国際最低課税額に対する法人税における実務上の留意点:実質ベース所得除外額の仕組みと計算方法
2026年9月17日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「国際最低課税額に対する法人税における実務上の留意点:実質ベース所得除外額の仕組みと計算方法」をお伝えさせていただきます!
【この記事で得られること】
国際最低課税額の計算において重要となる「実質ベース所得除外額」の基本的な概念が分かります。
特定費用の範囲や、派遣社員・使用人兼務役員の取り扱いついて詳しく理解できます。
複数の国で勤務する従業員がいる場合の勤務割合の判定や、経過措置の割合について整理できます。
「グローバル展開を進める中で、国際最低課税制度における実質ベース所得除外額の計算方法を知りたい」
「従業員の給与や有形固定資産の帳簿価額がどのように控除額の計算に影響するのか整理しておきたい」
「移行期における逓減割合や、実務上の事務負担を軽減するための留意点を把握しておきたい」
そんな疑問や不安を抱えている経営者の方や経理・税務ご担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
国際課税の新しいルールは非常に専門性が高く、正確な理解が求められます。
今回は、専門的な内容をやさしい言葉に噛み砕いて、順を追って分かりやすく紐解いていきます。
【№2 結論】
国際最低課税額に対する法人税における実質ベース所得除外額の重要ポイントは以下の通りです。
1. 実質ベース所得除外額は、一定の給与等の費用や有形資産の帳簿価額の一定割合の合計額を国別グループ純所得の金額から控除する仕組みであること。
2. 派遣社員や使用人兼務役員も一定の条件を満たせば「構成会社等の従業員等」に含まれ、特定費用の範囲に含めて計算できること。
3. 制度導入直後は実体経済への配慮から高めの割合が設定されており、段階的に5%へと逓減する経過措置が設けられていること。
制度の仕組みを正しく把握し、適切なデータ収集と計算を行うことが大切です。
【№3 やさしい解説】
国際最低課税制度では、実体を有する経済活動を行う企業への配慮として、「実質ベース所得除外額」という仕組みが用意されています。
これは、所在地国において従業員への給与などの特定費用を支払っている場合や、工場などの有形資産を有している場合に、その一定割合を所得から差し引くことができるものです。
計算の基本となるのは、従業員等に係る特定費用の合計額の一定割合と、特定資産の帳簿価額の平均額の一定割合の合計額です。
★重要:知っておくべきポイント
「派遣社員や役員は自社の直接雇用ではないが、特定費用の計算に含めてよいのだろうか」という疑問が生じます。
法人税基本通達等においては、通常の業務に従事する外部職員である派遣社員や、使用人としての職務を有する使用人兼務役員も従業員等に含まれることが明らかにされています。
ただし、使用人兼務役員の場合は、給与等のうち使用人としての職務に係る部分のみが特定費用に該当するため、正確に区分して計算する必要があります。
★注意:よくある誤解
「複数の国で働く従業員がいる場合、すべての勤務時間を厳密に追わなければならないのだろうか」と不安になることがあります。
しかし、勤務割合などが50%を超える場合にはその割合を考慮せず全額を認識するルールや、就業規則等の定めに従って判定して差し支えないという実務上の配慮が示されています。
一言でまとめると、「実質ベース所得除外額は実体のある経済活動を優遇するための控除であり、対象となる費用や資産の範囲、割合の経過措置を正しく理解して計算することが不可欠である」ということです。
【№4 具体例】
実質ベース所得除外額や国際最低課税の計算に関連する具体的なケースを12個挙げます。
① 静岡市内のグローバル企業が、海外子会社における従業員の給与や賞与を特定費用として集計して実質ベース所得除外額を算出するケース。
② 浜松市内の製造業グループが、工場に保有する有形固定資産の帳簿価額の期首・期末平均額を計算して特定資産の額を把握するケース。
③ 派遣社員を受け入れて業務を行っている構成会社が、労働者派遣契約の定みに基づいて派遣社員を従業員等に含めて処理するケース。
④ 使用人兼務役員を配置している法人が、役員報酬のうち使用人としての職務に係る部分のみを特定費用として切り分けるケース。
⑤ 複数の国で勤務実績がある従業員について、勤務割合が50%を超えるために全額を特定費用の額として認識するケース。
⑥ 令和6年中に開始する対象会計年度において、特定費用の額に乗じる割合として9.8%を適用して計算を行うケース。
⑦ 移行期間CbCRセーフ・ハーバーにおける通常利益要件の判定において、実質ベース所得除外額の計算ルールを適用するケース。
⑧ 企業の経理部門が、国別グループ純所得の金額と算出された除外額を比較し、事務負担を考慮して特定費用の計算対象を調整するケース。
⑨ 最高のIT税理士法人のサポートを受けながら、静岡の企業が国際課税の申告に向けたデータ収集の効率化を図るケース。
⑩ 浜松の国際ビジネス展開企業が、退職給付費用やストックオプション費用を賃金の後払い等として特定費用の範囲に含める検証を行うケース。
⑪ 複数の国に所在するリース資産や天然資源開発に関する権利について、所在割合を算出して特定資産の額を正しく求めるケース。
⑫ 国税当局の指針や法人税基本通達の改正内容を確認しながら、グループ全体での実質ベース所得除外額の計算誤りを防ぐケース。
【№5 手順】
実質ベース所得除外額の計算と実務対応を進めるための具体的なステップを解説します。
STEP① 構成会社等の所在地国ごとに、従業員等に係る給与や社会保険料などの特定費用の範囲を確認する。
STEP② 退職給付費用やストックオプション費用など、給与の性格を持つ費用が正しく含まれているかを点検する。
STEP③ 派遣社員や使用人兼務役員がいる場合、それぞれの契約内容や職務に応じて従業員等の範囲に含めるべき部分を整理する。
STEP④ 有形固定資産やリース資産などの特定資産について、対象会計年度の開始時と終了時の帳簿価額の平均額を算出する。
STEP⑤ 複数の国で勤務する従業員や所在する資産がある場合、勤務割合や所在割合を計算して50%を超えるか否かを判定する。
STEP⑥ 就業規則や労働契約などの定めに従って、実務上の負担を軽減しながら合理的に判定を行う。
STEP⑦ 特定費用の額の合計額および特定資産の額の合計額に対して、対象年度に応じた法定の割合(経過措置割合を含む)を乗じる。
STEP⑧ 算出した実質ベース所得除外額の合計を、国別グループ純所得の金額から控除する計算を行う。
STEP⑨ 事務負担やメリットを勘案し、必要に応じて特定費用や特定資産の一部計算省略などの実務的な調整を検討する。
STEP⑩ 静岡や浜松の専門家である税理士法人と連携し、国際最低課税額の申告内容に不備がないか最終的なチェックを行う。
【№6 FAQ】
Q1. 静岡や浜松のグローバル企業が計算する「実質ベース所得除外額」とはどのようなものですか?
A1. 実体を有する経済活動を行う企業への配慮として、給与等の特定費用や特定資産の帳簿価額の一定割合を国別グループ純所得から控除する仕組みです。
Q2. 特定費用の範囲に含まれる給与等には、具体的にどのようなものが該当しますか?
A2. 俸給、給料、賃金、賞与のほか、社会保険料や福利厚生費、さらに賃金の後払い性格を持つ退職給付費用なども含まれます。
Q3. 従業員に付与したストックオプションに係る株式報酬費用は特定費用に含まれますか?
A3. 給与としての性格を有することから、退職給付費用と同様に特定費用に含まれるものと考えられます。
Q4. 派遣社員は「構成会社等の従業員等」の範囲に含まれますか?
A4. 通常の業務に従事する外部職員に当たるため、構成会社等の従業員等に該当することとなります。
Q5. 使用人兼務役員の給与は全額が特定費用の対象になりますか?
A5. 役員としての職務に係る部分を除き、使用人としての職務に係る部分のみが特定費用に該当します。
Q6. 複数の国で勤務する従業員の勤務割合が50%を超える場合はどう扱われますか?
A6. 割合が50%を超える場合にはその割合を考慮せず、例えば給与等の全額が特定費用の額として認識されます。
Q7. 勤務割合の判定にあたって、就業規則等の定めに基づいて判定することは認められますか?
A7. 就業規則等において勤務場所や期間が定められそれに従って行われている場合は、実際の状況を確認せずともその定めに基づいて判定して差し支えありません。
Q8. 制度導入直後の実質ベース所得除外額の割合にはどのような経過措置がありますか?
A8. 投資先の変更が困難なことを踏まえ、導入直後は高い割合(令和6年中は費用9.8%、資産7.8%など)が設定され、9年間で5%に逓減します。
Q9. 実務上の事務負担が大きい場合、すべての構成会社等について計算を行わなくてもよいですか?
A9. 企業側のメリットや事務負担を勘案し、特定費用の額や資産の額の一部を含めないことや計算が容易な構成会社等から計算することも差し支えないとされています。
Q10. 静岡や浜松の企業が国際最低課税制度や複雑な計算で困ったときはどこに相談すべきですか?
A10. 静岡・浜松の中小企業さまをサポートしている最高のIT税理士法人までお気軽にご相談ください。
【№7 まとめ】
国際最低課税額に対する法人税における実質ベース所得除外額の重要ポイントです。
1. 給与等の特定費用や特定資産の帳簿価額を基礎として、国別グループ純所得から一定額を控除する仕組みであること。
2. 派遣社員や使用人兼務役員の取り扱いや、複数国での勤務割合の判定ルールを正しく理解して計算を行うこと。
3. 静岡・浜松の企業さまも、導入直後の経過措置割合や実務上の負担軽減策を活用しながら適切な申告を行うこと。
正確なルール理解をベースにして、国際課税への万全な対応体制を構築していきましょう。
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3907号(2026年07月06日)「各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税に係る実務上の留意点 第4回 実質ベース所得除外額」渡邉高文
参考:国税庁タックスアンサー「No.5927 国際最低課税額配賦税額の概要」(参照日:2026-09-11)
参考:e-Gov法令検索「法人税法(昭和40年法律第34号)第82条の2および法人税法施行令・施行規則」(参照日:2026-09-11)
【№9 該当条文の説明】
法人税法第82条の2および関連する政省令・通達では、グローバル・ミニマム課税制度(OECDのPillar Twoルール)に基づく国際最低課税額の計算における「実質ベース所得除外額」の規定が詳細に定められています。構成会社等の所在地国における人的役務提供に基因する特定費用の額や、有形固定資産等の特定資産の額に一定割合を乗じて算出するプロセスや、派遣社員・使用人兼務役員の範囲、複数国勤務における勤務割合の判定基準、移行期における逓減割合の特例などが法制化されており、実体経済を持つ企業への配慮と適正な課税の双方が担保されています。
参考:e-Gov法令検索「法人税法(昭和40年法律第34号)第82条の2および関係法令・通達」(参照日:2026-09-11)の内容解説
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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