地域未来投資促進税制の上乗せ要件が変わった!
2025年11月2日
【№1】はじめに
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「地域未来投資促進税制の上乗せ要件が変わった!」というテーマをお伝えさせていただきます!
この制度は、地方の中小企業や地域資源を活かした事業を応援する税制で、
設備投資に対して「特別償却」や「税額控除」を受けられるものです。
今回の改正では、「上乗せ類型」に新たな要件が追加され、より規模の大きな設備投資や地域経済の成長に貢献する事業が対象となりました。
静岡・浜松のように、地域の強みを活かした製造業や観光業を展開する企業にとっても、
この税制をうまく活用できるかどうかが今後の成長の鍵になります。
【№2】結論
令和7年度の税制改正により、地域未来投資促進税制の「上乗せ類型」が見直されました。
主な改正ポイントは次の3つです。
① 新要件の追加
「創出される付加価値額が1億円以上」と見込まれること、
かつ「自治体が指定した分野に属し、設備投資額が10億円以上」であることが、
上乗せ類型の新たな条件となりました。
② 通常枠の引き下げ
通常の特別償却割合は40%から35%へと引き下げ。
税額控除割合は4%のまま据え置きです。
③ 上乗せ類型の税額控除率は最大6%
要件を満たす場合、特別償却50%または税額控除5〜6%を選択できます。
つまり、より地域経済の成長に資する大規模投資を行う企業に重点支援が移行したというのが今回の改正の狙いです。
中小企業にとっては「従来の適用基準(1億円未満)では難しくなる一方で、地域特化型の事業がより評価される仕組み」に変わりました。
【№3】やさしい解説
地域未来投資促進税制は、地方創生の一環として2017年度に導入されました。
都道府県が策定した「地域経済牽引事業計画」に基づき、国の確認を受けた企業が
設備投資を行うと税制優遇を受けられる仕組みです。
この制度の根本目的は、
「地域資源を活かした新たな成長産業を生み出し、地域の雇用と経済を活性化する」ことです。
★重要
新要件は、単なる設備投資ではなく、地域の発展に直結する「質の高い投資」を促す狙いがあります。
例えば、静岡市で「観光×デジタル」を組み合わせたインバウンド向けシステムの導入、
浜松市で「再エネ×ものづくり」による省エネ機械の導入など、
地域の特性を活かし、波及効果の高い投資が評価対象になります。
改正前は比較的小規模な企業でも適用可能でしたが、
今後は「10億円以上の設備投資+自治体指定業種+付加価値1億円以上」という高いハードルが設けられています。
一方で、これをクリアした場合は税制メリットが非常に大きく、
設備投資額の50%償却、または最大6%の税額控除が認められます。
また、税制適用を受けるには、次の2段階の承認が必要です。
① 都道府県知事の承認(地域経済牽引事業計画の承認)
② 主務大臣(経済産業省等)による課税特例の確認
この承認手続きにより、国・自治体双方からの「公的お墨付き」を得た投資として、
地域金融機関や補助金申請でも高評価を受けやすくなります。
【№4】具体例
① 観光業:静岡市で「温泉×AI観光案内」システムを導入し、地域全体の来訪者増を狙う設備投資。
② 製造業:浜松市で10億円規模の新工場ラインを導入。地域内取引先も巻き込むサプライチェーン強化。
③ 農業:JA連携でスマート農機を導入し、農作業の効率化と地域雇用の拡大を図る。
④ 食品業:地元特産物を使った冷凍食品工場の新設。地域ブランドの輸出拡大に貢献。
⑤ 医療・介護:福祉施設にロボットアシスト機器を導入し、地域の介護人材不足を補う。
⑥ エネルギー:再エネ発電施設を建設し、地元自治体の脱炭素計画に貢献。
⑦ 物流:港湾地区に自動仕分けロボットを導入し、静岡港の物流効率を向上。
⑧ 教育・人材:地域専門学校に新設備を整備し、地元企業と連携した育成プログラムを構築。
⑨ スポーツ・文化:浜松アリーナで新照明・空調システムを導入。イベント誘致で地域収益を増加。
⑩ IT・通信:地元中小企業がクラウド基盤を整備し、地域全体のデジタル化を推進。
これらの事例に共通するのは、**単独の企業の利益だけでなく「地域全体に波及する効果」**があることです。
これがまさに「地域未来投資促進税制」の本質です。
【№5】手順
地域未来投資促進税制を活用するには、
「承認→確認→申告」という3つのステップを正確に踏むことが必要です。
ここでは、実務担当者が迷いやすい部分を整理して説明します。
①【ステップ1:事業計画の承認(都道府県知事)】
まず、企業は自社の設備投資を「地域経済牽引事業計画」に位置づける必要があります。
都道府県知事の承認を受けるため、次の内容をまとめた事業計画書を提出します。
投資の目的(例:地元特産品の付加価値向上)
設備投資額(10億円以上の場合は上乗せ類型を申請)
付加価値額の見込み(1億円以上であること)
地域経済への波及効果(雇用・取引先増加・観光客誘致など)
★注意
自治体が指定した「地域経済発展に資する分野」に該当していないと、
上乗せ類型は適用できません。
まずは自治体の最新リスト(日本標準産業分類に基づく3業種以内)を確認しましょう。
②【ステップ2:課税特例の確認(主務大臣)】
次に、承認を受けた計画に基づき、経済産業省や農林水産省などの主務官庁へ
「課税特例確認申請書」を提出します。
申請書では、次の書類が必要です。
承認済みの地域経済牽引事業計画
設備投資の見積書・契約書
投資実施のスケジュール表
財務諸表(直近2期分)
主務大臣の確認が下りて初めて、税務上の優遇措置が適用可能となります。
③【ステップ3:確定申告時の適用手続き】
法人税申告書において、次の明細を添付して申告します。
地域未来投資促進税制明細書
主務大臣の確認通知書の写し
承認済み計画書
このとき、税額控除を選択するか特別償却を選択するかを決定します。
税額控除を選ぶ場合は、法人税額の20%が上限であり、
超える分は翌期以降に繰越控除が可能です(最大1年)。
★重要
対象資産を「主務大臣の確認前に取得」した場合は対象外です。
契約締結時期に注意し、スケジュールを逆算して手続きを行いましょう。
【№6】FAQ(10問)
① Q. どんな企業が対象ですか?
A. 地域経済牽引事業計画の承認を受けた法人で、
地域の強みを活かした事業(例:観光、ものづくり、農業など)を行う企業です。
② Q. 設備投資が1億円未満でも適用できますか?
A. 通常枠であれば可能です。
ただし、上乗せ類型(税額控除5〜6%)は10億円以上の投資が条件です。
③ Q. 税額控除と特別償却はどちらを選ぶべき?
A. 利益が大きい年度は税額控除、利益が少ない年度は特別償却が有利です。
④ Q. 他の優遇税制(中小企業経営強化税制など)と併用できますか?
A. 同一資産については併用不可ですが、
異なる資産であれば両方を活用することができます。
⑤ Q. 自治体の指定業種はどうやって調べますか?
A. 都道府県や市町村の公式サイトに公表される「指定分野リスト」を確認します。
例:観光・農業・医療・スポーツなどから最大3分野まで指定されています。
⑥ Q. 承認にかかる期間は?
A. 都道府県知事の承認で約1〜2か月、主務大臣確認でさらに1か月程度が目安です。
⑦ Q. 設備投資の範囲には建物も含まれますか?
A. 原則として機械装置・器具備品が対象ですが、
地域経済への波及効果が認められれば建物付属設備も対象になり得ます。
⑧ Q. 浜松市内で再エネ発電設備を導入した場合は対象になりますか?
A. 省エネ・脱炭素分野は「地域発展に資する業種」として指定されやすく、
10億円以上の投資であれば上乗せ類型の対象となる可能性があります。
⑨ Q. 税額控除はどのくらいお得?
A. 投資額10億円×6%=6,000万円を法人税から控除できます。
控除しきれない場合は翌期に繰り越し可能です。
⑩ Q. 静岡県でIT関連設備を導入する場合の注意点は?
A. 「地域のデジタル化推進」をテーマとした事業であれば対象になりやすいですが、
単なる社内IT更新ではなく、地域産業に波及する仕組みが求められます。
【№7】まとめ
今回の令和7年度改正では、地域未来投資促進税制がより明確に「地域の成長産業」を支援する方向に進化しました。
上乗せ類型に「10億円以上の投資」+「1億円以上の付加価値」要件を追加
通常枠の特別償却率が35%に引き下げ
自治体の指定分野を明確化(地域性を重視)
つまり、「広く浅く」から「狭く深く」へ。
支援対象が絞られた分、認定された企業にとっての税制メリットは非常に大きくなります。
一方で、これまでよりも審査のハードルは高くなりました。
特に、10億円以上の設備投資という金額要件は、中小企業単独では難しい場合があります。
このため、今後は「複数社による連携投資」や「自治体・金融機関・商工会議所との協働」がポイントになります。
地域のサプライチェーンを巻き込んだ設備更新、共同工場や物流センターの建設など、
地域単位での投資計画立案がますます重要になります。
また、静岡・浜松の企業にとっては、観光・農業・再エネ・医療・製造のいずれも
「地域の特性を活かす事業」として指定されやすい分野です。
特に、静岡県は製造業が集積し、浜松地域は再生可能エネルギーや観光振興に注力しているため、
この税制を通じた地元経済への波及効果は大きいと考えられます。
加えて、地域未来投資促進法による承認を受けた事業は、補助金や金融支援との連携も可能です。
例えば、経産省の「ものづくり補助金」や地方自治体の「地域産業振興補助金」と併用することで、
実質的な自己負担を軽減しながら設備更新を進めることができます。
このように、地域未来投資促進税制は単なる節税手段ではなく、
中期的な経営戦略・地域連携・ブランディングの核となる制度です。
自社単独ではなく、地域の中でどう貢献できるかという視点で活用すれば、
企業価値と地域価値の両方を高める強力なツールとなります。
【№8】出典
出典:『税務通信』第3861号(2025年7月28日)「地域未来投資促進税制 上乗せ類型に新たな要件を追加」
参考:国税庁タックスアンサー「特別償却又は税額控除の適用を受けるための手続」
(参照日:2025-07-28)
参考:e-Gov法令検索「租税特別措置法 第42条の11の2」「地域未来投資促進法 第25条」
(参照日:2025-07-28)
参考:総務省・経済産業省告示(令和7年告示第1号)「地域経済牽引事業の促進に関する基本方針」
(参照日:2025-07-28)
【№9】該当条文の説明
地域未来投資促進税制は、以下の法律・政令・通達を根拠としています。
① 租税特別措置法 第42条の11の2(地域未来投資促進税制)
承認地域経済牽引事業を行う企業が設備投資を行う場合に、
特別償却または税額控除を受けられると定めています。
改正により、通常枠の特別償却率が35%、上乗せ類型は50%、
税額控除率は4〜6%に整理されました。
② 租税特別措置法施行令 第27条の11の2
上乗せ類型の具体的な要件を規定しています。
特に、設備投資額が10億円以上であること、
創出される付加価値額が1億円以上見込まれること、
および自治体指定分野に属することが明記されています。
③ 地域未来投資促進法 第25条
地域経済牽引事業計画の承認手続や、主務大臣による確認の根拠を定めています。
この条文に基づき、都道府県知事の承認を経て主務官庁の確認を受ける流れが確立しています。
④ 租税特別措置法通達(措通42の11の2−5)
資産取得価額の合計額の判定基準が改正され、
従来の「2,000万円以上」から「1億円以上」に引き上げられました。
これらの条文群により、令和7年度改正では「地域性・規模・波及効果」を重視する方向性が明確になりました。
単に設備を導入するだけでなく、「地域の成長戦略に資する」ことが求められています。
【№10】おわりに
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、
静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人に
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