資本金1億円超の法人と賃上げ税制の適用可能性
2026年9月12日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「資本金1億円超の法人と賃上げ税制の適用可能性」をお伝えさせていただきます!
【この記事で得られること】
令和8年度改正により大企業向けの賃上げ促進税制が廃止された後でも、資本金1億円超の法人が中堅企業向けの措置で適用を受けられる条件が分かります。
特定法人に該当するための従業員数に関する要件(常時使用する従業員数やグループ全体の人数制限)の具体的な仕組みを理解できます。
中堅企業向けの措置自体の適用期限や、マルチステークホルダー方針の公表が必要となる規模の要件など、実務上の注意点が明確になります。
「資本金が1億円を超えている大きな会社なので、今回の賃上げ税制はもう使えないのだろうか」
「中堅企業向けの措置を使えば、一定の条件のもとでまだ税額控除の適用を受けられると聞いたが本当だろうか」
「グループ全体の従業員数や決算期によって、いつまでこの特例が使えるのかを正確に把握しておきたい」
そんな疑問や不安を抱えている経営者の方や財務ご担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
会社の規模が大きくなると税制の適用関係が複雑になりますが、賃上げを検討する上で見逃せない重要なテーマです。
今回は、資本金1億円超の法人と賃上げ税制の関係について、やさしい言葉で順を追って分かりやすく紐解いていきます。
【№2 結論】
令和8年度の税制改正により大企業向けの賃上げ促進税制は廃止されましたが、資本金1億円超の法人であっても一定の条件を満たせば例外的に適用を受けられます。
1. 大企業向けの措置は適用できなくなったものの、常時使用する従業員数などの要件を満たして「特定法人」に該当すれば中堅企業向けの措置が利用できること。
2. 中堅企業向けの措置自体も適用期限が令和9年3月31日をもって廃止とされているため、決算期に応じた期限管理が極めて重要であること。
3. 一定規模以上の大企業が中堅企業向け措置を適用する際には、マルチステークホルダー方針の公表および届出が必要不可欠となること。
自社の従業員数規模やグループ全体の状況を正しく確認し、適用期限内に計画的な賃上げと税額控除の適用を進めることが大切です。
【№3 やさしい解説】
賃上げ税制とは、従業員の給与を前年度よりも一定割合以上アップさせた企業に対して、納める法人税を安くしてあげるという国の方針です。
これまで大企業向けの大きな枠組みがありましたが、近年の法改正によって大企業向けの制度は思い切って整理・廃止されることになりました。
そのため、資本金が1億円を超えるような規模の大きな会社では、「もううちの会社では賃上げ税制は一切使えないのだな」と諦めてしまうケースが少なくありません。
しかし、ここで注目すべきなのが、国が用意している「中堅企業向けの措置」という別の仕組みです。
★重要:知らないと損するポイント
「資本金が1億円を超えていれば、どんなに会社が大きくても小さくても一律で大企業扱いになり、賃上げ税制は一切使えない」と思い込んでしまうのは大きな落とし穴です。
中堅企業向けの措置には、実は「資本金の額」についての制限が一切設けられていません。
そのため、従業員の人数などの条件さえクリアしていれば、資本金が1億円超の法人であっても、特定法人として中堅企業向けの仕組みを使って税額控除を受けられるのです。
★注意:よくある誤解
「中堅企業向けの措置が使えるなら、これから先もずっといつでもその制度を利用して法人税を安くし続けることができるはずだ」と誤解されることがあります。
この中堅企業向けの措置についても、令和8年度の税制改正において、適用期限が「令和9年3月31日まで」と明確に定められて廃止されることが決まっています。
つまり、使える時期が限られているため、計画的なタイミングを逃すと二度と適用できなくなってしまう点に注意が必要です。
一言でまとめると、「資本金1億円超の法人であっても、従業員数の要件を満たして特定法人に該当すれば中堅企業向けの措置で賃上げ税制を適用できるが、適用期限が迫っているため迅速な判断が必要である」ということです。
【№4 具体例】
実務の現場で想定される具体的なケースを12個挙げます。
① 静岡市内に本社を置く資本金1億円超の製造業が、令和8年度改正後の賃上げ税制の適用可否を検討するケース。
② 浜松市内の大規模な卸売企業が、大企業向け措置が廃止された後に中堅企業向けの措置が使えないか社内で精査するケース。
③ 適用事業年度の終了時において、法人の常時使用する従業員数が2,000人以下という要件をクリアしているケース。
④ 自社および完全支配関係がある他の法人の従業員数を合計した人数が1万人以下である要件を満たしているケース。
⑤ 資本金は1億円を超えているものの、いわゆる特定法人に該当し、中堅企業向けの仕組みで税額控除を計算するケース。
⑥ 3月決算の資本金1億円超の法人が、令和9年3月期において中堅企業向けの措置によって税金的メリットを受けるケース。
⑦ 同じ法人が翌年の令和10年3月期になると、大企業向けも中堅企業向けもともに適用対象外となり税制が使えなくなるケース。
⑧ 資本金の額が10億円以上かつ従業員数が1,000人以上であるため、中堅企業向け措置の適用時にマルチステークホルダー方針の公表が必要になるケース。
⑨ 静岡や浜松の税理士法人が、顧問先企業に対して令和9年3月31日という中堅企業向け措置の適用期限について注意喚起を行うケース。
⑩ 継続雇用者給与等支給額の対前年比の増加割合を一定以上の水準に乗せ、計画的な賃上げを実行して要件を満たすケース。
⑪ 企業の財務担当者が、グループ全体の正確な従業員数を集計し特定法人に該当するかどうかを慎重に判定するケース。
⑫ 複雑な規模要件や経過措置の適用ミスを防ぐため、専門的な税務知識を持つ外部の専門家へ確認を依頼するケース。
【№5 手順】
資本金1億円超の法人が賃上げ税制を適用するための具体的なステップを解説します。
STEP① 自社の資本金の額と、適用事業年度の終了時における常時使用する従業員数を確認する。
STEP② 法人およびその法人との間に支配関係がある他の法人の従業員数を合算し、合計が1万人以下であるかを検証する。
STEP③ 常時使用する従業員数が2,000人以下であり、かつグループ合算が1万人以下である「特定法人」の要件を満たしているか判定する。
STEP④ 大企業向けの賃上げ促進税制が廃止されているため、中堅企業向けの措置の適用対象になるかを切り分けて確認する。
STEP⑤ 中堅企業向けの措置の適用期限が令和9年3月31日であることを踏まえ、自社の決算期がいつに該当するかを確認する。
STEP⑥ 資本金の額が10億円以上かつ常時使用する従業員数が1,000人以上である場合、マルチステークホルダー方針の公表および届出の手続きを済ませる。
STEP⑦ 継続雇用者給与等支給額の対前年比の増加割合が、法律で定められた一定の基準を満たしているかどうかを計算する。
STEP⑧ 税額控除の計算明細書を作成し、法人税の申告において適正に中堅企業向けの措置を適用して税額を算出する。
STEP⑨ 令和10年3月期以降の事業年度においては、大企業向けも中堅企業向けも適用対象外となるため、賃上げ税制の適用を見送る体制を整える。
STEP⑩ 静岡や浜松の税理士や専門家と連携し、複雑な要件や期限の判定に誤りがないか最終的なチェックを行う。
【№6 FAQ】
Q1. 静岡や浜松の企業において、資本金1億円超の法人が賃上げ税制を検討する際の最初の確認事項は何ですか?
A1. 資本金の額にかかわらず、適用事業年度末の従業員数やグループ全体の人数が要件を満たしているかの確認です。
Q2. 大企業向けの賃上げ促進税制は令和8年度改正でどうなりましたか?
A2. 令和8年度改正により大企業向けの措置は廃止されたため、大企業向けの仕組みは適用できません。
Q3. 資本金1億円超の法人でも中堅企業向けの措置が使える条件は何ですか?
A3. 従業員数が2,000人以下であり、かつグループ全体の従業員数の合計が1万人以下である「特定法人」に該当することです。
Q4. 中堅企業向けの措置自体の適用期限はいつまでですか?
A4. 令和8年度改正により、適用期限である令和9年3月31日をもって廃止とされています。
Q5. 資本金1億円超で3月決算の場合、いつまで中堅企業向けの措置が使えますか?
A5. 令和9年3月期までは中堅企業向けの措置を適用できますが、令和10年3月期以降は適用対象外となります。
Q6. マルチステークホルダー方針の公表が必要になるのはどのような会社ですか?
A6. 資本金の額が10億円以上かつ常時使用する従業員数が1,000人以上である法人が中堅企業向け措置を適用する場合です。
Q7. 従業員数のカウントにおいて「支配関係がある他の法人」とはどういう範囲ですか?
A7. 親会社や子会社など、発行済株式の大部分を保有されているような緊密な関係にある法人グループ全体を指します。
Q8. 資本金1億円超の法人が賃上げ税制を適用する上で最も注意すべきポイントは何ですか?
A8. 適用できる期間が令和9年3月31日までの期限付きであるため、早めの計画的な対応が必要な点です。
Q9. 給与等の支給額の増加割合はどのくらいを目指す必要がありますか?
A9. 各法人の状況や改正法で定められた一定の増加割合の基準をクリアできるように給与設計を行う必要があります。
Q10. 静岡や浜松の中小・中堅企業が複雑な賃上げ税制の判定を確実に行うにはどうすればよいですか?
A10. 地域事情に精通した専門の税理士法人に相談し、グループ全体の数値を含めて正しく診断してもらうことです。
【№7 まとめ】
資本金1億円超の法人と賃上げ税制に関する重要ポイントです。
1. 大企業向けは廃止されたものの、特定法人に該当すれば中堅企業向けの措置で適用を受けられること。
2. 中堅企業向けの措置も適用期限が令和9年3月31日までと限られているため、期限管理が極めて重要なこと。
3. 静岡・浜松の企業さまも、自社の規模やグループの従業員数を正しく把握し、専門家とともに計画的な税務対応を行うこと。
法改正のルールを正しく理解し、期限内に確実な税制優遇を受けられるように準備を整えていきましょう。
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3906号(2026年06月29日)「資本金1億円超の法人と賃上げ税制」
参考:国税庁タックスアンサー「No.5927 給与等の引き上げを行った場合の所得拡大促進税制」(参照日:2026-08-03)
参考:e-Gov法令検索「租税特別措置法第42条の12の5」(参照日:2026-08-03)
【№9 該当条文の説明】
租税特別措置法第42条の12の5等では、青色申告書を提出する法人が常時使用する従業員数の要件や、雇用者の給与等支給額を増加させた場合の税額控除の特例について詳細に規定されています。
具体的には、大企業向けの措置が廃止される一方で、適用事業年度終了時における常時使用する従業員数が2,000人以下であり、かつグループ全体の合計数が1万人以下である「特定法人」に対する中堅企業向けの措置について定められています。
また、適用の対象となる事業年度の期限や、一定規模以上の法人におけるマルチステークホルダー方針の公表要件についても法律上明確に位置づけられています。
参考:e-Gov法令検索「租税特別措置法第42条の12の5の規定」の内容解説(参照日:2026-08-03)
【結論(重要ポイントまとめ)】
1. 資本金1億円超の法人でも特定法人に該当すれば中堅企業向けの措置で賃上げ税制を適用できるため、従業員数を確認しましょう。
2. 中堅企業向けの措置の適用期限は令和9年3月31日までとなっているため、決算期に応じた早めの判断を行いましょう。
3. 静岡・浜松の企業さまは、複雑な規模要件やマルチステークホルダー方針の有無について専門家のサポートを受けながら確実に対応しましょう。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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