従業員への食事支給と深夜勤務の夜食代にかかる所得税の非課税限度額引上げ
2026年6月17日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「従業員への食事支給と深夜勤務の夜食代にかかる所得税の非課税限度額引上げ」をお伝えさせていただきます!
【この記事で得られること】
この記事を読むことで、令和8年4月から変わる食事支給と深夜夜食代の非課税ルールが丸わかりになります。
節税につながる具体的な支給金額の計算方法や実務上の注意点が理解でき、明日からの給与計算にすぐ活かせます。
専門知識がない新入社員や中小企業の社長さまでも、損をしない正しい実務の手順が驚くほど簡単に身につきます。
【№2 結論】
結論から申し上げますと、会社が従業員に提供する食事代や深夜の夜食代について、税金がかからなくなる上限額(非課税限度額)が令和8年4月1日から大幅に引き上げられます。
具体的には、お昼ご飯などの一般的な食事支給の枠(会社負担の上限)が、これまでの月額3,500円以下から「月額7,500円以下」へと一気に2倍以上に拡大されます。
さらに、夜10時から翌朝5時までの間に働く深夜勤務者に対して、現物での夜食が用意できない代わりに支給する現金(夜食代手当)の上限も、1回300円以下から「1回650円以下」へと倍増します。
このようなケースはありませんか?
「物価が高くなってお弁当の値段も上がったのに、昔の基準のままでは従業員に十分な食事サポートができない」
「夜勤のスタッフに夜食代を出してあげたいけれど、いくらまでなら所得税がかからずに支給できるのか分からない」
今回の改正は、まさにこうした物価高に悩む静岡や浜松の中小企業さまにとって、従業員の福利厚生を充実させつつ会社も税金面で損をしないための絶好のチャンスとなります。
新しい基準を正しく理解して毎月の給与計算やクラウド会計への入力を行わないと、本来は税金がかからないはずの支給分に余分な所得税が課されてしまうといった実務上のミスが起こりかねません。
まずはこの大きな引き上げが行われるという結論を頭に入れた上で、具体的な中身や計算のルールを順番に見ていきましょう。
【№3 やさしい解説】
そもそも、会社が従業員に食事をタダで配ったり、格安で提供したりした場合、それは給与の一部(経済的利益)とみなされて所得税がかかるのが原則です。
しかし、お昼ご飯代のすべてに税金をかけてしまうと従業員の生活負担が大きくなるため、一定のルールを満たせば「税金を免除する」という特別な決まり(非課税枠)が設けられています。
今回の改正では、その免除される金額のハードルが大きく下がりました。背景には、近年の急激な物価の上昇や原材料費の高騰があります。
これまでの基準である月額3,500円(およそ1日あたり150円から160円程度)という枠は、今の時代のお弁当代や食堂のメニュー価格の実態にまったく合わなくなっていました。
そこで、実態に合わせて従業員のみなさんの生活をしっかりと応援できるよう、国がルールを新しく塗り替えたのです。
★重要:知らないと損するポイント
会社が食事代をいくらでも負担して良いわけではありません。税金が免除されるためには、次の2つのルール(要件)を同時にクリアする必要があります。
ルール①:従業員自身が、その食事の値段(価額)の半分(50%)以上を自腹で会社に支払っていること。
ルール②:食事の値段から従業員の支払った金額を差し引いた、残りの金額(会社負担額)が「月額7,500円以下」であること。
★注意:よくある誤解
「会社が毎月7,500円までお小遣いとして食事手当を現金で配れば非課税になる」というのは大間違いです。一般的な昼食などの支給において、お金(現金)で一律に手当を配った場合は、金額に関わらず全額が給与として課税されてしまいます。
あくまでも「会社がお弁当を購入して配る」か「自社の社員食堂でご飯を提供する」という、現物による支給がこのルールの絶対条件となります。
日常の買い物で例えるなら、お店で800円のお弁当を買うときに、自分が400円を出して、会社が残りの400円を補助してくれるようなイメージです。
この会社が補助してくれた400円の小計が、1ヶ月間で7,500円に収まっていれば、その補助に対して従業員に所得税が課されることはありません。
一方、深夜勤務の夜食代については、現物を用意するのが難しいため、特別に「現金での支給」が認められています。
こちらの現金支給についても、これまでは1回あたり300円という非常に低い上限でしたが、今回の改正で「1回あたり650円以下」まで認められることになりました。
夜間の厳しい環境で働くスタッフに対して、温かい食事の代わりとなる十分な夜食代を所得税なしで手渡せるようになるため、社内のモチベーションアップにも繋がります。
【№4 具体例】
それでは、静岡や浜松の中小企業さまで実際によくある場面を想定し、どのような計算になり、非課税となるかどうかの具体例を10個ご紹介します。
判定の基本として、すべての金額は「消費税を抜いた本体価格(税抜き金額)」で計算する必要がある点に注意してください。
お弁当を業者から購入して届けてもらう場合は、食べ物の販売(飲食料品の譲渡)に該当するため、消費税率は軽減税率の「8%」となります。
一方で、社員食堂で調理して提供する場合や、業者が配膳まで行うケータリングサービスを利用する場合は、標準税率の「10%」が適用されます。
① 静岡市内のIT企業でお弁当(8%)を月に15回支給する場合
お弁当の税抜き価格:1個800円(税込864円)
従業員の自己負担額:1回400円
会社の補助額:1回400円(800円-400円)
従業員の負担割合:50%(400円÷800円)でルール①をクリア
1ヶ月の会社補助の合計額(税抜き):400円×15回=6,000円
判定結果:6,000円は改正後の上限「7,500円以下」に収まるため、全額非課税となります。
② 浜松市内の製造業で社員食堂(10%)を月に20回利用する場合
食事の税抜き材料費など:1回600円(税込660円)
従業員の自己負担額:1回300円
会社の補助額:1回300円(600円-300円)
従業員の負担割合:50%(300円÷600円)でルール①をクリア
1ヶ月の会社補助の合計額(税抜き):300円×20回=6,000円
判定結果:6,000円は改正後の上限「7,500円以下」に収まるため、全額非課税となります。
③ 高級なお弁当(8%)を月に5回だけ支給する場合
お弁当の税抜き価格:1個2,000円(税込2,160円)
従業員の自己負担額:1回1,000円
会社の補助額:1回1,000円(2,000円-1,000円)
従業員の負担割合:50%(1,000円÷2,000円)でルール①をクリア
1ヶ月の会社補助の合計額(税抜き):1,000円×5回=5,000円
判定結果:5,000円は改正後の上限「7,500円以下」に収まるため、高級弁当であっても全額非課税となります。
④ 従業員の自己負担額が半分未満になってしまった失敗例
お弁当の税抜き価格:1個800円(税込864円)
従業員の自己負担額:1回300円(半分未満)
会社の補助額:1回500円(800円-300円)
従業員の負担割合:およそ37.5%(300円÷800円)となり、ルール①の50%以上を満たせません。
1ヶ月の会社補助の合計額:500円×10回=5,000円(金額は7,500円以下ですがNG)
判定結果:自己負担が足りないため、金額に関わらず会社補助の全額(5,000円)が給与として課税されてしまいます。
⑤ 会社の補助合計額が7,500円を超えてしまった失敗例
お弁当の税抜き価格:1個1,000円(税込1,080円)
従業員の自己負担額:1回500円
会社の補助額:1回500円(1,000円-500円)
従業員の負担割合:50%(500円÷1,000円)でルール①はクリア
1ヶ月の勤務日数:18
1ヶ月の会社補助の合計額(税抜き):500円×18回=9,000円
判定結果:上限の7,500円を1,500円オーバーしてしまったため、超えた分だけでなく、なんと「9,000円の全額」が給与として課税されてしまいます。
⑥ お弁当(8%)と社員食堂(10%)を組み合わせて支給する場合
お弁当補助の月額(税抜き):400円×10回=4,000円
食堂補助の月額(税抜き):300円×10回=3,000円
従業員はどちらもきっちり半額以上を負担しているものとします。
1ヶ月の会社補助の総合計額(税抜き):4,000円+3,000円=7,000円
判定結果:両方の補助を合わせても7,000円であり、上限の「7,500円以下」に収まるため、全額非課税となります。
⑦ 税込金額で計算してしまい、非課税枠をギリギリ攻める場合
実は、多くの会社が間違えやすいのが「税込」での判定です。
お弁当の税込価格:900円(税抜き833.3円)
従業員の自己負担額(税込):450円(税抜き416.6円)
会社の補助額(税抜き):1回あたりおよそ416.7円
1ヶ月の支給日数:18回
1ヶ月の会社補助の合計額(税抜き):416.7円×18回=約7,500.6円
判定結果:税抜きで計算した結果、7,500円をわずかでも超えると全額課税になるため、経理実務では余裕を持った金額設定が必要です。
⑧ 深夜勤務者に夜食代として現金を1回600円支給する場合
対象者:夜 10時から翌朝5時まで働く警備スタッフ
支給方法:調理施設がないため、勤務1回ごとに定額で600円の現金を給与に加算
判定結果:改正後の新しい夜食代上限である「1回650円以下」に収まっているため、この現金支給には所得税がかかりません(非課税)。
⑨ 深夜勤務者に夜食代として現金を1回800円支給する場合
対象者:深夜まで稼働する工場のオペレータ
支給方法:近くにお店が開いていないため、勤務1回ごとに800円の現金を支給
判定結果:新しい上限である650円を超えてしまっているため、超えた部分だけでなく「800円の全額」が給与として課税対象になります。
⑩ 遅くまで残業した従業員に、夜8時に夜食代として現金を500円支給する場合
対象者:夕方から夜10時前まで残業したオフィスワーカ
支給方法:遅くなった労いとして、現金500円を支給
判定結果:深夜勤務の夜食代手当が非課税となるのは、あくまで「午後10時から翌朝5時」までの間に勤務する人に限られます。夜10時前の残業に対する現金支給は、いくら少額であっても全額が給与課税となります。
【№5 手順】
静岡や浜松の中小企業さまが、新しい防衛特別法人税の申告実務でエラーを起こさず、ペナルティを完璧に防ぐための実務手順をステップ形式で解説します。
ステップ①:基準法人税額の確定
まずは通常通り、法人の決算処理を行い、法人税の確定申告書上で「所得税額控除や外国税額控除を適用する前」の基準となる法人税額を計算して確定させます。
ステップ②:基礎控除額500万円の差し引き計算
ステップ①で出た法人税額から、基礎控除額である「500万円」を引き算します。この時、金額がマイナスになる場合(法人税が500万円未満の場合)は、課税標準となる金額は「0円」となります。
ステップ③:防衛特別法人税額の計算
ステップ②で残った金額がある場合は、その金額におよそ4%の税率を掛け算して、実際の納税額を計算します。ステップ②で0円だった場合は、当然に税額も「0円」となります。
ステップ④:新様式「別表一次葉一」の作成と記入
計算の結果、税額がゼロ円であっても、新しく導入される申告書「別表一の次葉一」のシートを用意します。各欄に計算プロセスの数字を埋め、最終的な税額欄に「0」または計算された税額を記入します。静岡のクラウド会計導入を進めている企業さまであれば、システムの設定が最新の令和8年版にアップデートされているか必ず確認してください。
ステップ⑤:ホチキス留め(送信)前の「3枚チェック」
印刷して税務署へ郵送、あるいは電子申告(e-Tax)で送信する直前に、法人税の申告書の表紙が以下の3枚セットになっているかを必ず目視でトリプルチェックします。
1枚目:別表一(初葉)…会社の基本情報やメインの税額
2枚目:別表一(次葉一)…【★ここが新設!】防衛特別法人税の計算
3枚目:別表一(次葉二)…地方法人税などの計算
無事に3枚が揃っていることを確認したら、期限内に提出を完了させます。
【№6 FAQ】
Q1. 今回の食事代と深夜夜食代の非課税限度額の引き上げは、いつからスタートしますか?
A1. 令和8年4月1日以後に支給される食事や夜食代手当から、新しい引き上げ後のルールが適用される予定となっています。
Q2. 現金で「食事手当」を毎月5,000円支給しているのですが、これも非課税になりますか?
A2. いいえ、現金で一律に支給する食事手当は、金額がいくらであっても全額が給与として課税されます。非課税にするには、会社がお弁当を現物で手配するなどの方法をとる必要があります。
Q3. 従業員から食事代の半分(50%)を徴収するのを忘れてしまった場合、どうなりますか?
A3. 従業員の自己負担が半分未満である場合は、たとえ会社の負担額が月額7,500円以下であっても、会社が負担した金額の全額が給与として課税されてしまいます。
Q4. 会社の負担額が月額7,500円を100円だけオーバーして、7,600円になってしまったらどうなりますか?
A4. 超えた100円だけでなく、会社が負担した「7,600円の全額」に対して所得税がかかることになります。上限を絶対に超えないよう、慎重な管理が必要です。
Q5. 食事の価額を計算するとき、消費税は含めて計算するのでしょうか?
A5. いいえ、非課税の上限である7,500円に収まっているかどうかの判定は、すべて「消費税等を除いた税抜き金額」で行うことになっています。
Q6. お弁当を業者から配達してもらう場合と、出張ケータリングを頼む場合で消費税の扱いは変わりますか?
A6. はい、変わります。単にお弁当を配達してもらう場合は軽減税率の「8%」ですが、配膳などを行うケータリングや社員食堂での食事提供は標準税率の「10%」をベースに税抜き計算を行います。
Q7. 静岡市や浜松市にある中小企業ですが、独自の地域ルールや例外などはありますか?
A7. いいえ、今回の所得税の改正は全国一律のルールですので、静岡や浜松の企業さまであっても国税庁が定める基準をそのまま適用して実務を行ってください。
Q8. 深夜勤務の夜食代として現金を支給する場合、どのような人が対象になりますか?
A8. 就業規則などで定められた正規の勤務時間の一部または全部が、「午後10時から翌朝5時」までの間にかかっており、実際にその時間に勤務したスタッフが対象です。
Q9. 残業が長引いて夜11時まで働いたスタッフに、夜食代として現金を500円渡した場合は非課税ですか?
A9. 正規의 シフトではなく、臨時の残業によって深夜に及んだ場合に支給する現金は、この非課税ルールの対象外となり、原則として給与課税の対象になります。
Q10. 深夜勤務の夜食代の現金支給は、1回あたりいくらまでなら税金がかかりませんか?
A10. 令和8年4月1日以降の支給からは、1回あたり「650円以下」であれば、所得税がかからずに非課税で支給することができます。
【№7 まとめ】
ここまで、令和8年4月から新しくなる食事支給と深夜夜食代の非課税限度額引き上げについて詳しく見てきました。
物価高への対策として、一般的な昼食等の現物支給における会社負担の上限は月額3,500円から「月額7,500円以下」へと引き上げられます。
また、深夜勤務者への現金による夜食代手当の上限も、1回300円から「1回650円以下」へと大幅に拡大されます。
★重要:知らないと損するポイント
今回の引き上げを上手に活用すれば、従業員のみなさんの手取りの実質的なアップや福利厚生の充実に繋がります。
★注意:よくある誤解
税抜きの計算ミスや、従業員の自己負担が半分未満になってしまうといった些細なミスで、全額が課税されてしまうリスクもあります。
正しい知識を持って実務の手順を組み立て、毎月の給与計算やクラウド会計への入力をスムーズに進めていきましょう。
【結論(重要ポイントまとめ)】
令和8年4月から食事支給の非課税上限が月額7,500円、深夜夜食代が1回650円に大幅引き上げ
非課税判定は「税抜き金額」で行い、従業員が半分以上を自己負担することが必須条件
一般昼食の現金手当は全額課税となるため、静岡・浜松の企業さまは必ず現物手配で実務を行う
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3894号(2026年03月30日)「Q&A形式による食事の非課税限度額引上げの方向性(後編)」税務研究会
参考:国税庁タックスアンサー「No.2594 給与所得となるもの」(参照日:2026-05-22)
参考:e-Gov法令検索「所得税法施行令第21条、所得税基本通達36-38、36-38の2」(参照日:2026-05-22)
【№9 該当条文の説明】
参考:e-Gov法令検索「所得税基本通達36-38、36-38の2、昭和59年7月26日直法6-5等」の内容解説
所得税の基本的なルールを定めた通達(役員や従業員に対する食事の支給パワーバランスを定めた決まり)では、会社が支給した食事によって従業員が受ける経済的なメリットのうち、一定の基準をクリアしたものは所得税を課さないとされています。
今回の改正経緯として、歴史的な物価高騰に直面する中で、企業の福利厚生を通じた労働環境の改善を後押しするため、数十年にわたり据え置かれていた非課税の上限枠を実態に合わせて引き上げることとなりました。
具体的には、従業員が食事の価値の50%以上を自分で負担しており、かつ会社の負担額が新しい基準である月額7,500円(改正前は3,500円)以下であれば、その会社の補助分は給与として扱われません。
また、深夜勤務(午後10時から翌朝5時)を行う労働者に対して、周囲の飲食店が閉まっているなどの理由で現物を渡すことが著しく難しい場合、1回あたり650円(改正前は300円)以下の定額の現金を夜食代として支給しても、課税しなくて差し支えないという特別措置が逐条的に維持・拡張されています。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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