防衛特別所得税の創設と復興特別所得税の改正に伴う源泉徴収実務
2026年7月3日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「防衛特別所得税の創設と復興特別所得税の改正に伴う源泉徴収実務」をお伝えさせていただきます!
【この記事で得られること】
令和9年1月1日から新しく始まる「防衛特別所得税」の全体像が、どこよりも優しく理解できます。
給与計算や外注費の支払いで使う「源泉徴収の合計税率」が、なぜこれまで通りで良いのか納得できます。
納付書の書き方や年末調整の手間が増えるのかどうか、バックオフィスの実務的な影響がスッキリわかります。
【№2 結論】
令和8年度の税制改正によって、令和9年1月1日から「防衛特別所得税」が新しく創設されることが決定しました。
これにより、企業は給与や報酬を支払う際の源泉徴収(げんせんちょうしゅう=税金の天引き)で、これまでの所得税と復興特別所得税に加えて、防衛特別所得税も合わせて天引きすることになります。
一見すると「計算がとても複雑になり、事務負担が増えるのではないか」と不安になるかもしれませんが、結論から申し上げますと、実務上の負担はほとんど変わりません。
なぜなら、新しく課される防衛特別所得税の分(1%)だけ、これまでの復興特別所得税の税率が引き下げられるため、掛け合わせる合計税率である「102.1%」という数字は、現行と全く変わらないからです。
毎月の納付書(所得税徴収高計算書)もこれまで通り1枚に合算して支払うことができ、年末調整も合計額ベースで処理を行うため、現在のシステムや運用をそのまま引き継ぐことができます。
【№3 やさしい解説】
■ 新しい税金「防衛特別所得税」の誕生と復興特別所得税のバトンタッチ
国を守るための防衛費の財源を確保することを目的に、令和9年から新しい税金がスタートすることになりました。
それが「防衛特別所得税(ぼうえいとくべつしょとくぜい)」です。
会社の社長さまや、経理を担当されている新入社員の皆さまの中には、「また新しい税金の計算が増えるのか」と頭を抱えた方もいるかもしれません。
しかし、今回の改正は非常にスマートなパズル形式になっており、既存の「復興特別所得税(ふっこうとくべつしょとくぜい)」と綺麗にバトンタッチが行われます。
具体的には、防衛特別所得税として新しく「1%」が上乗せされる代わりに、東日本大震災の復興のために集められている復興特別所得税の税率が「2.1%」から「1.1%」へと、ちょうど「1%分」引き下げられます。
つまり、引き上げと引き下げが同時に行われるため、会社が給与や外注費から天引きする税金のトータルの割合は、令和9年以降も1ミリも変わらない仕組みになっているのです。
■ 源泉徴収の現場では「102.1%」という魔法の数字がそのまま使える
会社が従業員に給与を支払うときや、外部のデザイナーや税理士に報酬を支払うとき、あらかじめ税金を差し引いて代わりに国に納めます。
この仕組みを「源泉徴収(げんせんちょうしゅう)」と呼びます。
この天引きの計算をするときに、これまでは「本来の所得税率」に対して、「102.1%」という数字を掛け算して合計税率を出していました。
例えば、外注費の所得税率が10%であれば、10%に102.1%を掛け合わせた「10.21%」を天引きしていたのです。
令和9年1月1日以降は、この内訳が「所得税+復興特別所得税(1.1%)+防衛特別所得税(1%)」という3階建ての構造に変わります。
しかし、1.1と1を足すと「2.1」になり、現行の復興特別所得税の税率と同じになるため、最終的な合計税率はやはり「102.1%」のままキープされます。
そのため、給与計算ソフトの基本設定や、電卓での計算方法を新しく作り直す必要はありません。
■ 日常生活の例で考える「内訳変更」のイメージ
この仕組みを、身近な「お弁当のセットメニューの内訳変更」に例えてみましょう。
あなたが毎日、近所の定食屋さんで1,021円(およそ1,020円)の「よくばり唐揚げ弁当セット」を買っていたとします。
このセットの元々の内訳は、「唐揚げ弁当本体が1,000円」で、「特製ソースが21円(およそ20円)」でした。
ある日、定食屋さんの店主から「令和9年から、新しいお弁当のルールが始まります!」と張り紙が出されました。
中身を見てみると、「これからは新しく『お漬物(防衛特別所得税のイメージ)』をセットに義務付けます」と書かれています。
これを見たあなたは、「お漬物の代金が上乗せされて、お弁当が高くなってしまうのかな」と心配になりますよね。
しかし、よく張り紙を読んでみると、「その代わりに、これまで21円だった特製ソースの価格を11円(およそ10円)に値下げします。新しく加わるお漬物は10円(およそ10円)です」と書かれていました。
つまり、「本体1,000円 + 値下げされたソース11円 + 新しいお漬物10円 = 合計1,021円」となります。
買い手であるあなたからすれば、支払うお金はこれまでと全く同じ1,021円のままであり、お財布から出す小銭の枚数も変わりません。
今回の防衛特別所得税の創設は、まさにこのお弁当セットのお漬物とソースの内訳が変わっただけで、トータルの支払額はビタ一文変わらないという現象と全く同じなのです。
■ 面倒な手続きは一切なし!納付書も年末調整もこれまで通りの1枚
税金の種類が増えると、「銀行に持っていく納付書(所得税徴収高計算書)が、防衛特別所得税専用でもう1枚増えてしまうのではないか」という疑問が湧くのは当然です。
もし毎月の納付書が2枚や3枚に増えてしまったら、静岡や浜松のバックオフィスの現場は大混乱してしまいます。
しかし、そこは国も配慮しており、令和9年以降も毎月の税金を納める納付書は「これまで通り完全に1枚のままでオッケー」という方針が示されました。
所得税、復興特別所得税、そして新しい防衛特別所得税の3つの税金をすべてごちゃまぜに合計した金額を、1枚の納付書の金額欄に記入して、銀行の窓口やインターネットバンキング(e-Tax)から一発で支払うことができます。
また、1年の締めくくりである「年末調整(ねんまつちょうせい)」についても、内訳をバラバラに分解して計算する必要はありません。
源泉徴収簿の年末調整の欄には、3つの税金をすべて足し合わせた「合計額」をそのまま記載して処理を完了させることができます。
手書きで年末調整を行っている小さな会社さまであっても、新しい計算用紙を何枚も印刷するような手間は一切発生しません。
■ グロスアップ計算という特殊な計算も現行通りで安心
デザイン会社や個人のクリエイターへ仕事を依頼するとき、「手取りでちょうど10万円(およそ100,000円)になるように逆算してギャラを支払いたい」というケースが時々あります。
この、天引きされる前の元の金額を逆算して導き出す計算のことを、専門用語で「グロスアップ計算」と呼びます。
税金の内訳が変わることで、この逆算の公式が変わってしまうのではないかと心配されるIT企業さまも多いですが、ご安心ください。
トータルの合計税率が102.1%のままで変わらない以上、この逆算のための割り算の数式も、令和9年以降全く同じやり方を維持することができます。
静岡のクラウド会計導入などを進めている企業さまであれば、会計ソフトや給与計算ソフトのシステムが自動的にこの内訳の変更に対応してくれるため、現場のスタッフが新しい計算式を覚える必要は全くありません。
■ 唯一の変更点は「復興特別所得税の期間が20年延長されたこと」
今回の改正で、会社の実務には直接関係ありませんが、経営者として知っておくべき「実は〜」という補足のポイントがあります。
それは、復興特別所得税が課される期間が、これまでの予定よりも「20年間後ろに長くなった」という点です。
元々の法律では、復興特別所得税は令和19年(2037年)で終了する予定でした。
しかし、令和9年から復興特別所得税の税率を2.1%から1.1%へと半分近く引き下げるため、震災復興のための本来の予算総額を集めきるまでに、より長い歳月が必要になってしまいました。
そのため、国は復興特別所得税の終了期限を「令和29年(2047年)まで」へと、20年も延長することをセットで決めたのです。
会社の毎月の給与計算や、静岡・浜松の顧問税理士との日々のやり取りにおいては、この20年延長という事実は当面の間、実務に影響を及ぼしません。
「税率が変わらないから、令和9年になっても給与の天引きの手順は1ミリも変えなくていいんだな」という一言まとめの認識だけを持って臨んでいただければ、バックオフィスの法務チェックとしては100点満点です。
【№4 具体例】
防衛特別所得税の創設と復興特別所得税の改正について、静岡や浜松の企業やバックオフィスの現場で実際に想定される10個の具体的な場面を見ていきましょう。
■ ① 静岡市内のシステム開発会社:外注の個人エンジニアへの報酬支払いで逆算するケース
3月決算のA社は、令和9年2月に静岡の個人エンジニアへ手取り10万円(およそ100,000円)になるよう報酬を支払うため、グロスアップ計算を行いました。
★重要:合計税率が102.1%(内訳は所得税10%、復興1.1%、防衛1%)で現行の10.21%と変わらないため、これまでと同じ「100,000円 ÷ 0.8979 = 111,370円(およそ111,370円)」の公式でノーミスで逆算処理が完了しました。
■ ② 浜松市内の製造業:新入社員の給与計算で天引きの仕組みをレクチャーするケース
浜松市内のB社では、令和9年1月の給与計算の際、経理部に配属された新入社員から「防衛特別所得税が始まったので、天引きの行を給与明細に新しく増やすのですか?」と質問されました。
社長は「合計の102.1%は変わらないから、明細書の見た目や行数はそのままで、ソフトの自動アップデートに任せるだけで大丈夫だよ」と優しく教え、現場の無駄な混乱を防止しました。
■ ③ 静岡市内の老舗文具店:手書きの「所得税徴収高計算書(納付書)」で銀行に並ぶケース
静岡市内のC社は、毎月の源泉所得税をe-Taxではなく、手書きの納付書を使って地元の銀行窓口で現金納付しています。
令和9年1月分以降も、防衛特別所得税専用の新しい用紙を買いにいく必要はなく、これまで通り「一般の給与・報酬」の枠に3税を合計した金額を1枚の紙に記入して、何の問題もなく窓口で一発納付できました。
■ ④ 浜松市内のデザイン事務所:地元静岡・浜松の顧問税理士への月次報酬を支払うケース
浜松市内のD社は、毎月、静岡の顧問税理士へ月額5万円(およそ50,000円)の顧問料を支払っており、令和9年1月以降も源泉徴収を行います。
所得税率10%に対する合計税率は10.21%のままで据え置かれているため、天引きする金額はこれまでと1円も変わらず「5,105円(およそ5,100円)」のままであり、インターネットバンキングの登録振込金額を変更せずに済みました。
■ ⑤ 静岡市内の不動産会社:役員報酬の引き上げに伴う毎月の源泉徴収額の計算ケース
静岡市内のE社は、業績拡大に伴い、令和9年1月から社長の役員報酬を毎月100万円(およそ1,000,000円)に引き上げました。
役員報酬にかかる源泉徴収税額表の金額には、あらかじめ所得税・復興特別所得税・防衛特別所得税の3つがブレンドされた合計額が反映されているため、会社側は国が配る最新の紙の税額表の数字をそのまま書き写すだけで実務が完了しました。
■ ⑥ 浜松市内の楽器製造メーカー:従業員100人の「年末調整」を源泉徴収簿で行うケース
浜松市内のF社(従業員100人)は、令和9年12月に新しい防衛特別所得税が始まってから初めての年末調整を迎えました。
★注意:よくある誤解として、年末調整の書類で防衛税の分だけを別枠で集計しなければならないと思いがちですが、源泉徴収簿の年末調整欄には3税を合計した年間の総額をそのまま1本の数字として記載すれば良いため、作業時間は例年と全く変わりませんでした。
■ ⑦ 静岡市内のWEB制作会社:外部の個人ライターへおよそ20万円の原稿料を支払うケース
静岡市内のG社は、自社のローカルSEO対策(静岡・浜松での検索順位向上)の一環で、地元の個人ライターへ原稿料として総額20万円(およそ200,000円)を支払いました。
支払時の源泉天引き額は「200,000円 × 10.21% = 20,420円(およそ20,420円)」となり、ライターへの手取り振込額は179,580円となるなど、令和8年以前と寸分違わぬ計算ルーティンを維持できました。
■ ⑧ 浜松市内の建設会社:ベテラン職人の「退職手当」から源泉徴収を行うケース
浜松市内のH社では、令和9年3月に長年勤め上げたベテラン職人が退職することになり、およそ500万円の退職手当を支給しました。
退職所得の源泉徴収計算でも、所得税額に102.1%を乗じる公式(内訳は復興1.1%、防衛1%)がそのまま適用されるため、浜松の会社設立支援等も手がけるプロのアドバイスのもと、端数処理のミスもなく無事に退職所得の源泉徴収票を発行できました。
■ ⑨ 静岡市内のセミナー運営会社:講師への報酬が100万円を超えて「20.42%」になるケース
静岡市内のI社は、全国から高名な経営者を招いて静岡市内で補助金活用セミナーを開催し、講師料として120万円(およそ1,200,000円)を支払いました。
100万円を超える部分の税率は20.42%(通常10.21%の2倍)となるおなじみのルールも、令和9年以降全く同じように引き継がれるため、100万円超のパートに対する天引き計算も、過去の社内マニュアルをそのまま使って適正に処理できました。
■ ⑩ 浜松市内の食品卸問屋:税務調査で「防衛特別所得税の自主点検」を求められたケース
浜松市内のK社は、令和9年の秋に税務署による定期的な源泉所得税の調査(静岡の税務調査対策の一環)を受けました。
調査官から「令和9年から始まった防衛特別所得税の計算漏れはありませんか?」と質問されましたが、K社は「合計102.1%で一括計算して納付書1枚で出しています」と回答し、帳簿のデジタルデータを提示したところ、何一つ不備を指摘されることなく無罪放免で調査が終了しました。
【№5 手順】
令和9年1月1日からスタートする防衛特別所得税の創設と、復興特別所得税の改正に対して、会社の経理担当者が令和8年中の年末から年明けにかけて行うべき、具体的なバックオフィスの実務手順をステップ形式で解説します。
■ STEP①:給与計算ソフトや会計ソフトの会社から届く「アップデート案内」を確認する
令和8年の11月〜12月頃になると、自社で利用している給与計算ソフトやクラウド会計のメーカーから、「令和9年1月以降の防衛特別所得税対応の自動アップデート」に関する通知がメールや画面内に届きます。
それらの案内を読み、ソフトが自動的に内部の税率内訳(復興1.1%、防衛1%)を書き換えてくれる設定になっているか、ボタンを1回押す手動作業が必要かを確認します。
■ STEP②:令和9年1月1日以降に「支払う」給与・報酬の源泉税率をチェックする
給与や外注費の計算において重要なのは、「仕事をした日」ではなく、実際にお金が会社の口座から出ていく「支払日(振込日)」です。
例えば「12月25日締め・翌年1月10日払い」の給与の場合、支払日が令和9年1月10日になるため、新しい防衛特別所得税のトリガーが引かれる対象になります。ソフトの計算結果の合計税率がちゃんと102.1%ベース(現行と見た目の金額は同じ)になっているか目視で確認します。
■ STEP③:外部の個人外注先(デザイナーやライター等)に送る請求書のテンプレートを案内する
令和9年1月以降に取引先から自社へ届く請求書について、外注先が親切に「源泉徴収税額 10.21%」と手書きやエクセルで記載してくれているケースがあります。
この表記のままであっても、令和9年以降の合計税率と完全に一致しているため問題ありませんが、外注先から「内訳はどう書けばいいですか?」と質問された場合に備え、「これまで通り10.21%のままで請求書を作ってください」とメールの定型文を用意しておきます。
■ STEP④:毎月の納付書(所得税徴収高計算書)の金額欄に「3つの税金の合計額」を記入する
令和9年1月分の給料や報酬を支払ったら、翌月の2月10日(特例を受けている場合は7月10日)までに、税務署へ源泉税を納付します。
紙の納付書を使う場合も、e-Taxで電子納税する場合も、専用の新しいマス目は増えません。これまで通り「税額」の欄に、所得税+復興特別所得税+防衛特別所得税のすべてをガッチャンコした「合計の金額」を堂々と記入して、1回で支払いを完了させます。
■ STEP⑤:令和9年12月の年末調整で、源泉徴収簿の合計額をそのまま国へ報告する
令和9年の年末調整の時期を迎えたら、1年間の天引き総額を集計します。
会社の源泉徴収簿や、国に提出する「法定調書合計表(ほうていちょうしょごうけいひょう)」の書類には、3つの税金を引き算してバラバラに分解して書く必要は一切ありません。ソフトが弾き出した合計の源泉徴収税額の数字をそのままスライドして記載し、1年の実務をノーミスで締めくくります。
【№6 FAQ】
防衛特別所得税の創設に伴う源泉徴収実務について、静岡や浜松の企業の経営者さまや経理の現場から想定される10個の疑問に、Q&A形式でスッキリお答えします。
■ Q1. 令和9年1月1日から新しい税金が始まると聞きましたが、従業員の毎月の給料から天引きされる「手取り額」は、改正前の令和8年と比べて減ってしまうのでしょうか?
A1. いいえ、従業員の方の給料の手取り額は1円も減りませんし、逆に増えることもありません。防衛特別所得税として新しく1%が課されるのと同時に、これまで天引きされていた復興特別所得税の税率が2.1%から1.1%へと、ちょうど1%分引き下げられるからです。会社全体としての天引きの合計割合(102.1%ベース)は完全に据え置きとなるため、従業員の皆さまのお財布への影響は一切ありませんのでご安心ください。
■ Q2. 毎月税務署に提出する「所得税徴収高計算書(納付書)」について、静岡市や浜松市の税務署から「防衛特別所得税専用の新しい納付書」が送られてきたりするのですか?
A2. いいえ、防衛特別所得税専用の新しい納付書というものは作られません。現在、会社のデスクの中に保管してある古い所得税徴収高計算書の用紙(給与用や報酬用など)を、令和9年1月以降もそのまま何の手続きもなしに使用することができます。金額の欄に、3つの税金をすべて足し算した合計額を記入して、地元の銀行や信金などの窓口へ持っていけば、そのまま問題なく受け付けてもらえます。
■ Q3. 令和8年12月に社員が働いた分の給料を、翌年の「令和9年1月10日」に支払います。この場合、仕事をしたのは令和8年(改正前)ですが、源泉徴収のルールはどちらが適用されますか?
A3. 支払日である「令和9年1月10日」の新しいルール(防衛特別所得税が含まれるルール)が適用されます。源泉徴収の実務では、仕事をした期間(働いた月)がいつであるかに関わらず、実際に会社が労働者にお金を支給した日(支払日)がいつであるかによって、その時の法律が適用されるという鉄則があります。したがって、令和9年1月以降に支払う給与については、すべて新しい内訳(復興1.1%・防衛1%)での源泉徴収となりますが、合計額は変わらないため実務上の差はありません。
■ Q4. 外部のデザイナーに仕事を依頼し、令和8年12月に請求書をもらいましたが、会社の資金繰りの都合で支払いが遅れ、「令和9年2月15日」に振り込みました。この外注費の源泉徴収はどうなりますか?
A4. この場合も、実際にお金を振り込んだ日が「令和9年2月15日」となるため、新しい防衛特別所得税の対象となります。ただし、請求書に書かれている源泉天引きの税率(10.21%)と、令和9年以降の新しい合計税率(10.21%)は、見た目の数字が完全に一致しています。そのため、遅れて振り込むからといって、請求書の金額をわざわざ計算し直して外注先に再発行を依頼する必要はなく、請求書の通りの金額で天引きして振り込めば法律上100%適正な処理となります。
■ Q5. 給与計算をエクセル(Excel)を使って完全に自作の計算式で行っている小さな会社です。令和9年になったら、エクセルのセルの数式をどのように書き換える必要がありますか?
A5. 結論から申し上げますと、エクセルの計算式を書き換える必要はほとんどありません。なぜなら、これまで「本来の所得税額 × 1.021」という数式を入力して源泉徴収税額を出していたのであれば、令和9年以降も最終的な合計税率は「1.021」のままで変わらないからです。ただし、社内の帳簿のメモなどで「内訳:復興特別所得税2.1%」とテキストで手書きしている部分がある場合は、誤解のないように「復興1.1%、防衛1%」と文字だけ書き換えておくと、将来の法務チェックの際に親切です。
■ Q6. 年末調整のときに国へ提出する「源泉徴収票」の用紙のレイアウトは、防衛特別所得税のせいで新しく「防衛税の記入欄」が追加されるなど、大幅に変更されますか?
A6. いいえ、源泉徴収票のレイアウトに「防衛特別所得税」のためだけの独立した新しいマス目が新設されることはありません。これまでの源泉徴収票にある「源泉徴収税額」という既存のマス目の中に、所得税、復興特別所得税、そして防衛特別所得税の3つの年間合計額をすべて合算した「1つの数字」をそのまま記入する仕様となる予定です。そのため、印刷ソフトの設定を大幅に変えたり、手書きの記入スペースが狭くなって困ったりすることはありません。
■ Q7. 静岡・浜松の顧問税理士と契約していない会社ですが、税務署へ提出する「法定調書合計表」の書類の書き方で、防衛特別所得税の金額を別で集計して内訳を報告する義務はありますか?
A7. いいえ、そのような内訳の報告義務はありません。毎年1月に税務署へ提出する「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」という1枚の書類の金額欄にも、3つの税金をすべてミックスした合計額をこれまでと同じように記載すれば実務は完了します。税務署のシステム側でも、102.1%で一括して入金されたお金を、国の内部の予算口座で「復興分に1.1%」「防衛分に1%」と自動的に割り振って処理するため、中小企業のバックオフィスに対して「内訳を分けて報告しなさい」という面倒な要求をしてくることはありません。
■ Q8. 個人事業主として静岡市内でビジネスをしていますが、売上から天引きされる側の人間にとっても、令和9年以降の確定申告の手続きは何か変わりますか?
A8. 天引きされる側の個人事業主さま(デザイナー、ライター、職人など)の確定申告の実務についても、大きな変更はありません。確定申告書を書く際、取引先から送られてくる支払調書に記載された「源泉徴収税額(3税の合計額)」の数字を、そのまま確定申告書の該当欄に転記するだけです。申告書の内部の計算ロジック(税金の自動計算)は国税庁の確定申告書等作成コーナーなどが自動で令和9年版にアップデートされるため、ご自身で複雑な割り算をする必要はありません。
■ Q9. 会社が海外の外国法人や、海外に住んでいる不特定多数の「非居住者」に対して報酬を支払う場合の源泉徴収(基本税率20.42%など)についても、今回の防衛特別所得税の影響はありますか?
A9. はい、海外の個人や法人に対して日本国内から特定の報酬を支払う際の源泉徴収(非居住者源泉)についても、今回の防衛特別所得税と復興特別所得税の改正ルールが全く同じように適用されます。通常であれば「本来の税率20% × 102.1% = 20.42%」という合計税率で天引きを行いますが、令和9年1月1日以降もこの「20.42%」というトータルの税率自体はビタ一文変わりません(内訳が復興1.1%分と防衛1%分に変わるだけです)。したがって、海外送金の実務の現場であっても、天引き額の変更による送金トラブルを心配する必要はありません。
■ Q10. 静岡市、浜松市に拠点がある最高のIT税理士法人は、この令和9年からの防衛特別所得税のスタートに際して、地元のバックオフィス向けにどのようなIT導入支援を行ってくれますか?
A10. 私たち最高のIT税理士法人では、静岡・浜松の地元の企業さまが使われている給与計算システム(MFクラウド給料やfreee人事労務など)が、令和9年1月の最初の給与振込日に向けて正しく自動アップデートされ、エラーを起こさずに102.1%のブレンド計算を行えているかを、事前のIT法務チェックを通じて完全にサポートいたします。万が一、古い自社開発システムや古いPCソフトを使っていて税率内訳のバグが心配な企業さまに対しても、最先端のクラウド会計導入をスムーズに行い、経営者さまが税制改正のたびにハラハラしない「業務生産性爆上げのバックオフィス」を浜松・静岡の全域で構築させていただきます!
【№7 まとめ】
令和8年度税制改正により決定した、令和9年1月1日からの「防衛特別所得税」の創設と、それに伴う「復興特別所得税」の引き下げ改正について解説してきました。
新しい税金が作られるというニュースを耳にすると、中小企業の社長さまやバックオフィスの現場は「また面倒な法改正対応で残業が増えるのではないか」「給与ソフトの買い替えで余計なコストがかかるのではないか」と不安になりがちです。しかし、中身を丁寧に紐解いてみれば、今回の改正は天引きの合計税率である「102.1%」という数字を綺麗に維持したまま、国の内部でお財布の内訳(復興1.1%、防衛1%)をパズル調に組み替えただけの、実務に配慮された内容であることがわかりました。
■ 実務への影響がゼロだからこそ、事前の「知っている安心」が会社の生産性を守る
静岡・浜松の中小企業さまへ向けてお伝えしたいのは、今回の防衛特別所得税のスタートに関しては、過度に恐れる必要は全くないということです。毎月の銀行への納付書もこれまで通りの1枚で完全に完結し、年末調整の書類仕事のやり方も1ミリも変わりません。
大切なのは、「令和9年になっても、源泉徴収のパーセンテージや実務の手順はこれまでと一切変えなくていいんだ」という正しい一次情報を、経営者自身と経理の現場が事前にしっかりと共有し、無駄な情報に踊らされない安心のバックオフィス体制をキープすることです。
★重要:知らないと損するポイント
今回の法改正の唯一の構造変化は、復興特別所得税の税率が1.1%に下がった代わりに、その課税期間が当初の令和19年から「令和29年まで」へと、20年間も後ろに延長された点にあります。
会社が毎月行う給与天引きの計算においては、この「20年延長」という事実は計算式に一切影響を及ぼしません。
「合計税率は102.1%のまま変わらない」という大原則だけをしっかり胸に刻み、日々のDX経営や売上拡大の活動に安心して全力を注いでいただければ幸いです。
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3896号(2026年04月13日)「防衛特別所得税創設と復興特別所得税改正に伴う源泉徴収実務対応が判明」税務研究会
参考:国税庁タックスアンサー「No.2507 復興特別所得税の源泉徴収等」(参照日:2026-06-16)
参考:e-Gov法令検索「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」、「防衛力強化に係る財源確保のための税制上の措置に関する法律(防衛財源確保法)」(参照日:2026-06-16)
【№9 該当条文の説明】
【防衛力強化に係る財源確保のための税制上の措置に関する法律(防衛財源確保法)第5条の26等】
■ 条文が作られた背景とこれまでの歴史
この条文は、日本の防衛力を中長期的に維持・強化していくための安定的な財源を確保することを目的に、令和8年度の税制改正の一環として新設されました。
国の安全保障環境の変化に伴い、防衛費の大幅な増額が必要となった歴史的背景から、広く国民全体でその負担を分かち合うための受け皿として、所得税の仕組みを一部活用する形で「防衛特別所得税」の課税根拠となる条文が誕生しました。
■ 条文の具体的な内容と自社における意味
法律の文言では、所得税の納税義務者に対して、その年分の基準所得税額に「1%」の税率を乗じた金額の防衛特別所得税を課すこと、そして所得税の源泉徴収義務者は、毎月の源泉徴収を行う際、その所得税の額に合わせて防衛特別所得税も同時に徴収し、国へ納付する義務があることを定めています。
静岡や浜松で従業員を雇用しているすべての企業にとって、この条文は令和9年1月1日以降、毎月の給与天引きの法的義務の1つとして新しくバックオフィスのインフラに組み込まれることを意味しています。
【東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(改正後の規定)】
■ 条文が作られた背景とこれまでの歴史
この条文は、平成23年に発生した東日本大震災の復興財源を賄うため、平成25年(2013年)から令和19年(2037年)までの25年間にわたり、本来の所得税額に「2.1%」を上乗せして徴収する目的で作られた歴史ある法律です。
しかし、今回の防衛特別所得税(1%)の新設に伴い、企業の源泉徴収実務の負担が過度に重くなることや、国民の急激な税負担増を和らげるため、この復興特別所得税の条文に大がかりなメスが入れられることになりました。
■ 条文の具体的な内容と自社における意味
改正後の条文では、令和9年1月1日以降の復興特別所得税の税率を、従来の2.1%から「1.1%」へと引き下げることが明記されました。
その一方で、税率を下げたことによって減少する復興予算の累計総額を帳尻合わせするため、課税期間の終了期限を、現行の令和19年から「令和29年(2047年)12月31日まで」へと、ちょうど20年間後ろへスライドして延長する措置が盛り込まれました。
この2つの法律の絶妙な連携により、会社の経理の実務においては、「復興1.1% + 防衛1% = 2.1%」となり、従来の合計税率「102.1%」のままで計算の辻褄が完全に合うよう設計されています。静岡・浜松の経営者にとっては、法的な内訳は変わるものの、実際のキャッシュアウトや計算ロジックを変えずに済むという、フェイルセーフな法構造となっています。
【結論(重要ポイントまとめ)】
① 令和9年1月1日から「防衛特別所得税(税率1%)」が新設されますが、同時に「復興特別所得税」が2.1%から1.1%へ引き下げられるため、天引きの合計税率は「102.1%」のままで完全に据え置かれます。
② 毎月の税務署への支払いに使う納付書(所得税徴収高計算書)は、新しい用紙に分ける必要はなく、これまで通り「1枚の納付書」に3税を合算した金額を記入して一括納付すればオッケーです。
③ 年末調整の処理や、外部のデザイナー等へのギャラの逆算(グロスアップ計算)の公式についても、トータルの税率が変わらないため、今までのシステムややり方をそのまま何の手続きもなしに引き継ぐことができます。
読者の皆さまが次にすべき行動は、社内の経理スタッフや給与計算の担当者に対して、「令和9年から防衛特別所得税という名前の税金が始まるけれど、合計の税率は102.1%のままで1ミリも変わらないから、特別な手作業での計算変更や明細書の行の追加は一切しなくていいよ」という正しい事実をあらかじめ伝えて安心させてあげることです。もし、自社で昔から使っている古い独自の給与計算エクセルシートや古い会計システムがあり、年明けの源泉徴収計算の端数処理(四捨五入や切り捨てなど)にほんの少しでも不安を感じた場合は、静岡市・浜松市から全国の中小企業のDXバックオフィス化を強力にリードする当事務所へ今すぐお気軽にご相談いただき、法改正の波をノーミスで乗りこなす完璧なクラウド会計インフラを一緒に構築していきましょう。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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