親族が所有する資産を賃借した場合の取扱い(所得税、消費税)
2026年8月10日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高のIT税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「親族が所有する資産を賃借した場合の取扱い(所得税、消費税)」をお伝えさせていただきます!
【この記事で得られること】
配偶者や親族が所有する不動産を自分の事業で借りたときの、所得税における経費の特例ルールがわかります。
固定資産税や修繕費、減価償却費などをどのように事業所得の必要経費に含めるべきか理解できます。
消費税の計算における注意点や、仕入税額控除の適用ルールについて実務的なポイントが明確になります。
「自分の事務所が手狭になったので、家族が所有する空き家をオフィスとして借りようと考えている」
そんなふうに、身内が所有する建物や土地をご自身のビジネスのために活用しているケースはありませんか。
ビジネスを円滑に進めるために親族間で不動産の貸し借りを行うことは、お互いの信頼関係もあり、非常にスムーズな選択肢のように思えます。
しかし、税務の世界においては、身内同士の取引であるからこそ特別なルールが設けられており、一般の第三者から借りる場合とは異なる計算や注意が必要になります。
特に、所得税の計算における独特な仕組みや、消費税の取り扱いについては、知らずにいると思わぬ申告ミスや税金の見落としにつながるおそれがあります。
静岡や浜松で日々ビジネスに励む中小企業の社長さまやフリーランスの皆様にとって、こうした家族間取引の税務ルールを正しく知ることは、適正な節税とリスク管理の観点から非常に大切です。
本日は、親族間の資産賃借をめぐる所得税と消費税の具体的な取扱いについて、分かりやすく紐解いていきます。
【№2 結論】
親族が所有する資産を賃借する場合の最大のポイントは、所得税法において「生計を一にする親族間」の支払いに関する特例が適用される点です。
納税者が生計一親族に支払う経費は通常の事業所得の必要経費になりませんが、逆にその親族が負担した固定資産税や減価償却費などの経費を納税側の事業所得の必要経費に取り込むことができます。
一方、消費税の計算においてはこのような家族間特例の規定が存在しないため、実際の賃貸借契約に基づいた家賃の授受や適格請求書発行事業者としての処理が必要となります。
所得税と消費税でルールの仕組みが異なる点をしっかりと区別して、正確な経理処理を行うことが重要です。
【№3 やさしい解説】
ビジネスを営むうえで、自分が所有する不動産ではなく、生計を同じくする配偶者や親族の所有する物件を仕事場として使うケースは少なくありません。
通常であれば、支払った家賃はそのまま事業の経費(必要経費)になりそうですが、税務では家族間のお金の移動に対して厳格な目が向けられます。
★重要:知らないと損するポイント
所得税の世界では、生計が同じ親族に対して支払った家賃そのものをそのまま必要経費にすることはできません。
しかし、その物件を所有している親族側が負担している固定資産税、管理費、修繕費、さらには建物の減価償却費といった実際の必要経費を、事業を行っている側の必要経費として計算に含めることができます。
つまり、家族の間でやり取りされる家賃の金額そのものではなく、その物件にかかる実際の維持費などをベースにして経費を算入する仕組みになっているのです。
★注意:よくある誤解
「家族に家賃を払っていない無償の状態であれば、税金の計算は何も気にしなくてよい」というのはよくある誤解です。
実は、たとえ無償で借りている場合であっても、物件を所有する親族側の必要経費を事業を行っている側の所得計算に取り込むことができるという特例があります。
また、消費税の取り扱いにおいては、所得税のような特殊な引き換えルールがなく、実際に家賃の支払いがあればその金額をベースに仕入税額控除の判断を行うことになります。
一言でまとめると、「家族間の不動産貸し借りは、所得税と消費税でルールが全く違うため、それぞれの考え方に合わせて正しく計算する必要がある」ということです。
【№4 具体例】
実務の現場で想定される具体的なケースを10個挙げます。
① 静岡市で事務所を拡張するため、配偶者が相続した空き家をオフィスとして借り受け、家賃を支払いながら事業を行うケース。
② 浜松市で個人事業を営む夫が、妻の所有する店舗兼住宅の一角を仕事場として使い、固定資産税や修繕費の負担関係を整理するケース。
③ 家族間で不動産の貸し借りを行うにあたり、家賃の支払額と税法上の必要経費算入額のズレに戸惑う経理担当者のケース。
④ 無償で親族所有のビルを借りて事業を行っている個人事業主が、建物にかかる減価償却費を自身の事業所得の必要経費に含めるケース。
⑤ 配偶者名義の事業用資産を取り壊すことになり、資産損失の金額を事業所得の必要経費として適切に処理するケース。
⑥ 妻が所有する不動産から生じる不動産所得の金額と、夫の事業所得とのバランスを考慮しながら確定申告の準備を進めるケース。
⑦ 夫から妻へ支払っている家賃について、消費税の計算上は通常の課税仕入れとして仕入税額控除の適用関係をチェックするケース。
⑧ 配偶者が適格請求書発行事業者ではない場合に、家賃の支払いに関して経過措置(8割控除など)を適用して計算するケース。
⑨ 家族間での賃貸借であっても、帳簿への記載要件や領収書等の証拠書類の保存をしっかりと行うよう税理士から指導を受けるケース。
⑩ 静岡・浜松の中小企業や個人事業主が、親族間取引に関する税務調査への備えとして契約書や支払いの実態を再確認するケース。
【№5 手順】
親族が所有する資産を事業用に賃借する場合の正しい実務手続きを整理します。
STEP① 賃貸借契約書の締結と実態の確認
配偶者や親族の間であっても、物件の貸し借りに関する賃貸借契約書を書面で交わし、家賃の額や支払い条件を明確にしておきます。
STEP② 必要経費の算入計算の準備
所得税法上の特例に基づき、事業を行っている側の必要経費に、物件を所有する親族側の必要経費(固定資産税、減価償却費など)を含める計算の準備を行います。
STEP③ 領収書や証拠書類の保存
親族間で支払った経費や、物件の維持管理にかかった領収書・請求書などの関係書類を漏れなく保管します。
STEP④ 消費税の課税関係の確認
消費税の計算においては、通常の賃貸借と同様に家賃の支払額をもとに仕入税額控除の適用関係を確認し、適格請求書(インボイス)の有無や経過措置をチェックします。
STEP⑤ 確定申告での適正な申告
静岡・浜松の税理士と連携しながら、所得税の特例適用と消費税の課税仕入れを正しく反映させた確定申告書類を作成・提出します。
【№6 FAQ】
Q1. 静岡や浜松の個人事業主が家族所有の建物を事務所にする場合、家賃の経費扱いでどのような点に気を付けますか?
A1. 生計一親族間では所得税法56条のルールが適用され、通常の外部支払家賃とは異なる判定が必要です。静岡・浜松の当法人がクラウド会計を活用した適正な税務処理をサポートします。
Q2. 生計が同じ親族へ支払った家賃は、そのまま事業の必要経費になりますか?
A2. いいえ。生計一親族に支払う経費は通常の必要経費には算入されませんが、その親族側が負担した経費を納税者側の必要経費に算入する特例があります。
Q3. 無償で親族の物件を借りている場合でも、経費を計上できますか?
A3. はい。無償で借り受けている場合であっても、物件を所有する親族の必要経費を事業所得の必要経費に含めることができます。
Q4. 消費税の計算でも、所得税と同様の家族間特例が適用されますか?
A4. いいえ。この必要経費の特例は所得税固有の取扱いであり、消費税法には同様の特例規定は存在しません。
Q5. 親族への家賃支払いについて、消費税の仕入税額控除は受けられますか?
A5. 賃貸借契約に基づいて実際に家賃を支払い、帳簿への記載要件を満たしている場合には、課税資産の譲渡等の対価として仕入税額控除を受けることができます。
Q6. 貸主である親族が免税事業者の場合、消費税はどうなりますか?
A6. 適格請求書発行事業者ではない場合、仕入税額控除の適用にあたって8割控除などの経過措置の対象となります。
Q7. 親族の事業用資産を取り壊した場合の資産損失は必要経費になりますか?
A7. 自己が所有している場合と同様に取り扱うことが認められており、事業所得の必要経費に算入することができます。
Q8. 所得税の計算で、親族間の所得分割を防ぐための規定があるのはなぜですか?
A8. 所得税は累進課税制度をとっているため、親族間で不自然に所得を移転して税負担を軽減することを防止する目的があります。
Q9. 確定申告の際にどのような書類の添付や保存が必要ですか?
A9. 賃貸借契約書や、所有者が負担した固定資産税・修繕費などの領収書、および帳簿への適正な記載が必要となります。
Q10. 家族間取引で税務調査に入られた場合のポイントは何ですか?
A10. 契約実態の有無や、実際に経費を負担している事実、および帳簿書類の保存状況が重要なチェックポイントになります。
【№7 まとめ】
親族が所有する資産を賃借する場合の重要ポイントです。
1. 所得税では生計一親族間の特例が適用され、家賃そのものではなく所有者の維持費等を経費に取り込む仕組みになっている。
2. 所得税の特例とは異なり、消費税法には同様の規定がないため、実際の契約や支払いに応じた仕入税額控除の判断が必要となる。
3. 領収書や契約書などの証拠書類をしっかりと保存し、適切な確定申告を行うことが不可欠である。
身内間の取引であっても税務のルールは厳格です。静岡・浜松の事業者さまは、事前の契約整理と正確な経理処理を心がけましょう。
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3902号(2026年06月01日)「タックスフントウ 第165回 親族が所有する資産を賃借した場合の取扱い(所得税、消費税)」芝のダイモン軍団
参考:国税庁タックスアンサー「No.2210 青色申告者の事業専従者給与および事業専従者控除」(参照日:2026-07-16)
参考:e-Gov法令検索「所得税法 第56条」(参照日:2026-07-16)
【№9 該当条文の説明】
所得税法第56条では、居宅を同じくする配偶者その他の親族に対して支払う地代や家賃、給与などの必要経費不算入およびその特例について規定されています。
また、所得税基本通達51-5では、事業所得を生ずべき事業を営む者が生計を一にする親族の有する固定資産を事業の用に供している場合における資産損失の必要経費算入について定めています。
一方、消費税法においては、こうした家族間特例の規定は設けられておらず、資産の譲渡等の対価の額や課税仕入れの一般原則に基づいて判断されます。
参考:e-Gov法令検索「所得税法 第56条」および「消費税法 第28条」の内容解説(参照日:2026-07-16)
【結論(重要ポイントまとめ)】
1. 親族間取引では、所得税法上の特例ルールと消費税の一般原則の違いを正しく理解することが重要です。
2. 所得税では所有者の必要経費を自身の事業所得に取り込む一方、消費税では実際の支払いに基づく処理を行います。
3. 契約書や領収書などの必要書類を整え、静岡・浜松の専門家に相談しながら適切な申告を行いましょう。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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