研究開発税制の拡充要望
2025年11月19日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です。
私たちは「関わるすべての人を幸せにする」という理念のもと、「最先端のIT技術を活用して中小企業の生産性を高める税理士法人」を目標に活動している。
今回は、経済産業省が令和8年度税制改正で重点項目として掲げた「研究開発税制の拡充要望」を整理する。
研究開発税制は、企業が支出した試験研究費の一定割合を法人税から差し引ける制度である。
従来の「一般型」と「オープンイノベーション型(OI型)」の二本柱を基礎とし、今回はこれに加えて「戦略技術領域型(仮称)」の創設が要望された。
さらに、中堅企業へのインセンティブ強化、手続合理化、控除率の延長など、実務寄りの改善が並ぶ。
静岡・浜松の製造業やIT関連企業にとって、この動きは無視できない。
地元大学との共同研究や新技術開発を後押しする内容が多く、地域経済に直結するテーマである。
【№2 結論】
経産省の要望を整理すると、主な方向性は次の五点に集約できる。
1. 戦略技術領域型(仮称)の創設。重点分野への別枠上限や高率控除を検討。
2. OI型の拡張。特定大学等の戦略研究拠点との共同・委託研究を対象に加える。
3. 一般型の控除率上乗せ措置を3年間延長(令和11年3月31日まで)。
4. 研究費の範囲明確化と手続合理化による実務負担の軽減。
5. 税額控除の繰越制度導入の検討。赤字期でも控除を無駄にしない仕組みへ。
これらは、研究投資を止めないための「中期的な制度安定化」を意図したものだ。
特に、静岡・浜松地域の中堅企業にとって、大学との共同開発や試作ライン構築がしやすくなる可能性が高い。
【№3 やさしい解説】
研究開発税制の骨格は、租税特別措置法に基づく税額控除である。
企業が研究開発に使った費用の一部を、支払う法人税から引ける仕組みだ。
一般型は単独研究を対象とし、OI型は大学・公的機関との共同研究を後押しする。
今回の要望は、国際競争下での「戦略技術投資」を支えるための再設計といえる。
科学と産業の融合が進み、AI・半導体・次世代電池など国家戦略分野への集中投資が必要になっている。
そのため、重点分野を限定的に支援する新型制度(戦略技術領域型)が求められた。
また、OI型の範囲を「特定大学等の戦略研究拠点」に拡張することで、大学の大型研究施設やセンターを使った共同実験がより明確に税制対象となる見込みだ。
現行制度で線引きがあいまいだった「対象経費」や「契約の形式」も整理が進むとみられる。
さらに、控除率の延長と繰越制度が導入されれば、赤字期でも研究費が無駄にならない。
これにより、長期的なR&D投資が可能となる。
【№4 具体例】
静岡・浜松の産業を前提とした実務例を示す。
それぞれのケースで税制の活用ポイントが異なる。
1 静岡市の自動車部品メーカー
EV向け新素材を開発中。戦略技術領域型で重点支援対象となる可能性。
2 浜松市の医療機器企業
大学附属研究センターと連携。OI型の拡張が有効。
3 静岡県中部の食品機械メーカー
工程自動化の研究を継続。一般型の延長で計画を維持できる。
4 浜松市の画像処理ベンチャー
大学のAI研究拠点と共同研究。対象費用明確化により処理が容易。
5 静岡市の電機メーカー
海外子会社での研究を国内大学と結合。OI型改正後は扱いやすくなる。
6 浜松市の医療AIスタートアップ
高度研究人材の短期登用を想定。費用拡充が追い風。
7 静岡市の環境装置企業
脱炭素技術をテーマに設定。戦略領域認定で控除率が上がる見込み。
8 浜松市の音響メーカー
大学連携の音波解析プロジェクトを展開。報告手続が合理化されれば経理負担が減る。
9 静岡市のロボットメーカー
中堅企業として人材育成費と研究費を同時計上。インセンティブ強化が適用されやすい。
10 浜松市のソフトウェア開発会社
PoC段階の試験研究費を整理。対象範囲が広がることで控除計算が容易になる。
【№5 手順】
ここからは、静岡・浜松の中小企業が「令和8年度の経産省要望を前提に、今できる準備」を段階で示します。まだ要望段階ですが、研究開発税制は準備が早いほど有利です。社内の経理・開発・税理士さんで共有できるよう、短い手順にします。
1 研究テーマの棚卸し
現在進めている試験研究を全部書き出します。
製品改良、設備の高機能化、ソフトウェア連携、脱炭素対応も含めます。
戦略技術寄り(AI、半導体、先端材料、エネルギー、医療機器など)かを横にメモしておきます。
静岡・浜松の企業なら、輸送機器周辺、医療・福祉機器、食品加工機械など、地域産業に近いテーマを優先的に書き出すとよいです。
2 共同・委託研究の候補洗い出し
今回の要望は「特定大学等の戦略研究拠点」との共同・委託研究を税制で後押ししたい、というものです。
取引のある大学、公設試験場、国研、地元工業高専など、つながりのある研究先を一覧にします。
連携の見込みがあるところには「将来の税制で優遇がありそうなので、共同研究枠を持ちたい」と先行して伝えておくとスムーズです。
3 試験研究費の経理区分をはっきりさせる
経産省の要望には「対象費用の明確化」「手続の合理化」が入っています。これは裏を返すと、今のうちに科目区分を整理しておけば、制度が広がったときにすぐ対応できるということです。
人件費、材料費、外注研究費、大学・国研への委託費、ライセンス費などを分けておきます。
クラウド利用料やPoC(実証実験)費用をどの科目に入れているかも確認しておきます。
4 将来の税額控除の繰越を想定しておく
今回の要望には「税額控除の繰越制度の導入」が含まれています。実現すれば、赤字や利益薄の年度でも控除をダメにせずに済みます。
したがって、中期の収益見通しと開発投資のタイミングを、税理士と一度合わせておくとよいです。
特に設備投資と研究開発を同じ年にやる会社は、繰越があると楽になります。
5 顧問税理士・会計事務所とサンプル様式を共有
経産省が「手続きの合理化」を挙げたということは、今後、証憑の定義や書きぶりが平準化される可能性があります。
今のうちに「研究開発案件リスト」「委託・共同研究契約の控え」「支払証憑」の3点をフォーマット化し、顧問税理士に見てもらってください。
静岡・浜松の顧問税理士と連携しておけば、正式な改正が出たときにすぐ記事や社内説明を回せます。
6 大学・研究拠点側のスケジュールを聞いておく
税制が広がってから連携先を探すと、年度予算が埋まっていることがあります。
先に「来年度こういうテーマで一緒にやれませんか」と声をかけておくと、OI型の拡張が通ったときにすぐ契約が切れます。
7 会社の「戦略技術との関係」を一文で説明できるようにする
戦略技術領域型(仮称)が本当にできるなら、対象分野との関係を説明する場面が増えます。
「当社の○○はEV・半導体の高精度組立に不可欠な部品であり、国が重点化する戦略領域に該当する」といった短い説明を準備しておくと、金融機関・税理士・大学に話を通しやすくなります。
【№6 FAQ】
Q1 まだ「要望」の段階なのに準備する意味はありますか?
A あります。研究開発税制は年度の途中でルールが出ても、その年の研究費をきれいに区分できていないと恩恵を受けにくいからです。先に区分と書類を整えるだけでも後が楽です。
Q2 戦略技術領域型に該当するかどうかは誰が決めますか?
A 現時点では要望段階なので明示されていません。通常は政省令や告示で対象分野を示す形が多いです。正式な対象分野が出たら、その分野と自社テーマをひも付けてください。
Q3 静岡市内の中小企業でも大学との共同研究を税制に載せられますか?
A 今回の要望は、まさに中堅・中小と戦略研究拠点をつなぐ方向です。地元大学・国研・公設試験場との共同・委託研究の扱いを明確にすることが含まれています。実務的には載せやすくなる想定で動いてよいです。
Q4 浜松市でソフトウェア開発が中心の会社でも対象になりますか?
A 試験研究費の範囲にソフト・アルゴリズム・制御が入ることは従来からあります。今回の要望はむしろ「範囲の明確化」を求めているので、適切な定義が出れば扱いやすくなります。
Q5 研究費が少額でも使えますか?
A 少額でも、区分が明確で目的が研究開発であれば制度の恩恵を受けられる余地があります。控除上限を別枠にするという要望も出ていますので、今後は小さな開発でも取りこぼしが減る可能性があります。
Q6 税額控除の繰越が導入されなかったらどうなりますか?
A その場合は従来どおり「その年にどれだけ税額があるか」で控除の実効性が決まります。ですので、最終的な制度内容が出るまでは、複数パターンでシミュレーションしておくと安全です。
Q7 大学側の請求書に研究開発とわかる記載がなくても大丈夫ですか?
A 今回の要望に「対象費用の明確化」「手続きの合理化」が入っていることから、請求書や契約書で研究開発目的がわかることがより重要になると見ておいたほうがいいです。できるだけ研究名やプロジェクト名を入れてもらいましょう。
Q8 静岡・浜松で補助金と研究開発税制を両方使ってもいいですか?
A 原則として、補助金と税制は併用できるものも多いですが、補助対象分は税額控除の基礎から外すなどの調整が必要な場合があります。必ず顧問税理士に個別に確認してください。
Q9 中堅企業向けインセンティブ強化とありましたが、資本金の目安はありますか?
A 要望段階では具体的な資本金ラインは示されていません。実際の制度化の際に、中堅の定義(資本金・従業員数など)が出る想定です。自社がどの区分になりそうかは今のうちに把握しておきましょう。
Q10 研究部門がない会社でも使えますか?
A 開発を外注している製造業、現場改善で新技術を試す建設業、AIを組み込むソフト会社などでも、要件を満たせば対象になり得ます。重要なのは「試験研究費として説明できるか」「証拠があるか」です。
Q11 将来の税制が出たらどこで確認できますか?
A 国税庁のサイト、経産省の公表資料、e-Govの法令検索が基本です。静岡・浜松の事務所サイトでも整理記事を出せますので、社内でブックマークしておくとよいです。
【№7 まとめ】
令和8年度の経産省税制改正要望では、研究開発税制を「重点的・連携的・使いやすく」する方向が示された。
新たに「戦略技術領域型(仮称)」を別枠で創設し、高いインセンティブや上限の別枠化を求めている。
オープンイノベーション型には、特定大学等の戦略研究拠点との共同・委託研究を追加するよう要望しており、大学との連携を税制で後押しする姿勢が明確になった。
一般型の控除率上乗せ措置など既存の有利な特例は、令和11年3月31日までの延長が求められていて、複数年での開発計画を立てやすくなる。
対象費用の明確化・手続の合理化・税額控除の繰越制度の導入など、現場の「やりにくい」をつぶすメニューも入っている。
静岡・浜松の中小企業にとっては、製造・医療・機械・ソフト開発で大学や公的機関との連携を進める好機になる。
今のうちに研究テーマの棚卸し・費用区分の整備・連携先の開拓をしておくと、制度化したときにすぐ乗れる。
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3867号(2025年9月15日)「経産省 令和8年度税制改正要望で重点項目とした研究開発税制の概要」税務研究会
参考:国税庁タックスアンサー「試験研究費の税額控除制度(研究開発税制)」(参照日:2025-11-10)
参考:e-Gov法令検索「租税特別措置法 第42条の4の2(試験研究費の税額控除)」(参照日:2025-11-10)
【№9 該当条文の説明】
研究開発税制の法的な器は、基本的に租税特別措置法に置かれています。主な構造は次のとおりです。
1. 租特法における試験研究費の税額控除規定
企業が当期に支出した試験研究費の一定割合を、法人税額から控除できると定めています。控除率や上限は政省令・告示などで細かく決まります。今回の要望の「控除上限を別枠で措置」や「控除率のインセンティブを強化」は、この部分のパラメータを特定分野向けに調整するイメージです。
2. オープンイノベーション型の規定
大学や研究機関との共同・委託研究を税制で評価する枠組みです。今回の要望では、さらに「特定大学等の戦略研究拠点」を明示して加えるよう求めています。対象機関を特定することで、不明瞭だった経費が扱いやすくなります。
3. 手続き・対象費用の明確化
実務上は「この契約のどの部分が試験研究費なのか」をめぐって迷うことがあります。要望で明確化が示された以上、最終的な改正では、対象経費の例示や書類要件が整理されると考えられます。
4. 税額控除の繰越
現行では控除しきれない場合の取扱いが企業にとって重荷になることがあります。繰越制度が入れば、成長投資の谷と山をまたいで控除を活かせます。これは中堅企業向けインセンティブ強化とも整合的です。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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