非上場株式の純資産価額方式における法人税等相当額の控除割合が38%に改正された実務対策

2026年6月24日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!

私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!

本日は、「非上場株式の純資産価額方式における法人税等相当額の控除割合が38%に改正された実務対策」をお伝えさせていただきます!

■ 事業承継・相続対策、進めていますか?
中小企業の経営者のみなさま、日々の会社経営、本当にお疲れ様でございます。
後継者へのバトンタッチや、将来の相続対策について、少しずつ準備を進めていらっしゃいますでしょうか。

会社の自社株(非上場株式)の価値が一体いくらになるのかは、事業承継の計画を立てる上で最も重要なポイントの一つです。

■ ひっそりとルールが変わりました!
実は、国税庁が公表する財産の評価ルール(財産評価基本通達)が、令和8年4月に変更されたのをご存じでしょうか。
自社株の評価額を計算する際の数字が、従来の「37%」から「38%」へと引き上げられたのです。

法律や通達の細かな変更点を知らないままでいると、事業承継のシミュレーションが狂ってしまうリスクがあります。
逆に、新しいルールを正しく把握していれば、無駄な税金負担を避け、会社の大切な財産をしっかりと次世代へ残すことが可能になります。

特に今回の改正は、新しく創設された特別な税金(防衛特別法人税)の影響によるもので、今後のすべての自社株評価に直結します。
国税庁の発表に基づき、この変更が自社の事業承継にどのような影響を与えるのかを、どこよりも分かりやすく丁寧にお伝えします。

難しい法律の専門用語をできるだけ使わず、新入社員の方や初心者の方でも直感的に理解できる言葉で説明していきます。
ぜひ最後までお読みいただき、これからの経営や将来の安心な相続対策にお役立てください。

【この記事で得られること】
令和8年度の税制改正に伴う自社株評価(純資産価額方式)の最も重要な変更点が分かります。

自社の株式価値を計算する際に、評価差額から差し引くことができる割合(38%)のメリットが明確になります。

静岡や浜松의 地域で事業承継や会社設立、クラウド会計導入を進める際に、今すぐ確認すべき実務のステップが理解できます。

【№2 結論】

まず、今回の財産評価基本通達の改正について、最もお伝えしたい結論からお伝えします。

国税庁は令和8年3月25日に「財産評価基本通達の一部改正について」という法令解釈通達を公表しました。
今回の変更における最重要ポイントは、非上場株式を「純資産価額方式」という方法で評価する際に、会社の含み益から差し引くことができる「法人税額等に相当する金額の割合」が「37%」から「38%」に引き上げられた点です。

■ 最重要ポイントの要約
コントロール控除割合の変更:37% から 38% へ引き上げ

原因:令和7年度税制改正による「防衛特別法人税」の新設に伴うもの

適用時期:令和8年4月1日以後に発生した相続、遺贈、贈与

影響:評価上の税金相当額を多く差し引けるため、自社株の評価額がこれまでよりも少し下がる方向に働きます。

ただし、防衛特別法人税を計算するときに設けられている「基礎控除額」などの複雑な計算要素については、評価を簡便に行うという目的から、今回の38%という割合の算定にはあえて加味されていません。
また、この改正に伴い、税務署に提出する「1株当たりの純資産価額の計算明細書(第5表)」などの公式な書類フォーマットも、令和8年6月頃に新しく改訂される予定となっています。

会社の大切な自社株を後継者に引き継ぐためには、この新しい評価割合(38%)に合わせて、自社の自社株シミュレーションを正しくアップデートする必要があります。
特に静岡の顧問税理士への相談や、浜松の補助金サポート、クラウド会計導入などを活用して効率的な経営体制を作ろうとしている企業さまにとっては、最新の評価ルールを前提として、早期に株価の再試算を行っておくことが極めて重要になります。

【№3 やさしい解説】

それでは、各改正項目について、分かりやすくより簡潔に解説していましょう。

■ ① 自社株の評価方法(純資産価額方式)とは何か
中小企業の自社株(非上場株式)の価値を計算する方法の一つに、会社を今もし解散したらどれだけの手元資金が残るかという視点で計算する「純資産価額方式」があります。
これは、会社の持っているすべての資産と負債を、今の時価(相続税評価額)に置き換えて、その差額(正味の財産)をベースに株価を決める仕組みです。

★一言まとめ:会社が今持っている財産をすべて今の価値(時価)に直して、自社株の値段を計算する基本のルールです。

■ ② 評価差額に対する法人税等相当額(38%)の意味
会社の資産を今の時価に直すと、大抵の場合は大昔に買った土地や建物、有価証券などに「含み益(買ったときより値上がりした分)」が生じます。
実際に会社を解散してこれらの財産を売却すると、その儲けには法人税などの税金がかかるため、自社株を評価するときは、あらかじめその税金分を「評価差額に対する法人税額等相当額」として、財産の価値から差し引いてよいことになっています。

★一言まとめ:会社の財産が値上がりしている場合、将来かかるはずの税金分をあらかじめ株価から値引きしてくれる仕組みです。

■ ③ 控除割合が37%から38%へ引き上げられた理由
これまで、将来かかるであろう税金分の値引き割合は「37%」と決められていました。
しかし、新しく「防衛特別法人税」という税金が作られたことにより、会社が支払うべき税金の合計トータルレート(全体的な税率の負担)が少し上がることになりました。
これに合わせる形で、国税庁の財産評価ルールでも値引きできる割合が「38%」へと1パーセント(およそ1%)引き上げられることになりました。

★一言まとめ:新しい税金ができたことで会社の税率負担が増えたため、自社株の評価で値引きできる割合も37%から38%に増えました。

■ ④ 令和8年4月1日以後の相続・贈与からスタート
この新しい38%という割合は、令和8年4月1日より後に発生した相続や、親から子へ自社株をプレゼントした(贈与した)ケースのすべてに適用されます。
逆に、令和8年3月31日までに起きた相続などについては、たとえ実際に申告書を提出するのが令和8年の後半であっても、古いルールである37%のままで計算をしなければなりません。

★一言まとめ:令和8年4月1日以降の相続や生前贈与から、新しい38%の計算ルールが使われることになります。

■ ⑤ 計算明細書(第5表・第8表)の書式も6月に変更予定
自社株の価値を計算するときに税務署へ提出する「第5表 1株当たりの純資産価額の計算明細書」や、特定の会社用の「第8表」という書類があります。
これらの書類のひな形にある「評価差額に対する法人税額等相当額」の欄や計算式のテキストについても、令和8年6月頃に新しい38%に対応した様式へと新しく改訂される予定です。

★一言まとめ:税務署に提出する自社株の計算用紙も、令和8年6月頃に新しい38%対応のデザインに新しく変わります。

【№4 具体例】

イメージをより具体的にするため、静岡や浜松に実在しそうな中小企業や個人事業主の場面を想定した10個の具体例を見ていきましょう。

■ ① 静岡市内で自社ビルに含み益が出ている老舗卸売業のケース
静岡市内で創業50年の卸売業を営む企業さまの事例です。昔に買った自社ビルの帳簿価格が5,000万円で、今の相続税評価額(時価)を調べたところ1億5,000万円(およそ1億5,000万円)になっていました。評価差額(含み益)は1億円(約1億円)です。
令和8年4月以後に社長に万が一のことがあり相続が発生した場合、この1億円に新しい38%を掛けた「3,800万円」を税金相当額として差し引くことができます。改正前の37%(3,700万円控除)のときと比べて、財産の評価額が100万円低くなり、自社株全体の評価を下げることに繋がりました。

■ ② 浜松市内で保有株式が値上がりしている製造業のケース
浜松市の自動車関連の製造業の会社さまで、バブル期やそれ以前に取得した取引先の株式や投資信託が、帳簿上の金額より3,000万円高く評価されました。
後継者である息子への生前贈与を令和8年5月に実行したため、新しい38%の控除割合が適用されます。3,000万円の38%にあたる1,140万円(およそ1,140万円)が法人税等相当額として資産価値からマイナスされ、贈与税の対象となる自社株の評価額を抑えてスムーズに株を譲ることができました。

■ ③ 静岡市内で含み益がほとんど発生しないITサービス企業のケース
静岡市内でクラウド会計導入を推進している設立10年目のIT企業さまです。オフィスは賃貸で、主な資産はパソコンやソフトウェアなどのソフトウェア資産、現金預金のみです。
帳簿の金額と相続税評価額(時価)を比較しても「評価差額(含み益)」がほとんど発生しませんでした。評価差額がゼロ(またはマイナス)の場合、掛け合わせる割合が37%から38%に増えたとしても、差し引ける金額はゼロのままです。このように、会社の資産構成によっては今回の改正による株価の引き下げメリットを全く受けられないケースもあります。

■ ④ 浜松市内で令和8年3月に相続が発生した建設会社のケース
浜松市内の建設会社さまで、令和8年3月20日に先代の社長さまが亡くなられました。相続税の申告期限は10ヶ月後の令和8年1月(約10ヶ月後)となるため、実際の計算作業は令和8年の夏以降に行います。
国税庁の発表資料によると、適用の基準は「亡くなった日(相続開始日)」となっています。このケースでは、亡くなったのが令和8年3月中であるため、新しい38%のルールではなく、改正前の古いルールである「37%」を使って自社株を評価しなければならず、1パーセントの違いに注意して書類を作成しました。

■ ⑤ 静岡市内で新様式の公開前に贈与を実行するケース
静岡市内の経営者さまが、令和8年5月10日に自社株を後継者に贈与することに決めました。国税庁の計算明細書(第5表)の新しい様式が公開されるのは令和8年6月頃と予告されているため、5月の時点ではまだ手元に新しい38%と印刷された用紙がありません。
しかし、法律上は4月1日以降の贈与には38%が適用されるため、古い37%の用紙の数字を自分で「38%」と手書きで修正するか、会計ソフトのアップデートを適用して正しい計算を行い、適正な評価額で贈与手続きを進めました。

■ ⑥ 浜松市内で賃貸アパートを多数保有する地主企業のケース
浜松市内で代々の土地を守るため、法人化して賃貸不動産を管理している会社さまです。保有している複数の土地や建物の路線価評価・時価が、帳簿価格よりも合計で2億円(約2億円)高くなっていました。
令和8年7月に事業承継対策として自社株の評価を行ったところ、評価差額2億円に38%を乗じた「7,600万円(およそ7,600万円)」を差し引くことができました。改正前の37%(7,400万円控除)のときよりも、差し引ける金額が200万円も増えたため、自社株1株あたりの評価額が大きく下がり、次の代への承継計画がより有利に進められるようになりました。

■ ⑦ 静岡市内で過去の赤字が大量に残っている繊維メーカーのケース
静岡市内で長年営業しているメーカーさまで、過去の厳しい時期に出した赤字の累積(繰越欠損金)が5,000万円残っています。一方で、工場の土地に6,000万円の含み益がありました。
実際の法人税の計算では、含み益(利益)が出ても過去の赤字と相殺できるため税金はあまりかかりません。しかし、国税庁の自社株評価の純資産価額方式においては、個別の会社の赤字の有無にかかわらず、評価差額(6,000万円)に対して一律で38%を機械的に掛け算して差し引くルールになっています。そのため、この会社でも2,280万円をしっかりと株価から値引きすることができました。

■ ⑧ 浜松市の臨海エリアで土地が値下がりしている企業のケース
浜松市の沿岸近くにある古い工場の土地の価値(相続税評価額)を調べたところ、大昔に会社で買い取ったときの帳簿価格よりも1,500万円値下がり(含み損)していました。会社の他の財産を合わせても、全体として「時価の合計が帳簿価格の合計を下回っている」状態です。
純資産価額方式では、引き算した残りの「評価差額」がマイナスになる場合は、法人税等相当額の計算(掛け算)自体を行わないことになっています。したがって、37%から38%への改正の影響は全く受けず、そのまま時価ベースの純資産で株価が決定されました。

■ ⑨ 静岡市内で海外子会社の株式を持つITベンチャーのケース
静岡市に本店を置き、浜松の会社設立支援なども活用しながら急成長したIT企業さまです。海外にも子会社を保有しており、自社で持っている子会社株式の価値に4,000万円の評価差額が生じていました。
今回の改正の根拠となった「防衛特別法人税」は日本の国内法ですが、財産評価基本通達の38%という割合は、海外資産の含み益であっても区別なく適用されます。4,000万円の38%にあたる1,520万円を無事に法人税等相当額として控除し、自社株の評価を適正に引き下げることができました。

■ ⑩ 浜松市内で会社を設立したばかりの第1期目の法人のケース
浜松市内で新しく会社設立を行い、スタートしたばかりのベンチャー企業さまです。まだ一度も決算を迎えておらず、帳簿の金額と今の財産の状態(時価)が完全に一致しているため、評価差額(含み益)は当然ながら1円も存在しません。
将来、会社の利益が蓄積されたり、財産が値上がりしたりしたときには、今回の「38%の値引きルール」が非常に重要になってきますが、現時点の自社株評価においては、改正の影響を受けることなく、出資した金額(資本金の額)がそのまま株価のベースとなりました。

【№5 手順】

中小企業の社長や個人事業主の方が、今回のルールに合わせて実務をどのように進めればよいか、具体的な手順をステップ形式で解説します。

■ STEP①:自社の直近の「決算書」と「科目内訳書」を用意する
自社株の評価額を計算するためのスタートラインとして、直近の確定申告で税務署に提出した「決算書(貸借対照表・損益計算書)」と、各勘定科目の詳細が書かれた「勘定科目内訳明細書」のコピーをすべて手元に準備します。

特に、土地、建物、有価証券(投資信託や他社株)、出資金など、買った当時から価値が大きく変わっていそうな資産の項目をマーカーなどでチェックし、時価を調べるための基礎データを整理しておくことが最初の重要なステップです。

■ STEP②:保有している「すべての資産」の時価(相続税評価額)を調べる
決算書に載っている資産の金額(帳簿価格)とは別に、それぞれの財産を国税庁のルール(財産評価基本通達)に従って「今の価値(相続税評価額)」に直す作業を行います。

土地であれば「路線価(ろせんか=国税庁が定めた道路ごとの土地の平米単価)」を調べて面積を掛け算し、建物であれば最新の「固定資産税評価額」を確認します。上場株式などを持っている場合は、亡くなった月やその前数ヶ月の「最終価格の平均値」などを使い、すべての資産の時価の合計額を正確に算出します。

■ STEP③:引き算して「評価差額(含み益)」を算出する
STEP②で算出した「資産の時価合計」から、決算書に載っている「負債の合計(借入金や買掛金など)」を差し引いて、時価ベースの正味の財産(相続税評価額による純資産価額)を求めます。

ここから、決算書の右下に書かれている帳簿上の正味の財産(帳簿価額による純資産価額)を引き算します。この「時価の純資産 - 帳簿の純資産」の計算で残ったプラスの金額こそが、今回の改正の対象となる「評価差額(含み益)」の正体となります。

■ STEP④:評価差額に、新しい割合「38%」を掛け算する
STEP③で計算された「評価差額(含み益)」の金額に対して、令和8年4月1日からの新ルールである「38%(およそ38パーセント)」の割合を掛け算します。

ここで出てきた金額が、将来会社をたたんだときにかかるであろう税金の見込額(評価差額に対する法人税額等に相当する金額)となります。この金額を、時価ベースの正味の財産から丸ごと差し引くことで、税金の心配を考慮した「本当の会社の価値(純資産価額)」が完成します。

■ STEP⑤:新しい「計算明細書(第5表)」に記入して保管・提出する
計算した内容を、税務署の公式なフォーマットである「第5表 1株当たりの純資産価額の計算明細書」に正しく記入していきます。

令和8年6月頃に国税庁から新しい様式がダウンロードできるようになりますので、それ以降に相続税の申告や贈与税の申告を行う場合は、必ずその新しい用紙を使って、控除割合の欄に「38%」と記載されていることを確認して提出します。静岡のクラウド会計導入などを進めている場合は、会計ソフトのアップデートを適用してから印刷を行うとスムーズです。

【№6 FAQ】

多くの社長や個人事業主の方から寄せられる、今回の改正に関する疑問について、10個のQ&A形式でお答えします。

■ Q1. 有限会社や小規模な会社でも一律に関係してくるのでしょうか?
A1. はい、会社の規模(大会社・中会社・小会社)や、株式会社・有限会社といった法人の種類の違いに関わらず、自社株の評価で「純資産価額方式」という計算方法を使うすべての会社に関係します。中小企業の自社株評価では、多くのケースでこの純資産価額方式が一部または全部に組み込まれて計算されるため、保有している土地や建物に含み益がある会社であれば、浜松市内の家族経営の小さな会社であっても例外なく今回の38%の新しい割合が適用されることになります。

■ Q2. 納めるべき相続税や贈与税の金額は、高くなるのでしょうか、それとも安くなるのでしょうか?
A2. 結論から申し上げますと、今回の改正は自社株の評価額を「下げる(安くする)」方向に働きます。この制度は、会社の含み益(値上がり益)から、将来かかるはずの税金分をあらかじめ「値引き」してくれる仕組みだからです。値引きできる割合が37%から38%へと1パーセント(約1%)増えたことになるため、会社の財産の評価額がその分だけ低くなり、結果として自社株を引き継ぐ際にかかる相続税や贈与税の負担も軽くなるメリットがあります。

■ Q3. 改正の原因になったという「防衛特別法人税」とは、そもそもどのような税金なのですか?
A3. 防衛特別法人税とは、令和7年度の税制改正で創設され、令和8年4月1日以降に開始する事業年度から法人に課される新しい税金です。これは国の防衛費を賄うための財源として作られたもので、本来支払うべき「法人税額」に対して一定の税率を上乗せして計算されます。ただし、すべての会社に重い負担がいくわけではなく、年間の法人税額から一定の金額(基礎控除額など)を差し引いた残りに課税される仕組みになっています。静岡市内で事業承継を進める際にも、この税金ができたことで法人税全体のトータルレートが上がったため、今回の財産評価の引上げに繋がりました。

■ Q4. 「類似業種比準方式」で評価する場合でも、今回の38%への改正は影響しますか?
A4. いいえ、純粋に「類似業種比準方式」だけで自社株を評価するパート(部分)については、今回の38%の改正は直接影響しません。類似業種比準方式とは、自社と似たような業種の上場企業の株価や配当、利益、純資産(帳簿価格)をベースに、数式を使って機械的に株価を決める方法だからです。ただし、中小企業の多く(特に中会社や小会社)は、類似業種比準方式と純資産価額方式を「50%ずつ」や「80%と20%」のように混ぜて(併用して)計算するルールになっています。そのため、混ぜて計算する際の純資産価額の部分を通じて、間接的に株価へ影響を及ぼすことになります。

■ Q5. 令和8年3月に相続が発生し、申告書を出すのが令和8年10月になる場合はどちらの割合ですか?
A5. 亡くなられた日(相続開始日)が基準となりますので、古いルールの「37%」を使って計算をしなければなりません。税務署に書類を提出した日や、遺産分割協議がまとまった日、会計ソフトで計算ボタンを押した日などは一切関係ありません。令和8年3月中に発生した相続はすべて37%、令和8年4月1日以降に発生した相続や、実際に株をプレゼントした贈与については新しい「38%」を適用する、という明確な日付の区切りを間違えないように注意してください。

■ Q6. 「防衛特別法人税の基礎控除額は評価の簡便性を考慮して加味しない」とはどういう意味ですか?
A6. 実際の防衛特別法人税の計算では、中小企業の税負担がいきなり重くならないように、税金が免除されたり安くなったりする「基礎控除額(一定の非課税枠のようなもの)」が用意されています。しかし、自社株の評価を行う際に、会社ごとにその非課税枠を細かく計算して控除割合をバラバラに算出するとなると、実務が非常に複雑になってしまいます。そのため国税庁は、「細かな非課税枠のことは無視して、一律でスッキリ38%というキリの良い数字で計算して良いですよ」という、実務を簡単にするための割り切ったルール(簡便性の考慮)にしました。

■ Q7. 資産を調べたら評価差額が「マイナス(含み損)」になってしまいました。この場合も38%を掛けますか?
A7. いいえ、評価差額(時価の合計 - 帳簿価格の合計)がマイナス(含み損)になってしまう場合は、38%の掛け算をする必要はありません。この制度は、あくまで資産が値上がりしていて「将来会社を解散したときにプラスの儲け(利益)が出て、そこに法人税がかかる」という場面を想定して、その税金分を先引きするルールだからです。最初から財産の価値が目減りしていて、売っても利益が出ない(税金がかからない)状態のときは、差し引く税金相当額も「ゼロ」として処理することになります。

■ Q8. 令和8年6月の新様式が公表される前の4月や5月に贈与の手続きをする場合はどうすればよいですか?
A8. 令和8年4月1日以降の取引であれば、新しい用紙の公表前であっても、法律上はすでに「38%」の新しいルールがスタートしています。実務上の対応としては、現在手に入る古い様式(37%と印刷されている用紙)の「37%」というテキストの部分を二重線で消して「38%」と手書きで修正し、電卓やエクセル等で38%の計算を行った数値を記入して提出すれば、税務署で問題なく受理されます。また、静岡のクラウド会計導入などのシステムを利用している場合は、システムアップデートを適用することで自動的に切り替えることも可能です。

■ Q9. 個人事業主から法人化(会社設立)をしました。営業権(のれん)に対しても38%の控除は使えますか?
A9. はい、使えます。純資産価額方式で時価を計算する際、会社の過去の利益水準が高い場合には、土地や建物といった目に見える財産だけでなく、これまでの実績や信用といった目に見えない価値(営業権・のれん)を「超過収益力」として資産の部にプラスして時価評価する法律の決まりがあります。この営業権は帳簿上には載っていない資産であるため、評価した金額がそのまま丸ごと「評価差額(含み益)」になります。したがって、営業権として計上した金額に対しても、しっかりと38%の割合を掛けて税金分を差し引くことができます。

■ Q10. 将来、別の法人税改正や増税が起きた場合は、またこの控除割合も変わってしまうのでしょうか?
A10. はい、将来の法律改正によって法人税率や事業税、住民税などの総合的な税率(実効税率)が大きく変わった場合には、国税庁のこの控除割合も再び見直される可能性が非常に高いです。過去の歴史を振り返っても、日本の法人税率が引き下げられてきた時期には、この控除割合も段階的に引き下げられてきた経緯があります。今回は増税に伴う引き上げですが、常に日本の税率の動きと連動しているため、将来の事業承継計画を立てる際も、定期的に最新の通達をチェックしておく必要があります。

【№7 まとめ】

ここまで、令和8年度の税制改正における非上場株式の評価(純資産価額方式)の見直しと、国税庁から発表された最新の財産評価基本通達の改正内容について詳しく見てきました。

今回の法改正は、新しく創設された「防衛特別法人税」という増税のニュースに合わせて、自社株を評価する際のマイナス(値引き)枠を売上の計算のように1パーセント(およそ1%)増やし、一律で「38%」へと引き上げてくれるという、中小企業の経営者さまにとっては自社株の評価額を下げる追い風となる嬉しい変更点です。

■ 制度を正しく活用するための注意点

しかし、この改正による株価の引き下げメリットを最大限に活かし、無駄のない安全な事業承継を進めるためには、国税庁が示した「令和8年4月1日以降の相続・贈与から適用」という日付のルールや、会社の資産構成(土地や有価証券の含み益の有無)による影響の違いを事前にしっかりと把握しておく必要があります。

また、会社の財産の状態によっては、純資産価額方式の割合が変わるのを待つよりも、従来の類似業種比準方式の数値を上手にコントロールしたり、国が用意している別の制度(事業承継税制などの納税猶予ルール)を最初から申請しておいた方が、将来の税金負担をゼロにできて、さらに圧倒的に大きなメリットを享受できるケースもあります。

税金のルールが変わるということは、これまでの「当たり前だと思っていた知識」のままでは、気づかないうちにタイミングを逃して損をしてしまう可能性があるということです。
特に、静岡の顧問税理士や浜松の補助金サポート、クラウド会計導入を必要とする中小企業の社長さまや個人事業主の皆さまにおいては、これらの財産評価の最新の動きをいち早くキャッチし、自社にとって最もお金と財産が残る賢い引き継ぎ方法を選択していくことが、これからの時代を生き抜く会社の安定と持続的な成長に直接繋がります。

★重要:知らないと損するポイント
新しく始まった38%の評価ルールは、令和8年4月1日より後の相続や生前贈与に自動的に適用され、事前の申請書類などは不要です。
しかし、会社の中に含み益のある財産(昔買った土地など)がどれだけあるかによって、株価が大きく下がる会社と、全く恩恵を受けられない会社に二分されます。
自分の会社の本当の時価のバランスを一度しっかり計算し直して、一番損をしない事業承継のタイミングをあらかじめシミュレーションしておきましょう。

【№8 出典】

今回の記事を作成するにあたり、以下の信頼できる一次情報および公式な専門資料を参照・確認いたしました。

出典:『税務通信』第3895号(2026年04月06日)「国税庁 財産評価基本通達の法人税等相当額の控除割合を改正」「国税庁 法人税等相当額の控除割合を38%に改正」税務研究会

参考:国税庁「財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達)」(令和8年3月25日課評2-28等)(参照日:2026-06-08)

参考:e-Gov法令検索「相続税法第22条(評価の原則)」(参照日:2026-06-08)

参考:e-Gov法令検索「平成28年法律第85号・附則(財産評価基本通達の参酌規定)」(参照日:2026-06-08)

【№9 該当条文の説明】

今回の非上場株式の評価に関する法人税等相当額の控除割合の改正について、根拠となる法令や改定された通達の具体的な内容を解説します。

【財産評価基本通達186-2(評価差額に対する法人税額等に相当する金額)】

背景と改正経緯

令和7年度税制改正により「防衛特別法人税」が新設されました。

これに伴い、日本の法人税率等の合計割合が変動したため、実務上の評価バランスを整合させる目的で見直されました。

条文の内容解説

非上場株式を純資産価額方式で計算する際、資産の時価から帳簿価格を引いた「評価差額(含み益)」から差し引ける割合が、従来の「37%」から「38%」へと引き上げられました。

適用は令和8年4月1日以後の相続・贈与からとなります。

防衛特別法人税の算定で用いる基礎控除額については、評価の簡便性を最優先するために考慮の対象外(一律38%で固定)とすることが明文化されました。

【相続税法第22条(評価の原則)】
背景と改正経緯

相続税や贈与税を計算する際の財産の価値は、「時価によって評価する」という大原則(時価主義)が法律で定められています。

今回の通達改正も、この法律の理念を正しく実行するために行われました。

条文の内容解説

相続、遺贈又は贈与により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における「時価」によることが規定されています。

この時価を中小企業の非上場株式において適正に具現化するための具体的な計算プロセスとして、財産評価基本通達に合理的な評価手法(38%控除など)が法律の委任を受けて整備されています。

【結論(重要ポイントまとめ)】
① 令和8年4月1日以後の相続・贈与から、自社株(非上場株式)を純資産価額方式で評価する際の値引き割合が「38%」へと引き上げられました。

② 防衛特別法人税の新設に伴う法人税全体の負担率の変更に合わせた改正であり、含み益のある資産を持つ会社は、自社株の評価額がこれまでより少し下がるメリットを受けられます。

③ 税務署へ提出する「第5表」などの計算用紙は令和8年6月頃に新しい様式へ改訂される予定ですが、4月・5月の取引であっても新しい38%のルールを正しく適用して試算を進める必要があります。

読者の皆さまが次にすべき行動は、まず自社の「最新の決算書を用いた、含み益(土地や有価証券の評価差額)の正確な把握」と、「新しい38%の割合を反映させた、最新の自社株評価額の再シミュレーション」です。実務の具体的な株価計算や事業承継の時期の判定で迷ったときは、独断で処理をせず、すぐに地元の信頼できる専門家へ相談しましょう。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!

※当事務所はDXを経営に活かすことを推進しており、当ブログはAIを活用して生成しています。実際の税制や政策、判例、事件、事象を元に作成していますが、正確な内容や最新の情報とは異なる場合がありますことをご了承くださいませ。

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