改正法規で創設された関連者間取引の書類保存特例の全体像
2026年6月28日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「改正法規で創設された関連者間取引の書類保存特例の全体像」をお伝えさせていただきます!
■ 親会社や関連グループ企業との間で、このようなケースはありませんか?
静岡市や浜松市などの地域でも、ビジネスの拡大に伴ってグループ企業を設立したり、親会社から技術的なサポートや経営指導を受けたりする中小企業さまが増えています。
「身内のグループ企業間での取引だから、契約書は簡単なもので済ませている」
「毎月の経営指導料の計算根拠は、口頭の約束だけで、書類には細かく残していない」
このような運用を行っているケースは非常に多いのではないでしょうか。
しかし、令和8年度の税制改正によって、こうしたグループ間取引に対する税務署のチェックが、これまでにないほど厳格化されることになりました。
新しいルールに対応しないまま放置していると、最悪の場合、中小企業にとって命取りとなる「青色申告の承認取消」という非常に重いペナルティを科されるリスクが生じます。
■ 身内同士の取引だからこそ狙われる税務調査の落とし穴
「グループ内の取引だし、お互いに納得してお金を払っているのだから問題ないだろう」
そのようにお感じになる経営者さまは非常に多いですし、これまではある程度、大目にみられていた側面もありました。
しかし、ここに税務上の非常に恐ろしい落とし穴が新しく掘られたのです。
実は、令和8年4月1日以後に開始する事業年度から、親会社などの「関連者」から受ける一定の取引について、契約書や領収書に必要事項が欠けている場合、その足りない情報を補うための「特別な書類」を自ら作成または取得して、7年間保存することが完全に義務化されました。
この新しい制度こそが、「関連者間取引に係る書類の整理保存の特例」です。
この記事では、難しい専門用語を徹底的に噛み砕き、新入社員の方や初めてグループ経営のバックオフィスを担当する方でも直感的に理解できるように解説します。
静岡や浜松の中小企業さまが、新設された書類保存ルールで絶対に失敗しないための必須知識をどこよりも詳しくお届けします。
【この記事で得られること】
令和8年度税制改正で新しく創設された、関連者間の取引に関する書類保存ルールの全体像と、自社が対象になるかどうかが分かります。
契約書や領収書にどのような情報が抜けているとペナルティの対象になるのか、具体的な「特定事項」の内容が明確になります。
青色申告の取消リスクを完全に回避し、クラウド会計や電子帳簿保存法と連携させて実務をスマートにこなす手順が理解できます。
【№2 結論】
まず、改正法規で創設された関連者間取引の書類保存特例に関する最も重要な結論から先にお伝えします。
令和8年4月1日以後に開始する事業年度において、親会社や実質的な支配関係にあるグループ企業(関連者)から、技術指導や経営管理などの「役務提供」や、特許権などの「工業所有権等の譲渡・貸付け」を受けた全ての内国法人は、その取引の契約書等に対価の額の明細や計算方法が記載されていない場合、これらを明らかにする「特定事項記載書類」を取得または作成し、7年間保存しなければなりません。
■ 最重要ポイントの要約
青色申告・白色申告を問わず、外国法人を除く「すべての国内法人」がこの新しい義務化ルールの対象となります。
契約書や請求書等に記載がない不足情報(特定事項)がある場合、令和9年3月期(3月決算法人の場合)の確定申告期限までに、その不足を補う書類(特定事項記載書類)を用意しなければなりません。
もし青色申告法人がこの特定事項記載書類を適切に保存していなかった場合、税務調査において「青色申告の承認の取消事由」に該当することになり、税制上の優遇措置をすべて失う恐れがあります。
つまり、どれだけグループ間で仲良くビジネスを行っていても、税務署に対して「いくらの根拠でその指導料を支払ったのか」を証明する書類が残っていなければ、それだけで青色申告という資格そのものを剥奪される時代が到来したのです。
この新制度は、静岡の顧問税理士による適正な法務チェックや、浜松のクラウド会計導入などを活用してグループ間の取引環境をデジタル化・透明化していくことで、安全にクリアすることができます。
次の章からは、この制度がなぜできたのか、どのような準備が必要なのかをやさしく解説していきます。
【№3 やさしい解説】
それでは、関連者間取引の書類保存特例の仕組みと、なぜこれほど厳格なルールが作られたのかという理由について、いくつかの項目に分けて分かりやすく解説していきましょう。
■ ① 関連者間取引(カンレンシャカントリヒキ)とは何か?
今回の主役となる「関連者」とは、一言で言えば「身内の強いネットワークにある会社」のことです。
親会社と子会社の関係はもちろんのこと、同じ社長が経営している兄弟会社や、株の過半数を持たれていなくても実質的に経営のコントロールを握られている会社などが該当します。
そして「関連者間取引」とは、こうした身内の会社から、何らかのサービスを受けたり、権利を借りたりする取引を指します。
今回の特例では、自社が「お金を支払う側(費用の額の基因となるもの)」の取引だけに限定して網がかけられています。
★一言まとめ:親会社などの身内からサービスを受け、自社が費用を支払う取引のすべてが対象になります。
■ ② なぜ今、このような新しい法律ができたのか?
これまで、身内の会社間での取引は、契約書が「毎月10万円を支払う」という大雑把な1行だけでも、実態としてサービスが行われていれば、経費(損金)として認められることが多くありました。
しかし、これを利用して、利益が出すぎているグループ企業に実態のない「経営指導料」などの名目でお金を移動させ、グループ全体の税金を不正に安く操作する行為が後を絶ちませんでした。
国税庁は、こうした不透明な利益移転を厳しく取り締まるため、令和8年度の税制改正において、取引の「中身の証拠」を書類として残すことを法律で強制することに決めたのです。
これが、今回の書類保存特例が創設された歴史的な背景です。
★一言まとめ:グループ間でテキトーにお金を動かして税金を減らす行為を、国が完全に禁止するために作られました。
■ ③ 契約書に足りない情報=「特定事項(トクテイジコウ)」
今回の法律で最も重要になるキーワードが「特定事項」です。
これは、本来であれば契約書や領収書に書いておくべきなのに、身内甘えで「書き漏らしてしまっている重要な情報」のことを言います。
例えば、親会社から技術的な指導(役務提供)を受けた場合、以下の2つの情報が書類に残っている必要があります。
どのような指導を、いつ、どれだけ受けたのかという「明細と内容」
その指導料がなぜその金額になったのかという「対価の額の明細と計算の方法」
もし、手元にある契約書に「指導料:月額30万円」としか書かれておらず、なぜ30万円なのかという計算の根拠(例:時給1万円×30時間など)がどこにも載っていない場合、その載っていない計算根拠そのものが「特定事項」に該当することになります。
★一言まとめ:契約書や請求書に書かれていない、「金額の具体的な計算根拠や内訳」のプロセスのことです。
■ ④ 不足を補うための「特定事項記載書類(トクテイジコウキサイショルイ)」
契約書に「特定事項(足りない情報)」があることが分かった場合、会社はそれをそのままにしておいてはいけません。
その足りない部分をしっかりと文章にして明らかにした、別のサポート書類を準備する必要があります。
この書類のことを「特定事項記載書類」と呼びます。
この書類は、相手である親会社から「内訳書」や「計算根拠の案内メール」として取得しても良いですし、自社側で「今回の指導料の計算内訳メモ」として作成しても構いません。
とにかく、メインの契約書とセットにすることで、取引の全貌が第三者(税務署)から見ても100%完璧に伝わる状態を作ることが求められます。
★一言まとめ:契約書の言葉足らずな部分を補うために、後から用意する「取引の内訳説明書」のことです。
■ ⑤ 日常例で考える書類保存特例のイメージ
この関係を、私たちの日常の買い物や家計に例えてみましょう。
あなたがスマートフォンの修理を、近所の信頼できる「親戚のおじさん」に頼んだとします。
おじさんから手渡された領収書に「修理代:5万円」とだけ書かれていました。
家族から「なんで5万円もしたの?」と聞かれたとき、内訳が分からないと困ってしまいますよね。
そこで、おじさんに連絡して「部品代が3万円で、作業費が2万円(時給5千円×4時間)だよ」という内訳のメモを書いてもらい、領収書にホチキスで留めました。
今回の法律が言っているのは、まさにこの「おじさんからもらった内訳メモ(特定事項記載書類)」を、会社のビジネスでも絶対に保管しておきなさい、というルールなのです。
★一言まとめ:身内から買った高い買い物こそ、なぜその値段になったのかの内訳レシートを必ず保管せよ、ということです。
■ ⑥ 青色申告の取消という「最大の恐怖」
「たかが書類を1枚用意し忘れたくらいで、大したことにはならないだろう」と考えるのは非常に危険です。
今回の特例では、青色申告を行っている会社(内国法人)が、この特定事項記載書類を正しく保存していなかった場合、それは税法違反となり、「青色申告の承認を取り消すことができる」とハッキリ明記されました。
青色申告が取り消されると、中小企業にとって極めて大きなメリットである「赤字を次の年に繰り越して税金を減らす権利(欠損金の繰越控除)」や、「30万円未満のパソコンなどを一発で経費にする特例(少額減価償却資産の特例)」などがすべて一瞬で剥奪されます。
これは会社の経営にとって、まさに死刑宣告に近いほどの甚大なダメージとなります。
★一言まとめ:書類の保管をサボると、中小企業向けの税金のボーナスステージ(優遇措置)がすべて強制終了します。
■ ⑦ 電子取引と電子帳簿保存法(デンチョウホウ)の強力な連携
ここで、最新のIT税務に関する重要な例外ルールをお伝えします。
今回の書類保存特例は、基本的に「紙」で書類のやり取りを行うことを想定して作られています。
もし、親会社から「対価の計算根拠の明細」を、紙ではなく「PDFファイル」や「電子メールの本文」といった「電子取引」の形で受け取った場合はどうなるでしょうか。
この場合、今回の特例の適用は「なし」となり、代わりに「電子帳簿保存法」という別のIT法律に基づいて、そのデータをパソコンやクラウド上に正しく保存しなければならないというルールに切り替わります。
つまり、データの形で不足情報をゲットしたなら、わざわざ紙に印刷して特定事項記載書類を作る必要はありません。
その代わり、電子帳簿保存法のルール(日付や金額で検索できるように保存するなど)を守って、デジタルで安全に管理する必要があります。
ここをスマートにこなすためには、浜松のクラウド会計導入や静岡の税務調査対策に強いITインフラの整備が不可欠になります。
★一言まとめ:メールやPDFで内訳をもらった場合は、印刷不要ですが、デジタルの保存ルール(電帳法)でガチガチに守る必要があります。
【№4 具体例】
令和8年度税制改正によって創設されたこの特例について、静岡や浜松の企業で実際に起こりうる10個の具体的なシチュエーションを見ていきましょう。金額や場面をリアルに設定しています。
■ ① 静岡市内の親会社から「経営指導料」として毎月定額を支払っているケース
静岡市内で老舗の製造業を営むA社は、数年前に設立した親会社から毎月「経営指導料」として50万円(およそ500,000円)、年間で600万円(約6,000,000円)を支払っています。
これまでの契約書には「グループ経営の指導に対する対価として月額50万円」としか書かれていませんでした。
令和8年4月以降、A社は新しい特例に対応するため、親会社に対して「指導を行った役員の稼働時間(時給2万円×25時間)」という具体的な計算根拠の明細書(特定事項記載書類)を毎月発行してもらい、契約書とセットで7年間保存する運用に切り替え、青色申告の取消リスクを完璧に回避しました。
■ ② 浜松市内の兄弟会社から「特許権の利用料」を支払っているケース
浜松市内で自動車部品を開発するB社は、代表取締役が同じである兄弟会社から、エンジンの特許権(工業所有権)を借りてビジネスを行っています。
毎年、利用料(ロイヤリティ)として売上の3%にあたる約300万円(およそ3,000,000円)を支払っていますが、請求書には「特許利用料」の一言だけでした。
B社は今回の特例に基づき、契約書に「なぜ3%という料率になったのか」という他社との比較や機能評価をまとめた設定根拠の書類を自ら作成し、特定事項記載書類として整理保管することに成功しました。
■ ③ 静岡市内のアパレル店がグループ共通の「広告宣伝費」を負担したケース
静岡市内で複数の中小法人が集まるアパレルグループに属するC社は、グループの親会社が音頭をとって実施した「静岡・浜松合同合同WEBキャンペーン」の費用の一部として、120万円(約1,200,000円)を負担しました。
親会社からの領収書には「広告費負担金」とあるだけで、内訳が不明でした。
C社は親会社から「全社への配分比率(店舗の床面積の割合に基づく計算シート)」をエクセルデータで取得しました。これは電子取引に該当するため、静岡のクラウド会計導入支援を行うプロの指示のもと、電子帳簿保存法に準拠したクラウドストレージへ検索機能を持たせて保存しました。
■ ④ 浜松市内のIT企業が親会社から「サーバーの維持管理」を委託されているケース
浜松市内のITベンチャーであるD社は、親会社が所有する巨大な専用サーバーの維持管理(専用資産の維持及び管理)に関する費用として、年間400万円(およそ4,000,000円)を負担しています。
これまでは「維持管理費」の契約書のみでしたが、今回の改正法規(法規59の2)に引っかかるため、親会社がサーバーの電気代やデータセンターの賃料として実際に支払った「総費用の額の明細」と「D社への按分(あんぶん)計算の方法」が書かれた特定事項記載書類を確定申告期限までに取得し、金庫に大切に保管しました。
■ ⑤ 静岡市内の建設会社が親会社から「出向社員の給与」を請求されたケース
静岡市内の建設会社E社は、親会社の熟練技術者2名から技術指導を受けるため、出向という形で現場に受け入れ、その費用として年間1,000万円(およそ10,000,000円)を親会社へ送金しています。
契約書には「出向に伴う経営資源活用の対価」とだけありました。
E社は、技術者それぞれの「実際の基本給や諸手当の内訳」および「指導日数のタイムカードのコピー」を親会社から取り寄せ、特定事項記載書類としてファイリングしました。身内取引の不透明さを一切無くした素晴らしい実務例です。
■ ⑥ 浜松市内の食品メーカーが海外の関連グループ法人から「レシピ」を買い取ったケース
浜松市内の食品製造業F社は、海外にある関連法人(外国法人である関連者)から、新しい冷凍食品の秘密のレシピ(学術・産業上の ज्ञान/知識経験)の譲渡を受け、対価として500万円(約5,000,000円)を支払いました。
今回の特例は、お金を支払う相手が「外国法人」であっても、支払う側のF社が「内国法人」であればバッチリ対象になります。
F社は、レシピの価値をどのように値付けしたのかの「計算ロジック説明書」を英語から日本語に翻訳した形で取得し、事業年度終了の翌日から2ヶ月を経過した日から7年間、厳重に保存する体制を整えました。
■ ⑦ 静岡市内の小売業が書類の作成を怠り、青色申告取り消しの危機に瀕したケース
静岡市内で複数の雑貨店を経営するG社は、実質的支配関係にあるオーナー会社から「店舗レイアウトの指導料」として年間240万円(およそ2,400,000円)を支払っていました。
令和8年の税制改正を知っていたものの、「うちは小さな普通法人だし、税務署も細かく見てこないだろう」と書類(特定事項記載書類)の作成を完全に無視していました。
その後、静岡の税務調査対策が甘かったために国税局の調査が入り、指導料の計算根拠が一切ないことを突かれ、規律違反として「青色申告の承認取消」の予告通知を受けてしまい、社長は青ざめる結果となりました。
■ ⑧ 浜松市内の物流会社が「特定事項」をメール本文だけで受け取っていたケース
浜松市内の運送会社H社は、グループ親会社から配車システムのノウハウ提供を受け、月々15万円(約150,000円)を支払っています。
計算の明細について、親会社の担当者から「今月のシステム利用者は15名なので、1名あたり1万円の計算です」という短い電子メールを1通受け取っただけでした。
H社はこれを紙に印刷して保管しようとしましたが、税理士から「メールによる取得は電子取引なので、紙保存の特例ではなく、電子帳簿保存法に基づきパソコン内にデータとして日付・金額・相手方(親会社名)で検索できるように残しなさい」と指導され、正しいIT保存に切り替えました。
■ ⑨ 静岡市内の不動産会社が白色申告のまま関連者取引を行ったケース
静岡市内の不動産管理を行うI社は、あえて青色申告の届出をしていない「白色申告」の法人です。
親会社から「市場調査データの提供」を受け、100万円(およそ1,000,000円)を支払いました。
「青色申告じゃないから書類保存の特例は関係ない」と思い込んでいましたが、今回の改正法人税法施行規則(法規62、67の2等)では、白色申告を含む「すべての普通法人等」に書類の保存義務が課されています。
取消ペナルティこそないものの、保存義務違反として100万円の経費そのものを全額否認(経費として認められない)される厳しい処分を受け、大損してしまいました。
■ ⑩ 浜松市内の町工場が親会社の「専用の検査機械」を借りて費用負担したケース
浜松市内の精密金属加工を行うJ社は、親会社が所有する「超精密検査顕微鏡(専用資産)」を自社工場内に設置し、製品のチェックに使用しています。その維持管理費やリース代の按分として、年間180万円(約1,800,000円)を負担しています。
J社は確定申告の期限までに、親会社が顕微鏡メーカーと結んでいる「大元のリース契約書のコピー」と「J社での試作回数に応じた按分計算シート」をすべて揃え、起算日から7年間デジタル保存する一連のワークフローを完成させ、改正法の網を完全にクリアしました。
【№5 手順】
令和8年度税制改正により新設された「関連者間取引に係る書類の整理保存の特例」に、中小企業のバックオフィスが1件のミスもなく対応するための具体的な実務手順をステップ形式で解説します。
■ STEP①:グループ内の「関連者」の範囲と、支払っている費用の洗い出しを行う
自社の株を大量に持っている親会社や、同じオーナーが経営する兄弟会社など、法人税法施行規則(法規59の2)に定める「特殊の関係のある法人」をすべてリストアップします。
それらの会社に対して、自社が「経営指導料」「技術サポート料」「特許使用料」「システム管理費」などの名目で、1円でもお金を支払っている(費用の額の基因となっている)取引がないか、過去の総勘定元帳をチェックして全て洗い出します。
■ STEP②:手元にある「契約書」や「請求書」の記載内容を厳格にチェックする
洗い出した取引の契約書や領収書を引っ張り出し、そこに「対価の額の明細」や「計算の方法(なぜその金額になったのかのロジック)」が文字としてきちんと書かれているかを確認します。
単に「月額〇円」や「一式〇円」としか書かれていない場合は、法律で定められた「特定事項」が欠落している(書類に不備がある状態)と判断し、次のステップへ進みます。
■ STEP③:相手方(親会社等)へ連絡し、不足している計算根拠の書類を請求する
契約書の内容が言葉足らずであった場合は、取引の相手方である親会社等に対し、「令和8年度の税制改正に対応するため、今月の費用の具体的な計算内訳や、稼働時間の明細を記載した書面を発行してください」と正式に依頼します。
相手から「紙」の書面で取得するか、または自社側で相手から聞き取った内容をベースに「取引価格の設定根拠に関する説明メモ」をA4用紙等で作成します。
■ STEP④:書類の「受け取り方」に応じて、正しい保存ルートを選択する
相手から計算根拠(特定事項記載書類)を「紙」でもらった場合は、大元の契約書とホチキス等でセットにし、ファイリングして会社の金庫やキャビネットに保管します。
相手から「PDFファイル」や「電子メールの本文」などのデジタルデータで受け取った場合は、今回の紙特例の対象外となるため、即座に「電子帳簿保存法」のルートへ切り替えます。
■ STEP⑤:確定申告の期限までに保存を完了し、起算日から7年間厳重に管理する
これらの書類の取得やデータの整理は、必ずその事業年度の「確定申告の期限(原則として事業年度終了の日の翌日から2ヶ月以内)」までに完全に完了させなければなりません。
無事に保存した書類やデータは、「事業年度終了の日の翌日から2か月を経過した日(起算日)」から数えて、丸「7年間」は絶対に破棄したり削除したりせず、税務調査でいつでも即座に提示できる状態を維持し、実務完了となります。
【№6 FAQ】
改正法規で創設された関連者間取引の書類保存特例の実務において、グループ再編やクラウド経営を進める社長さまからよく寄せられる10個の疑問について、Q&A形式で分かりやすくお答えします。
■ Q1. 親会社から「月額10万円(およそ100,000円)の経営指導料」をとられていますが、こんなに少額な取引であっても特定事項の書類保存は義務ですか?
A1. はい、金額の大小にかかわらず、1円でも取引があれば完全に義務化の対象となります。今回の令和8年度税制改正で創設された特例には、「年間〇〇万円以下の取引なら免除」といった一律の少額免除規定(少額基準)は一切設けられていません。たとえ月々数万円(約30,000円)の少額な経営指導料であっても、契約書に計算根拠がなければ、その内訳を証明する特定事項記載書類を用意しなければルール違反(青色申告取消リスク)になります。
■ Q2. 契約書に計算根拠がないまま税務調査を迎えてしまった場合、その場で社長が口頭で「時給1万円で計算したんだ」と説明すれば許されますか?
A2. いいえ、税務調査の現場で口頭でいくら熱心に説明しても、法律上は100%絶対に許されません。今回の特例は、あくまで「書類(または電子データ)の整理保存」を義務付ける法律です。つまり、あらかじめ確定申告の期限までに「形のある証拠」として書類を作成・取得して残してあったかどうかが全てであり、後からの口頭による言い訳や、調査が始まってからの「後出しジャンケン」での書類作成は一切認められない厳しい仕組みになっています。
■ Q3. 浜松市内で確定申告を行っていますが、関連会社との取引データを「クラウド会計」に入力していれば、それだけで特定事項を記録したことになりますか?
A3. 浜松の確定申告やクラウド会計導入を行っている企業さまから非常に多い質問ですが、結論から言うと「会計ソフトへの入力だけでは不十分」です。クラウド会計の摘要欄に「時給1万円×50時間分」などと細かく打ち込んでいたとしても、それは自社が勝手に打ち込んだ帳簿のデータであり、法律が求めている「契約書を補完する特定事項記載書類」そのものには該当しません。必ず、相手方と合意した内容が分かるPDFデータや、大元のエクセルの計算シートなどを別途クラウドストレージ等へ電子帳簿保存法のルールに従って保存する必要があります。
■ Q4. 取引の相手方が「法人」ではなく、グループの「オーナー個人(社長個人)」である場合も、この書類保存の特例の対象になりますか?
A4. いいえ、今回の特例の対象となるのは、あくまで相手方が「法人(内国法人または外国法人)」である場合の関連者間取引に限られます。取引の相手が会社のオーナー社長個人や、大株主の個人である場合は、今回の法人税施行規則第59条の2に定める「関連者」の定義からは外れるため、この特例に基づく特定事項記載書類の作成・保存義務は発生しません。ただし、個人との間の不透明な取引は、別の税法ルール(役員賞与の認定や、役員への利益供与など)で非常に厳しくチェックされるため、別の意味で詳細な書類残しが必要です。
■ Q5. 青色申告の取消処分を受けるのは、どのくらいのレベルで書類をサボっていた場合ですか?1枚忘れただけでも即取消ですか?
A5. 税務署の運用上、書類がたった1枚抜けていたからといって、ある日突然何の前触れもなく即座に青色申告が取り消されるケースは極めて稀です。通常は、税務調査において「意図的にグループ間で書類を作らず不透明な取引を何度も繰り返している」「税務署からの指導(是正勧告)を完全に無視して書類を一切作ろうとしない」といった、悪質で非協力的な態度が認められた場合に、最終手段として青色申告の承認取消という重い刀が抜かれることになります。
■ Q6. 親会社が自社(子会社)に対して、お金を支払ってくれる側の取引(自社の売上になる取引)については、書類を作らなくていいですか?
A6. はい、自社が「お金を受け取る側(益金の額の基因となるもの)」の取引については、今回の特例による書類作成・保存の義務はありません。サンプル記事の【参考】欄にもハッキリと「費用の額の基因となるものに限る」と明記されている通り、この法律は「費用(経費)を水増しして税金を減らそうとする行為」に網をかけるためのものです。ただし、売上側の取引であっても、通常の法人税法上の帳簿保存義務(7年間)は当然ありますので、一般的な請求書の控えなどはしっかり残しておく必要があります。
■ Q7. 静岡市内の税務調査対策として、過去(令和7年度以前)に遡ってグループ間の契約書をすべて書き直す必要はありますか?
A7. いいえ、過去の取引にまで遡って契約書を書き直す必要はありません。今回の「関連者間取引に係る書類の整理保存の特例」は、令和8年4月1日以後に「開始する事業年度」で行う取引から適用されると、法律の附則(改正法規附則8)でハッキリと決められています。したがって、例えば3月決算法人の場合であれば、令和8年4月1日から令和9年3月31日までの間(令和9年3月期)に発生した新しいグループ間取引から対応を始めれば、法律上は100%完璧にセーフとなります。
■ Q8. 相手の親会社が「対価の計算根拠なんて、社外秘だから教えられない」と言って書類をくれない場合、どうすればいいですか?
A8. 親会社から書類(特定事項記載書類)がもらえない場合は、自社側で「特定事項記載書類」を自作するアプローチを取ります。親会社の担当者と打ち合わせをした際の会議の議事録や、「このような説明を口頭で受け、自社としても納得してこの金額を支払った」という経緯を細かく書き起こした「社内決裁書(稟議書)」を社長の印鑑付きで作成・保存してください。自社側で取引の正当性を証明する書類を全力で作って残しておくことが、実務上の強い防衛策になります。
■ Q9. 特定事項を記載したPDFファイルをメール添付で受け取りました。これを会社の複合機で「紙に印刷」してファイルに綴じておけば安心ですか?
A9. ★注意:ここが一番よくある誤解です!PDFファイルを紙に印刷してファイリングするだけでは、法律上は「保存していない」とみなされるリスクが非常に高いです。解説の通り、メールやPDFで受け取った情報は「電子取引」にあたるため、今回の紙特例の枠を飛び越えて「電子帳簿保存法」の電子データ保存義務の対象になります。原則として、印刷した紙ではなく、そのPDFデータのままパソコンやクラウド上に、電子帳簿保存法のルール(改ざん防止の措置や、検索ができる状態)を守ってデジタル保存しなければなりません。
■ Q10. 静岡や浜松の地域密着の税理士法人として、最高のIT税理士法人はこの新しい特例に対してどのようなサポートを行ってくれますか?
A10. 静岡の顧問税理士や浜松の補助金サポートなどを日々提供している私たち最高のIT税理士法人では、まず貴社のグループ企業の資本関係を正確に把握し、今回の特例の網に引っかかる「関連者間取引」がどこにあるのかを完全に洗い出します。その上で、現在お使いの契約書の雛形(テンプレート)を拝見し、どのような文章を追加すれば「特定事項」をクリアできるかをプロの目でアドバイスいたします。さらに、電子取引に該当する場合であっても、静岡のクラウド会計導入支援を駆使して、電子帳簿保存法に完全準拠したスマートなデジタル保存の仕組みをゼロから構築させていただきます。
【№7 まとめ】
ここまで、令和8年度の税制改正によって新しく誕生した「関連者間取引に係る書類の整理保存の特例」について、その概要から具体的な注意点、実務の進め方に至るまで詳しく見てきました。
グループ企業間での取引は、中小企業がスピード感を持ってビジネスを展開し、経営を効率化させていくために非常に有効な手段です。
しかし、これからは「身内だから書類は適当でいいや」という甘い考えは、会社に破滅的なダメージをもたらす強力な引き金(青色申告の承認取消リスク)になってしまいます。
■ 新しい時代を生き抜くためのバックオフィス革新
今回の税制改正は、言い換えれば「すべての会社に対して、グループ間の取引を完全に透明化し、その理由をデジタルまたは書面で証明できるようにしなさい」という、国からの非常に強いメッセージです。
契約書に「明細」や「計算方法」が書かれていないのであれば、確定申告の期限までに自ら動いて「特定事項記載書類」を取得・作成しなければならないという実務は、ただでさえ日々の経理業務に追われている中小企業の社長さまや担当者さまにとって、非常に重い新しいリソースの負担となります。
さらに、その書類がメールやPDFといったデジタルで動いた瞬間に、電子帳簿保存法という非常にルールの細かいIT法律の網の目にも同時に対応しなければならないという複雑さが、実務の難易度をさらに引き上げています。
静岡・浜松の中小企業さまへ向けて、これらの最先端の税制改正トラブルを未然に防ぎ、一番安全で、かつ業務生産性を爆上げできるクラウド会計の導入ルートを提示していくことが、これからのデジタル時代において会社を守り、圧倒的な経営革新を達成するための最も確実なステップとなります。
★重要:知らないと損するポイント
令和8年4月1日以後に開始する事業年度から、このルールはすでに完全にスタートしています。
3月決算法人であれば、令和9年3月の確定申告のタイミングで、税務署から「関連者間取引の明細書を見せてください」と言われたときに即答できる体制が整っていなければアウトです。
「まだ先の話だから」と準備を後回しにせず、今すぐグループ間の契約環境の総点検を始めましょう。
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3896号(2026年04月13日)「税務の動向 法人税 関連者間取引書類保存特例は全内国法人が対象」
参考:国税庁タックスアンサー「No.5930 帳簿書類の保存期間及び保存方法」(参照日:2026-06-10)
参考:e-Gov法令検索「法人税法施行規則第59条の2(関連者間取引に係る書類の整理保存の特例)」(参照日:2026-06-10)
参考:e-Gov法令検索「法人税法施行規則第62条(普通法人等の帳簿書類の保存)」(参照日:2026-06-10)
参考:e-Gov法令検索「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法に関する法律第2条(定義・電子取引の規定)」(参照日:2026-06-10)
【№9 該当条文の説明】
今回の関連者間取引の書類保存特例の実務において、すべての判断の根拠となる重要な法令とその位置づけについて分かりやすく解説します。
【法人税法施行規則第59条の2(関連者間取引に係る書類の整理保存の特例)】
■ 条文が作られた背景とこれまでの歴史
この施行規則は、令和8年度の税制改正(令和8年3月31日公布)によって、これまでの法人税法の書類保存ルールを大幅に補強する形で新しく創設された、出来立ての非常にフレッシュかつ強力なルールです。
大元となる法人税法では、会社に対して「取引に関する帳簿や書類を正しく残しなさい」と広く定めていましたが、グループ企業間の取引において、具体的な金額の計算根拠(なぜその値段になったのか)を隠蔽したり、大雑把な記載だけで誤魔化したりするグレーな節税行為が多発したため、これをピンポイントで規制・義務化するために急遽この「第59条の2」が新設されました。
■ 条文の具体的な内容と自社における意味
法律の文章では、内国法人が「関連者(持株関係や実質的支配関係のある特殊の関係のある法人)」から、工業所有権等の譲渡・貸付け、または経営の管理・指導、技術指導などの「役務提供」を受けた場合において、法人税法等で保存が義務付けられている契約書や領収書などの書類に、「対価の額の明細及び計算の方法」などの一定の必須事項が記載されていないときは、その記載されていない事項(特定事項)を明らかにする「特定事項記載書類」を取得または作成・整理し、確定申告期限までに用意して7年間保存しなければならない、と超具体的に命令しています。
今回の税務通信の記事でも解説されている通り、外国法人を除くすべての日本国内の法人がこのルールの対象となるため、静岡や浜松の地で親会社からサポートを受けているすべての中小企業にとって、バックオフィスの法律順守(コンプライアンス)の合否を分ける最重要の条文となっています。
【法人税法施行規則第62条・第67条の2(普通法人等および白色申告法人の帳簿書類保存の特例)】
「うちは青色申告の優遇措置を受けていない白色申告の会社だから、こんな細かい書類保存特例なんて関係ないや」という大いなる誤解を完全に打ち砕くための、実務上極めて注意すべき規定です。
この第62条や第67条の2等の規定により、今回の関連者間取引の書類保存ルールは、青色申告法人の取り消しリスクの文脈だけでなく、白色申告法人を含む「すべての普通法人等」の基本的な保存義務として横断的に組み込まれています。
これにより、会社の申告スタイルがどのような形態であっても、グループ間でお金を動かす以上は全員が平等に「計算根拠の書類(特定事項記載書類)」を強制的に保管させられることになり、違反した場合は経費の損金算入が根底から否認されるという、強力なペナルティの法的根拠となっています。
【結論(重要ポイントまとめ)】
① 令和8年度税制改正により、親会社などの関連者から技術指導や権利の貸付け(関連者間取引)を受けた全ての内国法人は、契約書等に対価の計算根拠がない場合、それを補う「特定事項記載書類」を7年間保存することが完全に義務化されました。
② 青色申告・白色申告を問わず、すべての国内法人が対象となり、青色申告法人がこの書類保存を怠った場合は「青色申告の承認取消」という、中小企業にとって致命的なペナルティが科されます。
③ 不足情報をメールやPDFなどの「電子取引」で取得した場合は、紙での保存特例の対象外となり、電子帳簿保存法(電帳法)のデジタルルールに従って厳格にパソコンやクラウド内に保存する必要があります。
読者の皆さまが次にすべき行動は、現在グループ企業や親会社との間で結んでいるすべての契約書(特に経営指導料やシステム維持費など)を一冊残らず机の上に集め、「なぜこの金額なのか」を第三者に説明できる計算内訳の文字が書かれているかを今すぐ目視でチェックすることです。もし文字が抜けている(特定事項がある)場合は、確定申告の期限が来てパニックになる前に、静岡・浜松のIT×税務に強いプロフェッショナルへすぐに相談し、正しい特定事項記載書類の作成、または電子帳簿保存法に準拠したクラウド保存の仕組みのセットアップを開始しましょう。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や, 企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
※当事務所はDXを経営に活かすことを推進しており、当ブログはAIを活用して生成しています。実際の税制や政策、判例、事件、事象を元に作成していますが、正確な内容や最新の情報とは異なる場合がありますことをご了承くださいませ。
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