一般向けに公開し、国のネット窓口へ届け出なければなりません。
★重要:この手続きを1日でも遅れたり、忘れたりすると、どんなに何億円もの賃上げを行っていても、減税は「1円も」受けられなくなってしまいます。

5. 令和8年度改正による「廃止」のスケジュールに注意
現在のこの手厚い賃上げ促進税制ですが、令和8年度の税制改正によって、大企業向けの仕組みは令和8年3月31日をもって廃止される方向で調整が進んでいます。
中堅企業向けについても、研修代を増やした際の上乗せボーナスが同じく令和8年3月31日で終了し、最終的には令和9年3月31日をもって制度自体が終了する予定となっています。
★一言まとめ:令和8年3月に決算を迎える企業にとって、まさに今が最も有利な条件で法人税を減らせる「大勝負のタイミング」なのです。

このようなケース、ありませんか?
「静岡市内の本社で、全社的な基本給ベースアップを行い、前年比で5%も給料総額が増えた。しかし、マルチステークホルダー方針のネット提出をうっかり忘れて決算を迎えてしまいそう……」
せっかくの賃上げ努力が、書類一枚、クリック一つのミスで水の泡になってしまうのはあまりにも大きな損失です。どのような点に注意して実務を進めるべきか、具体的な事例を見ていきましょう。

【№4 具体例】

静岡・浜松の企業を想定し、大企業・中堅企業向け賃上げ促進税制とマルチステークホルダー方針に関わる具体的なシミュレーションケースを11個挙げます。

① 静岡市に拠点を置く大手製造業(資本金12億円、従業員1,200人)が、継続雇用者の給料を前年比5%増加させた場合
資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上の要件を満たすため、大企業向けのルールが適用されます。給料5%アップによりベースの税額控除率は20%となりますが、この企業は減税を受けるために「マルチステークホルダー方針」の作成と自社サイトでの公表、Gビズフォームでの届出を期日までに完璧に行う必要があります。

② 浜松市の輸送用機器メーカー(従業員1,500人、資本金5億円)が、給料を前年比4%増加させた場合
資本金が10億円未満のためマルチステークホルダー方針の提出義務はありません。従業員数が2,000人以下であるため「中堅企業向け」の税制が適用されます。中堅企業向けでは給料が4%以上増えた時点で上乗せ措置①が発動し、税額控除率が一気に最高の25%(原則10%+上乗せ15%)へと跳ね上がります。

③ 教育訓練費を前年比で12%増加させ、さらに減税率を5%上乗せするケース
静岡市の中堅化学メーカーが、若手社員のITスキル向上のために外部講師を招いた研修を行い、研修費の総額を前年比で12%増やしました。これが「教育訓練費の増加割合10%以上」の要件を満たし、かつ給料総額の0.05%以上という基準もクリアしたため、減税率をさらに5%プラスすることに成功しました。

④ 子育て支援の認定「プラチナくるみん」を期末ギリギリに取得したケース
浜松市の情報システム開発会社が、仕事と育児の両立支援を推進し、適用の事業年度終了の日(決算日)の3日前に対策が実を結んで「プラチナくるみん認定」を国から取得しました。決算日時点で認定を保有していることが条件であるため、無事に「上乗せ措置③」の5%の減税率を追加できました。

⑤ 海外子会社を含めるとグループ全体の従業員数が1万人を超えてしまうケース
★注意:中堅企業向けの判定において、一見すると日本の本社の常時使用する従業員数は1,800人であり、2,000人以下の基準を満たしているように見えます。しかし、支配関係がある海外の製造子会社の従業員が8,500人おり、合計すると1万300人となります。従業員数の合計が1万人を超える法人は特定法人(中堅企業)から除外されてしまうため、この会社は「大企業向け」の少し厳しいルールで計算しなければなりません。

⑥ マルチステークホルダー方針のウェブサイト公表を「グループ共通サイト」で行ったケース
大企業に該当する静岡市のグループ企業において、子会社ごとに独立したホームページを持っておらず、親会社と共通のウェブサイトしかありませんでした。この場合、共通サイトへの掲載でも認められますが、★重要:方針自体はグループ一括ではなく、減税を受けようとする子会社それぞれの名義で個別に作成して掲載していなければ、要件違反として減税が否認されます。

⑦ 電子申請システム(Gビズフォーム)での届出に「gBizIDエントリー」を使ってしまったケース
★注意:マルチステークホルダー方針の届出はデジタル庁のシステムを使用しますが、書類提出なしですぐに作れる「gBizIDエントリー」のアカウントでは手続きがロックされて進められません。実印や印鑑証明書を郵送して取得する、最上位の「gBizIDプライム」のアカウントを決算前に前もって準備しておく必要があります。

⑧ 取引先の中に「消費税の免税事業者」が含まれていることを理由に公表を躊躇したケース
大企業がマルチステークホルダー方針を作成する際、下請け企業や個人のクリエイターなど、消費税の免税事業者との適切な関係構築の方針も書き込む必要があります。これを怠ったり、免税事業者への配慮を文面から外したりすると、国の内容確認で受理されず、結果として賃上げ税制全体の適用が不可となるリスクがあります。

⑨ 令和8年3月31日を1日でも過ぎてから、大企業向け賃上げ促進税制を適用しようとするケース
★注意:令和8年度の税制改正では、大企業向けの賃上げ促進税制の適用期限が前倒しされ、令和8年3月31日までに開始する事業年度をもって「廃止」となる予定です。これ以降に新しく開始する事業年度では、いくら大幅な賃上げをしてもこの大企業向け制度を使った法人税の減税は受けられなくなります。

⑩ クラウド勤怠・給与計算ITツールを導入して「継続雇用者」の判定を1秒で自動化するケース
賃上げ促進税制の計算で最も大変なのが、「前年も今年も継続して働いている従業員(継続雇用者)」だけに絞って、給料の総額がいくら増えたかを一人ずつ集計する作業です。静岡・浜松の企業でも、最新のクラウド会計・給与ITツールを導入していれば、条件に合う社員の給与データを一瞬で抽出できるため、税務申告の準備にかかる人件費と時間を大幅に削減できます。

⑪ 過去に下請法に関する勧告を受けてしまい、減税の資格を失ったケース
★注意:どれだけ素晴らしい賃上げを行い、マルチステークホルダー方針を完璧に公表していても、下請受託取引の適正化に関する違反などにより、中小企業庁や公正取引委員会から一定の勧告や取り消し処分を受けている法人は、その事業年度において賃上げ促進税制を一切適用することができなくなります。

【№5 手順】

大企業や特定の中堅企業が、令和8年3月決算で賃上げ促進税制を適用し、かつ必須となるマルチステークホルダー方針の公表・届出を完了させるための実務ステップです。

① 社員の給与データの集計と継続雇用者の判定
クラウド給与ITシステムなどを用いて、前事業年度と当事業年度の給与台帳を比較します。期首から期末まで全ての月で在籍している「継続雇用者」を抽出し、その給料総額が前年比で3%以上(中堅企業は4%以上、大企業はさらに上を目指す)増えているかを確認します。

② パートナーシップ構築宣言のポータルサイト掲載(STEP1)
マルチステークホルダー方針を策定する大前提として、サプライチェーンの共存共栄を目指す「パートナーシップ構築宣言」の公式ポータルサイトにアクセスし、自社の宣言を登録・掲載します。

③ マルチステークホルダー方針の作成と自社サイトでの公表(STEP2)
給与等の引き上げ方針や、下請企業(免税事業者含む)との適切な取引関係の構築などを記載した「マルチステークホルダー方針」の書面を作成します。これを適用の事業年度が終了する日(決算日)までに、自社のウェブサイトの分かりやすい場所にアップロードして一般に公開します。

④ 「gBizIDプライム」アカウントの準備(STEP3)
デジタル庁の「GビズID」ウェブサイトを確認し、会社の法人代表者印の印鑑証明書等を用いて「gBizIDプライム」のアカウントの発行手続きを済ませます(発行までに数日〜2週間程度かかる場合があるため、決算前に完了させておきます)。

⑤ Gビズフォームからの経済産業大臣への届出(STEP4)
適用事業年度が終了した日の翌日から「45日以内」に、Gビズフォーム手続ウェブサイトにログインします。自社サイトに方針を掲載した証拠のURLなどを入力し、経済産業大臣に対して方針公表の届出を送信します。

⑥ 経済産業省からの「受理通知書」の取得
経済産業省側で届出の内容(免税事業者への配慮等が含まれているかなど)が確認されると、システム上に「受理通知書」の電子ファイルがアップロードされます。これが出荷された原本となるため、パソコンにダウンロードして大切に保管します。

⑦ 確定申告書への受理通知書の写しの添付と提出(STEP5)
決算に基づく法人税の確定申告書を作成する際、最高のIT税理士法人と連携して賃上げ促進税制の控除明細書(別表)を添付します。その際、システムから印刷した経済産業大臣の「受理通知書の写し」を申告書に添えて、税務署へ電子申告(e-Tax)等で提出します。

【№6 FAQ】

①Q.静岡市にある資本金11億円、従業員1,200人の企業です。マルチステークホルダー方針のウェブサイト公表と国への届出ですが、決算が終わった後の義務ですか、それとも決算の前の義務ですか?
A.①Q.____ A.マルチステークホルダー方針を自社のウェブサイトに「公表」するのは「適用事業年度終了の日(決算日)まで」に行う必要があります。一方で、経済産業大臣への「届出(Gビズフォームでの手続き)」は「決算日の翌日から45日以内」に行う必要があります。つまり、ホームページへの掲載は決算前、ネットでの役所への報告は決算後、という2つの異なる期限を守る必要があります。

②Q.前事業年度にもマルチステークホルダー方針をホームページに掲載し、国への届出も完了しています。今期も方針の内容に全く変更がない場合、決算後のネット届出は省略しても大丈夫ですか?
A.②Q.____ A.いいえ、省略はできません。マルチステークホルダー方針を公表した旨の届出は「適用事業年度ごと」に毎回提出することが法律で義務付けられています。たとえ前年と1文字も内容が変わっていなかったとしても、今期の決算日の翌日から45日以内に、改めて新しくGビズフォームから提出を行わなければ減税は受けられません。

③Q.「継続雇用者」の給料が前年比で4%増えているのですが、パートタイムやスキマバイトの方、期中に新しく採用した新入社員の給料も含めて計算して良いのでしょうか?
A.③Q.____ A.いいえ、通常の賃上げ促進税制の基本要件(賃金要件)を判定する際は、前年の期首から当年の期末まで、全ての月で給料の支払いがある「継続雇用者」の給料だけで計算をしなければなりません。期中に新卒で入社した社員や、途中で退職した人の給料は、この基本の3%や4%の判定の数字からは除外して集計する必要があります。

④Q.浜松市の企業です。教育訓練費の上乗せ(+5%)を狙っています。社員が社外のセミナーに参加した際の「交通費」や「宿泊費」も、教育訓練費の金額に含めて10%アップの計算をして良いですか?
A.④Q.____ A.いいえ、含めることはできません。税法上の「教育訓練費」に該当するのは、外部の講師に支払う謝礼やセミナーの受講料、研修で使用する教科書・教材の購入費などに限られます。研修会場へ移動するための電車の切符代やホテルの宿泊代、研修後の懇親会費用などは教育訓練費の対象外となるため、集計の際は厳しく区別してください。

⑤Q.決算を終えた後、マルチステークホルダー方針をホームページからすぐに削除してしまっても、税務署への申告で受理通知書のコピーを出せば問題ありませんか?
A.⑤Q.____ A.いいえ、すぐに消してはいけません。法律では、マルチステークホルダー方針の公表期間について、「適用事業年度終了の日の翌日から45日を経過する日」または「公表日から1年を経過する日」のいずれか遅い日までウェブサイトに掲載し続けなければならないと定められています。途中で削除すると要件違反となる恐れがあります。

⑥Q.当社は中堅企業(特定法人)に該当しますが、マルチステークホルダー方針の提出が必要となる「資本金10億円以上、かつ従業員1,000人以上」という基準の判定は、いつの時点の数字で行いますか?
A.⑥Q.____ A.「適用事業年度終了の時」、つまり決算日の当日の現況で判定を行います。期の途中で増資を行って資本金が10億円を超えたり、採用を強化して従業員が1,000人を超えたりして、決算日時点でその規模に達していれば、中堅企業であってもマルチステークホルダー方針の公表と届出の義務が発生します。

⑦Q.「プラチナくるみん」や「えるぼし」の認定による上乗せ(+5%)について、決算日の時点ではまだ申請中(内定状態)で、決算が終わった1ヶ月後に正式な認定証が届いた場合はセーフですか?
A.⑦Q.____ A.いいえ、アウトとなります。子育て支援や女性活躍の認定上乗せを適用するためには、「適用事業年度終了の時(決算日)」の時点で、すでに有効な認定を正式に取得していなければなりません。決算日を過ぎてからの取得は、その事業年度の確定申告では上乗せの対象外となってしまいます。

⑧Q.給料をたくさん増やしたので税額控除の計算をしたら、5,000万円という莫大な減税額になりました。当期の法人税額が1億円の場合、この5,000万円を全額税金から引くことができますか?
A.⑧Q.____ A.いいえ、全額は引けません。賃上げ促進税制の控除上限額は「当期の法人税額の20%まで」と法律でキャップがはめられています。このケースでは法人税1億円の20%である「2,000万円」がその年の減税の上限となり、引ききれなかった残りの3,000万円分は、大企業・中堅企業の場合は翌年以降に繰り越すことはできず、消滅してしまいます。

⑨Q.令和8年度の税制改正で大企業向けが「廃止」になるとのことですが、当社は3月決算ではなく「9月決算」の会社です。令和8年9月期の決算では、もうこの大企業向け賃上げ税制は使えないのですか?
A.⑨Q.____ A.はい、使えなくなる予定です。改正案では、大企業向け賃上げ促進税制の見直し・廃止時期について、期限到来前となる「令和8年3月31日までの間に開始する事業年度」とされる予定です。そのため、令和8年4月1日以降に新しく開始する事業年度(例:令和8年10月〜令和9年9月期など)からは、大企業向けは適用できなくなります。

⑩Q.静岡・浜松で何百人もの従業員を雇用している企業ですが、今回の複雑な賃上げ税制の集計や、マルチステークホルダー方針の電子申請を代行、サポートしてもらうことは可能ですか?
A.⑩Q.____ A.はい、最高のIT税理士法人にお任せください。当法人では、企業のクラウド会計・人事労務ITツールの導入による継続雇用者の自動集計システムの構築から、Gビズフォームを用いた経済産業省へのマルチステークホルダー方針の電子届出のサポート、受理通知書を用いた正確な法人税申告まで、一気通貫で実務をバックアップいたします。

【№7 まとめ】

本日は、令和8年3月決算向けに極めて重要となる「大企業向け・中堅企業向け賃上げ促進税制」の要件と、マルチステークホルダー方針の公表手続きの全貌について解説しました。

まとめ:
従業員の給料(継続雇用者給与)を前年比3%以上(中堅は4%以上)増やすことで、法人税から直接10%〜最大35%の税額控除が受けられる。

研修代を10%以上増やす「教育訓練費要件」や、子育て支援の「くるみん認定」を満たすことで、それぞれ5%ずつの上乗せボーナスを獲得できる。

資本金10億円以上・従業員1,000人以上などの大企業・特定中堅企業は、「マルチステークホルダー方針」を期末までにサイト公開し、期後45日以内にGビズフォームで国に届け出ることが絶対条件。

令和8年度の税制改正により、大企業向け制度の廃止(令和8年3月31日前の見直し)や、中堅企業向けの教育訓練費上乗せの廃止が示されている。

大規模な企業ほど、継続雇用者の集計や免税事業者への取引配慮の方針策定にITツールと専門的な法務チェックの活用が不可欠となる。

静岡・浜松の経済を支える中堅・大企業の皆さまにとって、従業員への利益還元である「賃上げ」をしっかりと自社の減税メリットに結びつけることは、財務戦略上、最優先で取り組むべき課題です。
特にマルチステークホルダー方針の電子申請は、1つのステップでもミスをすると何千万円もの税額控除の権利を一瞬で失うハイリスクな手続きです。
令和8年度改正による廃止の足音が近づく今だからこそ、最高のIT税理士法人とともに完璧な決算・申告体制を整え、攻めの経営をさらに加速させていきましょう。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3892号(2026年03月16日)「特集 令和8年3月決算向け特別企画 税制改正項目のポイント総チェック② 大企業向け・中堅企業向け賃上げ促進税制」株式会社税務研究会

参考:経済産業省「『賃上げ促進税制』御利用ガイドブック(大企業向け・中堅企業向け)」(令和7年12月2日最終更新/参照日:2026-05-20)

参考:e-Gov法令検索「租税特別措置法第42条の12の5(雇用者の数が増加した場合等の法人税額の特別控除)」(参照日:2026-05-20)

【№9 該当条文の説明】

参考:e-Gov法令検索「租税特別措置法」等の内容解説

① 租税特別措置法第42条の12の5第1項(大企業向け賃上げ促進税制)
青色申告法人が、継続雇用者給与等支給額を前年より3%以上増加させた場合に、その増加額の10%(賃上げ率や教育訓練費、プラチナくるみん・えるぼし認定等の要件をクリアすることで最大35%)を、その事業年度の法人税額の20%を上限として控除できることを定めた基本条文です。令和8年度の改正案では、この大企業向け全体の枠組みを令和8年3月31日をもって廃止する旨の激変緩和措置の見直しが盛り込まれています。

② 租税特別措置法第42条の12の5第2項(中堅企業向け賃上げ促進税制)
常時使用する従業員数が2,000人以下の「特定法人」が、継続雇用者の給料を前年比3%以上(4%以上で15%上乗せ)増加させた場合に、同様の税額控除を認める条文です。大企業に比べて低い賃上げハードルで高い控除率(ベースで25%)を得られる仕組みですが、こちらも令和8年度改正において、研修代に係る上乗せ措置の即時廃止や、適用期限(令和9年3月31日)による制度全体の完全廃止へのロードマップが示されています。

【結論(重要ポイントまとめ)】
令和8年3月決算における賃上げ税制は、大企業・中堅企業ともに最大35%の法人税額控除を勝ち取る最大のチャンス。

巨大規模企業は「マルチステークホルダー方針」を決算日までに自社サイトに掲載し、期後45日以内にGビズ届出をしないと減税額がゼロになる。

令和8年度改正で大企業向けは「廃止」、中堅向けも縮小へ向かうため、今期決算での確実な適用に向けて、最高のIT税理士法人によるデータ集計と法務確認を急ぐべき。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
※当事務所はDXを経営に活かすことを推進しており、当ブログはAIを活用して生成しています。実際の税制や政策、判例、事件、事象を元に作成していますが、正確な内容や最新の情報とは異なる場合がありますことをご了承くださいませ。
無料相談をご希望の方は、最高のIT税理士法人へお気軽にお問い合わせくださいませ。
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