少額減価償却資産の特例の取扱い(法人税)

2025年10月6日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「少額減価償却資産の特例の取扱い(法人税)」をお伝えさせていただきます!
このテーマは、中小企業の経営者や経理担当者にとって非常に身近でありながら、実は誤解や思い込みが多い分野です。特に静岡や浜松の中小企業の皆さまからも「30万円未満なら全部経費にできるんですよね?」というご質問をよくいただきます。
しかし、税制改正を重ねる中で、対象法人や資産の範囲、さらには従業員数や所得金額に関する条件など、複雑な要件が加えられてきました。知らずに処理を誤れば、税務調査で否認され、多額の追徴課税を受けるリスクもあります。
本稿では、少額減価償却資産の特例(いわゆる「少額特例」)の基本から、実務上の落とし穴、そして静岡・浜松の地域企業が直面しやすい具体的なケースまで、順を追ってやさしく解説します。

【№2 結論】

まず結論から整理します。
① 30万円未満の資産でも全て経費になるわけではない
・中小企業者等であっても、対象外となる法人や資産があります。
・特に「貸付用資産」や「従業員数が多い法人」には制限があります。
② 判定基準は資本金や従業員数だけでなく「所得金額」にも依存する
・直前3期の平均所得金額が15億円を超える法人は対象外です。
・欠損金の繰戻還付や繰越控除の扱いも慎重に確認が必要です。
③ 従業員数の判定にはパートやアルバイトも含まれる
・「常時使用」という要件は雇用形態を問わず、事業所に常時勤務する者が対象となります。
④ 貸付用資産は原則として特例対象外
・ただし「事業実態」が伴う継続的な貸付であれば、例外的に対象となります。
⑤ 判定時期は「取得日」または「事業供用日」
資本金はその時点で判定します。従業員数は期末時点でも認められるなど、柔軟な取扱いがあります。
★重要
・誤解の多いポイントは「全ての30万円未満資産が損金算入できるわけではない」という点です。
・実際の判定には、資本金・従業員数・所得金額・資産の用途など、複数の条件が絡みます。
・この複雑さを理解せず「単純に30万円未満=経費」と処理すると、税務リスクを抱えることになります。
静岡や浜松で日々経営に奮闘される皆さまにとっても、この特例を正しく活用することで資金繰りを改善し、安心して事業拡大を進めることが可能となります。

【№3 やさしい解説】

少額減価償却資産の特例とは、中小企業などが30万円未満の資産を購入したとき、通常の減価償却をせずに、その年に一括して経費にできる制度です。
通常であれば、パソコンやエアコンなどは耐用年数に応じて数年に分けて経費計上します。しかし、この制度を使えば購入年度に全額を損金算入でき、資金繰りにゆとりが生まれます。
ただし、対象法人には条件があります。資本金1億円以下であること、従業員数が500人以下であることなどです。さらに、年間合計で300万円までという上限もあるため、無制限には使えません。
つまり「中小企業が手軽に導入できるIT機器や備品などに限り、税負担を軽くする仕組み」と考えると分かりやすいでしょう。

【№4 具体例】

① パソコンの購入(20万円)
・本来は耐用年数4年で減価償却。
・特例で購入年度に全額損金算入可能。
・IT投資が多い企業に有効。

② プリンタの購入(12万円)
・耐用年数5年で償却が原則。
・特例なら即時に損金算入。
・小規模事業者でも利用しやすい。

③ タブレット端末(28万円)
・営業用に購入した場合も対象。
・30万円未満なので全額損金算入可能。
・モバイル業務の普及に効果的。

④ エアコン設置(29万円)
・通常は耐用年数6年で償却。
・特例により即時償却でき、節税効果大。
・事務所開設時に活用されやすい。

⑤ 工具一式(20万円)
・製造業や建設業でよくあるケース。
・耐用年数は原則3〜5年。
・特例なら導入年度に損金化可能。

⑥ コピー機の購入(50万円)
・30万円以上なので特例対象外。
・通常通り耐用年数6年で減価償却。
・高額設備は特例に依らない点に注意。

⑦ 車載カーナビ(15万円)
・営業車に搭載する場合の資産。
・30万円未満なので全額損金算入可能。
・経費計上が簡単になり管理も容易。

⑧ 会議用モニター(27万円)
・社内会議やプレゼン用に購入。
・特例を使えば即時償却。
・会議室整備にも役立つ。

⑨ デスク・椅子セット(25万円)
・オフィス備品として利用。
・耐用年数8年が原則。
・特例で一括損金算入が可能。

⑩ 生産設備(100万円)
・取得価額が30万円以上。
・特例対象外で通常の減価償却。
・大型投資は別制度の検討が必要。

★ポイント
・「取得価額30万円未満」が条件。
・年間合計300万円まで利用可能。
・法人規模(資本金・従業員数など)の要件あり。

【№5 手順】

少額減価償却資産の特例を適用するためには、実務で次の流れを押さえることが大切です。静岡や浜松の中小企業でも実際に使う場面が多いため、整理しておきましょう。
① 対象資産の確認
・取得価額が30万円未満であるかを確認。
・1台・1個ごとの単価で判定。
・セット販売の場合は契約書・請求書の記載方法に注意。
② 対象法人の判定
・資本金1億円以下であるか。
・常時使用する従業員数が500人以下であるか。
・基準年度の平均所得が15億円以下であるか。
③ 除外資産の確認
・貸付用の資産でないか。
・節税目的だけの形式的な貸付でないか。
・継続的に事業資源を活用する事業に該当するか。
④ 会計処理の方法
・取得価額を一括して損金算入する仕訳を行う。
・勘定科目は「少額減価償却資産」や「消耗品費」で処理するケースが多い。
・購入日または供用開始日を基準に処理する。
⑤ 税務申告の確認
・別表16(減価償却関係)に記載。
・法人税申告書に正しく反映させる。
・添付資料や明細表を残しておくことが重要。
⑥ 証拠書類の保管
・請求書、領収書、契約書を保存。
・資産ごとの管理台帳を作成。
・税務調査時に説明できる体制を整えておく。
⑦ 継続適用の検討
・翌年度以降も適用できるか確認。
・投資計画に合わせて活用すると資金繰りに効果的。
★実務上のポイント
「単価の判定」と「請求書の書き方」で特例の可否が変わることがある。
会計と税務の処理がずれないよう、社内規程を作成しておくと安心。
静岡市や浜松市の企業でも、IT機器・店舗設備の導入で頻出するため、顧問税理士と必ず確認して進めることが望ましい。

【№6 FAQ】

① Q:少額減価償却資産の特例は、いくらまで使えるのですか?
A:1資産につき30万円未満が対象です。ただし、年間合計で300万円までという上限があります。
② Q:パソコンを5台まとめて購入しました。1台20万円ですが、合計すると100万円です。対象になりますか?
A:1台ごとに30万円未満であれば対象です。請求書に「1台20万円×5台」と明記されていればOKです。
③ Q:リース資産やレンタル用の備品は対象になりますか?
A:原則として貸付用資産は対象外です。ただし、自社事業として継続的に貸付業を行っている場合は認められることもあります。
④ Q:静岡市で飲食店を経営しています。29万円の調理機器は対象ですか?
A:はい、30万円未満なので対象です。ただし「複数機器を1式」とみなされると対象外になるので注意してください。
⑤ Q:浜松市の製造業ですが、工具をまとめて購入しました。どう処理すればいいですか?
A:1本ごとの単価が30万円未満であれば特例対象です。まとめ買いしても、1つずつ記載があれば問題ありません。
⑥ Q:ソフトウェアのライセンス料は対象ですか?
A:購入したライセンス(資産計上するもの)は対象です。ただしクラウド利用料のように経費扱いのものは対象外です。
⑦ Q:従業員数はどの時点で判定するのですか?
A:原則は取得日または供用開始日の従業員数です。ただし、実務負担を考慮し、期末の人数で判定することも認められています。
⑧ Q:赤字の年でも特例は使えますか?
A:はい、赤字でも使えます。ただし損金に算入しても繰越欠損金で調整されるため、節税効果は翌年度以降になります。
⑨ Q:将来税務調査で問題にならないようにするには?
A:契約書・請求書・領収書をきちんと保存し、資産ごとの明細を作成してください。証拠書類がそろっていれば安心です。
⑩ Q:資本金が1億円を超えた場合はどうなりますか?
A:資本金1億円超の法人は対象外です。取得日または供用開始日の時点で1億円を超えているかどうかで判定します。
⑪ Q:静岡や浜松で会社を新設したばかりですが、最初の決算から特例を使えますか?
A:はい、新設法人でも対象要件を満たしていれば使えます。創業初年度から節税メリットを得られる可能性があります。
⑫ Q:1年間で300万円を超えるとどうなりますか?
A:超えた分は通常の減価償却を行います。つまり、300万円までは一括損金、超過分は分割償却という扱いです。
⑬ Q:中古品でも対象になりますか?
A:はい、中古資産でも30万円未満であれば対象です。新品である必要はありません。
⑭ Q:自宅兼事務所で使う家具は対象ですか?
A:事業割合に応じて対象となります。例えば50%が事業利用なら、その部分が対象です。

【№7 まとめ】

少額減価償却資産の特例は、中小企業の資金繰りを助ける重要な制度です。静岡市や浜松市の企業の皆さまも日々の投資判断に直結するため、理解しておく価値があります。
★押さえておきたいポイントを整理すると次の通りです。
・適用対象は「取得価額30万円未満」の減価償却資産。
・年間合計300万円まで損金算入できる。
・資本金1億円以下・従業員500人以下・平均所得15億円以下など法人要件あり。
・貸付用資産は原則除外。ただし事業として継続的に行う貸付は対象になる場合もある。
・請求書や契約書の記載内容で「一体資産」とみなされるかどうかが分かれる。
・書類保存と資産管理台帳の作成が実務上とても重要。
・赤字法人でも利用可能。ただし効果は繰越欠損金との関係で翌年度以降に出ることもある。
・新設法人や静岡・浜松で創業した企業も対象要件を満たせば初年度から利用可能。
★注意点
・「まとめ買い」と「一体資産」の区別が税務調査で確認されやすい。
・資本金の増資・減資、従業員数の変動によって要件判定が変わる可能性がある。
・IT機器や店舗設備など、実務でよくある資産こそ特例を積極的に活用すべき。

この特例を正しく理解し、計画的に投資を行うことで、資金繰りの安定化や経営効率の向上につながります。静岡や浜松の中小企業にとっても、日々の会計処理を通じて成長を支える大きな武器になるでしょう。

【№8 出典】

・出典:『税務通信』第3858号(2025年7月7日)「タックスフントウ 第154回 少額減価償却資産の特例の取扱い」芝のダイモン軍団
・参考:国税庁タックスアンサー「No.5408 少額減価償却資産の特例」(参照日:2025-10-01)
・参考:国税庁タックスアンサー「No.2100 減価償却のあらまし」(参照日:2025-10-01)
・参考:e-Gov法令検索「租税特別措置法 第67条の5」(参照日:2025-10-01)
・参考:e-Gov法令検索「租税特別措置法施行令 第27条の4、第39条の28」(参照日:2025-10-01)
・参考:e-Gov法令検索「法人税法基本通達 7-1-11の3」(参照日:2025-10-01)

【№9 該当条文の説明】

以下は、少額減価償却資産の特例に関連する主要条文の要点整理です。
・措法67の5(少額減価償却資産の特例)
① 中小企業者等が取得価額30万円未満の減価償却資産を取得した場合、取得時に全額を損金算入できる。
② 年間300万円までの限度額が設けられている。
③ 「中小企業者等」の定義には資本金1億円以下の法人等が含まれるが、一定の規模や所得金額を超える法人は除外される。
・措令27の4(適用対象法人の除外規定)
① 直前3事業年度の平均所得金額が15億円を超える法人は対象外。
② 従業員数が常時500人を超える法人も対象外。
③ 判定は原則として資産取得日等の状況で行うが、従業員数は期末時点での判定も認められる。
・措令39の28(貸付用資産の除外規定)
① リースや貸付用に供する資産は原則として特例の対象外。
② ただし、事業として継続的に経営資源を活用して貸付を行う場合には適用が認められる。
・法規27の17(損金算入の範囲)
① 減価償却資産の損金算入の基本原則を定める条文。
② 少額特例はこの原則の特例として、全額を一括で損金算入できる仕組み。
・措通67の5-1(通達:基準年度の所得計算)
① 欠損金がある場合は0円として計算。
② 繰戻還付を受けた欠損金は控除対象としない。
・措通67の5-1の2(通達:従業員数の判定)
① 正社員だけでなくパートやアルバイトも含めてカウントする。
② 役員は人数に含めない。
・法基通7-1-11の3(基準通達)
① 資産の貸付が「主要な事業」といえるかどうかの判断基準を示す。
② 継続性や経営資源の活用度合いにより、特例の適用可否が分かれる。

こうして条文ごとに要点を整理しておくことで、実務における誤解や判定ミスを防ぎやすくなります。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
※当事務所はDXを経営に活かすことを推進しており、当ブログはAIを活用して生成しています。実際の税制や政策、判例、事件、事象を元に作成していますが、正確な内容や最新の情報とは異なる場合がありますことをご了承くださいませ。
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