経産省 スピンオフ活用の手引き改訂(令和7年度改正対応)
2025年11月15日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「経産省 スピンオフ活用の手引き改訂(令和7年度改正対応)」をお伝えさせていただきます!
【№2 結論】
令和7年度税制改正では、グループ通算制度を適用している法人が「スピンオフ(Spin-off)」を行う場合の税務計算が見直されました。
経済産業省はこの改正を受け、「スピンオフの活用に関する手引き(制度編)」を改訂し、
これまで曖昧であった「分配資産割合」「投資簿価修正」「純資産移転割合」の計算方法を、設問形式のQ&Aで明確化しました。
これにより、通算親法人が通算子法人をスピンオフさせる場合、
従来のようにスピンオフ直前の資産・負債を確定させる手間を省き、
「前事業年度終了時の帳簿価額」を基準に計算できるようになりました。
★重要
この変更は、通算制度を採用しているグループ企業の実務負担を大幅に軽減し、
スピンオフ後の税務処理の迅速化・正確化につながる改正です。
特に中堅企業グループが新事業を切り出して独立させる場面で、
手続きの透明性と会計の一貫性を確保するうえで大きな意義があります。
静岡・浜松地域にも製造業・医療・ITなど、複数法人を持つグループ企業が多く存在します。
こうした地域企業がグループ再編を行う際、本改正の内容を理解しておくことは、
税務リスクを防ぐうえで欠かせないポイントです。
【№3 やさしい解説】
スピンオフとは、企業が特定の事業や子会社を切り離して、独立した会社として再スタートさせる方法です。
英語の “spin off” は「回転して離れる」という意味があり、グループ再編の中でも柔軟な形態として近年注目されています。
税務上、スピンオフには主に2つの方法があります。
① 株式分配型スピンオフ
親会社が保有する子会社株式を自社株主に配当の形で分配する。
株主は新会社(子会社)の株式を受け取り、既存の親会社株主であり続けます。
② 分割型分割(事業スピンオフ)
会社の一部の事業部門を新会社に分割し、既存株主が新会社株を持つ形で再編する方法です。
いずれも、一定の条件を満たせば「適格スピンオフ」となり、
課税が繰り延べられる(譲渡損益を認識しない)特例を受けることができます。
この特例は、事業再編やグループ再構築をスムーズに進めるための重要な制度です。
【スピンオフとグループ通算制度の関係】
令和7年度改正のポイントは、スピンオフを行う法人がグループ通算制度を適用している場合の扱いです。
グループ通算制度とは、令和4年4月から導入された「連結納税制度の後継制度」で、
親会社と100%子会社を1つのグループとして損益を通算できる仕組みです。
この通算制度の下でスピンオフを行うと、スピンオフによって子会社がグループから離脱することになります。
この際、離脱する子会社(通算子法人)の「投資簿価」を修正する必要があります。
投資簿価とは、親会社が保有している子会社株式の帳簿価額のことです。
スピンオフで子会社がグループから外れると、その簿価を「離脱直前の純資産価額」に合わせて修正し、
二重課税や二重控除を防ぐのが目的です。
【投資簿価修正と分配資産割合】
改正前までは、この「投資簿価修正」を行う際、スピンオフ実行直前の資産・負債をすべて確定させる必要がありました。
しかし、実際には決算や監査に時間を要するため、スピンオフ直後に正確な金額を把握するのは困難でした。
このため、株主が受け取った株式の「取得価額」や、通算親法人の「資本金等の減少額」の算定が遅れるという問題がありました。
★改正後(令和7年4月以降)は、以下のように簡素化されました。
計算基準を「前事業年度終了時の帳簿価額」に変更
これを投資簿価修正前の帳簿価額とみなし、分配資産割合を算出できる
純資産移転割合の計算にも同様のルールを適用
これにより、決算前に必要な会計処理や株主説明資料を早期に作成できるようになり、
企業グループ全体の事務コストが大幅に削減されます。
【経産省の「スピンオフの手引き」改訂のポイント】
経済産業省は、こうした改正内容をわかりやすく整理した「スピンオフ活用の手引き(制度編)」を令和7年8月に改訂しました。
改訂版では、設問形式のQ&Aが新設され、特に次の2問が新たに加えられています。
Q39:通算法人以外がスピンオフを行った場合の株式簿価の計算方法
Q40:通算法人がスピンオフを行った場合の分配資産割合および純資産移転割合の算定方法
このQ&Aでは、法人税法61の2・法人税法施行令23条・同附則6などの改正条文を踏まえ、
実際にスピンオフを行う際の計算過程を例示しています。
また、グループ通算制度適用法人とそうでない法人とで処理方法が異なる点も明確化されました。
【スピンオフの税務上の効果】
スピンオフが適格要件を満たすと、税務上の効果は次のとおりです。
親会社(現物分配法人):譲渡損益の課税が繰り延べ
株主:みなし配当課税の対象外
子会社(通算子法人):通算制度離脱時に投資簿価修正が行われる
この結果、グループ全体での二重課税を回避し、
事業再編後の新会社に適正な簿価を引き継ぐことができます。
★注意
税制適格要件を満たさない「非適格スピンオフ」の場合、
親会社に譲渡損益が発生し、株主にも課税が及ぶため、実務上の設計には慎重さが求められます。
【静岡・浜松地域の企業への影響】
静岡県内では、製造業・医療機器・IT関連などでグループ経営を行う企業が多く、
親子法人間のスピンオフを通じて新規事業を立ち上げるケースも増えています。
たとえば「製造子会社を独立化させて投資を受けやすくする」など、
資本政策上の柔軟性を高めるためにスピンオフが利用されます。
改正後は、こうした地域グループ企業でも、通算制度の下でスピンオフを行いやすくなります。
特に、静岡・浜松の地場メーカーが新会社を設立して外部出資を受ける場合、
この改正で「実行時点での資産評価作業」が簡略化され、
スピード感のある経営判断が可能になります。
【№4 具体例】
ここでは、スピンオフを行う法人の具体的なケースを10件以上取り上げ、改正後の実務イメージをわかりやすく説明します。
① 製造業グループ(静岡市)
親会社A社(通算親法人)が子会社B社をスピンオフし、B社株式を株主に分配。
改正後は、前期末のB社の純資産額(10億円)を基に分配資産割合を算出。
資産・負債確定作業が不要になり、実行スピードが約1か月短縮。
② 医療機器メーカー(浜松市)
通算グループ内の研究部門を分割型分割で新会社C社へ。
純資産移転割合を前期末の帳簿価額で算定。
通算離脱後の投資簿価修正も円滑に完了。
③ ITベンチャーグループ(東京・静岡両拠点)
アプリ開発子会社をスピンオフし外部投資を受け入れ。
分配資産割合算定に当たり、スピンオフ直前データではなく前期帳簿を使用。
出資者説明資料作成の迅速化に成功。
④ 建設関連グループ(静岡県西部)
親会社の建材事業部門を新設法人に分割。
純資産移転割合の算定により、株主への取得価額配分を明確化。
⑤ 医療法人グループ(非営利型)
通算制度非適用だが、Q39の通り一般法人のスピンオフ計算を適用。
帳簿価額の整理で資本異動の透明性が向上。
⑥ 食品製造業(浜松)
親会社が生産子会社をスピンオフし、海外展開を目指す。
通算制度下で分配資産割合を適用、株式取得価額を正確に把握。
⑦ サービス業(静岡市中心部)
事業承継対策として、後継者が経営する分社化をスピンオフで実行。
投資簿価修正を早期に行い、みなし配当課税を回避。
⑧ IT企業(首都圏と静岡連携)
開発チームを独立させるスピンオフを通じて上場準備。
分配資産割合により新株式の簿価を早期算出。
⑨ 小売業グループ(浜松・磐田)
店舗管理子会社を分離独立。
通算親法人の投資簿価修正を完了後、グループ全体の損益通算に影響を与えず処理。
⑩ 製薬関連グループ(静岡東部)
分割型分割により研究開発部門を新設法人へ移転。
純資産移転割合の計算により、新会社株式の取得原価を合理的に算定。
これらの事例に共通するのは、「改正により帳簿確定の時期を前倒しできた」という点です。
特に中堅企業では、監査対応や経営判断のタイミングを合わせやすくなり、
再編戦略の実行力が高まりました。
【№5 手順】
実際にスピンオフを行う際の基本的な手順を、通算制度適用法人を想定して説明します。
① スピンオフ計画の立案
事業部門または子会社を対象とし、株式分配か分割型分割かを決定。
② 通算グループ内での投資簿価修正計画書の作成
通算親法人が、離脱予定子法人の前事業年度末帳簿価額を基に修正額を算出。
③ 分配資産割合・純資産移転割合の算定
新制度に基づき、前期末データを用いて計算。
算式例:
分配資産割合 = 通算子法人の修正後帳簿価額 ÷ 通算親法人の総資産価額
④ スピンオフ実行・株主への株式分配
法人税法61の2第4項に基づき、適格スピンオフ要件を確認。
税務上は譲渡損益を繰り延べ、株主はみなし配当課税を受けない。
⑤ 通算離脱時の税務届出
スピンオフ実施後、通算グループ離脱届出書を提出。
離脱後の初年度申告では、投資簿価修正後の残高を引き継ぐ。
⑥ 株主への報告書作成
株式取得価額計算書を添付し、税務署への説明責任を果たす。
⑦ 経産省Q&Aおよび手引きの参照
「スピンオフ活用の手引き」Q39・Q40を確認。
必要に応じて顧問税理士や監査法人と協議。
⑧ 決算・申告処理
通算グループの損益通算調整を行い、譲渡損益を適正反映。
⑨ 住民税・地方法人税の連動確認
スピンオフに伴う資本金等変更は地方税計算にも影響するため要注意。
⑩ 税務調査対応の準備
スピンオフ実施後の初年度に確認を受けやすいため、
手引き・計算根拠・届出控えを整理しておく。
【№6 FAQ】
Q1. スピンオフとは何ですか?
A. 企業が自社の一部事業や子会社を分離して独立させる再編手法です。株式分配型と分割型分割の2種類があります。
Q2. 適格スピンオフと非適格スピンオフの違いは?
A. 税制適格要件(支配関係の継続・事業継続性など)を満たすと、課税が繰り延べられます。満たさない場合は譲渡益が発生します。
Q3. 改正の主なポイントは?
A. 通算子法人の分配資産割合や純資産移転割合を「前事業年度末の帳簿価額」で計算できる点です。
Q4. 静岡・浜松地域の中小企業にも関係ありますか?
A. あります。特に複数法人で運営している製造・IT・建設業では再編時に影響します。
Q5. 通算制度を採用していない場合も同じですか?
A. 非通算法人も対象ですが、Q39で定める一般法人用の計算方法が適用されます。
Q6. 分配資産割合と純資産移転割合はどう違いますか?
A. 前者は株式分配型で、後者は分割型分割に用いられる計算概念です。
Q7. 投資簿価修正とは?
A. 通算親法人が保有する子会社株式の帳簿価額を、離脱直前の純資産価額に合わせる会計調整です。
Q8. スピンオフ直後に株式を売却する場合の注意点は?
A. 修正後の簿価を基に譲渡損益を計算する必要があります。旧簿価を用いると誤算になります。
Q9. 静岡市や浜松市の税務署に届出が必要ですか?
A. 必要です。通算離脱届出書は所轄税務署へ提出します。地方法人税も忘れず確認してください。
Q10. 経産省手引きはどこで確認できますか?
A. 経済産業省の公式サイト「スピンオフ活用の手引き(制度編)」で最新版が公表されています。
【№7 まとめ】
今回の令和7年度改正により、スピンオフの計算方法がよりシンプルかつ迅速に行えるようになりました。
これまで課題だった「スピンオフ直前の資産確定の遅れ」が解消され、
通算制度を採用する企業にとって実務上の柔軟性が格段に向上しています。
特に静岡・浜松のように製造業・医療機器・IT分野で事業再編が活発な地域では、
この改正は経営戦略上の選択肢を広げるものです。
スピンオフは、経営の独立性強化・投資呼び込み・事業承継のいずれにも活用できる制度です。
★重要
スピンオフは税制・会社法・通算制度の交錯点にあるため、
実行前に専門家(税理士・弁護士・公認会計士)と連携することが不可欠です。
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3863号(2025年8月18日)「経産省 スピンオフ活用の手引き改訂」
参考:国税庁タックスアンサー「No.5501 組織再編成における課税の特例」(参照日:2025-10-22)
参考:e-Gov法令検索「法人税法第61条の2」「法人税法施行令第23条」「改正附則第6項」(参照日:2025-10-22)
【№9 該当条文の説明】
法人税法第61条の2(組織再編成における譲渡損益の繰延べ)では、
一定の適格要件を満たすスピンオフに関して、譲渡損益を計上せず繰延べることを定めています。
施行令第23条では、取得価額の計算および分配資産割合・純資産移転割合の算定基準を明確化。
令和7年度改正では「前事業年度終了時帳簿価額を基礎に算定する」規定が追加されました。
この変更により、スピンオフ実行時の税務判断が迅速化し、企業の再編戦略に柔軟性をもたらします。
特に通算制度適用法人においては、投資簿価修正との整合性が高まり、
グループ全体での損益通算の公正性が確保されます。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、
静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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