令和8年度税制改正法が年度内成立・4月1日施行に伴う中小企業の実務対策
2026年6月26日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「令和8年度税制改正法が年度内成立・4月1日施行に伴う中小企業の実務対策」をお伝えさせていただきます!
近年、日本のビジネス環境はめまぐるしく変化しています。
特に法律や税金のルールは、毎年少しずつ変わっているのをご存じでしょうか。
「税制改正」という言葉を聞くと、何だか難しそうだと身構えてしまう社長も多いかもしれません。
しかし、税金の変更を知らないままでいると、損をしてしまうリスクがあります。
逆に、新しいルールを味方にできれば、会社に大きなお金を残すことも可能です。
特に今回の令和8年度税制改正は、会社の毎月の経理や、従業員への手当、設備投資に直結する内容が多く含まれています。
静岡や浜松の地域で頑張る中小企業の皆さまに、どこよりも優しく解説します。
難しい専門用語をできるだけ使わず、新入社員でも理解できる言葉で説明していきます。
ぜひ最後までお読みいただき、これからの会社経営にお役立てください。
【この記事で得られること】
この記事を読めば、令和8年度の税制改正における最も重要なポイントが分かります。
マイカー通勤の手当、グループ会社間の取引、設備投資の減税特例の変更点が明確になります。
静岡・浜松の企業が今すぐ取り組むべき具体的なステップが理解でき、実務の迷いが消えます。
【№2 結論】
まず、今回の税制改正で最もお伝えしたい結論からお伝えします。
令和8年度の税制改正法は、令和8年3月31日に国会で可決されて成立しました。
そして、原則として令和8年4月1日から新しいルールがスタートしています。
今回の改正の目玉は、大きく分けて以下の4点に集約されます。
第1に、マイカー通勤をしている従業員の「通勤手当の非課税枠」が大きく広がりました。
遠くから車で通う人の税金負担が軽くなり、さらに有料駐車場を使う場合の加算措置も新設されています。
第2に、親子会社などの「グループ企業間の取引」について、書類の保存ルールが厳しくなりました。
契約書に具体的な金額の計算方法が書いていない場合、別紙で証明書を作る義務があります。
第3に、中小企業がよく使う「少額減価償却資産の特例」の基準が引き上げられました。
これまで30万円未満だった基準が、40万円未満へと変更になっています。
ただし、対象となる会社の規模(従業員数)が少し縮小された点には注意が必要です。
第4に、消費税における「暗号資産の取引」や「輸出に似た取引」の計算方法が見直されました。
これにより、一部の取引で消費税の計算が今までと変わることになります。
会社経営を守るためには、これらの変更に合わせて社内の経理ルールをアップデートする必要があります。
特に静岡のクラウド会計導入や浜松の会社設立支援などを検討中の企業さまにとっては、最初からこの新しいルールを想定して動くことが重要になります。
【№3 やさしい解説】
それでは、各改正項目について、分かりやすく簡潔に解説していきましょう。
マイカー通勤手当の非課税枠の引上げ
車で通勤する従業員の通勤手当について、税金がかからない「非課税の上限」が引き上げられました。
特に片道65キロメートル以上の遠距離を通う人の上限額が大幅にアップしています。
さらに、勤務先の周辺で有料駐車場を借りる場合、毎月の駐車場代を月額最大5,000円まで非課税枠に上乗せできるようになりました。
一言まとめ:遠くから車で通勤するスタッフの税負担が軽くなり、駐車場代も一部非課税にできます。
企業グループ間取引の書類保存特例
親子会社など、50%以上の資本関係があるグループ企業間でのビジネス取引に関する新しい保存ルールです。
これからは、特許(工業所有権)の貸付けや、経営指導(役務の提供)などのやり取りを行う際、契約書等に「対価の計算根拠」が明確に書かれていない場合、その金額の計算方法を詳しく記載した別紙(特定事項記載書類)を作成し、保存する義務があります。
一言まとめ:親子会社間のやり取りは、金額の計算理由を詳しく書いた書類を残す必要があります。
中小企業の少額減価償却資産の特例
中小企業がパソコンや機械などの備品を購入した際、一発でその年の経費(損金)にできる金額の基準が「30万円未満」から「40万円未満」へと引き上げられました。
これにより、35万円の高機能パソコンなども買った年に全額経費に落とせるようになります。
ただし、この特例を使える会社の条件が、従来の「従業員500人以下」から「従業員400人以下」に縮小されたため注意が必要です。
一言まとめ:40万円未満の機材なら一発で経費にできますが、使える会社の上限従業員数が400人に減りました。
消費税の暗号資産と輸出類似取引の見直し
ビットコインなどの暗号資産を売却した取引自体は消費税が非課税ですが、会社全体の消費税を計算する際、売却額の5%相当を計算式(非課税売上)に算入することになりました。
また、海外企業に対して行う国内不動産の売買仲介(代理・媒介)などの取引が「輸出免税」の対象から除外され、今後はしっかり消費税がかかるようになります。
一言まとめ:暗号資産の大きな取引がある会社や、海外向け国内不動産仲介を行う会社は、消費税負担が増える可能性があります。
【№4 具体例】
イメージをより具体的にするため、静岡や浜松に実在しそうな中小企業の場面を想定した10個の具体例を見ていきましょう。
① 浜松市から静岡市へ片道70キロメートルを通勤する社員のケース
浜松市の自宅から静岡市の本社まで自家用車で通勤している営業部長がいます。これまでのルールでは、片道65キロメートル以上の非課税限度額は毎月45,700円が上限でした。会社がガソリン代として毎月60,000円を支給していた場合、上限を超えた14,300円分にお給料の所得税がかかっていましたが、令和8年4月以降は非課税上限が毎月66,400円に引き上げられたため、支給されている60,000円の全額に税金がかからなくなりました。
② 駅前の月極駐車場を利用してマイカー通勤をする社員のケース
静岡市内のオフィスに通う社員が、オフィスの敷地内に駐車場がないため、駅前の月極駐車場を毎月15,000円で個人契約して車を停めています。今までは距離に応じた通勤手当しか非課税になりませんでしたが、新ルールでは一定要件を満たした周辺駐車場であれば、距離の非課税枠に最大5,000円を上乗せして非課税にできるようになりました。
③ 親会社が子会社にデザインのノウハウを教えるケース
静岡市にある家具製造の親会社が、浜松市にある販売子会社に対して、店舗デザインの指導を行いました。これまでは「指導料として毎月50万円を支払う」という簡単な契約書だけで取引をしていましたが、令和8年4月以降の事業年度からは、なぜ50万円になったのかという計算方法を詳しく書いた書類を別紙として作成し、保存しなければならなくなりました。
④ 子会社が親会社の特許を使って製品を作っているケース
浜松市の自動車部品メーカー(親会社)が、静岡市にある下請けの子会社に対して製造特許の使用を許可しました。このグループ間取引において、特許の貸付けに係る対価の額の設定方法や、その特許がどのような機能を果たしているのかの明細を、省令で定められた形式に従って書類にまとめ、会社に保管しておく義務が発生しました。
⑤ 新しい高性能な業務用パソコンを35万円で購入したケース
静岡市でホームページ制作を営む中小企業が、デザイナー用に1台35万円(税抜)のハイスペックパソコンを購入しました。改正前であれば固定資産に計上して数年間にわたり減価償却をする必要がありましたが、令和8年4月以降に取得したものであれば、新しい少額減価償却資産の特例(40万円未満)が適用されるため、買ったその年の経費として35万円を一発で全額損金に落とすことができます。
⑥ 38万円の特殊な旋盤工具を工場に導入したケース
浜松市にある金属加工工場が、製造ラインのために1個38万円の工具・器具備品を購入しました。中小企業投資促進税制という税金の優遇制度を使おうと考えましたが、今回の改正で工具や器具備品の対象最低金額が「30万円以上」から「40万円以上」に引き上げられてしまったため、この38万円の工具は投資促進税制の対象からは外れてしまうことになります。
⑦ 従業員数が450人の製造業のケース
静岡市に本社を置く部品製造会社は、常時使用する従業員数が450人になりました。これまでは「従業員500人以下」の基準を満たしていたため、30万円未満のパソコンなどを何台買っても少額特例ですべて一発経費にできていましたが、今回の改正で対象事業者の条件が「従業員400人以下」に縮小されたため、今後この少額特例自体が一切使えなくなってしまいました。
⑧ 会社の資産として保有していたビットコインを売却したケース
浜松市のITベンチャー企業が、過去に会社の資金で購入し保有していた暗号資産(ビットコイン)を売却し、1,000万円の対価を得ました。この取引自体に消費税はかかりませんが、決算の際に行う消費税の「課税売上割合」の計算において、売却額1,000万円の5%にあたる50万円を非課税売上の金額の欄に算入して計算しなければならなくなりました。
⑨ 海外の投資家向けに、静岡市内の商業ビル売買の仲介をしたケース
静岡市の不動産会社が、アメリカの投資会社(非居住者)からの依頼を受けて、静岡駅前にある商業ビルの売買契約を仲介しました。これまでは海外の会社に対するサービス提供(輸出類似取引)として扱われ消費税は免税されていましたが、国内にある不動産の売買仲介は免税から除外されたため、10%の消費税を上乗せして国に納める必要があります。
⑩ 防衛特別所得税のスタートに向けて給与計算を見直すケース
浜松市の中小企業で働く総務担当者が、令和9年1月から新しく始まる「防衛特別所得税」の準備をしています。令和8年度税制改正により、その具体的な申告方法や年末調整の手続きの細部が政令で決定されたため、年末までに給与計算ソフトのシステムアップデートを行い、新しい源泉徴収の税率に対応できるよう準備を進めています。
【№5 手順】
中小企業の社長や経理担当者が、今回の税制改正に合わせて実務をどのように進めればよいか、具体的な手順をステップ形式で解説します。
STEP①:マイカー通勤者の通勤距離と駐車場の確認
車を使って通勤している従業員のリストを作成し、それぞれの片道の通勤距離を正確に測り直して「片道65キロメートル以上」に該当する遠距離通勤者がいないかチェックします。また、従業員が利用している周辺駐車場の位置を確認し、要件を満たしている場合は通勤手当規程を見直し、新しい非課税限度額に合わせた支給ルールに変更します。
STEP②:自社の「常時使用する従業員数」のカウント
自社の従業員数が現在何人であるかを正確に把握します。これには正社員だけでなく、定期的に勤務しているパートやアルバイトの人数も含まれます。カウントした結果が「400人以下」であるか「401人以上」であるかによって、今年度から「少額減価償却資産の特例(40万円未満の一発経費)」が使えるかどうかが分かれます。
STEP③:グループ会社間取引の洗い出しと書類作成
親会社や子会社がある場合は、それらの会社との間で行っているすべての取引(商品の売買、経営指導、特許の使用など)をリストアップし、お互いに50%以上の株式を保有している「関連者」に該当するかを判定します。該当する場合は契約書を確認し、対価の計算根拠が不足していれば省令に準拠した書類を新たに作成して保存します。
STEP④:購入予定の設備投資の金額チェック
今年度、新しくパソコンや機械、工具などを購入する計画がある場合、その「1個あたりの取得価額」を事前に確認します。金額が「30万円以上40万円未満」のゾーンにある製品は扱いが変わるため、一発で経費にしたい場合は少額減価償却の特例を利用し、他の優遇税制を使いたい場合は取得価額が40万円以上に達しているかを精査します。
STEP⑤:消費税の特殊取引の確認とシステム設定
自社で暗号資産の売買を行っている場合や、海外の顧客に対して国内不動産の仲介などの取引を行っている場合は、消費税の区分設定を見直します。会計ソフトや販売管理ソフトの税区分設定において、これらの取引が正しく「新しい消費税の計算ルール」に連動するよう、システムの設定変更やマスタ更新を行います。
【№6 FAQ】
多くの社長から寄せられる、令和8年度税制改正に関する疑問について、10個のQ&A形式でお答えします。
Q1.静岡市内で従業員10人の小さな会社を経営しています。今回の改正で何かすぐに変えなければいけないことはありますか?
A1.従業員数が少ない会社さまであっても、車通勤のスタッフがいる場合は通勤手当の非課税枠のチェックが必要です。また、35万円前後のパソコンなどを買ったときに、一発で経費に落とせるメリット(少額減価償却資産の特例)が受けられますので、経理担当者や税理士と購入時の処理について話をしておくと良いでしょう。
Q2.マイカー通勤の駐車場代加算(最大5,000円)は、自宅近くの駐車場を借りている場合でも対象になりますか?
A2.対象になりません。今回の省令で定められた要件では、駐車場は「勤務する場所の周辺」または「通勤のために利用する交通機関の駅や停留所の周辺」にある必要があります。自宅の近くに停めるための駐車場代は、通勤のための費用とは認められないため、非課税の加算対象にはなりません。
Q3.グループ企業間取引の書類保存について、電子メールでやり取りしたデータも紙で印刷して保存する必要がありますか?
A3.いいえ、紙に印刷する必要はありません。むしろ、電子取引(メールやクラウド上でのやり取り)で取得した情報については、電子帳簿保存法のルールに従って、データのまま適切な方法で保存することが求められます。今回の省令でも、電子取引に該当する場合はその特例の保存規定に従うこととされています。
Q4.浜松市内でパートタイマーを多く雇用しています。少額減価償却資産の特例の条件である「従業員数400人以下」のカウントに、パートやアルバイトも含めますか?
A4.はい、原則として「常時使用する従業員」には、雇用形態に関わらず定期的に勤務しているパートやアルバイトの方も含まれます。会社全体の労働実態に合わせてカウントする必要があるため、人数が400人に近い場合は、独自の判断をせず浜松の顧問税理士などの専門家に正確な人数判定を依頼してください。
Q5.会社の資金でビットコインを10万円分だけ売却しました。少額であっても消費税の課税売上割合の計算に影響しますか?
A5.はい、金額の多少に関わらず、暗号資産の譲渡を行った場合は、その対価の額の5%に相当する金額を課税売上割合の計算式(非課税売上高)に算入する必要があります。小さな金額であれば全体の割合に対する影響はわずかですが、計算の手順としては必ず含める必要があります。
Q6.海外の会社に日本国内の特許権をライセンス提供する場合、今回の消費税の改正(輸出類似取引の除外)に関係しますか?
A6.はい、関係します。今回の改正により、鉱業権や特許権などの一定の無形固定資産の譲渡・貸付けについて、非居住者(海外企業)に対して行うものであっても、輸出免税の対象から除外される類型が設けられました。具体的な権利の所在地の判定などが必要になりますので、事前に取引内容を精査する必要があります。
Q7.防衛特別所得税は、令和8年度のいま現在のお給料から天引きを始める必要がありますか?
A7.いいえ、まだ天引きを始める必要はありません。防衛特別所得税の適用がスタートするのは「令和9年1月1日」からとなります。今回の令和8年度税制改正では、そのスタートに向けた具体的な計算方法や年末調整の手続きといった「事前の細目ルール」が国から発表されたという段階です。実際の運用は来年からになります。
Q8.中小企業投資促進税制を使って、35万円のソフトウェアを購入しようと考えています。今回の改正で何か影響はありますか?
A8.今回の改正で工具や器具備品の最低金額が40万円以上に引き上げられましたが、ソフトウェアについては各制度の対象資産の要件を個別に確認する必要があります。中小企業投資促進税制におけるソフトウェアの基準(一般的に1台70万円以上など、種類による)自体に変更がないか、購入前に最新の対象表を確認してください。
Q9.静岡や浜松の地域密着で会社設立を予定しています。設立1期目の会社でも、今回の40万円未満の一発経費特例(少額減価償却資産)は使えますか?
A9.はい、新しく設立された会社であっても、中小企業者等の要件(資本金1億円以下、従業員400人以下など)を満たしており、青色申告の承認を受けていれば、1期目からこの40万円未満の一発経費特例を利用することができます。浜松の会社設立支援などを利用する際は、青色申告の届出もセットで行うようにしてください。
Q10.地方税のひとり親控除の要件が「子の前年の総所得金額等62万円以下」に引き上げられたとのことですが、これは会社の住民税の天引き(特別徴収)にいつから影響しますか?
A10.この改正は「令和9年度以後」の住民税から適用されます。そのため、会社の実務(給与からの住民税天引き額の変更など)に影響が出てくるのは、令和9年の6月以降に役所から届く住民税の決定通知書からとなります。令和8年度の現在の給与計算にはすぐには影響しません。
【№7 まとめ】
ここまで、令和8年度税制改正の重要ポイントを詳しく見てきました。
今回の税制改正は、マイカー通勤手当の拡充のように従業員にとってプラスになる嬉しい見直しがある一方で、グループ間取引の書類保存義務の強化や、少額減価償却資産の特例が使える会社規模(従業員数400人以下)の縮小など、企業側にとっては実務の手間や注意が増える内容も多く含まれています。
税金のルールが変わるということは、これまでの「当たり前」の経理処理では通用しなくなる可能性があるということです。
特に、静岡の顧問税理士や浜松の補助金サポートを必要とする中小企業の皆さまにおいては、これらの税制改正の動きをいち早く察知し、会社の味方に変えていくことが経営の安定に繋がります。
★重要:知らないと損するポイント
今回の改正で、30万円以上40万円未満の資産が一発で経費に落とせるようになったのは大きなチャンスです。
しかし、自社の従業員数が400人を超えていないか、また青色申告を正しく維持できているかという前提条件が崩れていると、せっかくの減税特例も使えなくなってしまいます。
必ず社内の現状を確認し、次のステップへ進みましょう。
【№8 出典】
今回の記事を作成するにあたり、以下の信頼できる一次情報および専門資料を参照・確認いたしました。
出典:『税務通信』第3895号(2026年04月06日)「国税及び地方税の令和8年度税制改正法が年度内成立・4月1日施行」税務研究会
参考:国税庁タックスアンサー「No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当」(参照日:2026-06-05)
参考:e-Gov法令検索「所得税法施行規則・第二条の二」(参照日:2026-06-05)
参考:e-Gov法令検索「法人税法施行規則・第五十九条の二」(参照日:2026-06-05)
参考:e-Gov法令検索「租税特別措置法施行令・第三十九条の二十八」(参照日:2026-06-05)
【№9 該当条文の説明】
今回の改正に関する根拠法律および政省令の具体的な中身と、その改正の背景について詳しく解説します。
所得税法施行規則 第2条の2(非課税とされる通勤手当に係る駐車場等の要件等)
【背景と改正経緯】
地方都市(静岡市や浜松市など)においては、公共交通機関だけでなく自家用車を使って通勤することが一般的です。これまでは車通勤のガソリン代相当額のみが非課税の対象とされていましたが、都市部の駅周辺やスペースの限られたオフィス周辺では、従業員が自ら有料駐車場を確保しなければならないケースが増加していました。このような実態に即し、実質的な通勤コストの負担を軽減するため、令和8年度改正において駐車場料金の加算措置が新設されました。
【条文の内容解説】
新設された本条項では、非課税となる通勤手当に駐車場料金を含めるための「駐車場等の要件」が具体的に規定されました。具体的には、駐車施設が「勤務する場所の周辺」にあること、または「通勤のために利用する公共交通機関の駅などの周辺」にあることが条件付けられています。これにより、自宅近くの駐車場や通勤ルートから外れた場所にある駐車場は除外され、真に通勤に必要な駐車場利用に限定して、月額5,000円を上限とする非課税枠の加算が認められることとなりました。
法人税法施行規則 第59条の2(関連者間取引に係る書類の整理保存の特例)
【背景と改正経緯】
大企業だけでなく、中小企業においても複数の法人を設立してグループ経営を行う事例が増えています。グループ間での取引は、利益の移転や税金のコントロールに利用されやすい性質を持つため、税務当局としては取引の透明性を確保したいという狙いがあります。国際的な移転価格税制の考え方を国内のグループ間取引にも応用する形で、令和8年度にこの書類保存の特例義務が新設されました。
【条文の内容解説】
本条では、一方の法人が他方の法人の発行済株式等の50%以上を直接または間接に保有する関係(関連者)にある場合、その関連者間で行われる特定の取引について、対価の額の算定に必要な事項(特定事項)を明らかにする書類を取得・作成し、保存することを義務付けています。対象となる取引には、工業所有権(特許など)の譲渡や貸付け、また研究開発・広告宣伝・経営管理などの役務の提供(サービスの提供)が含まれます。これらの取引を行う青色申告法人は、金額の明細だけでなく、その対価がどのような計算方法で決定されたのかという根拠を記載した書類を整理し、事業年度の帳簿と共に保存しなければなりません。ただし、これらのやり取りを電子取引で行った場合は、電子帳簿保存法の規定が優先され、本条の直接の書類保存義務からは除外される旨も併せて規定されています。
租税特別措置法施行令 第39条の28(中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例)
【背景と改正経緯】
中小企業の生産性向上やIT化(クラウド会計の導入など)を強力に後押しするため、30万円未満の資産を即時経費にできる特例は長く維持されてきました。しかし、近年の物価上昇や機材の高機能化に伴い、ビジネスに必要なパソコンやソフトウェア、機械の購入単価が上昇している現実があります。これに対応するため、一発経費にできる金額の基準が40万円未満へと引き上げられました。一方で、財政規律や真に支援が必要な中小企業へ原資を集中させる観点から、特例の対象となる事業者の規模要件が見直され、従業員数の上限が引き下げられることとなりました。
【条文の内容解説】
本施行令の改正により、中小企業者等が取得した少額減価償却資産の損金算入特例の金額基準が「30万円未満」から「40万円未満」へと改められました。令和8年4月1日以後に取得、製作、または建設をした資産についてこの新しい基準が適用されます。しかし、この特例の適用を受けられる事業者の要件として、従来の「常時使用する従業員の数が500人以下」という規定が、「400人以下」へと変更されました。これにより、従業員数が401人から500人の間に位置する中堅規模の事業者については、令和8年4月1日以降に取得する資産について、この40万円未満の即時損金算入特例を利用することができなくなり、通常の減価償却手続きを行うか、他の税制措置を検討する必要が生じています。
【結論(重要ポイントまとめ)】
1. マイカー通勤手当の非課税枠が拡大され、要件を満たす周辺駐車場代の月額最大5,000円加算が新設されました。
2. 50%以上の資本関係があるグループ会社間の取引では、金額の計算根拠を記した書類の作成・保存が義務化されました。
3. 40万円未満の資産を一発経費にできる特例がスタートしましたが、対象となる会社規模は「従業員400人以下」に縮小されました。
読者の皆さまが次にすべきことは、まず自社の「車通勤者の距離・駐車場確認」と「従業員数の正確なカウント」です。迷ったときはすぐに専門家へ相談しましょう。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
※当事務所はDXを経営に活かすことを推進しており、当ブログはAIを活用して生成しています。実際の税制や政策、判例、事件、事象を元に作成していますが、正確な内容や最新の情報とは異なる場合がありますことをご了承くださいませ。
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