組織再編税制におけるみなし共同事業要件と繰越欠損金の取り扱い

2026年7月7日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!

私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高のIT税理士法人」となるべく、日々精進しています!

本日は、「組織再編税制におけるみなし共同事業要件と繰越欠損金の取り扱い」をお伝えさせていただきます!

【この記事で得られること】
会社合併時に繰越欠損金が消滅してしまうリスクとその回避方法が分かります。

「みなし共同事業要件」という専門的な概念を、経営者の視点で理解できます。

静岡・浜松の中小企業が事業再編を行う際に必要な「事前の税務チェックポイント」が明確になります。

【№2 結論】

会社同士を合併させる際、最も気をつけなければならないのが「繰越欠損金(過去の赤字)」の取り扱いです。
適格合併(税制上の要件を満たす合併)であっても、特定の条件を満たさないと、大切に積み上げてきた過去の赤字が「切り捨て」られてしまうリスクがあります。

この切り捨てを防ぐためのセーフティーネットの一つが「みなし共同事業要件」です。
この要件を満たす合併を行えば、たとえグループ内の合併であっても、繰越欠損金を合併後の会社へ引き継ぐことが可能になります。

みなし共同事業要件には「事業関連性」「事業規模」「事業規模継続」といった厳しいチェック項目がありますが、ポイントを押さえれば、実務上は意外とシンプルに要件クリアを判定できるケースも多いです。

特に静岡市や浜松市の地場企業同士で、同種の事業を営む子会社を合併させるような場合、適切な準備をしておけば、赤字を引き継ぎ、節税効果を維持したままスムーズに事業効率化を図ることが可能です。

【№3 やさしい解説】

■ なぜ繰越欠損金が消滅するのか?

企業には、過去に出した赤字を将来の利益と相殺して税金を減らせる「繰越欠損金」という強力な節税ツールがあります。
しかし、合併という機会を利用して「わざわざ赤字会社を買収して、自社の利益と相殺して節税する」という不当な租税回避行為が横行すると、国としては税収が減ってしまいます。

これを防ぐために、税法では合併時に繰越欠損金の引き継ぎに制限をかけています。
会社が合併する際は、「この合併は、本当に事業を効率化するために行う正当なものですか?」という視点で厳しくチェックされるのです。

一言まとめ:赤字を悪用した節税を防ぐため、合併時の引き継ぎには厳しいルールがあるのです。

■ 「みなし共同事業要件」とはどんな仕組み?

「みなし共同事業要件」とは、支配関係のある会社同士の合併において、「この合併は実質的に共同事業を行うためのものだ」と認められる場合に、繰越欠損金の切り捨てを免除する仕組みです。

具体的には、以下の3つのチェックポイントをクリアする必要があります。

事業関連性要件:合併する両社の事業に関連性があること。

事業規模要件:両社の事業規模(資本金や売上など)に5倍以上の大きな格差がないこと。

事業規模継続要件:事業の実態を急激に変えるような操作(赤字取り込みのための急な増資など)をしていないこと。

一言まとめ:会社同士が「身の丈に合った関連事業」で協力して再編するなら、赤字の引き継ぎを認めるというルールです。

■ よくある誤解:合併すれば何でも赤字は引き継げる?

多くの経営者さまが「税務上の適格合併なら大丈夫だろう」と考えがちですが、それは大きな間違いです。
適格合併の要件を満たすことと、繰越欠損金の制限を受けないことは別の話なのです。

たとえ手続き上完璧な適格合併であっても、今回説明する「みなし共同事業要件」を満たさなければ、過去の赤字は合併の瞬間に消滅します。
合併後の節税プランが崩れてしまわないよう、必ず専門家と一緒に要件チェックを行う必要があります。

一言まとめ:適格合併=赤字引き継ぎOKではない。別途、厳しい判定が必要です。

【№4 具体例】

静岡・浜松の現場でよくあるケースを想定して、判定のイメージを掴みましょう。

① 浜松市の飲食店A社とB社を合併させるケース
両社とも「飲食店業」を営んでおり、A社の資本金8千万円、B社2千万円(5倍以内)です。3年前からグループ会社で、事業内容も安定しています。
★判定:事業関連性(同種)、事業規模(8:2=4倍)、継続性(変化なし)のすべてを満たすため、繰越欠損金は引き継げます。

② 静岡市の製造業が、全く畑違いのIT会社を合併するケース
製造業の親会社が、節税目的で赤字のIT会社をグループに取り込みました。
★判定:事業に関連性がないため、この要件を満たすことはできません。赤字は切り捨てられます。

③ 合併直前に、赤字を相殺するために急いで増資したケース
事業規模要件をクリアするために、合併直前に資本金を急増させた場合です。
★注意:税務調査で「租税回避のための操作」とみなされ、要件を満たさないと判定されるリスクが非常に高いです。

④ 合併法人と被合併法人のどちらも、一の事業しかしていないケース
両社とも「運送業」のみを営んでいる場合です。
★重要:判断が非常にシンプルです。「同種の事業」であれば、事業関連性要件はクリアしたとみなされます。

⑤ 資本金額の規模がちょうど5倍のケース
資本金1億円と2千万円の会社を合併させる場合です。
★ポイント:5倍以内であれば要件を満たします。ただし、登記簿上の資本金だけでなく、売上や従業員数で判定することも可能です。

⑥ 支配関係発生時から事業が大きく変わったケース
3年前にM&Aした子会社の事業内容を、合併直前にガラリと変えた場合です。
★注意:事業規模継続要件に抵触し、赤字が消滅する可能性が高いです。

⑦ 複数の事業を行っている会社のケース
建設業と飲食業の両方を行っている会社を合併する場合です。
★ポイント:主要な事業だけで判定します。判定には詳細な決算書データが必要となります。

⑧ 赤字の取り込みを目的とした、不自然な組織変更を行ったケース
事業規模が極端に小さい会社を、無理やり合併させて赤字を狙う行為です。
★注意:税務当局はここを重点的に見ます。実態のない合併は認められません。

⑨ 経営陣の引き継ぎ要件(次回詳しく解説する「d要件」)を利用するケース
今回はa~cを解説しましたが、d要件を使えばクリアできるケースもあります。
★ポイント:事業規模要件が5倍を超えていても、経営陣が合併後も残るなら認められる道があります。

⑩ 静岡・浜松の顧問税理士と事前シミュレーションを行ったケース
M&A前に「繰越欠損金がどれくらい引き継げるか」を税理士と算出したケースです。
★重要:合併後の節税額が、合併コストを上回るかの判断には不可欠です。

【№5 手順】

再編時に赤字を守るための具体的な実務ステップです。

■ STEP①:合併検討対象の「事業・規模・歴史」をリスト化する

資本金、売上、従業員数、過去数年の事業報告書などを集めます。

■ STEP②:支配関係発生日と、それ以降の変更履歴を確認する

登記簿謄本等で「いつからグループになったか」「その後資本金や事業に変更はあったか」を時系列で整理します。

■ STEP③:事業関連性要件を判定する

両社で行っている主要な事業が、同種か、シナジーがあるかを比較します。

■ STEP④:事業規模要件(資本金・売上・従業員数)を計算する

資本金の比較が一番シンプルです。5倍以内であることを確認します。

■ STEP⑤:事業規模継続要件(過去の推移)を確認する

支配関係発生時から合併直前まで、事業の実態が大きく変化していないか、決算数値でチェックします。

■ STEP⑥:専門家によるレビューと書面での証拠化

判定結果をメモにまとめ、税理士による確認を受けます。税務調査が入った際、このメモが身を守る盾になります。

【№6 FAQ】

静岡・浜松の経営者さまからよくいただく質問に答えます。

■ Q1. 静岡市内で子会社を合併します。資本金が5倍以内なら、絶対に繰越欠損金は引き継げますか?
A1. 事業関連性と継続性の要件も満たす必要があります。どれか一つでも欠けると引き継げません。

■ Q2. 従業員数で判定する場合、アルバイトも人数に入りますか?
A2. はい、含まれます。派遣社員も従業者に含めるのが一般的です。

■ Q3. 合併後の会社で繰越欠損金は使い放題ですか?
A3. 制限を受ける可能性もあります。今回は「切り捨てられるかどうか」の要件ですが、使用制限のルールは別途存在します。

■ Q4. 判定はいつの時点の数字を使いますか?
A4. 合併直前の数値で行います。合併直前に赤字会社を買収するなどして調整することは厳禁です。

■ Q5. 資本金は登記上の金額ですか?
A5. はい、登記簿の金額です。

■ Q6. 合併と同時に社名が変わる場合は影響ありますか?
A6. 社名変更自体は要件判定に大きな影響はありません。

■ Q7. 浜松の税理士に合併を依頼すれば、この判定もやってもらえますか?
A7. はい。再編税制は専門性が非常に高いため、必ず経験豊富な税理士に依頼してください。

■ Q8. 事業関連性とは、具体的にどのレベルですか?
A8. 同業種である、または製造と販売の関係など、シナジー(相乗効果)が見込める関係性が必要です。

■ Q9. 判定ミスをしてしまったらどうなりますか?
A9. 税務調査で否認され、多額の追徴課税が発生する恐れがあります。

■ Q10. みなし共同事業要件を満たせない場合、合併は諦めるべきですか?
A10. 他の節税手法や、別のスキームを検討する余地はあります。諦める前にご相談ください。

【№7 まとめ】

合併時の赤字引き継ぎは、緻密な税務判定が不可欠です。

【結論(重要ポイントまとめ)】
① 適格合併であっても「みなし共同事業要件」を満たさないと繰越欠損金は消える。

② 事業関連性・事業規模・継続性の3点を、合併前に必ずシミュレーションする。

③ 判定は専門的知識が必要なため、静岡・浜松の経営者は必ず税理士にチェックを依頼する。

再編は会社の成長のための大きな一手ですが、税務でのミスは致命傷になりかねません。
「使えるはずの赤字」を守り、会社を強くするために、事前の戦略的な検討を強くおすすめいたします。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3897号(2026年04月20日)「ゼロからはじめる組織再編税制 第13回 みなし共同事業要件とは①」佐々木みちよ
参考:国税庁タックスアンサー「No.5792 組織再編成における繰越欠損金の引継ぎ」(参照日:2026-06-25)
参考:e-Gov法令検索「法人税法(第57条 繰越欠損金の控除)」「法人税法施行令(第112条 共同事業を営むための適格合併等)」(参照日:2026-06-25)

【№9 該当条文の説明】

参考:e-Gov法令検索「法人税法(第57条第3項・第4項)」「法人税法施行令(第112条第3項~第10項)」(参照日:2026-06-25)の内容解説

■ 条文が作られた背景と改正経緯
繰越欠損金の引き継ぎ制限に関する条文は、法人税法の公平性と租税回避防止という重要な理念に基づいています。本来、繰越欠損金は「その会社自身の赤字」を補填するためのものです。しかし、合併を通じて「赤字だけの会社」と「利益が出ている会社」を統合すれば、本来払うべき税金が意図的に減らされてしまいます。
こうした「税金逃れ」を防ぎつつ、事業の統合という経済活動を阻害しないためのバランスとして、「みなし共同事業要件」が制定されました。単なるグループ会社同士の合併であっても、実態として共同事業を行っていないのであれば、税制上の優遇措置(赤字の引き継ぎ)を認めないという、厳格な姿勢が示されています。

■ 条文の具体的な内容と自社における意味
条文で規定される「みなし共同事業要件」の要諦は、合併という組織変更を「事業の継続性」という観点から捉えている点です。法人税法第57条に基づき、支配関係がある会社間での合併であっても、その実態が「規模の異なる法人による一方的な吸収」ではないことを証明しなければなりません。
特に施行令第112条で定められた「a~cの要件」は、合併法人と被合併法人の「事業の関連性(シナジーの有無)」「規模の格差(5倍以内)」「継続性(支配関係発生時からの実態変化がないこと)」を客観的に数値化して判定することを求めています。
静岡・浜松の中小企業経営者さまにとって、この条文は「適法な合併を行えば自動的に節税できる」という幻想を否定するものです。合併の実務においては、登記上の資本金や過去の売上データを時系列で管理しておくことが、将来の繰越欠損金という「財産」を守るための必須防衛手段となります。条文が求める要件を満たすかどうかは、申告時の計算だけでなく、合併の意思決定を行う「合併契約締結前」に判定が完結していなければなりません。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
※当事務所はDXを経営に活かすことを推進しており、当ブログはAIを活用して生成しています。実際の税制や政策、判例、事件、事象を元に作成していますが、正確な内容や最新の情報とは異なる場合がありますことをご了承くださいませ。
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