関連者間取引に係る書類の整理保存の特例

2026年7月14日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!

私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々進んでいます!

本日は、「関連者間取引に係る書類の整理保存の特例」をお伝えさせていただきます!

【この記事で得られること】
令和8年度税制改正で新しくできた「書類保存のルール」が分かります。

関連者だけでなく、取引先との関係性によっても対象になる可能性があることを理解できます。

青色申告を取り消されないための、適切な書類整理と管理手順を解説します。

【№2 結論】

令和8年4月1日以後に開始する事業年度から、「関連者間取引に係る書類の整理保存の特例」という新しいルールが適用されます。
これは、グループ会社などの「関連者」と取引をする際、契約書や領収書に対価の明細などが不足している場合、追加で「特定事項記載書類」を保存しなければならないという制度です。

最大の特徴は、「持株関係のない第三者(非関連者)との取引であっても、実質的に関連者と価格が決定されているような場合には、この特例の対象になる」という点です。
保存義務を怠れば、最悪の場合、青色申告の承認が取り消されるという厳しいペナルティがあります。

静岡・浜松で事業を展開する経営者さまは、グループ内での取引はもちろん、第三者を介した特殊な契約形態がないか、今一度契約内容を見直すことが重要です。

【№3 やさしい解説】

■ そもそも「関連者間取引」って何?

企業同士の取引において、単なる外注先や販売先ではなく、資本関係や役員派遣などにより「強い支配関係」にある会社同士の取引のことを指します。
これまでも移転価格税制などで厳しく見られてきましたが、今回の改正は「より細かい書類をちゃんと揃えて保存しましょう」という事務的な管理ルールを強化したものです。

■ なぜ書類の保存が厳しくなったのか?

近年、複雑な取引構造を使って、税額をコントロールしようとする動きが増えています。
国としては、取引内容を客観的に証明できる「明細」が契約書にない場合、後からチェックできるように証拠を残させておきたいという意図があります。

■ 「非関連者」も対象になるってどういうこと?

★重要:ここが最も注意すべきポイントです。
たとえ書類上の取引先は「第三者(非関連者)」であっても、実質的に以下の条件を満たすと「関連者間取引」とみなされます。

関連者が行うはずの取引を、第三者を介して実行させている場合。

契約内容や対価が、実質的にグループ内で決定されている場合。

つまり、書類上の形だけでなく「実態としてグループの影響下にある取引か」が問われます。

■ 青色申告取り消しのリスクについて

★注意:青色申告の承認が取り消されるということは、税務上のメリット(繰越欠損金など)がすべて消えることを意味します。
経理担当者や経営者さまが「いつもの契約書があるから大丈夫」と油断していると、思いがけないトラブルに発展する可能性があります。

【№4 具体例】

静岡・浜松の企業さまで起こりうるケースを想定しました。

① グループ会社への知的財産貸し出し
親会社が保有する特許を子会社に貸し出す契約で、契約書に詳細な対価の計算式がない。
★注意:明細書を別途作成し、保存しておく必要があります。

② 海外の関連会社への役務提供
海外の子会社へ経営コンサルティングを提供しているが、領収書に対価の根拠がない。
★重要:コンサル内容や稼働時間の根拠を残しておく必要があります。

③ 子会社を介した第三者との取引
本来、親会社と直接契約すべきところを、子会社というクッションを挟んで契約し、実質的な価格を親会社が決めている。
★ポイント:この場合、第三者との取引であっても本特例の対象になる可能性があります。

④ 役員を派遣している関係先との取引
実質支配関係がある企業との取引で、契約書が簡素すぎて「総額」しか書かれていない。
★注意:特例対応のため、内訳の作成が必須です。

⑤ 複数のグループ会社で同じ契約書を使い回すケース
形式的な契約書だけで、具体的な対価の明細がそれぞれの会社で記録されていない。
★ポイント:会社ごとの個別管理が必要です。

⑥ 以前から続いている「慣習」での取引
何年も前の契約書のままで、現状の価格の根拠が書かれていない。
★重要:このタイミングで契約書の更新と、明細の追加保存をルーチン化しましょう。

⑦ ネットを介した自動取引
自動化ツールを使っているため、取引ごとの詳細な対価明細が自動発行されない。
★ポイント:システムから明細を抽出できる環境を作りましょう。

⑧ 工業所有権の譲渡が絡む取引
特許権を譲り受けた際、対価の妥当性を示す根拠書類を保存していなかった。
★注意:無形資産の取引は特に厳しくチェックされます。

⑨ 静岡市内の取引先が、実はグループの関連先だった
「ただの取引先」だと思っていたら、資本関係を深く辿ると関連者であった。
★ポイント:取引相手の資本関係を把握しておくことは、管理の基本です。

⑩ 浜松市内の支店と、本社(関連会社)とのやり取り
本社から支店への役務提供に対し、費用負担の根拠がない。
★重要:グループ内であっても、書類管理の原則は変わりません。

【№5 手順】

今から取り組むべき、特例対応に向けた管理体制の構築ステップです。

STEP①:グループ内および関連者との取引一覧を作成する
まずは、資本関係や役員派遣がある会社との取引をすべて洗い出します。

STEP②:現在の契約書・領収書を確認する
「対価の額の明細」など、必要な記載事項が漏れていないかをチェックします。

STEP③:特定事項記載書類の作成ルールを決める
不足している情報(明細)をどのように補完するか、社内でテンプレートを作成します。

STEP④:保存体制をデジタル化する
紙での保存ではなく、クラウド会計や文書管理システムを活用し、いつでも取り出せる状態にします。

STEP⑤:定期的な見直しとモニタリングを行う
取引形態が変わるたびに、関連者の判定と保存すべき書類の有無を再確認します。

【№6 FAQ】

よくある質問をまとめました。

Q1. 令和8年4月1日以前から続く取引はどうなりますか?
A1. その事業年度の開始日からルールが適用されますので、前もって準備が必要です。

Q2. 「特定事項」とは具体的に何を指しますか?
A2. 対価の額の算定根拠や明細など、取引の正当性を証明するために必要な事項です。

Q3. 関連者かどうかの判定はいつ行いますか?
A3. 取引が行われた「その時点」の現況で判定します。

Q4. 非関連者とみなされるのはどんな時ですか?
A4. 資本関係や役員派遣など、持株関係や実質的支配関係がない場合です。

Q5. 青色申告が取り消されると、何が困りますか?
A5. 繰越欠損金の控除や、各種税制上の特典が受けられなくなります。

Q6. この特例はすべての中小企業が対象ですか?
A6. 内国法人が行う特定の関連者間取引が対象ですので、該当取引がない企業は対象外です。

Q7. 浜松市内の支店間取引も「関連者間取引」ですか?
A7. 同一法人内であれば対象外ですが、グループ会社(法人格が別)であれば対象となります。

Q8. 書類を紛失した場合はどうなりますか?
A8. 即座に青色申告取り消しというわけではありませんが、税務調査で指摘を受ければ是正を求められます。

Q9. 電子帳簿保存法との関係は?
A9. 電子保存のルールを守りつつ、特例が必要な明細書類を一緒に保存することが求められます。

Q10. 契約書が英文の場合、翻訳は必要ですか?
A10. 税務調査の際に求められたら、内容を明らかにするための日本語訳を提示できるようにしておくべきです。

Q11. 静岡の税理士にどこまで手伝ってもらえますか?
A11. 契約内容の妥当性チェックや、必要となる書類の作成フロー構築をサポートいたします。

【№7 まとめ】

この特例は、グループ取引や特殊な契約形態を持つ企業にとって、非常に重要な改正です。

【結論(重要ポイントまとめ)】
契約書や領収書に対価の明細がない場合、追加の書類作成と保存が必須となる。

実質的にグループの影響下にある取引であれば、非関連者との取引も対象に含まれる。

書類管理の不備は、青色申告取り消しという重大なリスクに直結する。

静岡・浜松の経営者さまは、単なる事務処理の一つと捉えず、事業承継や組織再編のタイミングで契約形態を整理する良い機会と捉えましょう。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3898号(2026年04月27日)「関連者間取引 非関連者間取引も一部対象」編集部
参考:国税庁タックスアンサー「No.0000 関連者間取引等の書類保存制度」(参照日:2026-07-03)
参考:e-Gov法令検索「法人税法、法人税法施行令第59条の2」(参照日:2026-07-03)

【№9 該当条文の説明】

参考:e-Gov法令検索「法人税法施行令第59条の2(関連者間取引に係る書類の整理保存の特例)」(参照日:2026-07-03)の内容解説

■ 条文の構成と狙い
この条文では、内国法人がグループ内の関連者との間で工業所有権や役務提供などの取引を行う際、基本となる契約書等に「対価の額の明細」などが不足している場合、その不足分を補う「特定事項記載書類」の取得・保存を義務付けています。
法律の狙いは、グループ取引の透明性を確保することにあります。特に、形式的な契約のみで実態不明なまま取引額を決定することを防ぐため、明細という証拠を残すことを強制しているのです。

■ 非関連者取引への拡張の理由
条文第7項以下では、持株関係や実質的支配関係がない「非関連者」であっても、グループ会社へ役務提供することがあらかじめ決まっている場合や、対価が実質的に関連者間で決定されている場合には、この特例を適用すると定めています。これは、第三者名義を利用した「迂回取引」による租税回避を未然に防ぐための強力な規定です。経営者の皆さまは、自社の取引構造がこの要件に該当しないか、契約フローを一度専門家と共に確認することをお勧めします。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!

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