補助金をもらったときの会計処理と税務の正しい考え方
2025年11月3日
【№1】はじめに
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「補助金をもらったときの会計処理と税務の正しい考え方」についてお伝えさせていただきます!中小企業にとって、国や自治体の補助金・助成金は“第二の資金調達手段”とも言えるほど重要になっています。
設備投資、人材育成、業務DX、事業承継など、補助金を上手に活用すれば、金融機関からの借入を減らし、経営の安定化を図ることができます。
しかし「補助金をもらったら終わり」ではなく、「もらった後にどう処理するか」が非常に大切です。
補助金を誤って費用や売上と混同して処理すると、税務上の指摘や返還リスクにつながることもあります。
本日は、補助金を受け取ったときの会計処理と税務上の正しい取り扱い方を、静岡・浜松の中小企業の実例も交えながら、やさしく解説いたします。
経理初心者の方や新入社員の方でも理解できるよう、会計と税務の両面から整理していきましょう!
【№2】結論
★重要
補助金は「もらった瞬間に利益ではない」ケースがあります。
会計処理と税務処理を混同してしまうと、思わぬ課税リスクが生じるため注意が必要です。
結論から言えば、補助金の会計処理は次の3つの視点で判断します。
① 補助金の性質(収益に関するのか、資産に関するのか)
② 条件を満たしたタイミング(確定時か、期間配分か)
③ 税務上の益金算入時期(交付決定日か、金額確定日か)
この3つの組み合わせを理解すれば、経理担当者は補助金処理を自信を持って行えるようになります。
静岡や浜松の中小企業でも、ものづくり補助金・事業再構築補助金・雇用調整助成金など、
日常的に補助金を受け取るケースが増えています。
しかし、「会計上の収益認識」と「税務上の益金算入」のズレを放置すると、
監査や税務調査で修正を求められることもあります。
【№3】やさしい解説
ここでは、補助金の基本構造を「性質」「処理のタイミング」「圧縮記帳」の3つに分けて説明します。
① 補助金の性質を見極める
補助金は大きく分けて2種類あります。
収益に関する補助金:雇用調整助成金、研究開発助成金など。
→ 売上や費用に関連するもので、収益として計上します。
資産に関する補助金:設備投資や建物取得に対する補助金。
→ 資産取得の支援を目的とするもので、「圧縮記帳」の対象になります。
例えば、静岡市内の製造業が「ものづくり補助金」を利用して新しい生産設備を導入した場合、
補助金部分は資産の取得価額から控除して会計処理するのが一般的です。
② 収益認識のタイミング
補助金の申請をしても、すぐには収益ではありません。
「補助金の支給が確実になり、金額を合理的に見積もれる時点」で収益計上します。
一般的な判断基準は次の通りです。
支給決定通知を受領したとき
条件がすべて満たされ支給が確定したとき
実績報告を完了し、行政から交付決定通知を受けたとき
③ 圧縮記帳の考え方
資産に関する補助金では、取得した固定資産の価額を減額する「直接減額方式」または
同額の積立金を計上する「積立金方式」を採用します。
いずれの方法でも、課税の繰延効果を得ることが可能です。
例:補助金500万円を受け、設備2,000万円を取得した場合
会計上:補助金収入500万円、圧縮損500万円
税務上:益金算入と圧縮損の損金算入で相殺効果
★注意
補助金を受けた年度と設備導入の年度が異なる場合、圧縮記帳の時期を誤ると
税務署から修正を求められることがあります。
補助金交付決定通知書と支出証憑をセットで管理しておくことが大切です。
【№4】具体例(10事例)
ここでは、静岡・浜松などの中小企業が実際に遭遇する「補助金の処理場面」を例に、
どのように会計・税務処理を行えば良いかを整理します。
① ものづくり補助金で設備投資を行った場合
静岡市の製造業A社が2,000万円の設備を導入し、500万円の補助金を受領。
→ 圧縮記帳を行い、取得価額から500万円を減額。
★注意:補助金交付決定が3月、入金が4月でも、決定通知日の属する年度で益金算入が原則。
② 事業再構築補助金を活用して新店舗を開設した場合
浜松市の飲食業B社が新業態展開に1,000万円投資し、600万円の補助金を受給。
→ 資産に関する補助金として圧縮記帳対象。補助対象経費と非対象経費を区分し記帳。
③ 雇用調整助成金を受けた場合
新型感染症の影響により休業を行った静岡県の観光業C社。
→ 収益に関する補助金として営業外収益に計上。人件費と相殺しない。
④ IT導入補助金を使って会計ソフトを導入した場合
浜松市の小売業D社がクラウド会計を導入し、補助率1/2で80万円支給。
→ ソフトウェアは無形固定資産。補助金は取得価額圧縮または積立金方式で処理。
⑤ キャリアアップ助成金を受給した場合
静岡市のサービス業E社が契約社員を正社員登用し、助成金60万円を受給。
→ 収益に関する補助金。支給決定通知受領時に営業外収益として計上。
⑥ 研究開発助成金を受けた場合
浜松市の製造業F社がAI技術開発に対し研究助成金300万円を受領。
→ 成果が未確定でも、条件充足・受領確実時点で収益認識可能。
⑦ 自治体の感染症対策支援金を受けた場合
静岡市が実施した感染防止設備設置支援。補助金100万円を受領。
→ 資産に関する補助金。設備費に含め圧縮記帳。
⑧ 商工会議所の販路開拓補助金を受けた場合
地域の展示会出展費用を一部補助。
→ 経費補助であるため収益に関する補助金。営業外収益計上が妥当。
⑨ 事業承継・引継ぎ補助金を利用した場合
浜松市のM&A支援を受けた中小企業が専門家報酬分を補助金で負担。
→ 経費補助として収益に関する補助金。営業外収益に計上。
⑩ 災害復旧に係る国庫補助金を受けた場合
静岡県の工場が豪雨で被災し、復旧費用の3割を補助金で受給。
→ 資産に関する補助金。復旧資産の取得価額から減額。
★重要
補助金は「何を目的に支給されたか」で処理が変わります。
契約書や交付決定通知の内容を確認し、「費用補填型か、資産形成型か」を判断することが大切です。
【№5】手順
補助金を会計・税務上で正しく処理するための手順を整理します。
① 交付決定前に事業計画を作成
補助金の対象経費・期間・成果を明確化。
対象外経費を含めると後に返還リスクあり。
② 採択・交付決定通知を受ける
交付決定日の属する事業年度で益金算入するのが原則。
補助率や補助上限額を記録。
③ 実績報告書・支出証憑を整理
経費の支払い証拠を保存(請求書・領収書・振込明細)。
補助対象分を明示できるよう科目・メモ管理を徹底。
④ 入金時の仕訳を行う
例:補助金500万円入金
現金預金 500 / 国庫補助金受贈益 500
⑤ 資産取得時の仕訳を行う
例:設備2,000万円購入
固定資産 2,000 / 現金預金 2,000
⑥ 圧縮記帳の処理
直接減額方式
固定資産圧縮損 500 / 固定資産 500
積立金方式
繰越利益剰余金 500 / 圧縮積立金 500
⑦ 決算書への表示
補助金は営業外収益または特別利益として表示。
相殺処理は原則不可。必要な場合は注記。
⑧ 税務調整を行う
別表四・別表五に圧縮損計上。
交付決定と入金が期をまたぐ場合は益金・損金の調整が必要。
⑨ 税務署提出・申告
圧縮記帳を行った場合、申告書に明示。
関連帳票(交付決定通知・証憑類)を5年間保存。
⑩ 補助金返還が生じた場合の処理
現金返還額を損金計上。
補助金返還損として特別損失処理。
【№6】FAQ(よくある質問10問)
① 補助金がまだ入金されていない場合、収益計上は必要ですか?
→ 支給決定が確定していれば、入金前でも益金算入が必要です。
② 補助金の入金が翌期にずれた場合、どの期で処理すべき?
→ 交付決定通知の属する期。
③ 圧縮記帳は必ず行わなければなりませんか?
→ 任意ですが、課税繰延のため多くの企業が採用しています。
④ 補助金の対象経費を間違えて計上した場合は?
→ 後日返還が必要になります。返還額は特別損失で処理。
⑤ 資産補助金の償却はどの金額を基準に行いますか?
→ 圧縮後の取得価額。
⑥ 助成金はすべて「収益」に含めていいですか?
→ 原則OKですが、経費相殺は不可です。
⑦ 返還義務付き補助金はどう扱う?
→ 返還義務が消滅するまで収益認識を行わない。
⑧ 雇用調整助成金は人件費マイナスにできますか?
→ 不可。営業外収益として計上します。
⑨ 補助金が複数年度にわたる場合はどうする?
→ 付帯条件を満たすごとに分割して収益計上します。
⑩ 静岡・浜松の中小企業で補助金活用を検討中。どこに相談すべき?
→ 商工会議所、中小企業支援センター、または当法人(最高のIT税理士法人)へ。
【№7】まとめ
補助金を受け取ったときに大切なのは、「性質の見極め」と「適正な処理時期」です。
静岡や浜松の中小企業においても、国・県・市区町村の支援制度を活用する機会は年々増えています。
しかし、補助金を「単なる臨時収入」として処理してしまうと、税務リスクが生じる場合があります。
整理すると、補助金処理の3つのポイントは次の通りです。
① 会計上の分類を明確にすること
収益に関する補助金か、資産に関する補助金かを区別する。
費用補填型なら営業外収益、資産取得型なら圧縮記帳を検討する。
② 収益認識のタイミングを正しく把握すること
交付決定日か、金額確定日か、条件成就日かを確認。
決算月をまたぐ場合、益金算入時期のずれに注意。
③ 税務調整と証憑管理を徹底すること
圧縮記帳を行う場合は、別表四・別表五の記載を忘れずに。
補助金交付決定通知・実績報告・入金記録を5年間保存する。
★重要
補助金は「もらって終わり」ではなく、「受け取った後の処理」が信頼を生みます。
税務署や金融機関に提出する決算書の信頼性を高めるうえでも、
補助金の会計・税務処理を正確に行うことが経営リスクの回避につながります。
静岡市や浜松市の企業であれば、地域金融機関・商工会議所・支援センターと連携し、
補助金活用の初期段階から税理士と相談しておくことが最善策です。
私たち最高のIT税理士法人も、これまで数百件の補助金・助成金案件に関わり、
経営者の皆様と共に「もらって終わりではない正しい補助金運用」を支援してきました。
【№8】出典
出典:『税務通信』第3861号(2025年7月28日)「新人経理マン・金児浩平の注釈書 第98回 補助金もらったら…」
著者:公認会計士・税理士 帖佐 誠/公認会計士 川口 宏之/公認会計士 民谷 豊
参考:国税庁タックスアンサー「No.1500 国庫補助金等を受け取ったとき」(参照日:2025-07-28)
参考:e-Gov法令検索「法人税法 第22条・第42条」「法人税法施行令 第7条」(参照日:2025-07-28)
【№9】該当条文の説明
① 法人税法 第22条(内国法人の各事業年度の所得の金額)
補助金は、法人が事業活動から得た収益の一部として「益金の額」に算入されます。
ただし、国庫補助金のように課税を繰り延べる趣旨の特例(圧縮記帳)が適用される場合は、
一時的に益金算入を調整できます。
② 法人税法 第42条(国庫補助金等に係る圧縮記帳)
この条文は、資産の取得に充てられた国庫補助金等について、
取得価額から補助金相当額を控除できる旨を定めています。
これにより、補助金部分の課税を将来に繰り延べることが可能となります。
③ 法人税法施行令 第7条(圧縮記帳の具体的手続)
圧縮損の算定方法、積立金の計上手続、別表調整などを詳細に規定。
補助金が複数資産に充当される場合の配分方法も示されています。
④ 法人税基本通達 9-1-7(補助金の益金算入時期)
補助金の交付決定日を原則とし、金額未確定の場合は確定時を基準とします。
これにより、企業は「補助金確定時に収益計上」という実務処理を安定的に行えます。
⑤ 実務上の解釈
補助金の交付決定日が3月、入金が4月の場合、
益金算入は3月期、入金処理は翌期となるのが一般的です。
ただし、返還義務が残る場合は、返還リスクが消滅する時点で益金認識します。
【№10】おわりに
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、
静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
※当事務所はDXを経営に活かすことを推進しており、当ブログはAIを活用して生成しています。
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