関連者間書類保存特例 特定事項等の記載内容の程度とは?
2026年8月16日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高のIT税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「関連者間書類保存特例 特定事項等の記載内容の程度とは?」をお伝えさせていただきます!
【この記事で得られること】
関連者間取引に係る書類の整理保存の特例の概要と、対象となる取引の範囲がわかります。
特定事項記載書類に求められる記載内容の程度(どのくらい詳しく書くべきか)が明確になります。
実務上、計算メモなどに「売上高の○%」と記載するだけで要件を満たすといった具体的なポイントが理解できます。
「グループ会社の間で技術指導やシステムの利用を行っているが、新しい税制のルールに合わせてどのような書類を残せばよいのだろうか」
「契約書などに細かい計算根拠が書かれていない場合、どのような特定事項記載書類を作っておく必要があるのだろうか」
そんな疑問や不安を抱えている経営者の方や経理ご担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
親会社や子会社といった関連者間での取引については、税務上の透明性を確保するため、日頃から適切な契約書や関連書類を保存しておくことが法律で求められています。
特に令和8年4月1日以後に開始する事業年度からは、新しい特例制度が適用されるため、実務担当者としては「どれくらい詳細な書類を用意すべきなのか」という基準が気になるところです。
過度に細かすぎる資料を一律に作成させられるわけではありませんが、必要なポイントが抜けていると税務上のトラブルにつながるおそれもあります。
静岡や浜松で日々事業を展開する中小企業の皆様に向けて、この新しい特例における書類の記載内容の程度と実務上の注意点を分かりやすく解説していきます。
【№2 結論】
関連者間取引の書類保存特例に関する最大の結論は、特定事項記載書類に求められる記載内容の程度について、過度に詳細な一律の資料を求めるものではなく、基本的に第三者の立場からみて価格設定の考え方や取引の内容などを客観的に確認できる程度の記載があれば足りるという点です。
例えば、技術指導に関する対価の計算方法として、計算メモなどに「売上高の○%」といった記載が残っていればそれだけで要件をクリアすることとなり、その特例に基づいて直ちに金額の妥当性そのものが問われることはありません。
ただし、必要な契約書や特定事項記載書類を起算日から7年間適切に保存しなかった場合には、青色申告の承認取消事由等に該当するおそれがあるため、確実な管理体制が求められます。
【№3 やさしい解説】
企業のグループ間取引では、親会社から子会社に対して技術的な指導を行ったり、知的財産を貸し付けたり、さまざまな役務提供が行われることがよくあります。
こうした関連者間で行われる工業所有権等の譲渡や貸付け、あるいは役務提供などの取引について、令和8年4月1日以後に開始する事業年度から新しい整理保存の特例が適用されることになりました。
この制度では、保存が義務付けられている契約書や請求書などの書類に一定の記載事項がない場合、その足りない事項を補うための「特定事項記載書類」を作成・整理して保存することが必要になります。
★重要:知らないと損するポイント
実務家の間でもっとも関心が高いのが、「その特定事項記載書類には、どれくらい細かい内容を書かなければならないのか」という点です。
法律や規則の条文自体には具体的な詳細レベルまでは定められておらず、過度に細かすぎる資料を一律に作成させる趣旨のものではないとされています。
基本的には、社外の第三者が見たときに「価格はこういう考え方で決まったのだな」「こういう内容の取引なのだな」と客観的に把握できる程度の記載があれば十分とされています。
★注意:よくある誤解
「大企業のように非常に複雑で何百ページもあるような詳細な移転価格文書や計算根拠を、中小企業のグループ間取引でもすべて作らなければならないのではないか」というのはよくある誤解です。
例えば、親会社から子会社が技術指導を受けたケースで、対価の計算方法として計算メモなどに「売上高の○%」とメモ書き程度であっても算定根拠が残っていれば、それだけで特例で求められる記載内容の程度をクリアしていることになります。
その記載に基づいて直ちにその金額が適正かどうかという妥当性自体がこの特例で争われるわけではありません。
一言でまとめると、「グループ間の取引書類では、第三者が見て取引内容や価格の決め方が客観的にわかる程度の記載があればよく、過度に難解な資料の作成は求められない」ということです。
【№4 具体例】
実務の現場で想定される具体的なケースを10個挙げます。
① 静岡市内の親会社が、浜松市内の子会社に対して技術指導を行い、その対価として売上高に対する一定の割合を受け取る契約を結び、計算メモを保存するケース。
② グループ間で知的財産(工業所有権等)の貸付けを行うにあたり、権利の種類や使用態様を明確にした契約書と補足資料を整備するケース。
③ 親会社が持つシステムを子会社に使用させる際、その維持管理にかかる費用の計算方法をまとめた書類をファイリングするケース。
④ マーケティング支援や会計・税務・法務支援をグループ間で行う場合に、提供される役務の範囲や内容を記した注文書や仕様書を残すケース。
⑤ 新しい特例のルールが始まるにあたり、会社の経理担当者が顧問税理士と一緒に既存のグループ間契約書の内容を一斉に点検するケース。
⑥ 請求書や見積書に「何の対価として支払う金額であるか」が十分に読み取れなかったため、追加の特定事項記載書類を作成して整理するケース。
⑦ クラウド会計ソフトや電子保存システムを活用し、作成した特定事項記載書類を規定の起算日から7年間確実に保管する体制を整えるケース。
⑧ 税務調査の場面において、グループ間取引の価格設定の考え方が客観的に確認できるメモや請求書の明細をスムーズに提示できるケース。
⑨ 過去の古い契約書のまま更新が行われておらず、役務提供の明細や対価の計算根拠が曖昧になっていたため、新制度に合わせて文書を刷新するケース。
⑩ 静岡・浜松の中小企業グループが、コンプライアンス強化と適正な税務申告の両立を目指して、グループ間取引の管理ルールを見直すケース。
【№5 手順】
関連者間取引に係る書類の整理保存の特例に対応するため、法人が実践すべき実務上の手順を整理します。
STEP① グループ間取引の対象範囲と契約内容の洗い出し
親会社と子会社の間で行われている工業所有権等の譲渡・貸付けや、技術指導・システム利用などの役務提供の取引をすべてリストアップします。
STEP② 法定保存書類の記載事項のチェック
法令により保存が義務付けられている契約書、請求書、注文書などに、必要な事項(対価の明細や設定方法など)が網羅されているかを確認します。
STEP③ 特定事項記載書類の作成・取得の準備
契約書等に記載が不足している事項がある場合、価格設定の考え方や計算手順(売上高の○%など)を明らかにする特定事項記載書類を作成または取得します。
STEP④ 7年間の保存体制の構築
作成した契約書や特定事項記載書類を、事業年度終了日の翌日から2か月を経過した日等の起算日から7年間、漏れなく保存できるファイリングや電子保存の仕組みを整えます。
STEP⑤ 専門家を交えた定期的な見直し
静岡・浜松の税理士と連携しながら、法改正や事業の変化に応じたグループ間取引の文書管理が正しく行われているかを定期的にチェックします。
【№6 FAQ】
Q1. 静岡や浜松の企業が関連者間取引を行う際、特定事項記載書類の記載内容の程度はどの程度求められますか?
A1. 第三者視点で価格設定の考え方や取引内容を客観的に確認できる程度の記載があれば足り、金額の妥当性が問われることはありません。静岡・浜松の当法人が実務対応をサポートします。
Q2. 関連者間取引の書類整理保存の特例は、いつから開始される事業年度に適用されますか?
A2. 令和8年4月1日以後に開始する事業年度に行う関連者間取引について適用されることになっています。
Q3. この特例の対象となるのはどのような取引ですか?
A3. 内国法人が関連者間で行う工業所有権等の譲渡または貸付け、および技術指導などの役務提供が対象となります。
Q4. 契約書等にすでに必要な事項がすべて書かれている場合はどうなりますか?
A4. 法令で求められる記載事項がすでに対応していれば、別途の特定事項記載書類の作成は必ずしも必要ありません。
Q5. 「対価の額の計算の方法」として、例えばどのような記載があれば足りますか?
A5. 計算メモなどに「売上高の○%」などの算定根拠や計算式、計算手順が確認できる記載があれば足りるとされています。
Q6. 特定事項記載書類を保存しなかった場合、どのような罰則やリスクがありますか?
A6. 青色申告法人において、特定事項記載書類が保存されていないことは青色申告の承認の取消事由等に該当するおそれがあります。
Q7. 特定事項記載書類は何年間保存する必要がありますか?
A7. 事業年度終了日の翌日から2か月を経過した日等を起算日として、そこから7年間保存することが必要です。
Q8. 技術指導料の計算メモを残した場合、その金額の妥当性までこの特例で審査されますか?
A8. いいえ。この特例の枠組みにおいて、記載された金額自体の妥当性までが問われることはないとされています。
Q9. 中小企業がグループ間取引の書類管理で最も気をつけるべきことは何ですか?
A9. 口頭の取り決めだけでなく、契約書や請求書、計算根拠を示すメモなどを確実に書面やデータとして残す習慣をつけることです。
Q10. 専門家に相談しながら文書管理体制を整えるメリットは何ですか?
A10. 税務調査でのリスクを防ぎ、法改正にスムーズに対応しながら自社のバックオフィスを健全に保てる点です。
【№7 まとめ】
関連者間取引に係る書類の整理保存の特例と記載内容の程度に関する重要ポイントです。
1. 令和8年4月以後開始事業年度からの関連者間取引について、契約書等に記載がない事項を補う特定事項記載書類の保存が必要となる。
2. 記載内容の程度は、第三者視点で価格設定の考え方や取引内容が客観的にわかる程度で足り、過度に複雑な資料は求められない。
3. 計算メモなどに「売上高の○%」といった算定根拠を残し、起算日から7年間確実に保存することが不可欠である。
グループ間取引の透明性を高めるため、早めの文書整理が大切です。静岡・浜松の事業者さまは、今回の特例ルールに沿った管理体制を確認しておきましょう。
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3903号(2026年06月08日)「関連者間書類保存特例 特定事項等の記載内容の程度とは?」
参考:国税庁タックスアンサー「No.5930 移転価格税制の概要」(参照日:2026-08-03)
参考:e-Gov法令検索「法人税法第59条の2」(参照日:2026-08-03)
【№9 該当条文の説明】
法人税法第59条の2(および関連する法人税法施行規則)では、内国法人が関連者との間で行う特定の資産の譲渡等や役務提供に関して、保存が義務付けられている書類等への記載事項の欠落を補うための特定事項記載書類の作成・保存義務について規定されています。
また、青色申告の承認の取消事由などを定める規定(法人税法第67条の2等)との関係において、これらの保存義務を適切に履行することが青色申告の維持においても重要視されています。
この特例は、過度に過重な負担を課すことなく、第三者間取引の比準や価格設定の根拠を客観的に担保するための実務的な配慮として設けられています。
参考:e-Gov法令検索「法人税法第59条の2」の内容解説(参照日:2026-08-03)
【結論(重要ポイントまとめ)】
1. 関連者間取引の書類保存特例では、取引内容や価格設定の考え方が第三者視点で客観的にわかる程度の記載が求められます。
2. 計算メモなどに「売上高の○%」といった計算根拠を残すことで要件を満たし、過度に詳細な資料作成は必要ありません。
3. 静岡・浜松の企業さまは、対象となるグループ間取引の契約や計算根拠を整理し、7年間の確実な保存体制を整えましょう。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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