税務コンプライアンスの新時代：協力的手法による自発的な適正申告の推進

2024年4月11日

こんにちは！静岡から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金＝経営革新」を発信する株式会社TOCオフィスコンサルティング／戸越裕介税理士事務所です！本日は、「税務コンプライアンスの新時代：協力的手法による自発的な適正申告の推進」についてお話しします。

現代のビジネス社会において、税務コンプライアンスの重要性はますます高まっています。企業活動がグローバル化し、事業の多様化、複雑化が進む中で、適正な税務申告は企業の社会的信頼性を左右する大きな要素となっています。そんな中、国税庁が取り組んでいる「協力的手法を通じた自発的な適正申告の推進」という取り組みについて、皆さんはご存知でしょうか？

この取り組みは、単に税務調査を行うだけでなく、大企業をはじめとする納税者と協働し、税務に関するコーポレートガバナンス（税務CG）を充実させることで、自発的な適正申告を促進するというものです。具体的には、申告書の自主点検や税務上の自主監査を行い、企業自身が税務コンプライアンスを高める取り組みを支援しています。

このような背景には、単に税法を遵守するだけではなく、企業の経営者自身が税務申告の正確性に対する責任を持ち、適切な内部体制を整備することの重要性が認識されているからです。金融商品取引法や会社法における内部統制の整備が義務付けられているように、税務面でも同様の取り組みが期待されています。

この取り組みは、税務調査においても成果を上げており、令和4年度の調査では、対象企業の多くが「概ね良好」または「良好」と評価されています。これは、企業が積極的に税務コンプライアンスの向上に取り組んでいる証拠であり、経営者の責任感と従業員の意識改革が進んでいることを示しています。

しかし、一方で改善が必要とされる領域も存在しています。特に、内部牽制の体制や税務調査での指摘事項に対する再発防止策に関しては、今後さらなる改善が求められるでしょう。これらの課題に対しては、国税庁だけでなく、企業自身もより一層の努力を重ねる必要があります。

皆様、税務コンプライアンスの向上は、単に税務署との関係を良好に保つためだけではなく、企業の持続可能な成長と社会的信頼の獲得に直結しています。正確で透明性の高い税務申告を行うことは、投資家や市場からの信頼を勝ち取り、企業価値を高める上で非常に重要です。この点を踏まえ、税務に関するコーポレートガバナンスを強化することは、経営戦略の一環として積極的に取り組むべき課題であると言えるでしょう。

国税庁の推進する協力的手法は、納税者と税務当局との新たな関係構築を目指すものです。これにより、税務コンプライアンスの維持・向上だけでなく、経営の透明性を高め、社会からの信頼を獲得するための重要なステップを踏み出すことができます。また、この取り組みは、経営者が自社の税務リスクを正確に理解し、適切に管理するための機会を提供しています。

さらに、税務CGの充実は、将来的に税務調査においても有利な評価を受けるための基盤となります。税務当局からの高い評価は、企業の品質を外部に示す一つの指標となり得ます。このため、企業は内部統制システムの強化に加え、税務コンプライアンスの向上にも注力すべきです。

このような取り組みを通じて、企業が税務コンプライアンスの重要性をより深く理解し、自主的かつ積極的に適正申告を行う文化が醸成されることを期待しています。そして、それが企業の持続可能な成長と社会的信頼の獲得に寄与することでしょう。

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じた対応については、株式会社TOCオフィスコンサルティング／戸越裕介税理士事務所にお気軽にご相談くださいませ！
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