医療法人に係る相続税・贈与税の対策と認定医療法人制度の概要・適用要件

2026年8月31日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「医療法人に係る相続税・贈与税の対策と認定医療法人制度の概要・適用要件」をお伝えさせていただきます!

【この記事で得られること】
医療法人が「持分なし医療法人」へ移行する際に活用できる「認定医療法人制度」の基本仕組みと税制上のメリットが分かります。

相続税や贈与税の納税猶予・免除を受けるための具体的な要件や、移行計画の認定を受けるためのポイントを理解できます。

静岡・浜松の医療法人さまやクリニック経営者が、円滑な事業承継と税負担軽減のために今から準備すべき実務上の手順を把握できます。

「うちの病院は昔からの持分あり医療法人だが、将来の相続税がどれくらいになるか不安だ」
「持分なし医療法人へ移行したいが、みなし贈与税がかかると聞いて二の足を踏んでいる」
「認定医療法人制度の細かい要件や適正運営に関するルールをわかりやすく知りたい」
そんな悩みや疑問をお持ちの医療法人の理事長先生やご家族の方も多いのではないでしょうか。

医療法人の相続や事業承継は、一般的な企業とは異なる特殊な法律や税制が絡むため、事前の綿密な計画が不可欠です。
今回は、医療法人の持分移行と認定医療法人制度について、専門的な内容をやさしい言葉で順を置いて分かりやすく解説していきます。

【№2 結論】

医療法人の相続税・贈与税負担を軽減し、円滑に「持分なし医療法人」へ移行するためには、認定医療法人制度の活用が極めて効果的です。

1. 認定医療法人制度を活用することで、出資者の持分放棄に伴うみなし贈与税の非課税措置や、相続税・贈与税の納税猶予・免除などの強力な税制優遇を受けることができること。

2. 認定を受けるためには、社員総会での議決や5年以内の移行完了計画、さらに「適正運営に関する要件」(利益供与の禁止や役員報酬の上限など)をすべて満たす必要があること。

3. 相続が発生する前に、できるだけ早い段階で持分放棄や移行計画の検討を開始することが、多額の税負担を防ぐために最も重要であること。

静岡・浜松の医療法人さまも、地域の信頼できる税理士などの専門家とタッグを組み、計画的な事業承継を進めることが大切です。

【№3 やさしい解説】

そもそも医療法人には、過去の経緯から「持分あり医療法人」と「持分なし医療法人」の2種類が存在します。
昔の制度では、医療法人に出資したお金は、退社時や相続時に払い戻しを受ける権利(持分)が認められていました。
しかし、これがあると病院の資産が個人の財産とみなされてしまい、理事長が亡くなったときに巨額の相続税が発生して病院経営が揺らぐ原因になります。

国はこの問題を解消するため、新しく持分を作れないようにし、さらに既存の持分あり医療法人から「持分なし医療法人」へスムーズに移行してもらうための仕組みを作りました。
これが「認定医療法人制度」です。
この制度の最大のメリットは、持分を放棄するときにかかるはずの贈与税や、相続のときの税金を猶予・免除してもらえる点にあります。

★重要:知らないと損するポイント
「まだうちの理事長は元気だから、持分なし医療法人への移行はもう少し先でも大丈夫だ」と油断していると、思いがけないタイミングで相続が発生し、多額の税金を支払うことになりかねません。
もし相続が起きた後に出資者の持分放棄を行うと、遺産総額に持分が一旦含まれてしまうため、累進課税によって相続税が跳ね上がってしまうおそれがあります。
そのため、相続が発生する前に計画的に持分放棄や移行手続きを進めることが、税金を大きく減らすための最大のポイントとなります。

★注意:よくある誤解
「認定医療法人になれば、どのような経営をしてもずっと税金が免除されるのだろう」と勘違いしているケースが見られます。
実は、認定を受けた後も「適正な運営」が厳しく求められます。
例えば、法人の関係者や関連会社(メディカルサービス法人など)へ不当な利益を与えたり、役員報酬を制限以上に高く設定したりすると、要件を満たさなくなって認定が取り消されるリスクがあります。
ルールを正しく守りながら、透明性の高い経営を続けることが大前提となります。

一言でまとめると、「認定医療法人制度は大きな節税メリットがある一方で、厳格な運営ルールをクリアして早めに計画実行することが成功の鍵である」ということです。

【№4 具体例】

医療法人の現場で想定される具体的なケースを12個挙げます。

① 静岡市内のクリニックで、高齢の理事長が持つ出資持分を整理し、将来の相続税負担をゼロに近づけるために認定医療法人制度の活用を検討するケース。

② 浜松市内の病院において、親族間で持分放棄の合意形成を図り、5年以内の期限内に持分なし医療法人への移行計画を厚生労働大臣に申請するケース。

③ 医療法人の理事長が亡くなる前に持分を放棄したことで、その持分が相続財産から除外され、結果として相続税の総額を大幅に圧縮できたケース。

④ 相続開始の直前まで持分放棄の準備をしていなかったために、持分が相続税の課税対象に含まれてしまい、累進課税で税負担が跳ね上がってしまったケース。

⑤ 医療法人と取引のある関連会社(メディカルサービス法人)への支払家賃や報酬が適正価格かどうかを見直し、特別の利益供与にあたらないよう契約を整えるケース。

⑥ 役員の報酬額が適正運営要件に定められた上限の目安(年間給与総額が約3,600万円を超えないことなど)に収まるよう、社内規程を改定するケース。

⑦ 医療法人の貸借対照表にある現預金や有価証券などの「遊休財産額」が、本来事業の事業費用の額を超えないように資金計画を調整するケース。

⑧ 病院の建て替えなどの明確な目的がある資金について、定款への明記や分別管理を行い、遊休財産額の計算から除外する手続きを行うケース。

⑨ 決算数値に関する要件(医業収入が医業費用の150%以内であることなど)を満たせなかったために、翌年度の決算確定まで認定申請を一時見合わせるケース。

⑩ 静岡・浜松の税理士事務所が、顧問先の医療法人から相談を受けて、適正運営に関する8つの要件をすべてクリアしているか事前の監査を行うケース。

⑪ 複数の出資者がいる医療法人で、出資者全員の同意と社員総会での正式な議決を経て、円滑に移行計画の承認手続きを進めるケース。

⑫ 医療法人の円滑な事業承継を通じて、地域住民に対する医療サービスが途切れることなく、安定して継続される体制を整えるケース。

【№5 手順】

医療法人が認定医療法人制度を活用し、持分なし医療法人への移行を安全かつ確実に行うための具体的なステップを解説します。

STEP① 現在の医療法人の出資持分の状況や、出資者の構成、将来の相続に関するリスクを正確に把握する。

STEP② 厚生労働大臣の認定を受けるための「移行計画」を作成し、出資者全員の同意と社員総会での正式な議決を取り付ける。

STEP③ 医療法人と関連会社(メディカルサービス法人など)との取引内容や価格が適正であるか総点検し、特別の利益供与にあたる要素を解消する。

STEP④ 役員報酬の支給基準や規程を確認し、役員ごとの年間給与総額が上限の目安(約3,600万円)を超えないように整備する。

STEP⑤ 貸借対照表上の遊休財産額が本来事業の事業費用の額を超えていないか計算し、超過している場合は適切な資金計画を立てる。

STEP⑥ 病院の建て替えなど明確な資金使途がある場合、定款への記載や分別管理を行い、遊休財産額から除外するための処理を行う。

STEP⑦ 決算数値に関する要件が確実に満たされていることを確認した上で、期限内に地方厚生局等へ移行計画の認定申請を行う。

STEP⑧ 認定を受けた後は、移行期間(5年以内)の間に計画に沿って出資者の持分放棄を確実に完了させる。

STEP⑨ 移行完了までの期間中、相続税や贈与税の申告期限に合わせて必要な納税猶予や税額控除の特例手続きを行う。

STEP⑩ 静岡や浜松の税理士などの専門家と緊密に連携し、適正運営に関する要件を継続してクリアしながら、持分なし医療法人としての安定経営を維持する。

【№6 FAQ】

Q1. 静岡や浜松でクリニックを営む医療法人にとって、認定医療法人制度を活用する最大のメリットは何ですか?
A1. 特定医療法人等に求められる厳しい親族要件が不要とされ、同族経営を維持したまま持分なし医療法人へスムーズに移行できる点です。

Q2. 医療法人の持分ありから持分なしへの移行を先延ばしにすると、どのようなリスクがありますか?
A2. 理事長等の相続が発生した際に出資持分が相続財産に含められ、累進課税によって莫大な相続税負担が発生するリスクがあります。

Q3. 認定医療法人制度を利用するための移行計画には、どのくらいの期間制限がありますか?
A3. 移行計画の認定日から原則として5年以内に移行を完了させる必要があります。

Q4. 医療法人とメディカルサービス法人(MS法人)との取引で特に注意すべきことは何ですか?
A4. 家賃や報酬などの取引価格が適正価格から乖離していないか、過大な利益移転や利益供与とみなされないか厳しくチェックされます。

Q5. 役員報酬に関する適正運営要件では、どのような金額の目安が設けられていますか?
A5. 認定医療法人制度の運用指針において、役員一人当たりの年間給与総額が約3,600万円を超えないことなどが目安とされています。

Q6. 遊休財産額が事業費用の額を超えている場合、すぐに認定を受けられますか?
A6. 要件を満たせない状態では認定を受けられないため、翌年度の決算で基準をクリアするまで申請を待つ必要があります。

Q7. 出資者の持分放棄に伴う「みなし贈与税」はどのように非課税にできますか?
A7. 認定医療法人の要件を満たし、移行後一定期間にわたって適正な運営が確保されることで、特例により非課税とすることができます。

Q8. 相続が発生した後に持分を放棄した場合、税制上の特例はどうなりますか?
A8. 相続時までに放棄が完了していないと持分が相続財産に含まれるため、税額控除等を適用しても税負担が増える可能性が高くなります。

Q9. 移行計画の認定申請にあたって、出資者全員の同意は必要ですか?
A9. 法的な手続きだけでなく、出資者間での円滑な合意形成と社員総会での正式な議決が不可欠となります。

Q10. 静岡や浜松の医療法人が複雑な認定医療法人制度の申請や要件判定に迷った場合、どうすればよいですか?
A10. 医療法務や税務に精通した地域の税理士に相談し、専門的なサポートを受けながら計画を進めるのが最も確実です。

【№7 まとめ】

医療法人の相続税・贈与税対策および認定医療法人制度に関する重要ポイントです。

1. 持分なし医療法人への移行を円滑に進めるためには、認定医療法人制度の活用が不可欠であり、みなし贈与税の非課税や納税猶予のメリットを受けられる。

2. 認定を受けるためには、5年以内の移行計画の策定や、利益供与の禁止・役員報酬制限などの「適正運営要件」をすべてクリアする必要がある。

3. 静岡・浜松の医療法人さまやクリニック経営者は、相続が発生する前の早い段階で専門家とともに計画的な対策を実行することが重要である。

医療法人の事業承継や税務対策は専門性が非常に高いため、正確な情報と綿密なスケジュール管理を心がけていきましょう。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3905号(2026年06月22日)「医療法人に係る相続税・贈与税 第4回 認定医療法人制度の概要・適用要件」高橋達也
参考:国税庁タックスアンサー「No.4150 医療法人の持分についての相続税・贈与税の猶予等」(参照日:2026-08-03)
参考:e-Gov法令検索「租税特別措置法第70条の7の14および平成18年医療法等改正法附則の関連規定」(参照日:2026-08-03)

【№9 該当条文の説明】

租税特別措置法および平成18年医療法等改正法附則の規定では、持分あり医療法人から持分なし医療法人への移行を促進するため、厚生労働大臣の認定を受けた医療法人(認定医療法人)を対象とした様々な相続税・贈与税の特例措置が定められています。
具体的には、個人が相続や贈与により取得した持分に係る納税猶予および免除(措法70の7の12等)、さらに出資者全員の持分放棄により医療法人が受ける経済的利益に対する贈与税の非課税措置(措法70の7の14)などが規定されています。
これらの特例を受けるためには、認定医療法人としての適正運営要件(利益供与の禁止、役員報酬の制限、遊休財産額の制限など)を継続して満たし、移行計画を5年以内に確実に履行することが法律上の厳格な条件とされています。

参考:e-Gov法令検索「租税特別措置法第70条の7の14および平成18年医療法等改正法附則の関連規定」の内容解説(参照日:2026-08-03)

【結論(重要ポイントまとめ)】
1. 認定医療法人制度を活用して、持分なし医療法人への計画的な移行と相続税・贈与税の負担軽減を図りましょう。

2. 適正運営要件や5年以内の移行完了期限をしっかりと守り、認定要件を確実にクリアしましょう。

3. 静岡・浜松の医療法人さまは、専門家と連携して相続が発生する前の早い時期から事業承継の準備を進めましょう。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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